阿波国の史跡その1〜鳴門市大麻町編

大麻比古神社(大麻町坂東)


延喜式内社で阿波国一宮.
大麻比古神・猿田彦大神を祀る.
もともと猿田彦は大麻山の峰に祀られていたが,
ここに合祀されたという.

大麻比古神は布刀玉(太玉)命のことだとか.
布刀玉命は,記紀の天岩戸や天孫降臨神話に登場する神で,忌部首氏の祖.
忌部氏の古伝承を記した『古語拾遺』には,
太玉命の孫の天富命が阿波にいたり,穀と麻を植えたとある.

神社としては,
『日本三代実録』貞観元年正月二十七日甲申条が史料上の初見.
このとき,全国267神に神階が授けられた.
大麻比古神は従五位下から従五位上となった.

拝殿の裏側に,第一次世界大戦で捕虜となったドイツ兵が作った「メガネ橋」「ドイツ橋」がある.

私が行った日,ちょうどすす払いだったようです.

天河別神社古墳群(大麻町池谷)


池谷トンネルの上の丘陵にある古墳群.
林の奥の建物が天河別神社.
解説板によると,円墳5基と前方後円墳1基,さらにプラスアルファあるらしい.
古墳時代前〜中期のもので,神獣鏡が出ているとか.

宝幢寺古墳(大麻町池谷)


天河別神社古墳群からすぐのところ,
宝幢寺の北側の丘陵上にある前方後円墳.
後円部が平地に向いているというのは,珍しいのでは?

萩原墳墓群1号墳の石室(大麻町池谷)


宝幢寺の墓域に移されている.
4つの箱式石棺墓が柵の中にある.

萩原墳墓群は宝幢寺の西方にあり,道路整備により1号墳は破壊された.
2号墳は破壊されずに現地にあり,
2007年3月に「ホケノ山古墳の石室の原型か?」と報道された.

土御門天皇火葬塚(大麻町池谷)


土御門天皇は,承久の乱後に自ら望んで土佐に配流され,
ついで阿波に移され,死去した.
写真がその火葬塚に指定されている場所.
「中世じゃん」と言うなかれ.
これは古墳時代の円墳の再利用.

この塚の脇には,後世に土御門天皇を祀るための阿波神社がある.

穴観音古墳(大麻町大谷)


東林院の墓域にある横穴式石室をもつ小円墳.
観音堂となっている.

宇志比古神社(大麻町大谷)


延喜式内社.
六国史には出てこない.

江戸時代には八幡社と呼ばれており,
明治以降に宇志比古社と称したとか.
ということで,『延喜式』の宇志比古神社とは異なるかもしれない.

社殿は慶長年間のもので,徳島県内の神社本殿としては現存最古と考えられ,
国の重要文化財となっている.

さらに,ここも古墳らしい.


〜参考文献〜