国際ネットワーク大学コンソーシアム 平成12年11月28日(火)
第12回 情報・知識創造と教育
岐阜女子大学文化情報研究センター教授 後藤忠彦
後藤忠彦氏は、教育工学の日本を代表する第1人者としてコンテンツの開発研究、遠隔教育システムの開発に携わってきた方である。
後藤氏によれば、情報の意味は分かったようで分からない。つまり、 定義が曖昧だそうである。情報の特性は、様子はどうなっているか、ということについての知らせ(辞書から)であり、informationという英単語は形を与えることという意味があり、日本ではドイツ語の翻訳で森鴎外が「判断の手がかりになる知らせ」を意味するとしました。
「imformation」の意味は幕末から大正期・・・教え、消息、警告、報知、・・・・・通信へと進化して、昭和時代には・・・情報、諜報ということを意味するようになりました。
その後、情報の言葉は一般化して、昭和30年代からテレビでは、一億総白痴化の時代に知識の製品化が起こり、情報提供 → 情報産業の登場という変化がこれまでの、報道・案内・広告・宣伝の概念を「情報」と呼ぶようになりました。
そして、昭和40年代から コンピュータ、通信による情報処理が行われるようになり、「情報量」という概念が生まれました。
次に、「教育における情報」という概念は以下のように整理されます。
@知識と情報
*情報リテラシーとは、奇妙な言葉である(後藤氏)
a)知識が情報になるには
受け手が使うために、受け取った知識は情報と言える
知識の羅列は、情報とはならない
受け手がなければ情報とはならない
分かり切ったことは情報とはならない
知識と情報の違いは何か?
知識とは何か?
Q.本の中に書いてある知識が情報となるためには?
b)教育と情報の特性
情報の相対性:情報は送り手と受け手があって存在する
情報の目的性:情報の受け手は何らかの目的を持って、情報を受け取る
情報の個別性:受け手によって情報となるかどうか決まる
情報の不滅性:情報はいくら使っても減るものではない
*物質、エネルギー、情報という「モノ」とい呼ばれるモノの中で、情報は減らない
情報の複製性:情報はいくらでも複製できる(オリジナルと同様に使うことが出来る)*違法コピーが問題になっているが、文化・教育の分野では真似事は非常に重要なことで あり、文化面では認められるべきであろう。著作権の問題はあるが、文化・教育面では 見直しが必要ではないか。(後藤氏)文化の伝承という観点での再検討を望む。
(認識機能)
知識の介入 一般化・抽象化・概念化
*当初からデータと知識・認識が一致してはいけない。
例1 西高東低の気圧配置は冬型である:経験から出てきた知識
3 情報と学習
a)学習環境と情報
情報処理に、知識の介入、目的、意欲というものが作用する
*意欲の欠落に対する論争・・・総合的学習を進める、意欲をサポートする傾向
b)教授・学習と知的構成
情報を知識に変えるのに「物知り」が必要。
「物知り」とは経験的知恵である。
情報処理機器は今のままで良いのか?「物知り」のような隠れた能力を切り捨てていないか。(ITの表面的な効率性のために)
4 情報から知識創造
a)知識創造と情報システム
@教授学習に適応した情報の構成
A情報がどこにあるのか的確に判断できる物知りの知恵が必要
キーワード:索引語、検索語
シーソラス:キーワードとして用いられる「ことば」の概念が、お互いにどのような関わりをもっているか・・・体系化
*情報が多すぎて、調べることが不可能に近い
*知恵があって調べられるような状況の構築は?図書館を旨く利用できないか?
*今後は、情報自身の蓄える方法が必要。
*情報を原点から眺め直し、知識の羅列ではなく、情報を考え直して、新しい情報システムの構築が必要であろう。