熱き実況日記
       2000プロ野球
 
今年は結局12勝9敗(シーズン)。
最後は1勝2敗ペースでしたけど、
 
(1) 4/2 ダイエー×ロッテ 9−6
(2) 4/5 近鉄×ダイエー 10−5
(3) 4/8 ダイエー×日本ハム 4−0
(4) 4/15 オリックス×ダイエー   雨中止
(5) 4/16 オリックス×ダイエー 5−6
(6) 4/25 ダイエー×オリックス 6−1
(7) 5/4 ダイエー×西武 13−4
(8) 5/9 日本ハム×ダイエー 4−6
(9) 5/11 日本ハム×ダイエー 4−3
(10) 5/16 ロッテ×ダイエー 4−1
(11) 5/17 ロッテ×ダイエー 4−3
(12) 5/18 ロッテ×ダイエー 1−8
(13) 5/27 ダイエー×オリックス 10−9
(14) 6/4 ダイエー×ロッテ 0−3
(15) 6/9 ダイエー×近鉄 2−3
(16) 6/11 ダイエー×近鉄 4−3
(17) 6/14 ダイエー×西武 1−6
(18) 6/27 ダイエー×日本ハム 6−8
(19) 7/14 ダイエー×日本ハム 5−4
(20) 8/8 ダイエー×西武 2−6
(21) 8/18 ダイエー×ロッテ 8−5
(22) 9/5 ダイエー×日本ハム 5−4
 

(23) 10/22 ダイエー×巨人(日本シリーズ第3戦) 3−9
 

4/2の日記  

 今季初実況。

ピッチャーが初登板で立ち上がり四球を出すように
私も緊張しました。

口がなぜか回らない。

オープン戦でも一応肩慣らし実況はして
描写に関しては万全の状態で臨んだつもりが、
メロメロ。

描写がうまくいかないと
なんかリズムに乗れなくて。

中盤は非常にお聞き苦しい点があったことをお詫びします。

4/5の日記  

早くも今季初遠征。

大阪ドームの放送席は日本一見づらいところにあります。

野球を上から見下ろす形。
テレビケームのよう。

だからピッチャーの球筋が左右(インコース、アウトコース)はよくわかるが、
上下(高低)は全くわからない。

たとえばカーブとスライダーは同じに見えるし、
ストレートとフォークもほとんど同じに見える。

肉眼で見えない部分をテレビモニターで補うわけだが、
投球はテレビ、打った瞬間は肉眼で球場。

この動きに最後まで慣れなかった。

とはいっても、基本は肉眼。
ただ、もしかしたらという気持ちからなかなか割り切ることができなかった。

そんな気持ちの動揺と、ダイエーの一方的な展開から
妙に冷静になりすぎて
あまりに淡々とした実況になってしまいました。

10点をダイエーが取り、しかも開幕4連勝という
ビッグニュースをファンの気持ちで伝えることができませんでした。

それに加え、仲のいい田之上投手の今季初勝利を
盛り上げきれなかったのが悔やまれます。

 4/8の日記  

西村投手が右ヒジ通で登録抹消。
そのため、1日繰り上がった若田部投手の実況を再びすることに。

こういうときは非常に実況しやすい。

なぜなら若田部投手の資料を作らなくていいから。
前回の投球内容も、実況しているのである程度覚えている。

そういえば去年も星野順次投手の実況が3回続いたこともあったっけ。

試合は序盤は変な感じでした。

今年のダイエーはチャンスで確実に点を取って連勝してきました。
ところがこの日は、塁に出ても全く返せない。

しかも日本ハムも同じような攻撃をしているからたまらない。

よく言えば、岩本と若田部の投げ合い。
悪くいえば、打線のふがいなさ。

一応0点で両チーム来ているので、走者が出れば実況にも気持ちがこもるもの。
ところが点が入らないのでは、こちらも常にトップギア状態で苦しくなる。

中盤から両先発投手とも調子をあげ、初めての三者凡退なども出てきた。

根比べとなったこの試合は8回に両チームポイントを迎えた。

ダイエーは8回二死一、二塁満塁のピンチ。打者は左のウィルソン。

ここで王監督、城島に何かを呼び何かを聞く。

試合後の話では、「篠原をぶつけようか、若田部でそのまま行かせようか」の相談だったらしい。

城島「うちのエースですから。若田部さんで行かせてください」

結局初球のストレートを打ち上げてセンターフライ。

そしてその裏小久保の2点先制適時打が飛び出す。

ヒーローインタビューで小久保が「うちのエースががんばってましたから」

これまでの我々の取材では、
「若田部はまだエースではない」という認識だった。
一番エースに近いかもしれないが、エースではない。

実際この日の試合後の王監督のコメントもそんなニュアンスだった。

しかし選手たちは若田部のことを確実にエースだと思っている。

その事実を目の当たりにしたゲームだった。

まさにそのことを気付かせてくれた8回のピンチ。

その前の回ぐらいに、解説の藤原満さんが
「投手の代え時というのも難しくなるかもしれないですね」とおっしゃっていた。

王監督が出てくる前にそれを解説に振れなかったのが今回の一番の反省点。

王監督が出てきて城島と話し出してから、「今のは何の話だったのでしょう」とわたしは解説にふった。

篠原と若田部を天秤に掛けていることに気付かないようでいてはだめですね。

4/15の日記  

残念ながら雨で中止。

とは言っても、何もしないわけじゃなく、
きちんと雨天練習の取材に入ってきました。

オリックスの雨天練習場は、グリーンスタジアム神戸から
歩いて10分ぐらいのところ。

高台にあるので、けっこう寒い。

夏物スーツ一枚の身には堪えました。

飯も食わず、午後2時ぐらいまで取材を続け、
今度は球場に戻り、ラジオの電話リポート。

ナニゲに試合がある日よりハードな1日でした。

4/16の日記  

またまた若田部です。

両チームとも、ローテーションの谷間でよかったー。
予告先発を聞くまでもなく、若田部と小林宏のスライド登板。

見た印象としては、今日はボール自体は一番よかったかも。
しかし肝心なところでミスをしたという点では、今日が最悪。

3回2点を先制した直後、先頭9番の塩崎に、
2−0と追い込んでから、2球抜けたボールが続き、
3球目がボールと判定されると、また抜けて四球。

続く1番田口にはストレートの四球。
さらに大島のバントをフィルダースチョイス。

無死満塁とピンチを広げて、イチロー、藤井にガツン。

6回も1点差に詰め寄った直後に藤井に一発。

実は打たれたヒットは5本だけ。
要所で今回は打たれてしまいました。

さて話はがらっと変わりますが、
グリーンスタジアム神戸の関係者用レストランの話。

いろいろなメニューがあるのはいいけれど、
注文してから出てくるまでに、メニューによってかなり差がある。

特にビジターチームの取材をしたあとは、
試合開始までに時間がないので慌てる。

だいたい5時20分ぐらいに取材を切り上げ、
速攻食べ始めて、実況の時は40分には放送席に
着いておきたいのだが、

この日料理が来たのは5時41分。

カレーかハヤシライスが早いと言うことで、ハヤシライスを頼んでいたのだが、
どうやら忘れられていたみたい。

「まだですか?」と聞くと、20秒以内に出てきた。

「もっと早く言っておけばよかった」

おかげさまで、放送開始は、バタバタになりました。

ちなみに、オリックスの高橋功一と一緒に食べていたのだが、

彼曰く、
「城島がいないと俺の出番がないんだよ」

オリックス唯一の城島キラーは、城島の骨折による戦線離脱を一人悲しんでいた。

4/25の日記  

またまたオリックス戦。
オリックス戦は親しい選手が結構いるのでやりにくい。

それがこの試合では少し出たかな?
放送としては、大変まずい。

だってダイエーよりの放送をしなきゃいけないのだから。

さて、まず試合。

永井が今シーズン最高の出来。
と言っても、去年に比べたらまだまだだけど。

今季なかなか決まらなかったフォークも、
「今までではいちばん良かったですよ」(翌日本人に確認)

そして何より、今年はスライダーの制球がいい。
6回二死二、三塁、先制点のピンチも、
BW小川をインコースの速球で起こしてから、外のスライダー。

これまた翌日BW小川さんに聞くと、
「フォークもあるので、スライダーとの迷いがあった」そうな。

この場面は、この試合の見所でもあったし、
新しい永井の投球を見ることが出来た気がする。

BW川越も悪いなりに抑えていたが、
6回一死二、三塁で、ニエベスに中途半端な勝負をして打たれジ・エンド。

ところでBWの最後に出てきたピッチャー・栗山君が
今回実況で困ったところでした。

去年も何回か飲みに行った選手なのですが、
ニエベスに本塁打を打たれてからは、
バッティングピッチャー状態(申し訳ない!)。

本人も「本塁打を打たれてからは、久々に頭の中が真っ白になった」と言っていました。

そのときの私の実況ときたら、
ダイエーがガンガン点を入れているのに、お葬式のようなムード。

今後は気を付けたいと思います。

5/9の日記  

7回を終わって4−1。
しかもほぼ試合を決定づける2点を取っておきながらの逆転負け。

8回篠原が同点打を打たれ、
9回にはリリーフ陣が次々傷口を広げ。

他の実況アナの場合は知らないが、

私の場合
試合がほぼ決したなと思うと、
試合終了までの残り時間を勝手に逆算して、

今まで引き締めていた尿線の緊張を
緩める傾向にある。

この試合も展開上は7回で終わっていた試合だった。
よって私の尿道はそこからゆるみ始めた。

ところがよもやの同点劇。

もしこのまま延長戦に入ったら・・・・

一瞬頭をよぎったが、
うれしいことに?
ダイエーの投手陣が打たれ、私も救われたのでした。

ちなみに延長戦に入っていたら、
恐らく11回表ぐらいでやばくなっていたことでしょう。
5/11の日記  

のどが痛い。

聴いている方には中盤ぐらいからお聴きぐるしかったとは思いますが、
申し訳ありません。

前日からのどの痛みがひどく、
何とかなるだろうとは思ったものの、

試合開始当初から、
自分自身では絞り出すような声。

特に盛り上がるシーンでは、
「このまま声がつぶれてもいい」
「何とかここだけはもってくれ」
その一心で振り絞っていました。

翌日は寝込みましたが、2日経った今もちょっと厳しい状態。

今日5/13はJリーグのラジオ向け実況。

何とかもてばいいが。
それと16日からのロッテ戦までに治ればいいが。

自分の中では、放送内容も含めて
瀬戸際に立たされています。

5/16−18の日記  

何とか突貫工事でのどを治しました。
16、17、18日と日を追うごとにのどの状態は良くなっていきました。

遠征の時はKBCの場合、
たいてい一人で実況しに行きます。

ディレクター、技術、解説者は現場調達。

もちろん不慣れな人に頼むわけでなく
より優秀なキー局のみなさん方の手をお借りいたします。

今回はニッポン放送の方々の協力を得て
実況中継を行いました。

ホークスリポーターは、私の大学の1つ先輩、
サークル(アナウンス研究会)での先輩でもあった
山内宏明アナウンサー。

先輩に「ベンチ情報」をしていただきながら、実況をするというのは、
何とも不思議な気分です。

ちなみに山内アナウンサーは、17,18日の担当で
初日の16日は、アナウンス研究会の後輩の福永一茂アナ。

彼は僕が大学を卒業した後に入学した、
いわゆる入れ替わりなので
単なる同じサークル出身という程度で特別意識はしなくてもいいのだけど、

こと山内さんになると、
互いの学生時代を知っているだけに複雑な気分なのです。

さて、試合は3連戦でホークスが逆転で2連勝、
3戦目はM黒木の前に打線が沈黙、
と言うより早い回に先発松本が打たれ戦意喪失。

2勝1敗と、最低限の勝利を収めて千葉遠征を終えました。

最後の日(18日)の放送、元気が良かったのは
黒木の投球に魅せられていたからです。

それと前日の中継の挽回を計ろうと考えていたからです。

17日は「なんかうまくいかないな」と放送のあいだ中
ずっと考えすぎてしまいました。

考えれば考えるほど、深みにはまっていくもので、
案の定、途中持ち直してもちょっとしたことで「あぁやっぱりだめだ」
と思ってしまって、結局立ち直れず。

むしろさらに大きな波に飲み込まれていく感じでした。

気分をさっと切り替えることの大事さ、ゲームにのめり込むことの必要性
このあたりを再確認いたしました。

5/27の日記  

2回でダイエーが9−0とリード。

さぁこの後、どんな話をして9回までもたせようかなぁと思っていたら
とんでもない!

3回にオリックスが7点取るではないか!

3回終わった時点でほぼ2時間の試合なんて・・・。

試合展開にも負けず、私はわりあい元気だった。
少し新しい実況が出来たかな?という気もした。

簡単にいえば、観客とともに驚き、楽しみ、感動する。
そんな実況。

ただ後輩アナには、「ちょっと間違いがありましたねぇ」。
と言われてしまう。

そうなんです。

足し算がわけわからなくなって、
タイムリーヒットで、いったい今何点入ったのか瞬時に言えなかった。

それが2カ所あった。

スコアボード見ながら、「今8点、さらに9点入りました」

スコアボードが「8」になったので8点と言ったら、
しゃべっている最中に「9」に変わって、
慌てて言い直した。

間違いは確かにいけないが、
これは気を付ければ治るもの。

それより改善していかないといけないものがたくさんある。
しかもそれは気を付けてすぐに治るものではない。

あまりに間違いが多いのも問題だが、
ショートゴロを毎回セカンドゴロとか間違えているわけではないので、

間違えないように間違えないようにと思いすぎて
逆に縮こまった実況になってしまうよりはいいと思う。

さぁ6月は大変な時期になりそうです。

6/14の日記  

初のダブル解説。

しかもレギュラー解説の高橋慶彦さんに加え
あのミスター三冠王落合博満さんと。

お二人の話をきちんと理解してしゃべろうと臨んだのだが、
頭の回転が鈍いだけに素直に頭に入ってこない。

完全に理解しようと思うと、
実況のしゃべりを一度やめるくらいでないと。
それくらい、私の浅薄な野球知識では対応しきれない話が多かった。

まだまだという知識不足を痛感すると同時に、
家に帰ってテープで聴いてみると、
なるほど!という新たな知識が多く得られた。

解説が二人いて、それぞれの意見が多少ぶつかるところもあったが、
逆に聞いている私にとっては、

1番タイプの人はこんなことを考えているんだ、
4番タイプの人はこんなことを考えているんだ、

と、同時に2つの意見が聞けたのは収穫だった。

実況に関して言うと、最近の中では暗めでしたね。

とにかく話を理解しようと考えながらしゃべっているので、
どうしても淡々としゃべりがちなんですよね。

今回はダブル解説の時の話の振り方などいろいろ勉強させられました。

7/14の日記  

日記は書かなかったんでしたが、前回も日本ハム戦。
しかも相手投手も金村投手。

と言うことで、実況の準備は楽でした。

特に金村投手は、私が実況したあと
1試合しか投げていない。

こうなるとほとんど調べなくても、頭で覚えている範囲。

実は金村投手の実況は、これで4試合目か5試合目。
結構多いんです。

金村投手の名前が「暁(読みはサトル)」ということから
おととし最優秀防御率のタイトルを取る前から存在が気になっていました。

ただ本名は「秀雄」。

西武の松井のように当て字にするならわかるけど、
あまりに違いすぎる。

姓名判断だろうけど、普通はもっと本名に近いものにすると思うのだけど・・・

試合はそんな手抜き!?の準備を戒めるかのように
ダイエーの星野とともに金村もあっという間にマウンドを降りてしまいました。

放送が、序盤何かしっくりこなかっただけに
自分にとっては嬉しい!?交代とも言えました。

投手交代が両チーム早まっただけに、その後は継投がポイントになりました。

中でもダイエーの継投には久々驚かされました。

勝利の方程式、吉田・篠原・ペドラザと、
今年は左右の打者関係なく主にイニングでつないでいた王監督ですが、

今日ばかりは、吉田まではいつも通りも、
その後になんと20日ぶりぐらいの登板になるベテラン長富を持ってきました。

右打者が5人ぐらい続くところとはいえ、
ベテランとはいえ、

今年まずこんな1点リードで使ったことのない投手が来るとは思いもしませんでした。

ただ今年の長富は負け試合でも内容が良く、
もうそろそろ勝ちパターンで使ってもいいのでは、
と6月初め頃私は思ってました。

とは言っても約20日間の間投げさせないでおいて急にこんな場面で投げさせるなんて。

解説の杉浦さんが言っていた、ベテランだから問題ないのか。

久々の登板で力み気味なのか、田中幸雄に対しての投球は
はっきり言って危なかった。

外へのスライダーが中よりに抜けてくるし、
打ち取ったボールも真ん中気味だったし。

状態の良い田中幸雄だったらやばかったのではないかなぁ。

さらに驚いたのが篠原が9回最後まで行ったこと。

王監督は、試合後「延長も考えてペドラザを残した」とか、
「走者を走らせないために左投手の方が良かった」と
理由を説明していたが、

同点ならまだしも、リードしている展開で延長を考えるものなのか?

もう一つ解せないのは、
あれだけ方程式にこだわる王監督が、
この上ないおあつらえの場面で方程式を使わなかったこと。

「リリーフの疲れ」ということは最近声高に言われているが、
私の見る限りペドラザが一番元気なのではないのかなと思う(比較の問題だが)。

「ペドラザに何かあったのか」と思っても不思議はない。
番外編

 この実況の前日まではオリックス戦が行われていました。
例によって今回も何人かと飲みにいったのですが、
成り行き上(ふだんはサインなんてもらわない)
サインをもらってしまいました。

左は、今をときめく?
あの10年目の初勝利を挙げた戎投手。
去年の秋から仲良くなりました。

右は高橋功一投手。
僕と同い年。
台湾ではなぜか!?人気者だそうです。
その理由はあのフォームにあり。
8/8の日記  

ペナントレースもこの時期になると
見ていて興奮する試合が増えてくる。

ダイエーも今日から西武との3連戦。
今年一番の大事な試合を迎えました。

もちろん王監督が言うように
「本当の勝負は9月」なんだが、
この3連戦の勝敗いかんではかなり状況が変わってくる。

実況する者としても、
こんな試合を実況できるのは気合いが入るし、
どんな試合になるか予想するだけでもわくわくしてくる。

往々にして注目の試合はしまったいい試合になるものだが、
この日は「ふざけんなよー」。

どっちが勝ってもいいのだけど、こんな一方的な試合ではねぇ。

中10日、登録を抹消してまで
この日に合わせてきた先発・永井。

それにしてはふがいなかった。

2回は四球3つ。しかも追い込んでの四球が2つ。
3回はカウント0−2からフェルナンデスに2ラン。

一死2塁で一塁が空いていただけに、
0−2になった時点で無理矢理勝負に行かなくてもと思ったが、
王監督も翌日「今のフェルナンデスはシーズン当初ほどは怖くないから」と
全くそんな考えはなかった、勝負だったと明かした。

確かにストライクを取りに行ったところを打たれた。

これが他球団なら序盤だしまぁ悪くないかなとも思うが、
相手は西武。

こういうところをきっちり取るのが西武ではないかと思う。
(少しひいき目もあるが)

一方慎重に慎重を重ねた西武・伊東のリード。
そして個人的に大好きな投手西武・石井貴の
見ていて気持ちのいい気迫あふれる投球。

やはり西武は、土壇場でチーム全体が強い精神力を持っていると感じさせる。

それに反してダイエーは、
一部の選手が個人的な能力で奇跡を起こす。

去年のように奇跡が勝るか、全体の『気』が勝るか、
この両チームの対戦はこれからも非常楽しみだ。

 

8/18の日記  
デジカメを買ってしまいました。

今日の一枚はやっぱりこれでしょう。

秋山幸二選手2000本安打達成。

試合後の会見場です。

かなりの混雑、おすそ分け程度のスナップです。

大記録を実況できるってうれしいもんです。
去年の松坂といい、今日の秋山といい、強運を持っています、私。

優勝の瞬間なんて何度も訪れる?けど、
記録とか、松坂福岡ドーム初登板とかは、一生に一度。

確かにダイエーはそういった意味では「初」優勝だったけど、
自分の中では、もとが九州人ではないというのもあってか、
ただダイエーに優勝が回ってきた程度。

正直、ファンとして喜びはしても、まだこれからもチャンスはあるや、
程度にしか思っていませんでした。

今回の秋山は違います。

2週間ほど前、巽アナと食事をした際、秋山2000本安打の話題がでました。

そのとき僕は「なんとしてもオレがしゃべる」と心の中で思いました。

ただ記録をしゃべりたいというのでなく、
秋山選手は、僕の心に刻まれている一番の選手なんです。

もともと野球にあまり興味のなかった私の少年時代。
実家が東京・西武線沿線ということで、自然に西武ライオンズファンになっていました。
しかしただ好きという程度。

興味があったのは、自分が10年間やっていた水泳となぜかマット運動(器械体操)。

そんな中86年の日本シリーズ、
ブラウン管に映し出されたのは
秋山のバック宙でした。

「野球選手でもこんなことをしてくれるんだ」と
子供ながらに思ったものです。

同時にあのバック宙は、非常にゆっくりとした、助走をつけないもので
相当な足のバネがないと「バック転」は可能でも「バック宙」とはいかないものです。

一言でいえば「秋山のかっこよさ」にあこがれました。

そしてしばらくして見に行った夏休みの西武球場。

3塁側スタンドから観戦の私の目に飛び込んできたのは、
秋山の糸を引くようなライナーのホームラン。
本当に芸術と呼ぶにふさわしいきれいなものでした。

今でも目に焼き付いています。

野球に興味のなかった私にとって、基本的に野球観戦は「雰囲気もの」でしたが、
今でも記憶に残る一打(この一打が値千金とかいうわけでもないのに)。

やはりそれだけ「美しい」ホームランだったのでしょう。

自分にとって、だから秋山選手だけは特別なんです。

 

9/5の日記  

優勝争いをしていたら、自然とそうなるのかなぁ?

「この試合は重要」というゲームで今年最後を締められたのはうれしいの極み。

去年も自分の最後の(当初の予定では・・・優勝後に突然その年最後のゲームの実況がついた)実況は

西武との一騎打ち、松坂秋山に顔面死球、

とどめは、あの井口のサヨナラ満塁ホームランの試合だったし。

細かいしゃべりの中身については、

相撲とバスケットで忙しい1週間を迎えているので、9月下旬にまとめて書きますが、

(本当は忙しいを言い訳にし茶いけないんですけど)

翌日日本ハム・影井広報に聞いた、

「一度は逆転したけど、あそこで(6回途中の段階で)高橋憲幸を出さざるを得ない状況は

もう苦しくてしょうがなかった」というニュアンスを放送で出せなかったのは悔しかった。

 

抑えのミラバルにつなぐセットアッパー的存在は、

今の日本ハムには高橋憲しかいない。

しかもこのところは連投に継ぐ連投で、結果は残していたが酷使のしすぎは目に見えていた。

6回途中で出てきたときに、

一瞬「大丈夫かな。この点差(1点差)で残りイニングを考えたらもつかな。

かといって他の投手をつなぐといっても頼りない投手ばっかりだし」

という疑問が頭をよぎった。

ただそのまま解説に振らずに、放ったらかしにしていたのが失敗だった。

「やはり日本ハムの関係者も同じ思いだったのだ」。

そこに触れていれば、7回の攻防も、面白く伝えられただろうに。

**********

9/25追加分

このときの中継で、実はお聞き苦しい点がありました。

テレビまたは生で試合を見ながら聞いてくださっていた方はわかったと思いますが、

嘘を言ってました。

それは、ライトにフライが上がったとき。

8割の確率で「大きい!」を連発。

たいしたフライでもないのに、自分でも不思議なくらい必ず「大きい」と言ってしまっていた。

自分で「大きい」と本当に思っていたわけではないのです。

なぜか口癖のように、この日はこの「大きい」という言葉が出てきてしまったのです。

自分でも「何で口をついて出てくるのだろう」と不思議に思いながら、最後まで治りませんでした。

あとになって考えてみると、2つのことが思い浮かびました。

@1回表の秋山の守備

これはどう見てもライトフェンス直撃の大きな当たりを、
秋山が捕球体制に入ったふりをして、一塁走者をだまし、
フライと思った一走があわてて戻ろうとして時間をロスしたプレー。

実は自分も秋山の守備に完全にだまされ、

単なるフライと思ってしまったのです。

もちろん打った瞬間はそんな当たりには見えなかったのですが・・・

しかしあのプレーがその後も頭の片隅にあり、

だまされないぞ、と思っていたら

何でもないフライでも、もしかしたらという気持ちから

反射的に「大きい」と言ってしまった。

A実況に気合いが入りすぎていた

がんがん突っ込んでしゃべっていこうと思っていたので、

頭で考えるより先に口をついて出てしまった。

まぁ、そんな言い訳を書くためのホームページではありませんが、

今後はこんなことの無いように、記録として残しておきます。

10/23の日記  

部活動の大会前、入学試験の前日、初デートの前の晩

そして初実況の前夜。

今まで一度もドキドキしたことはなかった。

先輩の岡田アナは、今年のダイエー開幕戦や、高校野球決勝戦の実況前など

「ドキドキして眠れなかった」と言っていたが、

私には、なぜ眠れないほどドキドキするのかわからなかった。

しかし生まれて初めて、今回は前日から緊張した。

*******

布団に入る前から、息苦しくなるほど心臓がドキドキして、

「なんなんだ!これは」

と自分で自分のことがわからなくなった。

とりあえず落ち着こうと、自分で自分の胸に手を当てて、

心臓の鼓動を確認した。

「おぉ、やっぱり速くなってるぞ」

などとやっているうちに収まってきて、

いつの間にか寝ていた。

結局眠れなかったということはなく、普段より5分ぐらい遅く眠りについただけだった。

むかついたのが、未明。

近くで火事があったらしく、消防車のサイレンはうるさいわ、

アパートの水タンクの警報が鳴るわ(このごろ壊れていてしょっちゅう鳴る)

かなりの浅い眠りで、フラフラになりながら朝を迎えた。

*******

会社へ行っても、いつになくそわそわしていた。

状況からして「日本シリーズの実況」だから、と思われがちだが、

実はそうではなく

およそ1ヶ月半ぶりの実況が全国向け、

しかも初の全国ネット。

そして2度目のダブル解説。

この辺りのことがかなり「ドキドキ」につながっていた。

「日本シリーズの実況」ということに関しては、

「ドキドキ」と言うより

第一戦・第二戦の試合を目の当たりにしたら

「こんな試合を俺にも実況させてくれ、楽しすぎるじゃないか」と

わくわくしていた。

*******

さぁ放送開始です。

序盤は「自分の実況のリズム」を忘れている自分がいた。

同じコメントでも、9月までの自分ならもっとノッてしゃべっていたはずなのに、

なぜか自分のリズムがよみがえってこない。

1ヶ月半間隔が開いたせいなのか、大舞台だからなのか。

様々な思いを乗せてしゃべり始めた自分なのに・・・

放送中はもどかしさを感じていたが、

今になって思うと、最後の実況ということもうあり一生懸命にしゃべっていた気がします。

もちろん納得は全然いっていないのですが・・・

*******

放送に関して、特に心残りだったのが、

3回表、渡辺秀一に投手が代わったところ。

「えっ!?何で秀一なんだよ。こんな交代今までなかったぞ」。

「投げても田之上だろう」と1,2戦の流れからも思ったが、

なぜか解説にその疑問をぶつけられなかった。

というのも2点リードを許した、つまりリードを許している場面、

さらに田之上はベンチ入りせず(この時点でまさか田之上がその後先発するとは思っていなかった)、

「さすがに3連投は、田之上も今年はやっていないし。

                      しかもシリーズで、疲労もいつも以上だし」

などと勝手に解釈し、

おまけに「シーズンの終盤は秀一も多少いいところを見せていたときもあったな」

と理由付けし、

「この場面は当たり前なのかな」と自己完結してしまったのだ。

直前取材で尾花コーチが、

「明日からは2日間休みなので、そういう展開だったら、どんどんつぎ込みますよ」

と話していたのを、「えっ!?秀一、秀一?」とあまりに驚きすぎ、

頭の中からさっぱり飛んでいってしまっていた。

ここですぐに勝利の方程式に持ち込んでいたら、

いや、その直前満塁のところ(まだ同点)で正和さんにでもチェンジしていたら、

まだどうなっていたかわからなかったと思う。

 

第3戦の3回は、2つの考えがあると思うんです。

@二死満塁同点でラジオを、方程式の投手と交代

A2点差とされて秀一が出てきたが、そこを方程式の投手にする

僕の考えでは、@にしたら勝てた試合になったのでは?

Aにしたらもし敗れたとしても、納得がいったのではないか。

 

シリーズの流れで考えると、@で交代させなかったのは、

たとえ2点差にはなったとしても

「まだ正和さん、修司さんがそのあと食い止めてくれれば」

と思えたと思うが、

Aのように勝ちパターンの投手ではなく

シーズン中にも、あんな場面で使ったことのない秀一を出して、

しかも打たれてしまったのでは、

「何でここで????」と選手も思ったと思う。

その辺りの「?」が今シーズン初めて、首脳陣と選手の間に生まれたのが、

全ての流れを変えていった気がする。

 

テレビでは、ポイントとなるプレー、

ひいてはシリーズの流れを変えたプレーとして

3戦の2回、同点で食い止めた仁志の好守備をあげていたが、

あそこでもちろん勝ち越していたら完全なダイエーペース。

しかし同点止まりで助かったと巨人は思ったと思うが、

(そういう意味では巨人のポイントにはなるが)

ダイエーは決して勝ち越せず「あーあ」という雰囲気ではなく、

「これで何とかいつものパターンに持ち込んで行けるぞ」

という気持ちで3回を迎えたと思う。

それだけに、3回の投手交代の遅れと出した投手がふさわしくなかったことが

ダイエーにとっての今シリーズの分岐点だったと言える。

 

長嶋監督が、シリーズを振り返ってのインタヴューでその場面について触れていたが、

「連勝で第3戦を迎えただけに、王監督も多少余裕が出てきたのではないか」

と話していた。

この辺りの余裕は、初回のダイエーの攻撃にも見られた。

1,2戦なら絶対パントのケースの無死一塁で、村松にバスター。

シーズン中ものってきたときの王監督は、初回でこういうことをする。

「ただシリーズということを考えると、とりあえず堅くいっておいた方がいいのでは」

と放送しながら考えたものだ。

 

とにかく第3戦のあの交代のところを、

もしかしたら当然なのかもしれないが、

自分で疑問を持ちながら解説に振るのをためらったのが悔やまれるところだ。

しかも自分なりに考えると、ダイエーがシリーズを制せなかったのは、

あの2度の交代機にあると思っているからだ。

*******

これで2000年の野球中継の日記は終了です。

半年間お聴きいただきありがとうございました。