氷ノ山坂の谷のブナ林雨天走行
氷ノ山坂の谷のブナ林雨天走行
 真夏日の蒸し暑さの午後、家を出発。いざ西へ。一年でもっとも日差しが強いこの時期、緑がまぶしい。
 兵庫県に入り但東町から八鹿町へ……、えっ「養父市」!? かつての養父郡4町が合併したらしい。
 旧養父町の大型店舗が並ぶショッピングセンター街で買い出しを済ませ旧大屋町を抜けて波賀町に入る頃にはすっかり夕方の日差し。
 今日は、引原ダムのダム湖を越えて南の音水(おんず)渓谷沿いの林道を少しだけ走る予定だったが、入り口に気付かず通り過ぎた。道路工事の片側通行区間のために見落とした。
 入り口に入りにくいので、もう少し南の日ノ原地区にクルマを止め、自転車で対岸に渡る。対岸は自転車道。木立の中で薄暗い。しばらく行くと音水の集落でここから林道へ。晩秋には
紅葉の名所となる林道をさかのぼってまた来た道を折り返した。
 急いで荷物をまとめて、クルマで40分。鳥取県の若桜氷ノ山YHには約束の19時を少し過ぎて到着。
 マネージャーの小野氏とその家族が迎えてくれた。たくさん話して、たくさん食べて、ああ、満腹満腹。お休みなさい。
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【山 名】氷ノ山三ノ丸(1464m)鳥取県若桜町・兵庫県波賀町・大屋町
【日 時】2004年6月6日
【行 程】[ ]内はGPSレシーバーによる標高データ(単位:m)
 10:45坂の谷林道分岐点[1026] - 10:50坂の谷コース登山口[1026] -
 12:07三の丸[1469]12:41 - 13:52林道分岐点14:01 -(坂の谷林道)-
 14:19戸倉[656]
【距 離】13.2km
【用 具】MTB
【天 候】雨のち曇り(ー_ー)
【地 図】昭文社 山と高原地図59 氷ノ山 鉢伏・神鍋 (5万分の1)
【メンバー】小野氏、KDN氏、TK氏、はいかい
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雨の林道を彷徨
 降ってはいないが曇り空。地元のKDN氏がYHに登場するやいなや「小雨が降り出した」と恐れていた一言。朝食をとり出発準備を整えるうち、雨足が強まる。クルマでYHを出発する頃には本降り。
 本来、YHの行事として組まれたイベントだが、蓋を開けてみるとおなじみのメンバーばかりだったので、急遽テクニカルなコースが設定された。
 R29戸倉トンネルの兵庫側出口のパーキングスペースで加古川のTK氏と合流し、作戦会議。温泉、渓流釣り、海でイカ釣り、山菜取りなどの案が出るが、とりあえずMTBの出発地点まで行ってみようと、戸倉のヤマメ茶屋から坂の谷林道を行く。ガレた林道をノロノロ行くが、冬にスキーで歩くより速い。
 坂の谷登山道入り口までは割合早く感じたのだが、その先が長かった。
 15km以上のガレガレ林道走行の末、やっと殿下登山道入り口に到着。ここでまた作戦タイム。
 クルマで移動の間に強弱を繰り返すが、このときはいまいち出発をためらわれる雨足。しかし、「せっかくここまできたんだから、少しくらいは自転車に乗りたい」という気持ちが芽生えてきたのも事実。当初この殿下コースを登り坂の谷コースへ下る計画であったが、途中で引き返すことを考えピストンに決定。ならば、乗車率が高くMTB走行を楽しめる坂の谷コースを選び、また林道を引き返す。決行か中止かの結論を先延ばしにしたともいえる。
 そして再び坂の谷登山道入り口。雨は小降りになった。決行!
芳醇なブナ林を登る
 殿下コース入り口方面と分かれた林道を100mほど走ると、杉の植林帯の中の登山道の入り口。ここからは押しの一手。木の根っこに難儀しながら進む。ここは積雪期には赤い旗だけが頼りのわかりにくいルート。今は踏み跡があるので楽である。
 しばらく行くと勾配が落ち着き、元気なTK氏が乗車で登っていく。急登で息が上がったままの私は押しで行くしかないが、しばらくしたら呼吸も落ち着いてMTBに跨る。乗ってしまえば歩きより速い。また、足場が悪い中を歩くより、乗った方がずいぶん楽だ。
 あたりは杉林からブナ林へと変わった。霧と雨にかすんでいるが、緑が芳醇な感じがする。
 TK氏は周囲の山菜やキノコが気になるのか、きょろきょろしながらペースダウン。私が先頭を行く。
 そのうち雨足が強まったが、暑くもなく寒くもなく、さほど苦痛を感じるではない。前日のような真夏日の暑さがないのも、この天候のおかげといえる。また、ブナの葉が雨を和らげてくれているようだ。時々現れる大きなブナの木陰は、地面がほとんど濡れていないことさえある。その木陰で後続を待つ。「どうせ避難小屋まで行かないと休むに休めない」と、みな三ノ丸まで行く気らしい。
 ぬかるみがちなブナ林の登山道だが、しばらく雨がなかったので、今朝からの雨でちょうどよい湿り具合。ただ、一ヶ所だけじゅるじゅるのぬかるみがあった。

笹と霧におおわれた頂上大地
 乗ったり押したりを繰り返し、黙々と標高を稼いでブナ林を抜けた。そこは、広大な笹の原の大地。深いところでは背丈ほどもある笹に囲まれた登山道を行く。当初登りで使う予定だった殿下コースともこの辺で合流。今日は笹とガスで見えないが、冬には雪原の丘のような三ノ丸と、赤い三角の避難小屋が長い行程を経て頂上大地へ到着したことを暖かく迎えてくれるようだ。
 先行のTK氏と私は1463mピークの展望台まで。ガスに覆われ真っ白な中、到達の証拠写真を撮ってわずかに手前の避難小屋まで戻ると、小野氏とKDN氏も既に到着して昼ご飯を広げていた。
 避難小屋の中にはいろいろな物がある。扇風機に、真空パックされた毛布、何が入っているのかわからない箱。「これ何かわかります?」とTK氏が指した先には、滑車がついたエンジンのような物。3人「…」のあと、「リフトです。昔のロープトゥ(orTバーリフト)。」とTK氏。
 止まっていると寒いので、食後はさっさと身支度を整えて下山開始。

すずのこ採りとご機嫌の下り
 が、私以外の三人は すずのこ 採りを開始。「千島笹(ちしまざさ)」あるいは「根曲がり竹」という、氷ノ山のそのあたりの稜線を覆っている笹のタケノコで、ゆでて食べるとおいしいそうだ。身の丈よりも高い笹を揺らして登山道脇のブッシュに吸い込まれた同行者を待ちながら、私は携帯電話でメール報告。稜線では感度良好だ。笹のおかげで風が遮られて寒くないのが良かった。また、このあたりでは降雨はないようで地面が乾いていた。
 緩やかな坂の谷コースはMTBでの下りに最適。注意しなければならないのはハイカーだが、今日は悪天候のせいで登山道には我々以外誰もいないようだった。
 時々現れるブナの根のでこぼこや、大きな段差、横たわる倒木以外は乗車可能。しかし、それらの障害物のすべてをMTBに跨ったまま越えていくTK氏には皆感心していた。
 最後の難所、杉林の急斜面を越えて、林道へ。クルマを止めてある、殿下コースとの分岐点までは一息。
 クルマを出していないTK氏と私は、7.6km、標高差400mの坂の谷林道をMTBで下る。
 ガレた林道は、また登山道と違う楽しみがある。たまに出会う対向車をかわし、1台のクルマを追い越してヤマメ茶屋へ。スキーだと登りに2時間、下りでも1時間以上かかる林道を15分で下った。山菜採りで、まさに道草を食っていた同行者を15分待つ。雨はいつしか止んでいた。
 ここで今日は解散。ただし、YHにクルマが止めたままの私は、小野氏のクルマに乗せてもらいYHで休憩をさせてもらってから帰路に就いた。お世話になりました。


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