小熊黒川林道/権現山林道

 数十年ぶりの中央線の夜行山列車である。鈍行はとっくの昔に無くなっており急行「アルプス号」だけが生き延びている。いつもの事だが、4人かけシートなので眠ることは出来ないやとあきらめていたら入線してきたのは特急「あづさ」で使っている189系の車両だった。これは幸運と思いながら乗りこんだが、久しぶりの夜行輪行の為か結局満月を見つづける事になってしまった。しかし、急行型の165系車両に比べたら疲れは比べ物にならないほど楽であった。

 松本を過ぎると朝日の照らされてピンク色に染まっている山々が見えてきたが、線路脇の田んぼに視線を移すと水が凍っている。天気予報では放射冷却で冷え込むとは言っていたが、これほど冷え込むとは思いもよらなかった。無人駅ではないだろうが駅員の居ない簗場駅の降り立つ。持ってきた服を全てを着込んでいるのだが、それでも寒い。駅前の販売機でカップラーメンで朝飯と暖をとり6時過ぎに走り始める。道はスキー場のゲレンデの脇を蛇行しながら登って行くのだが結構きつい。

簗場駅から登るコースを望む

 ヒーフー言いながら登る。傾斜は10%近いと思われる。やっとの事で7時00分にサンアルピナ鹿島槍スキー場にたどり着く。ふっと前を見ると目の前に雪を被った鹿島槍ヶ岳、が眼に飛び込んで来た。今回の目的は雪の被った北アルプスを展望することである。一人微笑みながら写真を一枚撮る。

鹿島槍ヶ岳

 ここで小休止しようと思ったが寒いので呼吸を整えるだけで道を左に折れ小熊黒沢林道を登り始める。小熊黒沢林道は一応一般車両通行止めになっているがゲートもなく林道を走り始める。林道は全線舗装で登りもきつくなく非常に走り易い。走り易いのであるが眼に入る景色が素晴らしいので一向に距離を稼げない。良い景色を一枚撮れば済むと思うのだが、ちょっと走ると山の見え方が変わるので、「これもまた良い景色」と思い写真を撮る繰り返しである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 写真を撮りながらだらだらとピークを2つほど越えて走ってきたが小熊山を過ぎ木崎湖までの下りになる。一気に下りたいのであるが、寒さで指が痺れ飛ばせない。のんびりと下る事にした。
木崎湖まで降りるとかなり暖かった。夜行の睡眠不足と暖かさで眠くなり、湖畔のボート小屋の脇にある公園のベンチで30分ほど転寝をする。気持ちよく寝ていたのだが眼の前を遮るものがあるので眼を覚ますと上空に鳶なのか鷲だろうか判らないが大きな猛禽類の鳥が雲一つ無い空を舞っていた。もうちょっと寝ていたかったが先があるので走り始める。

 国道148号の糸魚川街道をちょっと走り、稲尾駅手前で右折し、小島信濃木崎戦に入る。稲尾付近の道が狭いが奥に進むと道が広くなった。途中湿原の案内があったが、季節的に未だ時期が早いので訪れるのは諦め先を急いだ。新行にたどり着く、県道31号大町街道は走らず集落の中の道を走り権現山林道に入る。道はすぐに舗装からダートへと変わる。傾斜は急ではないのだが最近道を広げたらしく道の中央は浮き砂利、脇の方は柔らかい土であるため、走りづらい。乗ったり押したりを繰り返す。道は木に覆われ景色は良くない。

 やっと権現山のピークに近くになってやっと北アルプスを眺める事が出きた。ちょっと早いがピークにあるNTT関連の施設の前で昼食とする。ボルトからコッヘルに水を移しバーナーでお湯を沸かす。今日の昼食はフリーズドライの五目飯である。このフリーズドライは、良く出来ていてアルミシートの容器にお湯を注ぐだけでご飯が出来あがる。普通はコッヘルにフリーズドライの食品を移して火をかけなくてはならないのだが、これはお湯を注ぐだけである。ただ難点は少々待ち時間が長い(20分ほど)。

 腹ごしらえも終わり、権現山林道を下り始める。権現山のピークから向こうの一宇田方面の道は舗装されている。下りは登りと一転して北アルプスの眺めが良くなる。気温も上がり寒くはないのだが、また写真を撮り始めた為、なかなか先へは進まない。

 

 林道が終わり池の平に差し掛かると道は狭くなり傾斜が急になる。この池の平らの集落は急なつづら折りの中にある。何でこんな処に集落があるのだろうと思いながら一気に一宇田まで下る。ここに旧家の建物が保存されていたのでちょっと覗こうかと思ったが、お金を取るので止めにし県道33号の白馬美麻線を一路神城駅に向かう。道はきれいで広い。後で知ったのでだかオリンピックの為に拡張された道路らしい。目指すは「峠」である。峠とは地名で峠の名前としては青具峠である。現在峠の下にトンネルが出来たようで青具峠に入ってくる車はほとんどいない。当然の事ながらトンネルに入らず峠を目指す。勾配は10%ときついがコーナーを3回ほど切り返したら峠にたどり着いた。峠の上には「峠」と書かれたバス停があるだけだった。先ほどマイクロバスに擦れ違ったが1日に往復で10本しかないバスだった。

 この後は神城駅を目指してひたすら下るが、今度は眼の前に白馬岳が飛び込んで来る。また、自転車を止め写真を撮る。

 

 

 

 

 

 

 

 

   神城駅には1時45分頃到着する。自転車をばらす前に列車の時間を聞くと3時45分の列車になってしまい適当な列車が無い。駅員さんから神城駅を通過する特急を進められる。自転車なら10分程度だよとの事で、なにも無い神城駅の前で時間をつぶすのも退屈と思い白馬駅に向かうことにした。

 せっかく売店などがある白馬駅に来たので、蕎麦を食べようと思い近くの店を覗きこむが満席で入れない。廻りを見渡したが蕎麦屋を見つけることが出来ず、仕方なく3時10分発の「スーパーあずさ」乗客となった。