方量もない
ゆく春や鉄骨にあるメッセージ
情念と時間に於いて蛇苺
動体視力確かめている浴衣
夏椿妻の匂いを消して来る
乗せられし馬の行く末蒲の花
三階はカレーの匂い夏布団
老猫や俯瞰の高き七変化
弾かれる弦の重たさ桜桃忌
夏の影からインドの歌響き
河童忌や万緑方量もない
永劫の迷子のための生麦酒
碧灯蛾空堀のある寺の橋
濡れ縁に三省氏あり七変化
肉声の放送さらり大蜥蜴
空気入れ思い切り踏む立葵
飛び魚の目の玉ぎょろりモンロー忌
黒潮のなほのざわめきパドル漕ぐ
ふだらくのあかりへあめりかしろひとり
内蔵をみること暫し夏料理
網の山積み上げられて敗戦忌
(C)Sunao Hashimoto 2005