〜2008秋の集中ツーリング〜鯖街道を行く
◎実りの秋の旧朽木村(9月23日)
 日曜の雨は去り、月曜は回復基調。そして、火曜秋分の日は朝から快晴となった。
 丹後から若狭へ。彼岸花が咲き乱れる。海が青くすぐにでもクルマから自転車を降ろして走り出したい気持ちにかられる。
アプローチは楽しい秋のドライブ
 小浜でラーメンを食べる。その名も「小浜ラーメン」。焼鯖寿司の焼鯖を含む魚介類からとったスープと太い縮れ麺が特徴。R27沿いにある大飯店には何度か寄ったが、小浜の総本店は初めて。海岸に面して店内は寿司屋そのもの。カウンター席の正面には魚介を陳列するガラスケースがある(何も入っていなかったが)。あっさりしているようで、結構こくがあった。
 その焼鯖スープの余韻に浸りながら、いざ鯖街道へ。上中からR303。秋の好日、熊川宿の道の駅は満車。滋賀県に入ってすぐR367へ右折し、旧朽木村。道の駅「朽木新本陣」へクルマを入れる。乗用車が多いが、自動二輪も目立つ。奈良ナンバーのクルマから折り畳み自転車を下ろした人が、私と入れ違うように颯爽と走り出した。
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【日時】2008年9月23日(火・祝)
【行程】[ ]はGPSレシーバーからの標高データ
 滋賀県高島市朽木「道の駅くつき新本陣」[173]13:16 -
 14:57小入谷越[507] - 15:00小入谷[437]15:11 -
 15:25古屋[413]15:31 - 15:46平良[360] - 16:04京都市川合[315] -
 16:19大津市梅ノ木[273] - 16:54「道の駅くつき新本陣」
【距離】54.8km
【速度】平均:10.2km/h 最高:34.7km/h
【タイム】3時間38分(実動時間:2時間58分)
【車種】MTB(TREKTREK6500)スリックタイヤ仕様
【天候】快晴(^o^)のち曇(-_-)
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道の駅「朽木新本陣」 水車の旧街道 麻生川
 道の駅のある辺りが朽木村の中心街。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ガソリンスタンド、JAなどが揃っている。来た道を少し引き返す。国道に沿って鯖街道の旧街道と思われる道があり、用水路と動いていない水車があった。
 すぐに両側は森林となり、県道23号線に左折。左に麻生川を見ながらさかのぼる。自民党総裁選出の翌日だけに川の名称がついつい心に残る。国道との分岐擦る辺りで、河の中に大きな岩がごろごろとしていた。しかし、すぐにその麻生川から分岐する北川沿いの県道783号線へ、
 徐々に標高を上げながら、ひたすら川に沿った森の中をいく。忘れた頃に小さな集落が現れる。茅葺き屋根にトタンをかぶせた建物が多い。柱や壁が赤く塗られている。古い農機具を置いて玄関を塞いである廃屋もある。道路脇にはお地蔵さん、その足下にホオズキも見られた。
 また、ある集落では、民家の敷地への入り口にいぬが座っていた。見事な木彫りの犬だ。
 集落がなくなり、田畑も途絶えたら、北川流域と針畑川流域を分ける峠へのひと登り。ところで、この県道783号線は、旧朽木村を周回できる適度なコースのためか、地元ではない雰囲気のクルマやオートバイがたまに通る。自転車(スポルティーフorクロスバイク)とも1台すれ違った。
 小入谷越と呼ばれる峠は百里ヶ岳の登山口にもなっていて、1台のクルマがとめてあった。いつしか空は曇天。
木彫りの犬 ほおずき 小入谷越
 峠を南に下れば、分岐点がある。こちらの向かう道は左だが、「カキツバタの湿地」などの案内につられて右に行ってみる。すぐにその湿地があった。案内板にはカキツバタのほか、オオニガナ(大苦菜)などの生息地と書かれ、実際に腰くらいの高さの草に枯れた花がついている。初夏に咲くカキツバタではないし、オオニガナには少し早いと思うので、いったい何の花だろうか。
 湿原の先にログハウスが建ち、その先に集落が見えているのでもう少し進んでみる。集落手前に円形の柵で囲まれた大きな栗の木が立ち、お婆さんが栗拾いをしていた。
 小入谷の集落は、農村体験の受け入れをしているような施設がいくつか見られる。集落奥の立派な茅葺き屋根の建物もそのうちの一つ。集落の最奥部から、道はダートとなっていた。そこで引き返すと、軽四輪車が2台、猛スピードで林道につっこんでいった。
 集落を抜け栗の木のところから振り返ると、山肌に道が見える。先ほどのダート道の延長線、若狭へ抜ける峠らしい。
カキツバタの湿地 小入谷 家族総出の稲刈り
 県道783号線に戻る。またすぐに分岐。今度は「ブナ原生林」という表示。こちらは丹波(京都府)へと抜ける、つまり芦生のブナ林へと続く道である。そちらには寄らない。
 分岐を過ぎてすぐ、日吉神社。灯籠に火が灯り、御詠歌と鐘の音が聞こえる。神社に前に数台のクルマが止めてあり、そのうちの一台の軽トラックの荷台には木彫りの子犬。先ほどの集落の犬を思い出す。
 後は針畑川の流れに沿って緩やかに下る。古屋の集落では、家族総出で稲刈りの最中。家の前の田んぼでお父さんがコンバインで稲を刈り、子どもたちが藁の束を運ぶ。お母さんは、縁側でおやつや飲み物の準備。いいねぇ。
 その先ではハイキング(あるいは農村体験活動)の団体さんが道ばたで休憩し、そのまた先に見えるトタンを被せたかやぶき屋根の家の前ではイスとテーブルを並べて午後のひとときを過ごす人。この茅葺きの家々は、別荘群にもなっているようだ。
 さらにいくと、小学校の分校。地図には「平良分校」とあるが、現地の校門の表札は「草の根農業小学校」。児童数は何人だろう。目の前を針畑川が流れる。
 山肌には送電線。若狭の原発から京阪神へ電気を送る道だろう。
草の根農業小学校 安曇川 自然農法試験田
 刈り入れ作業中のやや広めの田には、稲を天日干しする稲木が見られる。機械乾燥が多くなった今では、懐かしい風景である。そんな小川集落をすぎたら、府県境を越えて京都府京都市へ。川沿いにキャンプ場があり、若者たちが炭火で肉などを焼いている。さらにまた府県境を越えて滋賀県大津市へ。県道783号線は国道367号線へ突き当たる。その針畑川は安曇川へ合流。安曇川の河川敷には梅ノ木キャンプ場。料金は500円程度。
 休日の遅い午後、国道は都市部へ向かう南行きが混雑。センターラインの向こう側のお話。反時計回りの集会の目論見は大当たりだ。緩い下り貴重を、気持ちよくとばす。
 途中大きな崖崩れの箇所があり、災害復旧工事の通行止め。川向こうの迂回路がある。その迂回路の出入り口の信号では、対向車線が大渋滞。
 途中に「自然農法試験田」という表示板の立った田んぼがあった。まだ本格的な刈り入れはこれからのようで、ほとんど稲の株がかかっていない稲木が立っていた。普通縦木と横木は縄で縛って固定するのだが、この稲木の縦木には等間隔に穴が空けられ、そこに横木を通すようになっている。つまり横幅の広い梯子のような作りだ。
 徐々に周囲の家並みがにぎやかな感じになると、もう道の駅に到着。すっかりクルマが減って駐車場はがらんとしている。
 車に自転車を積み込んだら、少しだけ南側に走り先ほど自転車で通りがかりに見つけた店で葛餅を買う。店の名は「栃の実庵」。店内には、テーブルもあり、数組の客がその場で食べている。
 おみやげを買ったらさあ北上開始、帰路に就く。先ほどの道の駅の向かいのコンビニエンスストアに寄れば懐かしい今井美樹の曲「DRIVEに連れてって」が流れていた。クルマに戻って、CDを探す。あったあった今井美樹のアルバム「PRIDE」。もう11年も経つんだ。「DRIVEに連れてって」を聞きながら若狭の海にもどる。ああもう辺りは暗い。BGMにぴったりな往路で見た青い海を思い出す。
◎おにゅう峠(10月7日)
 先日の旧朽木村一周のツーリングが印象に残って、何度も地図を見返す。すると、その周辺の道が気になってくる。
 小入谷の集落の奥から若狭小浜へ抜ける林道の峠道が特に心に引っかかってきた。若狭側から近江に抜けてまた若狭に戻る周回コースとして芦生の地蔵峠を考えたが、車両乗り入れ禁止のようなので、峠を越えてまたも取ってくることにする。これなら半日で何とかなるだろう。
上根来 鯖街道とつかず離れずの林道 おにゅう峠
 というわけで、正午を過ぎてから丹後を出発。混雑する宮津・舞鶴を抜けて若狭へ。小浜で国道を右折して内陸へ入る。静かな田園風景を抜けて山へと分け入る。法面に大きく魚が描かれて、「鯖街道」の文字があちこちに見られる。
 鯖街道といえば、先日の朽木村の帰りに寄った道の駅のある「熊川宿」(福井県若狭町)との関わりが深いが、そのルートは一通りではない。本日は、熊川宿とは少しはずれたルートということになる。
 遠敷川を南にさかのぼり、下根来集落を過ぎる。中ノ畑、上根来は山間の小さな集落で、崩れかけた家も見られる。
 集落からしばらくはいったら、畜舎跡らしき建物が残っていた。県道はそこまで。その先は林道となり、ダートが始まる。
 もう日が傾きかけているので、クルマである程度登っておいた方がいい。標高400m付近、路肩に広いスペースを見つけてクルマをとめ、MTBを下ろして車輪を装着。今日はブロックタイヤのホイールを装着。
 天気は曇天。夕暮れは早そうだ。所々雨水で溝が掘れた道。急傾斜の所は部分的にコンクリート舗装が施されている。周囲の木々の中には色づき始めているものもあったり、路面にいが栗が落ちていたりして秋を感じさせる。
近江を見下ろす ダイナミックな林道 小入谷方面
 やがて広々とした切り通しの峠に到着。小さな祠に道祖神が祀られ「おにゅう峠」と表示された標が立っている。今たどってきた若狭側には「遠敷(おにゅう)」、近江側の麓には「小入谷(おにゅうだに)」という地名の集落がある。その由来は定かでないが、古くから交流があったことをうかがわせる。
 2週間前の朽木村ツーリングで訪れた小入谷の集落も遙かに見える。あそこまで下ってみたいが、もう夕暮れが近い。小入谷の集落から見えた、林道が尾根を巻く辺りまでが限界だろう。
 しばらくは斜面を東にトラバースする形で林道が延び、その後南に延びる尾根の真上のスカイラインとなる。下りは一気だ。その先で尾根は急激に落ち込むのだが、スカイラインは尾根が急になったところからつづら折れとなる。これが小入谷集落から見えたところだ。このまま一気に下って秋の里の暖かさを感じたいところであるが、その後峠を越えて元に戻らないといけない。ここが限界引き返そう。
この林道が麓からも見える チェーン切れる シカがたくさん
 自転車の向きを180度変えて、ペダルに力を込めた途端に、チェーンががちゃがちゃ音を立てペダルが空回りした。また、外れた、このごろこういうことが多い。と思いながらチェーンを確認すると、なんとチェーンが切れていた。すでに辺りは暗く鳴り始めている。一気に血の気が引く思い。
 だが、冷静に考えれば、峠までは押して歩いても乗車の登りとそんなに変わらない。下りはペダルをこがなくてもいい。ライトは持っているし、そう焦ることはないのかも知れない。一気に心が落ち着く。
 真っ暗になる前にライトをハンドルに装着し(複数の自転車で使い回すために、工具無しで装着できるライトなのだ)、自転車を押して峠を目指す。乗車よりも幾分所要時間をかけて(多分ね)峠に到着。西の空はうっすら明るいが、ライト無しではどうにもならない暗さだ。若狭側は、街明かりがみえる。
 その後の下りは、ライトの明かりでは路面の凹凸が把握しきれないので、手探りのようにゆっくり下る。林道脇の茂みがガサガサと賑やかだ。本当に鹿が多いようだ。途中斜度が緩くなっているところでは、無意識にペダルを回してしまった。しかし、何とかノンストップでクルマに帰着。
 自転車をクルマに納めて帰路に就く。鹿と競争するようだ。廃屋の目立つ上根来にも灯りのついた家があった。家まであと数百メートルというところまで帰ってきたら、今度はイノシシとぶつかりかけた。
 後日、チェーンを交換した際に、「ずいぶん伸びていた。もう少し早めに交換した方がいい」と言われた。確かに、新しいチェーンは具合がいい。
◎八丁林道、花脊、佐々里峠(10月13日)
 鯖街道シリーズ第3段。熊川宿ルート、おにゅう峠ルートのいずれとも外れているが、もともと多くのルートがあった鯖街道。今日はその旧美山町と京都市を結ぶ佐々里峠を越えるのだ。
 京丹後から、綾部を経由し美山へ。行楽シーズンで、大野ダム(虹の湖)や茅葺き屋根の集落には観光客が溢れている。木々の色づきも進んできているようだ。ポカポカ陽気で、自動二輪も非常に多い。
目に鮮やかなアプローチ
 芦生のブナ林への分岐を過ぎ、佐々里集落へ。稲刈り作業中の田や稲木がみえる。ここにクルマを止めて自転車を下ろす。今日はスリックタイヤだ。
 佐々里峠は最後に向こうから越えてここに戻ってくる。まずは、佐々里スキー場跡を目指して南下。府道370号線だ。集落から山間部へ。木々の好きから見える、グループが火をおこして肉を焼いている広場がどうやらかつてのスキー場の駐車場。ゲレンデ跡には気付かなかった。
佐々里集落 八丁林道 八丁峠
 道は細く暗くなり、石や落ち葉が目立つようになった。いつしか、府道区間から八丁林道へ。八丁橋の所は廃村八丁への分岐。そちらからクロカン4WDがやってきた。もう廃道に近いこの道で出会った数少ないクルマだ。その後登り付いた八丁林道の峠は、稜線のダート林道との交差点。無線の大きなアンテナを傍らに立てたクルマが停まっていた。
 峠の南側は、京都市(旧京北町)。南側への下りはなんとダート。スリックタイヤなのでスリップ注意。タイヤをロックさせないようにしないといけない。峠からちょっと下ったところから上弓削集落が一瞬見えるのは,ツーリングマップルに記述されている通り。
一瞬見える弓削集落 ダートの下り 国道162号線
 しばらくして舗装路となり、歩いている人が見いた。すぐに国道162号線にぶちあたる。「カモノセキャビン」というログハウス調の喫茶店があり、四輪や二輪がとまっている。歩いている人はその客のようだ。
 今度はR162を南下。四輪や二輪の通行が多い。すぐに府道61号線に左折して、井戸峠を目指す。やはり国道を外れると田園風景はのどかさを増す。
 峠への登りの途中に「南幌町の山」と記された石碑を発見。自動車では発見できなかっただろう。後日調べてみると、旧京北町(ここ)と南幌町は1990年に姉妹提携を結んでいた。
 峠を越えると大堰川に沿った国道479号線に合流。大堰川をさかのぼる。黄色みを帯びた斜陽が色づき始めた木々に指して、景色を秋色に染めている。ログハウス調の家や畑も見られる。
 ロードレーサーの集団とすれ違う。猛スピードで駆け抜けていった。
府道に入り 大堰川沿い 五右衛門風呂だ
 川を挟む両側の山が迫り、道路が狭くなって花脊となる。ここから府道38号線を北上して佐々里峠への道は、今井美樹が「Driveに連れてって」を歌っていた11年前の夏に逆方向で走ったことがある。
 11年前は下りだったため一気に駆け抜けた道だが、今回はじっくり見ながら登る。下段や畑のある、古いたたずまいの家。土地柄か製材や木工関係の施設も見られる。
 堰原の分岐で府道110号線に入ってみる。川合まで行けば、前々回の朽木村ツーリングとコースがつながるのだが、能見までで引き返す。その先、久多の手前には峠もあるし、もうずいぶん日が心細くなってきた。
 日本の農家そのものの茅葺きの民家と、現代風デザイナーズ住宅とが混在する田舎の風景を経て佐々里峠へ近づく。
花脊へ 広河原 スキー場
 スキー場のゲレンデを左に見て、佐々里峠への登りが急になってくる頃にはいよいよ日が落ちてきた。一気に薄暗くなってくる。
 峠の手前で日はすっかり暮れてしまい、ライトをつけて登る。
 峠に着く頃には、明るい月が昇ってきた。遙かに見える街灯りは大津だろうか。
 さあ、下ろう。ライトだけでは心許ないが、月明かりが強い味方だ。谷に下っていくと、背後から月が照らす形となる。とても明るい。木々で遮られてできる影が濃い。まるで、後続車が背後に迫っているように錯覚し何度も振り返るが、ただ月が照らしているだけである。
 月明かりのダウンヒルを思う存分楽しんだら、田んぼが見えそして佐々里の集落へと下りてきた。
 クルマに自転車を積んだら、帰路に就く。往路とは趣向を変え、五波峠を越えて若狭を経由して帰る。
◎八丁平、久多の里(10月15日)
花脊峠を越えてアプローチ フノ坂 八丁平
オグロ坂峠 久多の里 イモリに出会う
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