氷ノ山は今日も雨だった(東因幡林道)
 夜半から降り出した雨は、明け方には小降りとなっていた。5:50丹後を出発。信号が少ないルートを選んで、若桜氷ノ山まで125kmを2時間05分だから、平均時速はちょうど60km。
 ずっと路面は濡れていて、たまにフロントガラスに水滴がつくが、R29の戸倉峠を鳥取県側に越えると、兵庫県側より明るい空。
 しかし暖かい。若桜氷ノ山YHの少し手前、標高600付近の電光掲示の温度計は摂氏15度。赤や黄色に染まった木々がなければ、今が11月であることを思い出す。
 集合時刻の8:00ちょうどにYHでは、宿泊者が朝食の最中。私にもコーヒーが出された。準備を急ぐ必要はなさそうだ。見覚えある顔がちらちら見える。実は、今日のツーリング参加者は皆こリピーターだった。
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【期 日】2003年11月03日(月)
【行 程】[  ]は腕時計内蔵の高度計からの標高データ
 兵庫県若桜町舂米(若桜氷ノ山YH)[771]9:36 - 10:19国道482号線鳥取・兵庫県境[960]-
 (東稲葉林道)[最高:1034] - 13:36温泉線分岐(畑ヶ平との分岐)[890]14:13 -
 14:35若桜町広留野(ひろどめ)[783]
【車 種】MTB(TREK6500)
【メンバー】若桜氷ノ山YHの小野マネージャーとその仲間、はいかい他7名
【距 離】22.7km
【速 度】平均:8.9km/h  最高:41.1km/h
【タ イ ム】4時間59分(実走時間:2時間27分)
【天 候】文化の日なのに曇のち雨(;_;)
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★紅葉の林道へ
 ホステラーを見送りながらのんびり出発準備をしているうちに、空が明るくなった。お弁当のおにぎりを受け取って出発。
 かつての桑ヶ仙林道、現在のR482を兵庫県境まで。スタートから3.6kmで200mの標高差という登り。いきなり心拍数が上がり、息が切れる。
 早朝よりずいぶん雲は高くなったが、氷ノ山山頂は完全に隠れたまま。紅葉は今が盛りという感じ。今年は冷え込みがないせいか、ちょっと遅め。そして、あまりきれいではない。
 鳥取・兵庫の県境から北に向かうのが、東因幡林道。林道入り口の広場には、家族連れのクルマが2台到着してにぎやかな雰囲気。さすがに、紅葉シーズンの3連休、そこに至る道にも時たまクルマの往来があった。山菜取りでもするのだろうか。
 さて、我々は林道をふさぐチェーンをよっこらしょと乗り越える。20km弱の長いダートへと突入である。
 昭文社ツーリングマップルのバックナンバーには「廃道状態」とあり、小石がごろごろ、路面はでこぼこのMTBにはおもしろい道。ただし、アップダウンが連続しているので、結構息が切れる。
 こんな道を、出雲から来たI氏はひょうひょうとした姿でペダルをこぎ、それがものすごく速い。折り畳みの自転車に、普段着そのままの服装で、しかも前をはだけたシャツの裾がぺらぺらと風になびき、直後を走る者は挑発されているような感覚を受ける。I氏の後ろを、ヘルメットやウェアをびしっと固めたライダーのMTBが必死でついていく姿は、優雅な動きの闘牛士と血相を変えた牛のようで、結構滑稽だ。

★キノコと山ブドウとサルナシと
 さて、加古川から参加のT氏は、林道に入ってすぐ山に姿を消した(林道後半まで、完全にキノコ採集別働隊だった)。氷ノ山YHのマネージャーの小野氏も、「きのこ、きのこ」と道の脇ばかりみている。I氏は、「一昨年にYHで食べさせてもらったサルナシの実が木になっている姿を見たいですね」。
 というわけで、我々の一団は、道端に倒木があればキノコをを求め、甘い香りがすれば木の実を探す、のんびりペースの集団となった。まあ、私としても休憩が多いのは歓迎だが。
 今回の私の新びっくりどっきりメカは、コンパクトフラッシュ型のGPSレシーバー。これとPDAを組み合わせれば、カーナビのように地図上に現在位置表示ができるのだ。人工衛星からの電波を捉えて測位を開始するまでに少々(長くて3分ほど)かかるので、急ぐときにはいらつくが、今日は大丈夫。林道から10m以上も下まで崖を下りて、倒木の下の方をのぞき込んでキノコを探す小野氏とI氏を視界のすみに捉えながら、林間で衛星の電波状態が悪くいつもより眺めの測位待ちもさほど気にならない。
 林道は、まだまだ長く続くことがわかった。
 結局、今年はキノコの生育が遅いようで、食べられるキノコはまだ出ていないとのこと。倒木には、食べてはいけないキノコが出ていて、これが腐ってしまってから食べられるキノコが現れるのだそうだ。
 そのかわり、山ブドウは豊作で、今日のリーダーKD氏は「ワインの材料が穫れた」と山ブドウでいっぱいのビニール袋をハンドルに下げていた。
 林道は、登り基調から下り基調へと変わるが、細かなアップダウンが延々と続くため息が抜けない。
 林道後半で、小野氏が突然「Iさんいませんか!」と、サルナシの実を発見して叫ぶが、I氏はシャツをペラペラさせながらずっと先へ行ってしまった。



★うっすら大山
 さて、林道走行も終盤に差し掛かってきたら、自転車のハンドルにつけてあるGPSレシーバーを気にしながら進む。こちらは、単体で動くもの(地図なし)で、2年前のびっくりどっきりメカである。一昨年、大山が見えた箇所をここに登録して
あるのだ。果たして、曇りの今日、大山は見えるのだろうか。 さて、その大山ビューポイント付近で、自転車を降りる。木立が邪魔だ。一昨年と違い、まだ落葉していないのだ。何とか木々の隙間を見つけて目を凝らすと、本
当にうっすらと大山が見えた。一昨年は、冠雪して白く尖った山頂がもっとはっきりと見えた。その経験と記録(そのとき撮った写真とGPSの位置データ)がなければ、今日の状態で見つけることはほぼできなかっただろう。後続のキノコとリメンバーにも、大山の姿をお披露目する。
 ところで、キノコとリメンバーは、なかなかしぶとくキノコを探している。そうするうち、空はだんだん暗くなってきた。ふと気づけば、紅一点のよしみさんの姿が見えない。ずっと先まで行ってしまったようだ。
 大山を見つけて満足した私は、スピードアップ。よしみさんを発見して合流し、しばらく行くと分岐点だった。

★終わりはいつも雨
 灰色の空は、とうとう我慢しきれず泣き出した。
 東因幡林道は、そのまま鳥取兵庫の県境の尾根をたどって扇ノ山へと続くが、我々はこの分岐から西の広留野(ヒロドメ)という高原の開拓地方面へと下る。
 最初ぽつぽつ、そして降ったり止んだりの雨も、とうとう本降りになってきた。なのに10分たっても、20分たってもキノコ取り軍団はこない。この時期にしては異常な暖かさ、とはいえ、雨を遮るものはなく徐々に体が冷えてきた。30分ほどして、ようやく全員集合。
 ここからは、本格的な下り。ぐいぐいと標高を避ける。大きな水たまりを何度もじゃぶじゃぶと越える。いつしか、ズボンの裾や自転車は泥んこ。
 標高1000mを下回ると赤や黄色に染まった木々の間を走り、その林間を越えて周囲が開けてきたら広留野だ。大きな水たまりを越え、舗装道路に突入。茶色い畑と深紅のモミジに囲まれた開拓集落だ。ここに、KD氏の農場がある。

★YHで反省会
 予定では、ここで採れたばかりのキノコを使った鍋をして、さらにあと標高差500m以上下った国道までのダウンヒルをすることになっていたが、雨に打たれてしまったのでここでツーリングは終了。農場の水道をお借りして自転車の泥を落とし、弁当のおにぎりを食べて、予めデポジットしてあったYHのマイクロバスに自転車を積んで下山。そのまま、YHへ。
 ぐねぐねの下り道で、バスは何度もヘアピンカーブを切り返して下る。自転車で下った方が遙かに速い。結局下りきるまで30分。YHまで、さらに30分。
 YHに戻ると、「いつも雨ですいません!」とお母さんが迎えてくれた(当YHのイベントの晴天率には、あえてふれないことにしている)。熱いお風呂を用意していてくれた。助かった!広留野で泥んこの靴を洗ったら、足下が冷えて、このままでは風邪を引きそうな状態だった。
 風呂から上がると、今度は小野氏やT氏が一生懸命さがしてくれたキノコ入り豚汁鍋。さらに、おにぎりやパンやお菓子やコーヒーやいっぺんに出てきてびっくり。寒さとひもじさから解放されて、満足満足。
 大阪行きのバスの時間迫るよしみさんは、食べずに帰っちゃった。残念。しかし、YHからバス停のある国道まで下り、自転車をばらして輪行して帰るよしみさんの行動力、しかもこの連休の前半は@NIFTYの自転車フォーラムのOFFで広島の山間部にいて、そのままこちらへやってきたのだから、その活発さにみな感心。
 YHで、食べているうちに釣瓶落としの秋の日は落ち、メンバーはそれぞれの帰路に就いた。小野さんありがとう。次は、冬の氷ノ山スキー登山よろしく。