消費関数に関する問題の研究
消費関数に関する問題は、過去3回の受験の中でも悔しい思い出が大きい。「どうしてこんな問題が分からないんだ」とか「正しい知識されあれば解けるはず」という思いが強い分野です。「言葉だけ知っていても意味がない」という反省に基づいて、問題解決の方法を探ってみたいと思います。
<第1回 経済学検定試験 2002年3月実施より>
問題1 ケインズ型消費関数
ケインズ型消費関数について、誤っている記述は次のうちどれか。
(1)現在の可処分所得がゼロでも、現在の消費は正である。
(2)現在の可処分所得が2倍になると、現在の消費も2倍になる。
(3)将来の所得税は、現在の消費に影響しない。
(4)現在の消費と現在の可処分所得についての限界消費性向は、一定である。
(答え)(2)
ケインズ型消費関数では、平均消費性向は、可処分所得の増加とともに減少する。
したがって、可処分所得が2倍になっても、消費は2倍以下にしかならない。
<第3回 経済学検定試験 2003年3月実施より>
問題2 ケインズ型消費関数
ケインズイ型消費関数に関する次の記述のうち、誤っているのはどれか。
(1)平均消費性向は所得の増加につれて逓減する。
(2)平均消費性向は限界消費性向よりも大きい。
(3)平均消費性向と平均貯蓄性向の和は1である。
(4)平均貯蓄性向と限界貯蓄性向はある所得水準で等しくなる。
(答え)(4)
<第2回 経済学検定試験 2002年10月実施より>
問題3 恒常所得仮説
恒常所得仮説にもとづく消費関数と恒常所得が、以下のように示されているものとす る。
消費関数:Ct=0.75Ytp
恒常所得:Ytp=0.4Yt+(0.3Yt−1)+(0.2Yt−2)
+(0.1Yt−3)
ただし、Ct:t期の消費、Ytp:t期の恒常所得、Yt:t期の所得とする。
ここで、Yt=200、Yt−1=100、Yt−2=200、Yt−3=100と すると、t期の平均消費性向は次のうちどれか。
(1)0.50
(2)0.60
(3)0.75
(4)1.00
ここでのポイントは、問題を見ただけで平均消費性向が限界消費性向の0.75と1.00になることはあり得ないことに気が付くことである。
したがって、選択肢の(3)と(4)を除外して計算式に代入していけばよい。
Ytp=0.4×200+0.3×100+0.2×200+0.1×100
=80+30+40+10
=160
よって、消費関数は、Ct=0.75×160=120
t期の平均消費性向は Ct/Yt=120÷200=0.60
*ここで、私はよく120を160で割ってしまうミスを連発している。
ここでの160はYtpという恒常所得であって、Yt=200の存在を忘れてはいけない。
*計算問題としては、非常に簡単なので
持ち込みが許可されている電卓を利用すれば計算のスピードはかなり早くなる
はずである。
(答え)(2)
問題4 消費関数の論点
家計における可処分所得と消費の関係について、数十年という長期の時系列データでの分析結果と、数年という短期間データ(あるいは、クロスセッション・データ)での分析結果を比べた場合について、正しい記述は次のうちどれか。
(1)長期では平均消費性向と限界消費性向は等しく、短期でも平均消費性向と限界消費性向は等しいといえる。
(2)長期では平均消費性向と限界消費性向は等しく、短期では平均消費性向の方が限界消費性向より大きいといえる。
(3)長期では平均消費性向の方が限界消費性向より大きく、短期でも平均消費性向の方が限界消費性向より大きいといえる。
(4)長期では平均消費性向の方が限界消費性向より大きく、短期では平均消費性向と限界消費性向が等しいといえる。
(答え)(2)
問題は、消費関数をめぐる論点となっている部分である。
長期データでは、消費関数における独立消費がゼロになる
が、
短期データでは独立消費は正の値をとる
はずである。
また長期データの限界消費性向は、短期データの限界消費性向よりも大きくなる。
整合的な説明として以下の仮説がある。
相対所得仮説:人々の消費習慣性は、短期的な所得低下に対応した形で消費水準が急激に低下するものではない。これを
「消費の歯止め効果」(ラチェット効果)
という。
恒常所得仮説:消費は所得の恒常的な変動によって変化するが、一時的な所得変動には敏感に反応しない。
流動資産仮説:今期の所得に加えて、流動資産ストックの実質価値が消費に影響を与える。短期的には、流動資産ストックの実質価値に変化がないので、独立消費がゼロより大きくなるが、長期的には経済成長とともに変化していくものと考える。
(2004年1月11日作成)
国民所得計算に関する問題の研究
へ
ミクロ経済学
マクロ経済学のキーワード
ミクロ経済学のキーワード
郡上経済学研究所の掲示板
国際ネッワーク大学コンソーシアム
やさしい経済学の掲載内容データベース
マクロ経済学の原理
ミクロ経済学の原理
マンキューのマクロ経済学(第4版)
マンキューの経済学原理(第2版)
第156回配信まで更新メルマガ版「マンキューの経済学」の過去ログ集
「僕はこんな推理小説を読んできた」
古代史への招待
パワフルリンク
ホーム
へ戻る