方量もない           

 

ゆく春や鉄骨にあるメッセージ

情念と時間に於いて蛇苺

動体視力確かめている浴衣

夏椿妻の匂いを消して来る

乗せられし馬の行く末蒲の花

三階はカレーの匂い夏布団

老猫や俯瞰の高き七変化

弾かれる弦の重たさ桜桃忌

夏の影からインドの歌響き

河童忌や万緑方量もない

永劫の迷子のための生麦酒

碧灯蛾空堀のある寺の橋

濡れ縁に三省氏あり七変化

肉声の放送さらり大蜥蜴

空気入れ思い切り踏む立葵

飛び魚の目の玉ぎょろりモンロー忌

黒潮のなほのざわめきパドル漕ぐ

ふだらくのあかりへあめりかしろひとり

内蔵をみること暫し夏料理

網の山積み上げられて敗戦忌

               

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