part TWO(第2部)
The Economy in the Long Run(長期経済)
経済学者たちは第2章で紹介した変数を使います。つまり、GDP、インフレーション、そして失業です。ある年からある年まで、そして国から国へと経済的な行動を比較することです。しかしながら、経済的な行動を測定することは、ほんの第1歩です。第2に、もっと重要な段階は経済的行動を説明し、それを証明することです。これを行うために、我々は経済活動、変数の間の相関関係、そして公共政策の効果に光を当てるモデルが必要です。これらのモデルを発展させるためには、この本の残りの部分での我々の第1の仕事です。
この本の一部では、我々は経済の古典派モデルを検証します。古典派モデルの鍵となる仮定は価格の伸縮性です。たいていの経済学者たちはこの仮定がいかにして経済が長期に扱われるのか述べられることに同意します。
第3章は最も基本的な古典派モデルを構築します。つまりそれはその後の章での多くのモデルの基本条件を提供します。それは経済がいくら生産し、誰が生産から所得を得て、そしていかにして経済の資源が代替的な用途に置き換えられるのかを議論します。
しかるに第3章は資本、労働、科学技術が固定されていると仮定しており、第4章、5章、6章はもっときっかりとこれらを見ます。第4章は我々が議論できるような長期の経済成長モデルを発展させます。経済の資本のストックは変えることができます。第5章は科学技術の効果を合わせるためにこのモデルを拡張します。第6章は何が自然失業率を決定するのか説明するために労働市場を検証します。
次の2章はその分析を拡張します。第7章は貨幣とインフレーションの古典派理論を紹介します。第8章は開放経済を述べるために古典派理論を拡張します。つまりそれは輸出、輸入、そして世界金融市場における借入金と貸付金です。
Chapter3 National Income:Where It Comes
From and Where It Goes
(第3章 国民所得:どこから来てどこへ行くのか)
私が今までに耳にした中で最良の、幸福への秘訣は高所得である。
ジェーン・オースチン
マクロ経済学で最も重要な変数は国内総生産(GDP)です。我々がこれまでに見てきたように、GDPは財・サービスの国内の総産出物と国内の総所得の両方を測定します。GDPの重要性を評価するために、国際的なデータを一目で見ることが必要です。:彼らより貧しいGDPと比較したり、1人当たりのGDPが高水準の国々は幼年期の栄養状態から家計1軒当たりのテレビの数に至るまで全ての物を持っています。大きなGDPはある国の国民すべてが幸福であることを保証していませんが、しかしそれはマクロ経済学者たちが提供しなければならない幸福のための確実な最も良い秘訣です。
この章はある国のGDPの資源と用途について4種類の問題に接近します。:
◆経済における企業はいくら生産するのか?何が国内総所得を決定するのか?
◆誰が生産から所得を得るのか?労働者にはいくら給料が支払われ、資本家にはいくら利 潤が支払われるのか?
◆誰が経済の産出物を買うのか?いくら家計は消費のために購入し、家計と企業は投資の ためにいくら購入し、そして公的目的のために政府はいくら費やすでしょうか?
◆何が財・サービスの需要と供給を均衡させるのか?何が見込まれる消費、投資、政府購 入に対する支出が生産の水準に等しくなることを確実にしますか?
これらの質問に答えるために、我々は経済の相互作用のいろいろな部分を検証しなけれ ばならない。
まず始めるに当たり、循環フロー図である。第2章では我々は労働サービスから、ある生産物、パンが生産された仮説における経済でお金の流れ図を描きました。図3−1は、いかにして実際の経済変動をもっと正確に反映させています。それは、家計、企業、そして政府という経済主体の間の結びつきを示します。そして経済におけるいろいろな市場においていくらのお金が流れるのかを示します。
これらの経済主体の立場からお金の流れを眺めましょう。家計は受け取った所得を政府に税金を支払うために、財・サービスに消費するために、そして金融市場において貯蓄するために使います。企業は財・サービスの販売から収入を受け取り、それを生産要素の支払いに使います。家計と企業の両方は金融市場において、住宅、工場、設備のような投資財を購入するためにお金を借ります。政府は税収を受け取り、それを政府購入の支払いに充てます。そしてもし政府が税収よりも消費するのならば、赤字を補填するために金融市場において借金します。
この章では我々は図3−1において明らかにされる経済相互作用を説明するために基本的な古典派モデルを発展させます。我々は企業から始めます。そして何が彼らの生産水準を決定するのか見ます。(そして、このようにして国民所得の水準も決定されるのか見ます。)それから我々はいかにして生産要素市場が家計に対するこの所得に貢献するのか検証します。次に、我々はこの家計所得がいくら消費され、いくら彼らが貯蓄するのか考察します。家計の消費から発生する財・サービスへの需要を議論することに加えて、我々は投資と政府購入から発生する財・サービスへの需要を議論します。最後に、我々は財・サービスの需要(消費、投資、政府購入)と財・サービスの供給は均衡するということを検証します。
3−1 What Determines the Total Production
of Goods and Services?
(財・サービスの総生産物は何が決定するのですか?)
経済における財・サービスの産出物、つまりGDPは(1)生産要素と呼ばれる、投入数量と(2)生産関数によって描かれるような投入物を産出物に変える能力により成ります。我々は順次これらのおのおのを議論します。
The Factors of Production(生産要素)
生産要素は財・サービスの生産のために使用された投入物です。生産要素のうちで最も重要な2つは、資本と労働です。資本は労働者が使う道具一式です。:建設労働者のクレーン、会計士の計算機、この本の作家のパソコンなどです。労働は人々が働いている時間です。我々は資本数量を表示するために、頭文字のKを使います。そして労働数量を表示するために、頭文字のLを使います。
この章では我々は与えられた物として経済の生産要素を取り扱います。言い換えれば、我々は経済において資本数量と労働数量は固定された物として仮定します。我々は以下の通りに記述します。
K = K(一定)。L = L(一定)。
おのおのの変数の横棒は、ある水準で固定されていることを意味します。第4章では、我々は我々の実際の世界がそうであるように、生産要素が変化するとき何が起こるのか検証します。ここでは、我々の分析を簡略化するために、我々は資本と労働の数量を固定されたものと仮定します。
我々はまたここでは、生産要素は完全に利用される。つまりここでは無駄遣いされる資源は存在しないことを仮定しています。再び、現実の世界では、労働力の一部分は失業しており、そしていくらかの資本は遊休しています。第6章では、我々は失業の理由を検証します。しかし今、ここでは我々は資本と労働は完全に利用でされていると仮定します。
The Production Function(生産関数)
役に立つ生産関数は技術的に産出物が与えられた資本と労働数量からいくら生産されるのか決定します。経済学者たちは生産関数を使うことで利用可能な科学技術を用いて表現します。産出物の量をYと表示することにしましょう。我々は以下のように生産関数を書きます。:
Y=F(K,L)
この方程式は産出物が資本量と労働量の関数であることを示します。
生産関数は資本と労働を産出物に変えるための役に立つ科学技術に反映します。もし誰かがある財を生産するのにもっと良い方法を発明するのならば、その結果同じ資本と労働の量からもっとたくさんの産出物になります。このようにして、科学技術的な変化は生産関数を変化させます。
多くの生産関数は規模に関する収穫不変と呼ばれる特徴を持っています。生産関数はもしすべての生産要素において同じ割合で増加するのならば、同じ割合で産出物の増加を引き起こします。これを規模に関する収穫不変であるといいます。もし生産関数が規模に関して収穫不変ならば、そのとき我々は資本と労働の両方を10%増加させるとき10%増の産出物を得ます。数学的に、生産関数は以下のように、いかなる正数Zであっても規模に関して収穫不変です。
zY=F(zK,zL)
この方程式はもし我々が資本量と労働量の両方にzを掛けるのならば、産出物もまたz倍されます。次の章では、我々は規模に関する収穫不変という仮定がいかにして所得が生産から分配されるために重要な含みを持つことを見ます。
生産関数の1つの事例として、パンの生産を考えなさい。台所とその設備はパンの資本であり、パンを作るために雇われる労働者たちは労働です。そしてパンは産出物です。パンの生産関数は生産された数量が設備数量と労働者数量によることを示します。もし生産関数が規模に関して収穫不変ならば、そのとき設備数量と労働者数量を2倍するのならば、パンの生産数量は2倍になります。
The Supply of Goods and Services
(財・サービスの供給)
我々は今では生産要素と生産関数が一緒に財・サービスの供給数量を決定することを見ることができます。つまりそれは順次経済の産出物に等しくなります。これを数学的に表現するために、我々は以下の通りに記述します。:
Y=F(K(一定),L(一定))=Y(一定)
この章では、我々は資本と労働の供給と生産技術は固定されていると仮定するので、産出物はまた固定される。我々が第4章と第5章で経済成長を議論するとき、我々はいかにして資本と労働の増加と科学技術的な生産における改良が経済の産出物における成長に導かれるのか検証するでしょう。
3−2 How Is National Income Distributed
to the Factors of Production?
(いかにして国民所得は生産要素に分配されますか?)
我々が第2章で議論したように、経済の総産出物はその総所得に等しい。生産要素と生産関数が一緒に財・サービスの総産出物を決定するので、それらはまた国民所得を決定します。図3−1におけるフロー循環図はこの国民所得が生産要素市場において企業から家計へ流れることを示しています。
この節では、我々はいかにしてこれらの要素市場が機能するかを議論することによって我々の経済モデルを発展させて続けます。経済学者たちは所得分配を理解するために長い間要素市場を研究しました。(例えば、カール・マルクスという19世紀の経済学者は、資本と労働の所得を説明するために長い時間を費やしました。共産主義の政治哲学はマルクスの今述べた理論に基づく一部分でした。)ここでは、我々はいかにして国民所得が生産要素市場で分割されるのかの現代理論を検証します。この理論は、新古典派分配理論と呼ばれ、それは今日のたいていの経済学者たちによって受け入れられています。
Factor Prices(要素価格)
国民所得の分配は要素価格によって分配されます。要素価格は生産要素に支払われる金額です。つまりそれは、賃金労働者が稼ぎ、資本を集める所有者の地代です。図3−2が示すように、サービスからの生産要素のおのおのの価格は順次その要素により供給と需要によって決定されます。我々は経済の生産要素市場は固定されていると仮定するので、図3−2における要素供給曲線は垂直です。右下がりの要素需要曲線と垂直の供給曲線の相互作用は均衡要素価格を決定します。
要素価格と所得分配を理解するために、我々は生産要素市場の需要を検証しなければならない。要素需要は資本と労働を使う何千もの企業から発生するので、我々は今典型的な企業によって、いくらこれらの要素を使うのかについて直面する方向を見ます。
図3−2 いかにして生産要素は決定するのか
The Decisions Facing the Competitive
Firm(競争的企業が直面する意志決定)
典型的な企業について設定されるもっとも単純な仮定は、企業が競争的であるということです。競争的企業は交易される市場において相対性が低い。だから企業は市場価格に余り影響力を持たない。例えば、我々の企業は市場価格で財を生産し、販売している。多くの企業がこの財を生産するので、我々の企業は財の価格が下落することなしに企業の意図と同じように販売することができ、あるいは財の価格が上昇することなしに一緒に売ることをやめることもできます。同様に、我々の企業は雇う労働者の賃金に影響を及ぼすことができない。なぜならば多くの別の地方企業はもまた労働者を雇うからです。その企業は市場賃金よりも高く払う理由もない。そしてもし企業がより少なく支払おうとするならば、その労働者たちは別の仕事を選択するでしょう。それゆえに、競争的企業は与えられた産出物と与えられた投入物の価格を選択します。
その生産物を作るために、企業は、資本と労働という、2つの生産要素が必要です。我々が集計された経済を取り扱ったように、我々は生産関数によって企業の生産技術を表現します。:Y=F(K,L)、ここではYは生産単位の数量(企業の産出物)であり、Kは使用された機械の数量(資本量)、そしてLは企業によって雇われる労働時間の数字です。(労働数量)その企業はもし企業がもっと機械を所有するのか、あるいはもしもっと多くの時間で労働者を雇用するのならば、もっとたくさん生産するでしょう。
企業はその産出物を価格Pで販売し、賃金Wで労働者たちを雇います。そして利子率Rで資本を借ります。さて我々企業が借りる資本について語るとき、我々は家計が経済の資本ストックを所有していると仮定していることに気がつきなさい。この分析では、家計は、彼らが彼らの労働を売るように、彼らの資本を貸し出します。企業は家計から両方の生産要素を獲得します。
企業の目的は利潤を極大化することです。利潤は収入マイナス費用です。つまりそれは、企業の所有者たちが生産の費用に支払った後で保持しているものです。収入はP×Yに等しくなる。つまり財の価格Pに企業が生産する財の数量Yを掛けたものを売ったものです。費用は労働費用と資本費用の両方を含んでいます。労働費用はW×Lに等しくなります。つまりそれは賃金Wに労働数量Lを掛けることです。資本費用はR×Kに等しくなります。つまりそれは、資本のレンタル価格Rに資本数量Kを掛けたものです。我々は以下のように記述します。:
利潤 = 収入 − 労働費用 − 資本費用
= PY − WL − RK
いかにして利潤が生産要素に依存するのか見るために、我々は以下の方程式を得るために、Yを置き換えて、生産関数Y=F(K,L)を使います。
利潤 = P・F(K,L)− WL − RK
この方程式は利潤が生産物の価格P、要素価格WとR、そして要素数量LとKに依存することを示します。競争的企業は与えられたものとして生産物価格と要素価格を選択し、利潤を極大化する労働数量と資本数量を選択します。
The Firm’s Demand for Factors(企業の要素需要)
我々は今我々の企業は利潤を極大化する数量で労働を雇いと資本をレンタルするであろうことを知るでしょう。しかし、いかにしてそれらの利潤を極大化する数量は何が導き出されるのでしょうか?この質問に答えるために、我々は最初に労働数量を考え、それから資本数量を考えます。
労働の限界生産物
企業が労働を雇えば雇うほど、ますます産出物は生産されます。労働の限界生産物(MPL)は、資本数量が固定された状態での、追加的な労働1単位の増加から得られる追加的な産出物1単位の数量です。我々はこれを生産関数を使うことによって表現できます。:
MPL = F(K,L+1) −F(K,L)
右側の最初の用語は資本K単位と労働L+1単位において生産される産出物の数量です。:2番目の用語は資本K単位と労働L単位において生産される産出物の数量です。この方程式は労働の限界生産物が労働のL+1単位での産出物と労働L単位のみの産出物の間の相違です。
たいていの生産関数は限界生産物逓減の特徴を持ちます。:固定資本数量を維持したままで、労働の限界生産物は労働数量の増加のように減少します。例えば、再びパン屋でのパンの製造を考えなさい。パン屋が労働を雇えば雇うほど、ますますパンを生産します。MPLは労働が追加的に雇われたとき、追加的に生産されるパンの数量です。しかしながら、追加労働は資本数量を固定すると、MPLは下落します。台所が混雑するようになると、労働者たちは余り生産的ではなくなるので、追加的なパンの生産数量は少なくなります。言い換えれば、台所の大きさを固定したままで、おのおのの追加的な労働者は、パン屋の産出物として追加的なパンの数量は少なくなります。
図3−3は、生産関数をグラフ化したものです。それは我々が常に資本数量を一定に保ち、労働数量を変化させるとき、産出数量に何が起こるのかを示します。この図は労働の限界生産物が生産関数の傾きであることを示します。労働数量が増加すると、生産関数は水平になり、限界生産物逓減を示しています。
労働の限界生産物から労働需要へ
競争的な利潤極大化企業は追加的な労働を雇うかどうか決定するとき、企業は意志決定が利潤にいかに影響が及ぼされるのか考えます。企業はそれゆえに生産物の増加からの追加収入を、賃金における追加的な費用に対する追加労働からの結果として比較します。追加労働1単位からの収入の増加は2つの変数に依存します。:労働の限界生産物と産出物の価格です。
図3−3 生産関数
追加的な労働1単位は産出物のMPLを生産し、おのおのの産出物1単位をPで売るので、追加収入はP×Lです。労働の追加1単位を雇うための1単位は賃金Wです。このようにして、追加労働1単位を雇うことからの利潤の変化は以下の通りです。
Δ利潤 = Δ収入 − Δ費用
=(P×MPL)−W
記号Δ(デルタと呼ばれる)は、変数の変化を表します。
我々は今この節の初めで質問した質問に答えることができます。:企業はいくらで労働を雇いますか?企業の経営者たちは、もし追加的な収入(P×MPL)が賃金Wを超過するのならば、追加的な労働が利潤を増加させることを知っています。それゆえに、経営者は次の単位でもはや利益がなくなるであろうときまで、労働を雇い続けます。つまりそれは、MPLが追加収入が賃金に等しくなる点まで落ち込むということです。企業の労働需要は P×MPL=W
によって決定されます。我々はまたこれを以下の通りに記述することができます。
MPL=W/P
W/Pは実質賃金です。つまりそれは、金額というよりはむしろ産出物1単位当たりで測定された労働への支払いです。利潤を極大化するために、企業は労働の限界生産物が実質賃金に等しくなる点で雇います。
例えば、再びパン屋を考えなさい。パンの価格Pが1斤当たり2ドルであり、労働者たちは1時間当たり賃金20ドルを稼ぐと仮定しなさい。実質賃金W/Pは、1時間当たり10斤のパンです。この事例では、企業は追加的な労働者たちが少なくとも1時間当たり10斤生産する間は労働者たちを雇い続けます。MPLが1時間当たり10斤あるいは、それより少なくなる時に、雇われる追加的労働者はもはや有益ではない。
図3−4はいかにして労働の限界生産物が雇用労働数量に依存するかを示します。(企業の資本ストックは一定に保たれているものとします。)それは、この図がMPL明細表をグラフ化しています。労働数量増加するとMPLは逓減するので、この曲線は右下がりになります。いかなる与えられた実質賃金においても、企業はMPLと実質賃金が等しくなる点で雇います。ここでは、MPL明細表はまた企業の労働需要曲線でもあります。
図3−4 労働の限界生産物明細表
資本の限界生産物と資本需要
企業は企業がいくら払って労働を雇うかを決定するのと同じ方法でいくら資本を借りるのか決定します。資本の限界生産物(MPK)は、労働を固定して、追加的な1単位の資本から得られる追加的な産出物1単位であり、以下の通りです。:
MPK=F(K+1,L)−F(K,L)
このようにして、資本の限界生産物は資本のK+1単位での産出物と資本K単位のみの産出物の間の相違です。労働のように、資本は限界生産物が逓減することが重要です。
追加的な機械をレンタルすることからの利潤の増加は、その機械からの産出物の販売からの追加収入から機械のレンタル価格を控除して以下の通りです。:
Δ利潤 = Δ収入 − Δ費用
=(P×MPK)−R
利潤を極大化するために、企業はMPKが実質レンタル価格に等しくなるように下落するまで、もっと資本を借り続けるでしょう。つまり、
MPK=R/P
資本の実質レンタル価格はお金よりはむしろ財の単位で測定されたレンタル価格です。
要約すれば、競争的、利潤極大化企業はいくら労働を雇用し、いくら資本を借りるのかについて簡単なルールに従います。企業は要素の限界生産物がその実質要素価格に等しくなるように下落するまで、おのおのの生産要素に依存します。
The Division of National Income
(国民所得の分配)
企業がいかにしていくらでおのおのの要素を雇用する意志決定をするのか分析した後で、我々はいかにして生産要素市場が経済の総所得を分配するのか説明することができます。もし経済におけるすべての企業が競争的で、利潤極大化をするのならば、そのときおのおのの生産要素は生産工程におけるその限界的な貢献部分に対して支払われます。おのおのの労働者たちに支払われる実質賃金はMPLに等しくなります。そしておのおのの資本所有者たちに支払われる実質レンタル価格はMPKに等しくなります。労働者に支払われる総実質賃金はそれゆえにMPL×Lです。そして資本の所有者に支払われる総実質レンタル収入はMPK×Kです。
企業が生産要素に支払った後に残った所得は企業の所有者たちの経済学上の利潤です。実質の経済学上の利潤は以下の通りです。
経済学上の利潤=Y−(MPL×L)−(MPK×K)
我々は国民所得の分配を検証したいので、我々は再び以下のように用語を置き換えます。 Y=(MPL×L)+(MPK×K)+経済学上の利潤
総所得は労働に対する報酬、資本に対する報酬と経済学上の利潤に分配されます。
どのくらい経済的な利潤は大きいのでしょうか?その答えは驚きです。:もし生産関数が規模に関する収穫不変という特徴を持つとすれば、そのときに考えられるのは、経済的利潤がゼロであるということです。つまりそれは、生産要素に支払った後に何も残らないことです。この結論はオイラーの定理と呼ばれる有名な数学的結果から導き出されます。つまりそれはもし生産関数が規模に関して収穫不変ならば、そのとき以下の通りになります。:
F(K,L)=(MPK×K)+(MPL×L)
もしおのおのの生産要素がその限界生産物に支払われるのならば、そのときこれらの要素支払いの合計は総産出物に等しくなります。言い換えれば、規模に関する収穫不変、利潤極大化、そして競争が一緒になって経済学上の利潤がゼロになることを意味します。
もし経済学上の利潤がゼロならば、いかにして我々は経済における「利潤」の存在を説明することができるでしょうか?その答えは通常使用された「利潤」という用語は経済学上の利潤という言葉とは異なるということです。我々は3つのタイプの経済主体:労働者、資本の所有者、企業の所有者が存在することを仮定してきました。総所得は賃金、資本収入と経済学上の利潤に分配されます。しかしながら、現実の世界ではたいていの企業は彼らが使う資本を借りるよりはむしろ所有しています。企業所有者と資本の所有者は同じ人々なので、経済学上の利潤と資本収入はしばしば一緒に総括されます。もし我々がこれを代替的定義で会計上の利潤と呼ぶのならば、我々は以下の通りに述べることができます。:
会計上の利潤 = 経済学上の利潤 +(MPK×K)
我々の仮定の下では、つまり 規模に関する収穫不変、利潤極大化、そして競争が一緒になって経済学上の利潤がゼロになります。もしこれらの仮定が現実世界について適切に述べているのならば、そのとき国民所得勘定における「利潤」はほとんど資本収入になるに違いない。
我々は今、経済の所得がいかにして企業から家計に分配されるのかについて、この章の始めで設定された質問に答えることができます。おのおのの生産要素はその限界生産物に支払われ、そしてこれらの要素支払いは総産出物に支払われます。総産出物は、限界生産力に応じて、資本要素支払いと労働の要素支払いに分配されます。
CASE STUDY
The Black Death and Factor Prices
(黒死病と要素価格)
我々がちょうど学習したように、新古典派分配理論では、要素価格は生産要素の限界生産物に等しくなります。限界生産物は要素数量に依存するので、どれか1要素の数量の変化はすべての要素の限界生産物を変化させます。それゆえに、要素の供給における変化は要素価格の均衡を変化させます。
14世紀のヨーロッパは、要素数量が要素価格にいかにして影響を及ぼすのかという生々しい事例を提供しています。1348年に突発した黒死病、つまりペストの大流行は2−3年間でヨーロッパ人口の約1/3を減少させました。労働の限界生産物は労働数量の減少により増加したので、労働力におけるこの物凄い減少は労働の限界生産物を引き上げました。(経済は図3−3と図3−4における曲線に沿って左側に移動します。)実質賃金は黒死病の間に実質的に2倍にまで増加しました。幸運にも生き残ることができた小作農たちは経済的な繁栄を謳歌することができました
黒死病による労働力の削減はまた、中世ヨーロッパにおける土地収入、その他の主要な生産要素に影響を及ぼしました。土地を耕すのに有益な労働者がほとんどいない下で、追加的な1単位の土地はほとんど追加的な1単位の産出物を産み出しません。この土地における限界生産物の下落は実質50%以上の賃料の減退に導かれました。このようにして、小作農階級が繁栄していた間に、土地所有者階級は所得を減らしました。
3−3 What Determines the Demand for Goods
and Services?
(財・サービスの需要は何が決定するのか?)
我々は何が生産水準を決定するのか、そしていかにして生産から所得が労働者と資本の所有者に分配されるのか見ました。我々は今、図3−1のフロー循環図を眺め続けます。そして、いかにして生産から産出物が使われるのか検証します。
第2章では、我々はGDPの4つの構成要素を認識しました。:
◆消費(C)
◆投資(I)
◆政府購入(G)
◆純輸出(NX)
フロー循環図は最初の3つの構成要素のみ含みます。ここでは、分析を単純化するために、我々は閉鎖経済を仮定します。つまりある国が他国と貿易を行わないものとします。このようにして、純輸出はいつもゼロです。(我々は第8章において開放経済のマクロ経済学で検証します。)
閉鎖経済は生産された財・サービスのために3つの用途を持ちます。これら3つのGDPの構成要素は国民所得勘定恒等式において以下の通り表現されます。:
Y=C+I+G
家計は経済の産出物のうちのいくらかを消費します。;企業と家計は投資のために産出物のうちのいくらかを使います。;そして政府は公共の目的のために産出物のうちのいくらかを購入します。我々はいかにしてGDPがこれら3つの用途に置き換えられるのか見てみたい。
Consumption (消費)
我々が食べ物を食べるとき、服を着るとき、あるいは映画を見に行くとき、我々は経済の産出物のうちのいくらかを消費しています。すべての消費形態を一緒にすると、GDPの2/3にもなります。消費はまた非常に大きいので、マクロ経済学者たちはいかにして家計がいくらで消費するのかについて研究することに非常に力を注いできました。第16章ではこれを細部にわたり検証します。ここでは我々は消費行動の最も単純な話を考えます。家計は彼らの労働と彼らの資本所有から所得を受け取り、政府に租税を払います。そしてそれから租税を支払った後でいくら消費して、いくら貯蓄するのか決定します。我々は3−2節で見たように、家計が受け取る所得は経済の産出物Yに等しくなります。政府はそのとき金額Tで家計に課税します。(政府は、個人所得税と法人税、消費税、のような多くの租税を課税するので、我々の目的のためにこれらのすべての税金を一緒に総括することができます。)
我々はすべての租税を支払った後の所得を、可処分所得として、Y−Tと定義します。家計は彼らの可処分所得を消費と貯蓄に分配します。
我々は消費の水準は直接、可処分所得の水準に依存することを仮定します。可処分所得が多ければ多いほど、消費はより多くなります。このようにして、以下の通りになります。 C=C(Y−T)
この方程式は消費は可処分所得の関数であることを示します。消費と可処分所得との関係は消費関数と呼ばれます。
限界消費性向(MPC)は可処分所得が1ドル増加したとき消費が増加する金額です。MPCはゼロと1の間です。:追加的な1ドルは消費を増加させますが、しかしそれは追加的な1ドル以内です。このようにして、もし家計が所得の追加的な1単位を獲得するのならば、彼らはMPCの比率で貯蓄します。例えば、もしMPCが0.7ならば、そのとき家計は追加的な可処分所得をおのおの財・サービスに対する消費に70セント費やし、30セントを貯蓄します。
図3−5は消費関数を示します。消費関数の傾きは我々に可処分所得が追加的に1単位増加したときにいくら消費が増加するのかを教えてくれます。つまり、それは消費関数の傾きがMPCであることを示します。
図3−5 消費関数
Investment(投資)
企業と家計の両方は投資財を購入します。企業は資本ストックを追加するために、そして減耗している既存の資本を更新するために投資財を購入します。家計は新しい家を購入します。つまりそれらもまた投資の一部分です。アメリカにおける総投資は平均して約GDPの15%になります。
投資財の需要数量は利子率に依存します。つまりそれは投資に融資するために使用された資金の費用を測定します。投資計画が有益であるために、その収益(財・サービスの増加した将来の生産からの収入)は、その費用(資金を借り入れるための支払い)を超過しなければならない。もし利子率が上昇すると、投資計画は有益でなくなる。そして投資財の需要数量は下落します。
例えば、ある企業が1年当たりに10万ドルの収入を得られるか、あるいは10%の収入が得られるのならば、100万ドルの工場を建設するのかどうか決定をしていると仮定せよ。企業はこの収入に対する100万ドルを借りるための費用を比較します。もしその利子率が10%より下ならば、企業は金融市場でお金を借りて投資を行います。もし利子率が10%よりも上ならば、企業は投資機会を差し控えます。そして工場は建設しません。 企業はたとえもし企業自身の資金周遊していても、100万ドル借りる必要がない状況でも同じ意志決定をします。企業はいつもこのお金を銀行あるいは貨幣市場資金に預金しており、その利子を稼いでいます。工場を建設することは、もしが利子率が工場における10%の収入よりも少ないのならば、預金することよりも有益です。
新しい家を買おうと思っている人は、同じような意志決定に直面します。利子率が高ければ高いほど、ますますその抵当権の費用は大きくなります。10万ドルの抵当権の費用は、もし利子率が8%で1年当たり8千ドルかかります。もし利子率が10%ならば1年当たり1万ドルかかります。利子率が上昇すると、家を所有することの費用は上昇し、新しい家の需要は下落します。
我々は経済における利子率の役割を研究するとき、経済学者たちは名目利子率と実質利子率を区別します。この区別は全体の価格水準が変化するとき重要です。名目利子率は通常報道されるような利子率です。:それは投資家たちがお金を借りるときに支払う利子率です。実質利子率はインフレの効果を考慮した名目利子率です。もし名目利子率が8%でインフレ率が3%ならば、そのとき実質利子率は5%です。第7章では、我々は名目利子率と実質利子率の相関関係について細部を議論します。ここでは、実質利子率が借りるための本当の費用を測定し、このようにして、投資数量が決定されることを心にとどめておくことは重要です。
我々はこの結論を投資Iに対する実質利子率rの相対関係の方程式で要約することができます。 I=I(r)
図3−6はこの投資関数を示します。投資関数は右下がりの曲線です。なぜならば利子率が上昇すると、投資需要数量は下落するからです。
図3−6 投資関数
Government Purchases(政府購入)
政府購入は財・サービスの第3番目の構成要素です。連邦政府は大砲、ミサイル、そして政府が雇用する人々のサービスを購入します。地方政府は図書館の本を買い、学校を建設し、そして学校の先生を雇います。すべての水準の政府は道路を建設したり、他の公共事業を行います。すべてのこれらの取引は財・サービスの政府購入を構成し、そしてそれはアメリカGDPの約20%に計算されます。
これらの購入は政府支出の単なる一つの型です。他の型は貧困者に対する福祉と年輩の人々に対する社会保険支払いのような、家計に対する移転支出です。政府購入ではなく、移転支出は経済における財・サービスの産出物のいくらかと交換されません。それゆえに、それらは変数Gに含まれません。
移転支出は間接的に財・サービスの需要に影響を及ぼします。移転支出は課税の反対です。:移転支出は、ちょうど税金が可処分所得を削減するように、家計の可処分所得を増加させます。このようにして、移転支出の増加は変化しない可処分所得をそのまま税金を増加させることによって融資されます。我々は今、我々のT(租税)の定義を租税から移転支出を控除して等しくなるように修正します。可処分所得、Y−Tは租税の負の衝撃と移転支出の正の衝撃の両方を含んでいます。
もし政府購入が租税から移転支出を控除したならば、そのときG=Tであり、そして政府は均衡予算になります。もしGがTを超過するのならば、政府は赤字予算です。つまりそれは政府債を発行することで、資金を調達します。つまりそれは金融市場からの借入れです。もしGがTよりも少ないのならば、財政余剰を持つことになります。つまりそれは外部債務のいくらかを支払うために使うことができます。
ここでは我々は特別な財政政策に導かれる政策過程、つまりそれは政府購入と租税であるが、それを説明することには挑みません。その代わりに、我々は政府購入と租税を外生変数として取り扱います。これらの変数を表示するためには国民所得のモデルの外部で固定され、我々は以下の通りに書きます。:
G=G(一定)、T=T(一定)
しかしながら、我々はモデルの中で決定される内生変数に対する財政政策の衝撃を検証したい。内生変数はここでは消費、投資と利子率です。
いかにして外生変数が内生変数に影響を及ぼすのか見るために、我々はモデルを解かなければならない。これが次の節での課題です。
3−4 What Brings the Supply and Demand
Goods and Services Into Equilibrium?
(財・サービスの需給均衡に何がもたれされますか?)
我々は今、図3−1におけるフロー循環図を一周して戻ってきた。我々は財・サービスの供給を検証することによって始めました。そして我々はちょうど財・サービスの需要を議論しました。いかにして我々はすべてのこれらのフロー均衡を明らかにすることができるでしょうか?言い換えれば、何が消費、投資、政府購入が生産された産出物の金額に等しくなることを保証しますか?我々はこの古典派モデルを見るでしょう。利子率は供給と需要を均衡させる重大な役割を持ちます。
経済における利子率の役割を考える方法には2つあります。我々はいかにして利子率が財・サービスの需要と供給にいかにして影響を及ぼすのか考えることができます。あるいは我々はいかにして利子率が貸付資金市場の需要と供給にいかにして影響を及ぼすのか考えることができます。我々が見るように、これら2つのアプローチは同じコインの裏表です。
Equilibrium in the Market for Goods and
Services:The Supply and Demand for the
Economy’s Output
(財・サービス市場における均衡:経済の産出物の供給と需要)
方程式に従うことで、図3−3における財・サービスの需要の議論を要約します。:
Y=C+I+G
C=C(Y−T)
I=I(r)
G=G(一定)
T=T(一定)
経済の産出物の需要は消費、投資、政府購入から成ります。消費は可処分所得に依存します。;投資は実質利子率に依存します。そして政府購入と租税は財政政策立案者たちによって、設定される外生変数です。
この分析に対して、第3−1節における財・サービスの供給について何を学ぶのか付け加えましょう。そこでは我々は生産要素を見て、生産関数は経済に対して供給された産出物の数量を決定されます。:Y=F(K一定,L一定)
=Y(一定)
さて、産出物の供給と需要を述べるためのこれらの方程式を結びつけましょう。もし我々が国民所得勘定方程式において消費関数と投資関数を置き換えるのならば、我々は以下の方程式を獲得します。
Y=C(Y−T)+I(r)+G
変数GとTは政策によって固定されており、産出物の水準Yは生産要素と生産関数によって固定されているので、我々は以下の通り書くことができます。
Y(一定)=C(Y(一定)−T(一定))+I(r)+G(一定)
この方程式は産出物の供給が需要に等しくなることを示しています。つまりそれは消費、投資、政府購入の合計です。
利子率rは変数というだけでなく、すでに最後の方程式で決定されないことに注目しなさい。これは利子率がまだ演じる役割が有るからです。:利子率は財の需要と供給が等しくなることを確実にするために調整されなければならない。利子率が増加すればするほど、ますます投資水準は低くなり、そしてこのようにして、財・サービスの需要C+I+Gはますます減少します。もし利子率が高すぎるのならば、投資は低く成りすぎて、産出物の需要は供給に満たなくなる。もし利子率が低すぎるのならば、投資は高すぎて、そして需要は供給を超過します。均衡利子率においては、財・サービスの需要は供給に等しくなります。
この結論はなんだか不思議なことに思われるかもしれない。いかにして利子率が財・サービスの供給と需要を均衡させる水準になるかは不思議に思われるかもしれない。この質問に答える最も良い方法はいかにして金融市場がその話に適しているかについて考えることです。
Equilibrium in the Financial Markets:
The Supply and Demand for the loarnable
Funds(金融市場の均衡:貸付資金市場の供給と需要)
利子率は借り入れの費用であり、金融市場における貸し付けからの収益であるので、我々は金融市場について考えることによって経済における利子率の役割をよりよく理解できます。これを理解するために、国民所得勘定恒等式を以下のように書き直します。
Y−C−G=I
(Y−C−G)は、消費者と政府の需要が満たされた後の残った産出物であり、国民貯蓄あるいは単に貯蓄(S)と呼びます。この形態では、国民所得勘定恒等式は貯蓄が投資に等しくなることを示しています。
この恒等式をもっと深く理解するために、我々は国民貯蓄を2つの部分に分割することができる。つかり1つの部分は私的部門の再表現であり、他方は政府部門の再表現です。: (Y−T−G)+(T−G)=I
(Y−T−G)は可処分所得から消費を控除したものである。つまりそれは私的貯蓄です。(T−C)は政府収入から政府支出を控除したものです。つまりそれは公的貯蓄です。(もし政府支出が政府収入を超過するのならば、政府は赤字予算となります。そして公的貯蓄は負です。)国民貯蓄は私的貯蓄と公的貯蓄の合計です。図3−1におけるフロー循環図はこの方程式の解釈を表現しています。:この方程式は金融市場(私的貯蓄と公的貯蓄)の中へのフローは、金融市場(投資)の外へのフローと均衡しなければならないことを示します。
いかにして利子率が金融市場を均衡にもたらすのか見るために、国民所得勘定方程式を消費関数と投資関数に置き換えなさい。:
Y−C(Y−T)−G=I(r)
次に、政策によってGとTは固定されて、Yは生産要素と生産関数によって固定されることを書き留めなさい。:
Y(一定)−C(Y(一定)−T(一定)−G(一定))=I(r)
S(一定) =I(r)
この方程式の左辺は国民貯蓄が所得Yと財政政策の変数GとTに依存します。Y、G、Tを固定することにより、国民貯蓄もまた固定されます。方程式の右辺は、投資が利子率に依存することを示します。
図3−7は、利子率の関数として貯蓄と投資をグラフ化したものです。
図3−7 貯蓄、投資と実質利子率
貯蓄関数は垂直です。なぜならばこのモデルにおける貯蓄は利子率に依存しないからです。(我々はこの仮定をその後緩めるのだが)投資関数は右下がりになります。:利子率が高かれば高いほど、ますます投資計画は有利でなくなる。
図3−7を一目見ると、ある人は特別な財の需要と供給の図であると思うかもしれない。事実、貯蓄と投資は供給と需要の用語によって解釈できます。この場合には、「財」は貸付資金であり、そしてその「価格」は利子率です。貯蓄は貸付資金の供給です。つまり家計は彼らの貯蓄を投資家たちに貸し出すか、あるいは彼らの貯蓄を銀行に預金し、それから貸し出されます。投資は貸付資金の需要です。つまり投資家たちは大衆から証券を売ることによって、あるいは間接的に銀行から借りることによって借り入れします。投資は利子率に依存するので、貸付資金数量もまた利子率に依存します。
利子率は企業が投資したい金額が家計が貯蓄したい金額に等しくなるまで調整されます。もし利子率が低すぎるのならば、投資家たちは家計が貯蓄するよりもたくさんの経済の産出物が欲しい。同様に、貸付資金の需要量は供給数量を超過します。こうなると、利子率は上昇します。反対に、もし利子率が高すぎるのならば、家計は企業が投資したい以上に貯蓄したい。;なぜならば貸し付け資金の供給数量は需要数量より大きいので、利子率は下落します。均衡利子率は2つの曲線が交差するところとなる。均衡利子率では、家計の貯蓄したいという望みは企業が投資したいという望みに均衡し、そして貸付資金の供給数量は需要数量に等しくなります。
Changes in Saving:The Effects of Fiscal Policy(貯蓄の変化:財政政策の効果)
我々はいかにして財政政策が経済に影響を及ぼすのか示すために我々のモデルを使うことができます。政府がその支出あるいは租税水準を変化させるとき、政府は経済の財・サービスの産出物の需要に影響を及ぼし、国民貯蓄、投資と均衡利子率を変更します。
政府購入における増加
最初にΔGの金額で政府購入における増加の効果を考えなさい。間接的な衝撃はΔGによって財・サービスの需要が増加することです。しかし総産出物が生産要素が固定されているので、政府購入の増加は他のいくらかのカテゴリーの需要における減少によって対応されなければならない。可処分所得Y−Tは変化しないので、消費Cは変わらない。政府購入の増加は等しい投資の減少によって対応されなければならない。
下落する投資を削減するために、利子率は上げなければならない。ここでは、政府購入の増加は利子率の増加と投資の減少を引き起こします。政府購入は投資をクラウディングアウトすると言われます。
政府購入における増加の効果をグラフ化するために、貸付資金市場における衝撃を考えなさい。政府購入における増加は租税の増加によって伴わないので、政府は借り入れによって追加的な支出の資金を調達します。つまりそれは、公的貯蓄を削減することです。私的貯蓄は変わらないので、この政府借り入れは国民貯蓄を減少させます。図3−8が示すように、国民貯蓄の削減は投資のために役に立つ貸付資金市場の供給の左側への移動によって表現されます。最初の利子率では、資金需要が供給を超過しています。均衡利子率は投資予定が新しい貯蓄予定と交差する点まで上昇します。このようにして、政府購入における増加はr1からr2までの利子率の増加を引き起こします。
CASE STUDY
Wars and Interest Rates in the United
Kingdom,1730−1920
(1730年から1920年のイギリスにおける戦争と利子率)
戦争は戦うものと共に、そしてその国の経済にとっても衝撃的なものです。戦争に伴う経済的な変化はしばしば大きいので、戦争は経済学者たちが彼らの理論で検証できる自然的な実験を提供します。我々はいかにして戦時における内生変数が外生変数における大きな変化に反応するのか見ることによって、経済について学ぶことができます。
戦争中に実質的に変化する1つの外生変数は政府購入の水準です。図3−9は1730年から1919年までのイギリスのGDPに占める割合としての軍事支出を示しています。このグラフは、ある人が政府購入がこの時代の8回の戦争の間に突然、急激に上昇したことが見込まれることを示しています。
我々のモデルはこの戦争中の政府購入、つまり戦争に資金融資するための政府における借り入れの増加は、財・サービスの需要を当然引き上げるはずであり、貸付資金の供給を削減し、利子率を引き上げることを予測させます。この予測を試すために、図3−9はまた、イギリスにおいてコンスル債と呼ばれる長期政府債における利子率を示します。軍事支出と利子率との正の相関関係はこの図で明らかです。これらのデータはモデルの予測を援助します。:利子率は政府購入が増加すると上昇する傾向があります。
理論を検証するために戦争を使う1つの問題は、多くの経済的な変化は同時に起こるかもしれません。例えば、第2次世界大戦において、政府購入が劇的に増加する間中は、配給することはまた、多くの財の消費は制限されました。加えて、戦争に負けたり、政府による政府債における債務不履行の危険性は、おそらく政府が支払わなければならない利子率を増加させます。経済的なモデルは1つの外生変数が変化して、すべての他の外生変数が常に同じままであるとき、何が起こるのか予測します。しかしながら、実際の世界では、多くの外生変数は一度に変化します。実験室で制御されないうちに、経済学者たちの頼りにしなければならない自然の実験はいつも解釈することが簡単とは限りません。
A Decrease in Taxes(租税の減少)
さてΔTの租税の削減を考えなさい。減税の直接の影響は可処分所得を引き上げることです。そしてこのようにして消費を引き上げることです。可処分所得はΔTによって引き上げられ、そして消費はΔTに限界消費性向MPCを掛けた金額によって上昇します。MPCが高ければ高いほど、消費における減税の効果は大きくなります。
経済の産出物は生産要素と政府購入の水準が固定されているので、消費の増加は投資の減少によって相殺されるに違いない。下落する投資のために、利子率は上昇するに違いない。ここでは、租税の削減、政府購入の増加のように、投資を締め出し、利子率を増加させます。
我々はまた貯蓄と投資を見ることによって減税の効果を分析することができます。減税はΔT可処分所得を引き上げるので、消費はMPC×ΔTになります。国民貯蓄、つまりそれは(Y−C−G)に等しくなるのだが、消費が上昇するのと同じ金額が減少します。図3−8のように、貯蓄の削減は貸付資金市場の供給を左側へ移動させます。つまりそれは均衡利子率を増加させ、投資を締め出します。
CASE STUDY
Fiscal Poliicy in the 1980s
(1980年代の財政政策)
最近の歴史上の最も劇的な経済的な出来事のうちの1つは、1981年のアメリカの財政政策の大きな変化でした。1980年にロナルド・レーガンは軍事支出を増加させ、減税を行うと公約する綱領で大統領に選ばれました。この政策の組み合わせの結果は、言うまでもなく、政府支出と収入における不均衡でした。1980年代の連邦政府赤字は飛躍的に増加しました。そして政府は平時には空前の利子率で借り入れました。
我々のモデルが予測するように、この財政政策の変化は高い利子率と低い国民貯蓄という結果に導きました。実質利子率(政府債−インフレ率で生産量を測定するような)は、1970年代の0.4%から1980年代の5.7%にまで上昇しました。GDPに占める総国民貯蓄の割合は1970年代の16.7%から1980年代の14.1%にまで下落しました。1980年代の財政政策の変化は我々の単純な経済モデルが予想するような効果を持ちました。
Changes in Investment Demand(投資需要の変化)
ここまでは、我々はいかにして財政政策が国民貯蓄を変化させることができるのかについて議論しました。我々はまた市場の別の側面、つまり投資の需要を検証するために我々のモデルを使うことができます。この節では、我々は投資需要の結果と効果を見ます。
投資需要が増えるかもしれない1つの理由は、技術革新です。例えば、誰かが、鉄道やコンピューターのような、新しい科学技術を発明すると仮定しなさい。企業や家計がイノベーションの有利性を獲得することができる前に、投資財を買わなければなりません。鉄道のイノベーションは電車が生産されて線路が敷かれるまでは何の価値もなかった。コンピューターのアイデアはコンピューターが生産されるまでは生産的ではなかった。このようにして、科学技術的なイノベーションは投資需要の増加に至ります。
投資需要はまた政府が税法によって投資を促進したり、落胆させたりするので変化するかもしれない。例えば、政府が個人所得税を増加させ、新しい資本に投資する人々の租税を削減するために余裕のある収入を使うと仮定しなさい。税法の変化におけるようなものは、投資プロジェクトにもっと役に立たせます。そして、科学技術的なイノベーションは投資財の需要を増加させます。
図3−10は投資財における増加の効果を示します。
どんな与えられた利子率でも、投資財の需要(そして資金もまた)はより大きくなっている。この需要における増加は投資の計画の右側への移動によって表現されます。経済は古い均衡点、A点から新しい均衡点、B点まで動きます。
図3−10の驚くべき含蓄は均衡投資額は変わらないことです。我々の仮定の下では、固定された貯蓄水準が投資金額を決定します。;言い換えれば、借入金の供給は固定されています。投資需要の増加は単に均衡利子率を引き上げるのみです。
しかしながら、もし我々が我々の単純な消費関数を改良して、消費が利子率に依存することとするのならば、我々は異なった結論に到達するでしょう。利子率は貯蓄に対する収益なので、より高い利子率は消費を削減し、貯蓄を増加させるかもしれない。もしそうならば、貯蓄計画は右上がりになるでしょう。つまりそれは垂直というよりはむしろ図3−11のようになります。
右上がりの貯蓄曲線のもとでは、投資需要の増加は均衡利子率と均衡投資数量の両方を増加させるでしょう。図3−12はそのような変化を示します。均衡利子率の増加は家計が消費を少なくして、貯蓄を増加させる結果を招きます。消費の減少は投資のための資源を生じさせます。
3−5 Conclution(結論)
この章では、我々は生産、分配、そして財・サービスの経済の産出物の配分を説明するモデルを発展させました。図3−1におけるフロー循環図で描かれたモデルは相互作用をすべて含んでいるので、それはしばしば一般均衡モデルと呼ばれます。モデルはいかにして価格が供給と需要が均衡するために調整されるのかを強調します。要素価格は要素市場を均衡させます。利子率は財・サービスの供給と需要(あるいは、同じことではあるが貸付資金市場の供給と需要を)を均衡させます。
本章を通じて、我々はモデルのいろいろな応用を議論します。モデルはいかにして所得が生産要素に分割され、いかにして要素価格が要素供給に依存するのかを説明することができます。我々はまたいかにして財政政策がその代替的な使用、つまり消費、投資、そして政府購入の間での産出物の配分を変更するのか、いかにして財政政策が均衡利子率に影響を及ぼすのかを議論するためにモデルを使いました。
この点で、我々がこの章で作り上げた仮定を単純化するためのいくらかを復習するのに役に立ちます。以下の章では、我々は偉大な質問の数々に接近するためにこれらの仮定のいくらかを緩めます。
◆我々は、資本ストック、労働力、そして生産技術は固定されていると仮定しました。
第4章と第5章では、我々はいかにして経済の産出物の財・サービスにおける成長にこ れらがどのようにつながるのか見ます。
◆我々は労働力は完全雇用されていると仮定しました。第6章では、我々は失業の理由を 検証し、いかにして公的政策が失業の水準に影響を及ぼすのか見ます。
◆我々は、財・サービスを売ったり買ったりする資産としての貨幣の役割を無視しました。
第7章では、我々はいかにして貨幣が経済に影響を及ぼすのかと金融政策の影響を議論 します。
◆我々は他の国々との貿易は行われないと仮定しました。第8章では、我々はいかにして 国際的な相互作用が我々の結論に影響を及ぼすのか考えます。
◆我々は硬直的な価格の短期の役割を無視しました。第9章から第13章では、我々は価 格硬直性を含む短期変動のモデルを発展させました。我々はそれからいかにして短期変 動のモデルがこの章で発展させた国民所得のモデルに関係しているのか議論します。
これらの章に進む前に、この章の始めに戻って、章の始めの国民所得についての4つの 質問群に答えることができるか確かになります。
Summary(要約)
1 生産要素と科学技術は経済の財・サービスの産出物を決定します。生産要素のうちの 1つの増加あるいは科学技術的な進歩は産出物を引き上げます。
2 競争的、利潤極大化企業は、労働の限界生産物が実質賃金に等しくなるまで労働を雇 う。同様に、これらの企業は資本の限界生産物が実質レンタル価格に等しくなるまで資 本をレンタルします。それゆえに、おのおのの生産要素はその限界生産物に支払われま す。もし生産関数が規模に関して収穫不変ならば、すべての産出物はインプットに対す る支払いに充てられます。
3 経済の産出物は消費、投資、政府購入のために使用される。消費は可処分所得の増加 関数である。投資は実質利子率の減少関数である。政府購入と租税は財政政策の外生変 数である。
4 実質利子率は経済の産出物の需要と供給を均衡させるために調整されます。、つまり あるいは同様に、貸付資金の供給(貯蓄)と貸付資金の需要(投資)を均衡するために 調整されます。国民貯蓄の減少は、おそらく政府購入の増加あるいは減税なので、均衡 投資金額を削減し、利子率を引き上げます。投資需要の増加は、おそらく科学技術のイ ノベーション、あるいは投資のための税優遇のために、これもまた利子率を引き上げま す。投資需要の増加は、もしより高い利子率が追加的な貯蓄を刺激するのならば、投資 数量を増加させます。
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