資料 3
電子商取引関連法案について
| 2001年1月 |
| 商務情報政策局情報経済課 |
| 経済産業政策局知的財産政策室 |
昨秋の臨時国会においては、我が国のIT政策の基本を定めるIT基本法を制定するとともに、電子商取引の阻害要因となっていた民間取引における書面交付義務を定める法律を一括改正する書面電子化一括法を成立させた。
このような法的環境の整備を継続するため、経済産業省としては次期通常国会には電子商取引のルールの整備のため、下記の法案を提出する。
1.電子契約に関する民法の特例を定める法案
(経済産業省提出、総務省、法務省協力)
- 電子契約の成立について、国際的な整合性の確保の観点も踏まえ、発信主義から到達主義に転換する。
- トラブルの事例
- 消費者が、事業者から承諾の通知が来ないため、契約が不成立と思い、別の事業者と契約した。ところが、はじめの事業者の通知が届かなくても契約はその発信時点で成立していると評価されてしまい、消費者は、結果的に同じものを、2つの事業者から買わざるを得なくなったケース。
- 国際的な動向
- 大陸法の国々は、元来到達主義。
- 英米法の国々は、元来発信主義、これを電子契約については到達主義に転換。
- B2Bの現実
- 国際的に電子契約は到達主義となっているので、約8割の企業が約款で到達主義を採用。
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2.不正競争防止法改正法案(経済産業省提出)
- 他人のビジネス上の表示(商標、商号等)と類似するドメインネームの不正取得・保有・使用を「不正競争」行為に追加し、商標権者等による差止を認めることにより、多発するドメインネーム紛争の抑止を図る。
- ドメインネームとは?
- インターネット上のコンピュータの「住所」(例.meti.go.jp」)
- ドメインネームの登録は、民間団体によって、実質的な審査なく先着順に行われる。
- トラブルの事例
- 第三者が、有名企業の企業名や商品名等と類似するドメインネームを取得して高額で販売しようとしたり、そのドメインネームを使ってアダルトサイトを開設する等の行為により、当該企業の事業活動に支障が生じるケースが出ている(例.「JT.COM」というドメインネームを先に取得し、1億円以上の価格でJTに転売を図るケース、「matsuzakaya.co.jp」というドメインネームを用いてアダルトサイトを開設するケース等)。
- 国際的な動向
- 登録機関が裁判外紛争処理制度を整備(我が国登録機関(JPNIC)も昨年秋に整備)。
- 更に、米国は、99年末に法律制定。
- いずれも、不正の目的で、他人の商標等と類似するドメインネームを取得又は使用する行為を広く差止等の対象とする内容。
- 我が国における法整備の必要性
- 現行法(不正競争防止法)の下では、ドメインネームが「ビジネス上の表示として使用」されている場合のみ差止可能。
- より広く、転売目的や営業妨害目的でドメインネームを取得する行為等についても、差止の対象とするため、法改正が必要。
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* なお、上記改正とともに、外国公務員に対する賄賂に係る刑罰規定の見直しも行う予定。 |
- (注)上記の他、消費者の操作ミス等による契約申込みの効果、プログラム等の取引に関する措置などに関する法案(電子商取引円滑化法案)を経済産業省が総務省、法務省の協力を得て検討中である。
(参考)その他IT関連で次期通常国会に提出予定の法案
1.個人情報保護基本法案(内閣府提出)
- 個人情報取扱事業者に対して、第三者に対する提供の制限等を義務付けることにより、ネット取引における個人情報漏洩を防止する。
- 法案の要点
- 個人データの第三者提供の制限
- 違反に対する主務大臣の改善命令
- 改善命令に従わない場合の罰則
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2.カード犯罪防止のための刑法改正法案(法務省提出)
- カード犯罪による被害の急増に対応するため、クレジットカード情報の窃盗や偽造カードの所持についても刑罰の対象とすることにより、ネット取引における主要な決済手段であるクレジットカード等のネット上での利用に関する環境整備にも寄与する。
- 背景
- カード犯罪の急増
- 被害額:平成9年 188億円→平成11年 272億円(約1.5倍)
- 主要先進国中で、カード情報の窃盗や偽造カードの所持を処罰できないのは、我が国だけ。
- 法案の要点
- クレジットカード、キャッシュカード、デビットカード、プリペイドカードからのカード情報の窃盗(罰則の対象外→3年以下の懲役刑)
- 偽造カードの所持(罰則の対象外→5年以下の懲役刑)
- 偽造カードの使用、カード情報の不正作出・使用(5年以下の懲役→10年以下の懲役)
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(注)社会問題化しつつあるネット上での違法情報(例:知的財産権侵害情報、名誉毀損・プライバシー侵害情報等)に対応するため、情報仲介者によるこれらの違法情報の削除手続き、発信者情報の開示手続きを整備する法案(情報仲介者責任法案)を、総務省が経済産業省及び法務省の協力を得て検討中である。
また、総務省は、ドミナント規制の導入、卸電気通信事業制度の導入、紛争処理機関の設置、線路敷設権に関するガイドラインの策定などを内容とする電気通信事業法改正法案を提出予定。
(参考)
- IT担当大臣発言(IT戦略会議・本部合同会議、2000年10月16日)
- 電子契約や情報財契約の成立時期の明確化、・・・プロバイダー等の責任の明確化など、電子商取引の特質に応じたルールや情報化社会の基本ルールについて、新たなルール作りが喫緊の課題であるとの認識を深くいたしました。
- 関係閣僚・・・は、こうした点を十分参考に、次期通常国会に向けて必要な法律案の策定作業につき、ご努力をお願いいたします。
- 総理大臣発言(IT戦略会議・本部合同会議、2000年10月16日)
- 電子商取引の特質に応じたルールや情報化社会の基本ルールの整備のための法案を準備するよう、関係閣僚の最大限の努力をお願いします。

