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この研究室では、ヒット商品の分析や新商品の研究をしています。
その成果の一部として、新聞、雑誌等に寄稿した論文の一部を再掲します。
異価値創造が繁栄を招く
(東海総研マネジメント,1999,7月号)
現代社会研究所所長・青森大学教授・古田隆彦
【市場縮小時代が始まる】
「不況は底を打った」という声が政府や財界から聞こえてくる。なるほど、強力な景気てこ入れ策で、今年の個人消費は回復のきざしを見せている。が、このまま拡大基調が続くかといえば、見通しはかなり暗い。
なぜなら、わが国の消費市場はすでに“縮小”過程に入っているからだ。八〇年代まで毎年八〇〜一〇〇万人も増えていた人口は、今や三〇万人を切っている。このまま進めば、総人口は二〇〇四年の一億二七〇〇万人をピークに、二〇〇五年から減っていく。
人口が減れば、消費者の数が減り、衣食住の需要も減るから、内需は確実に減少する。つまり、個人消費は一旦は回復しても、再び低下していく。それどころか、二一世紀の初頭からは、慢性的な市場縮小が始まるのだ。
こうした時代が間近に迫っている以上、景気の回復を過度に期待するのは危険だろう。それよりも、時代の変化に合わせて、いち早く経営の方向を転換すべきだ。例え消費者の数が減ったとしても、付加価値の高い商品で単価を引き上げたり、TPOに合わせて使い分けるような商品を複数売ることができれば、売り上げを維持できるばかりか、増加させることも不可能ではない。
つまり、従来の価値を超える「異価値」が創造できれば、企業はなお繁栄を続けることができるのだ。
【異価値とは何か】
それでは、「異価値」のある商品とは一体どんなものをいうのだろうか。主な条件をまとめてみると、次の三つが浮かんでくる。
第一は何といっても、既存の商品を超える、新しい機能、記号、私的効用などを持っていること。
新しい機能とは、その商品の登場で、私たちの生活の利便、効率、快適性などが一変してしまうような特性だ。例えば、六〇年代のマイカー、カラーテレビ、クーラー、七〇年代のレトルト食品、VTR、電子レンジ、八〇年代のウォークマン、温水洗浄便座、パソコン、九〇年代の携帯電話、携帯パソコン、ハイブリッド乗用車などがその例である。
新しい記号とは、カラー、デザイン、ネーミング、ストーリーなど、商品の上にまったく新しい“意味”を付加することだ。六〇年代のカラーシャツ、ホンコンシャツ、ミニスカート、七〇年代のピンクの冷蔵庫、パンタロン、キャラクターウォッチ、八〇年代の禁煙パイポ、通勤快足、ビックリマンチョコ、九〇年代のiMAC、ハイテクスニーカー、ルーズソックスなどが、これにあたる。
新しい私的効用とは、手作りや参加など自作を促す効用や、分身や分心など愛着を深める効用で、個々のユーザーに意外な値打ちを発見させるものだ。前者では、手作りファッション、手作りパソコン、手作りカーなど、また後者では、一生ものの商品、修理保証商品、古物再生商品などが先例になる。
第二は、これらの新しい特性が、消費者の潜在的な「欲動」を巧みにとらえて、明確な「欲求」や「欲望」に転化できること。
新しい消費願望は、ユーザー自身が潜在的には抱きつつも、明確に自覚していない場合が多い。異価値を創造するには、それに形を与えて、生理的な「欲求」や、文化的な「欲望」として自覚させることが必要なのである。
第三は、ある程度お金を出しても、どうしても買いたくなるような、斬新な魅力を持っていること。
この条件は、第一、第二の条件がクリアできておれば、比較的簡単に達成できる。消費者の多くは、本当に必要なものや欲しいものには、決してお金を惜しまないからだ。その結果、最初に異価値を創造した企業は、先発者利益を大きく伸ばすことができる。
【異機能で成功した商品】
三つの条件をクリアした、ヒット商品にはどなんものがあるだろうか。中堅・中小企業の成功事例を以下にまとめてみた。
新機能商品では、フリーズドライタイプの離乳食が代表例だろう。八〇年代前半に東京の和光堂が開発したもので、高度な利便性が母親たちに受けて、先発メーカーを一気に追い抜いた。驚いた先発各社もレトルト商品で対抗したから、一食当たりの単価は、七〇年代の七〇〜八〇円から八〇年代後半には二三〇〜二五〇円に上昇した。さらに九〇年代に入ると、和食風、中華風、フランス料理風など、バラエティーや質の競争で、三〇〇〜三五〇円に跳ね上がった。その結果、出生数の減少で顧客数が六割弱に落ち込んだにもかかわらず、業界全体の売り上げは四〜九%の安定した成長を続けている。
ハーブ入り醤油も新機能商品だ。大分市のファインド・ニューズが開発したもので、消臭効果と風味が増すため、事業用でヒットした。同社ではさらにドレッシング、オイル、ソーセージなどの、ハーブ入り食品を次々に製品化して、短期間に国内屈指のハーブ入り食品メーカーに成長した。
土壌改良コンサルタントのクレアテラ(東京)が開発した「ガーデンマット」も、新機能でヒットしている。ヤシの殻を特殊圧縮で成型した人工土壌で、一枚当たり約一kgと軽く、直接種子をまいたり苗を植えられるし、散水もできる。マンションの屋上やベランダでも手軽に庭園を作れるから、九七年の春にホームセンターやガーデニング専門店などで売り出したところ大評判となり、月間四万枚を売るヒット商品になった。
このほか、高齢化社会を先取りした新機能商品として、家屋に負担の少ない空圧式のエレベーターやシャワー式の介護用入浴機器なども好事例である。
【異記号でもヒットする】
異記号商品でも、中小企業が健闘している。群馬県の小野木製袋は、折り畳むと六角形だが広げると丸みを帯びる紙袋や、一枚の合成紙を折り畳んで張り合わせただけの書類ケースなど、ユニークなデザインのショッピングバッグを次々に開発して、商業用高級紙袋の、最大手の一つに成長している。
広島市の風船工房・匠も、水に溶けるビニールフィルムと特殊紙と張り合わせた、気密性の高い風船を開発し、環境を汚さないイベント用として注目を集めている。さらに同社では、人間が中に入って動かす七福神バルーン、災害時用の空気寝具セットや空気座布団など、新素材を駆使した、新しいデザインの商品を次々に発売している。
北九州市の散水栓メーカー、タカギはペットボトルを玩具に変えてしまった。九六年一月に発売した「ペットボトルロケット製作キット」は、使用済みのペットボトルを水と圧縮空気を使って発射するもの。九七年のDIYショーの新商品コンクールで、ベストヒット賞に輝き、二〇万個を売り上げている。
このほか、東京のロフテーが開発した「ボディーピロー」は、抱きついたり足をかけやすいように、細長くデザインした抱き枕。二〇代から三〇代の女性に受けて、九六年春の発売以来、約七万個を売った。また川越市の協同商事が開発したサツマイモラガーは、ビールをベースにサツマイモを加えた発泡酒。九六年に同社のレストラン「小江戸ブルワリー」で限定販売したところ、素材の意外性と大胆なネーミングが受けたため、川越市内の酒屋でも発売し、現在では一日一klを製造するまでになった。
【異効用を創り出した商品】
異効用商品では、さまざまな私的効用が創り出されている。手作り型では、富山市の光岡自動車のキットカーが代表例だ。ユーザー自身が組み立てられるミニカーで、写真入りの説明書やビデオがついている。「組み立てからナンバー取得までを体験し、家族で物作りの楽しさを実感してもらうこと」が狙いだという。九八年の夏に発売して以来、組み立て車の受注台数が完成車を抜いており、ユーザーの関心の高さを示している。
参加型では、八王子市のジャックル浦島屋が展開する、お酒の“量り売り”チェーン。九五年から清酒や洋酒を量り売りしているが、カウンターでカクテルの材料やブレンド方法を教えてくれるから、消費者は原酒を小分けで買って、自前でブレンドし、世界に一つだけのスコッチを作ることができる。
編集型では、山形市の鳥太郎が開発したバイキング方式の弁当屋チェーン。五〇種類以上のお惣菜の中から、欲しいものを欲しいだけ取って、値段はどれでも一〇〇g一五〇円。既製弁当のマンネリに飽きたユーザーは、好みや体調にあった献立を自ら作れるし、店員もまたパック詰めの手間が省け、計量も一回で済む。平成元年の創業以来、南東北三県で二五の直営店と、フランチャイズの三店を持つまでに成長している。
愛着型では、川口市の吉田オリジナルのハンドバッグが典型だ。同社のブランド「IBIZA」の品質には定評があるが、それ以上に好評なのは徹底した顧客対応と長期的な修繕サービス。本社のコンピューターには八四万人のユーザーの購買状況が登録されているし、年に四〇回、四〇〇〇人ものユーザーを工場見学会に招いたり、クリスマスパーティーに招待している。自社製品の修理やリフレッシュは、実費で引き受けており、年間扱い件数は約一万七〇〇〇件に達している。
修繕を独立したサービス産業に格上げしたのが、福井市のミスター・コンセント。ユーザーが持ち込んだ家電なら、どの会社の製品でも修理する。特殊なものを除いて八〇%は店内で修理し、その三〇%を翌日までに完了する。予定より遅れると、一日につき二〇〇円を割り引く。九四年六月に開業して以来、年間約一万件もの依頼を受け、現在では直営三店とフランチャイズの三店を展開している。
【異価値の創り方】
以上のような成功事例を見ると、異価値の創造には、幾つかの共通手法があるようだ。異機能を創り出すには、既存商品の外側に広がる潜在需要を発見したうえで、さまざまな素材や技術を組み合わせて、その穴を埋める商品を創りだすことが求められる。それには、エレクトロニクス、バイオテクノロジー、新素材などのハイテクを応用するだけでなく、既存技術の転用や異業種商品からの転換なども、積極的に試みることが必要である。フリーズドライの離乳食、ハーブ入り醤油、空圧式の家庭用エレベーターなどは、そうした手段によって成功したものだ。
異記号を創り出すには、ファッション、トレンド、風俗、文化などの動向を注視しつつ、時代の感性に見合った、新しい記号を考え出すことが求められる。それには、技術動向や品質管理といった知識だけでなく、流行や遊びなどを把握する文化的教養を高めることが必要である。小野木製袋の小野木社長も「当社独自の技術と、新しい感性を適切に組み合わせることで、初めてヒット商品が生まれるのです」と述べている。
異効用を創り出すには、価値と効用の違いを理解することがまず必要だ。価値とは一定の集団が共通して認める値打ちだが、私的効用とは、自分だけに大切な値打ちである。これまでの消費社会では、ほとんどの商品が価値として提供されており、ユーザーもまたそれを受け入れてきた。しかし、消費社会の成熟化に伴って、マイブームやマイトレンドなど、個々のユーザーが自分だけの効用を求めるようになってきた。こうした新しい生活願望に応えるには、機能による「差別化」、記号による「差異化」に加えて、売った後の面倒見のよさで他社との差を延長させる「差延化」戦略が有効なのである。
吉田オリジナルの吉田社長も「商品を売るだけじゃなく、売った後に顧客との触れ合いを濃くしていけば、ニーズや欠点がわかり、力強い信頼関係が生まれてくる」と述べている。またジャックル浦島屋の藤江社長も「セルフサービスのように、低価格をめざすだけでなく、人間の温かさを介在させるウォームサービスが必要なのです」と語っている。
結局、異価値を創造するには、生活願望の変化をとらえる柔軟な観察力と、目標を実現するためのさまざまな応用力の、両面からのアプローチが必要なのである。
1999年ヒット食品大予測
(食品工業、1999年3月号)
現代社会研究所所長・青森大学教授 古田隆彦
【99年とはどんな年か】
「不況は底を打った」という声が政府や財界の首脳から聞こえてくる。
だが、本当にそうなのだろうか。なるほど相つぐ景気てこ入れ策の効果で、99年の個人消費は幾分回復のきざしを見せ始めている。この分だと、今年から来年にかけてはマイナス成長を脱し、僅かながらもプラス成長を取り戻す可能性も出てきた。
しかし、それ以降も拡大基調が続くかといえば、その見通しはかなり甘い。なぜなら、わが国の消費市場はすでに“停滞”過程に入っているからだ。最大の原因は人口の停滞で、80年代半ばまでは毎年80〜100万人も増えていたのに、90年代に入るや急減し始め、今や30万人を切っている。
その結果、総人口は2004年の約1億2700万人をピークに、以後は急減していく(国立社会保障・人口問題研究所,1997年推計,低位値)。人口が減れば当然、ユーザーの数が減り、衣食住の需要も減るから、内需は確実に減少していく。つまり、あと数年で市場縮小時代が始まるのだ。
とすれば、99年という年は、平成大不況の一休みから市場縮小へと向かう時代の、束の間の安定期ということになろう。
【過去3カ年の消費トレンド】
こうした時代に、消費市場はどのように動いているのだろうか。
過去3カ年のヒット商品の流れから全体の動向を抽出してみると、96年は5M(ミニミニバブル、マルチメディア、メタモダーン、ミッドティーンズ、ミーイズム)、97年は5M(モバイル、マルチメカ、メタモダーン、ミソロジー、ミーイズム)、98年は5K(価格志向、更新志向、携帯志向、個我志向、虚像志向)といったトレンドがそれぞれ浮かんでくる。このうち、98年の5Kについて、もう少し詳しく眺めてみよう。
第1の“価格”志向とは、先行き不安と閉塞感がますます増す中で、財布の紐を引き締めた消費者たちが「安さ」や「値ごろ感」へ向かっていることをいう。ヒット事例でいえば、アップルコンピューターの「iMAC」、日本マグドナルドの「65円バーガー」、「東京電話」、「スカイマークエアラインズ」などが該当する。
第2の“更新”志向とは、消費財のほとんどが飽和化している中で、さらに消費者の財布の紐を緩ませるには、従来の商品の機能を全面的に更新することで買い換えを促そうというものだ。マイクロソフトの「ウィンドウズ98」、ソニーの「バイオノート505」、家電各社の平面ブラウン管テレビ、富士写真フィルムのデジタルカメラ「ファインピックス700」、トヨタ自動車のハイブリッドカー「プリウス」、日産自動車の「キューブ」、そして新規格の軽自動車などがこの事例である。
第3の“携帯”志向とは、マルチメディア化の進む社会の中で、自己拡張意識を高めた消費者たちが、さらなる利便性や娯楽性を求めて、常にメディアに接触していたいと願う傾向である。このニーズに真っ先に対応したのが携帯型商品であり、NTT移動通信の「ポケットボード」、家電各社のポータブルMD、任天堂の「ポケットピカチュウ」などが該当する。
第4の“個我”志向は、成熟社会の中でますます個人志向を高めた消費者たちが、自分の思いのままに健康や容姿を高めようと、ファッション、食品、薬品などを求めることをいう。これに対応した商品としては、ファッションではキャミソールや厚底ブーツ、薬品ではインポテンツ治療薬「バイアグラ」などがあげられる。
第5の“虚像”志向は、閉塞感や先行き不透明感が強まる中で、不安を感じた消費者たちが、偶像や動物など身近なモノに精神安定剤を求め始めていることをいう。これに対応して伸びたのが、アニマルプリントやキャラクター商品、とりわけ魔除けの「天童よしみ人形」などだろう。
【中期トレンドの構造を探る】
98年の5Kは、昨今の社会動向を微妙に象徴している。
例えば価格志向には金融不安、雇用不安、先行き不安などで生活防衛意識を高めた消費者と、それに対応しようとする供給側の努力が現れている。また更新志向には、市場飽和化による消費停滞をなんとか突破しようとするメーカーや流通業の開発努力が潜んでいる。つまり、価格志向と更新志向の二つには、経済危機のいっそうの深刻化が示されている。
一方、携帯、個我、虚像志向の3つには、大きな転換期に当面した消費者の意識が反映している。社会環境の拡大はもはや無理となったものの、なお自意識を肥やし続けている消費者の多くは、より身近な自己実現に向かって走り始めているということだ。
こうした傾向は、過去3カ年の推移にいっそうはっきりと現れている。例えば、96、97年にはなかった価格志向が、98年には不意に現れているのは、長引く不況のなかでも、98年がとりわけ悪い年だったことを示している。また更新志向は96年のマルチメディア、97年のマルチメカなどのトレンドを引き継ぎつつ、98年にはその傾向がいっそう進んでいる。
他方、携帯志向は97年のモバイルを継承しつつ、電子機器などの身体一体化志向がますます高まってきたことを示している。虚像志向も、直接的には97年のミソロジー(神話)を継承しているが、間接的には96年以来のメタモダーン(脱近代)も引き継いでおり、現代人の心の中にもアニミズムやフェティシズムが根強く残っていることを示している。そして、個我志向は96年以来のミーイズムを引き継ぐものとして、飽和・成熟化した転換期に生きる人間の危機意識を象徴しており、90年代を通底する、最も強力なトレンドとなっている。
【食品分野の消費トレンド】
以上のトレンドは、食品関連分野についてもほぼ当てはまる。
次にヒット食品・飲料・外食などの過去3カ年の推移をみると、96年の5M、97年の5M、98年の5Kには、それぞれ関連した食品類が浮かんでいる。最近時の98年については、より詳しく紹介しておこう。
第1の“価格”志向では、さきにあげた日本マグドナルドの「65円バーガー・キャンペーン」が、10〜15日間の限定期間中に97年の約10倍を売っている。また「回転ずし」チェーンも、低価格と鮮度のよいネタを売り物に全国各地で一斉に増加した。
アルコール市場でも、キリンビールが2月に発売した「麒麟淡麗<生>」が、ビールに変わる低価格発砲酒として大ヒットし、サントリーが5月に発売した「膳」も1000円ウィスキーという低価格とKONISHIKI のCMでヒットした。いずれも消費者の低価格志向をとらえたものだ。
第2の“更新”志向では、アサヒビールが4月に発売した「アサヒスーパードライ スタイニー」が、34年前の小瓶をリニューアルし、350ml缶に比べて29円も安くしたことで、年間400万ケースを売り上げた。定番商品であっても、巧みなアレンジがあれば、全く新しい需要の創造が可能なことを実証したのだ。
第3の“携帯”志向は、食品では携帯食やテークアウト化に該当する。この分野では、日本たばこが97年春に発売した「桃の天然水」が、1〜9月の累計販売量は1150万ケースに達した。ニアーウォーターと呼ばれる低糖分飲料の一つだが、ダイエットをめざすティーンズ層に受けて、アウトドア用飲料の定番となったためだ。
また家事の外部化の流れに乗って、大手デパートの本格的な高級料理から下町商店街の簡易なお惣菜まで、HMR(ホームミール・リプレースメント)も一斉に伸びた。これに加えて、「お茶づけ海苔」に代表される、永谷園のインスタント食品も、ダイナミックだが下品なCMがヤング層に受けて、売れ行きを伸ばした。ここではアウトドア、テークアウト、インスタントなどの高利便性がヒット要因となっている。
第4の“個我”志向は、知力、体力、健康、容姿を高めようとする個人的な願望の高まりをいうが、食品ではとりわけ安全性の高い食品に関心が集まった。スーパーや生協では、安全性の高い有機野菜を扱う店が急増しており、マイカルは年間80品目、ジャスコや西友も60品目に達している。また外食チェーンでも、オーガニック食材を目玉にする店が増加している。
第5の“虚像”志向では、本当の効くかどうかは別として、一種の精神安定効果をうみだす食品が対象になる。例えば、天然抗生物質のプロポリスは、抗ガン性、抗菌・殺菌効果、鎮痛作用、免疫力強化、抗腫瘍活性作用などの効能が信じられて、食品はもとより化粧品分野まで、次々にヒット商品を生みだしている。また動脈硬化防止に効果のあるといわれるポリフェノールも、赤ワインからチョコレートや化粧品にまで広がった。
以上のように整理してみると、食品関連分野もまた、消費市場全体のトレンドと連動していることがわかる。
つまり、過去3カ年の消費トレンドが示しているのは、経済停滞や人口停滞に伴う閉塞状況の中で、自己防衛志向を強めたり、モノからコト(お守りや精神安定剤)へと願望を移行させつつある消費者の姿なのである。
【99年のヒット商品・食品を展望する】
以上のような過去3カ年のトレンドを前提にすると、今後強まってくると思われるのは、表1、表2に掲げた5つの分野であろう。つまり、セルフディフェンス(生活防衛)、ニューメカニズム(新機能)、ナチュラリズム(自然主義)、ナルシシズム(自己愛)、アニミズム(万物崇拝)の5つだ。
このうち、セルフディフェンスは、昨今の節約志向や堅実志向を引き継ぐもの、またニューメカニズムは更新志向や携帯志向を継承するものだ。一方、ナチュラリズムはメタモダーン志向の、ナルシシズムはミーイズムや個我志向の、アニミズムはミソロジーや虚像志向の、それぞれを引き継いでいる。
以上の5つのトレンドは、おそらく99年の消費性向にも大きな影響を及ぼすと思われる。さきに述べたように、99年の景気は微かに回復するものの、過大な期待はまず無理で、雇用不安や所得停滞はなお続いていく。また少子・高齢化の進行で先行き不安はますます強まっていく。他方、自意識を膨らませた消費者の多くは、より身近な自己実現へと没頭していく。とすれば、5つの分野から次のようなヒット商品や食品が生まれてくる可能性が強まってくる。
(1)生活防衛分野では、100円ショップの業種拡大やニュータイプの古着店や古本屋、あるいは中古車やリサイクル・インテリアなどが伸びてくる。
食品関連でいえば、回転ずし方式が安さと高品質を武器にして、飲茶、和食、洋食などへも拡大していくだろう。この流れは、単に低価格を売り物にするだけでなく、やがて始まる人口減少時代の、市場縮小と労働力不足への対応を先取りしたものでもある。
また値ごろ感と利便性を兼ね備えたサラダバーやスープバーも、簡便でおいしい中食を求めるサラリーマンやOLに受けて、急速に伸びてくる。他方、100円ショップの延長線上で、100円野菜、100円食材から100円カフェなどがヒットすることはまず間違いない。
(2)ニューメカニズム分野では、超高機能デジタルカメラ、ニュータイプ軽自動車、新機能洗濯機などが伸びてくる。
食品関連では、ビタミン、カルシウム、食物繊維、鉄分などを強化した特定保健食品や機能性食品が、さらに伸びるだろう。一方、果物や野菜を数種類に、ヨーグルト、豆乳、ネクターなどを加えて氷とともにミキサーで混ぜたスムージーも、新しい食感とヘルシーイメージが浸透するにつれ、昨年以上に伸びてくる。
さらにエッグタルトに代表される異国風菓子やデザートも、新しい製造法や新奇な味覚や食感などを売り物にして、新たに登場してくる可能性が強い。
(3)ナチュラリズム分野では、自然派化粧品、簡易ガーデニング用品、トレッキング用品などが伸びてくる。
食品関連でいえば、公的規格団体等の厳しい認定をパスした高規格オーガニック食品が有力になるだろう。またハーブ関連商品も、お茶や香味料はもとより、芳香料やインテリア素材としてもヒットしよう。
(4)ナルシシズム分野では、自意識と自己愛を高度に高めた消費者向けに、「簡単に、賢くなる、きれいになる、クリーンになる、健康になる、幸運になる」という「簡単にカキクケコ」商品が伸びる。
食品でも同様で、頭のよくなる食品、美容によい食品、体臭や悪臭を消す食品、身体によい食品、そして運のよくなる食品といった5つの分野であれば、本当の効果はともかくも、プラシーボ(偽薬)効果によって、まちがいなくヒットする。またアサヒビール薬品の「チョコリト」のようなストレス解消菓子も、精神安定効果を求めるOL層などに受けて伸びてくる。
(5)アニミズム分野では、新型ゲーム機、新型キャラクター商品、擬似宗教用品などが伸びてくる。
食品関連でいえば、相変わらずキャラクター付き食品が強いだろう。もっとも、これまではコミックやアニメ系のキャラクター使用が多かったが、これからはゲームソフトやパソコンソフト系のキャラクターが、急速に伸びてくる。また昆布、ワカメ、もずくなどに海藻に含まれるフコイダン(食物繊維)を応用した海藻成分健康食品なども、実効性と神秘性によってヒットする可能性が強い。
【食品産業のマーケティング戦略】
以上のような消費トレンドに対し、食品産業のマーケティングはいかにあるべきか。
一方ではマルチメディアやバイオテクノロジーなどハイテク化の進行、他方では不況や人口停滞に伴う市場縮小という、両面的な市場環境の中では、単なる低価格化や高品質化だけでは不十分であり、さまざまな価値や効用の複合化が必要になる。
つまり、生活防衛、ニューメカニズム、ナチュラリズムといった分野には、(1)ハイテクを応用した高付加機能化が有効だが、ナルシシズムやアニミズムの分野には、(2)カラー、デザイン、ストーリーなど斬新な記号による付加記号化、(3)パーソナル性や愛着性の強化によるユーザーの参加化、4)日常、非日常を超えたミソロジーによる神話化、といった、多様な戦略を重ねることが求められる。
こうした方向を私たちの生活願望の中に位置づけてみると、(1)は欲求次元、(2)は欲望次元、(3)と(4)は欲動次元に対応する戦略である。欲求とは生理的な願望の充足、欲望とは流行や口コミなど文化的な願望の満足、そして欲動は普段は意識しないものの、意識下から私たちの行動を支配している願望の充足だ。
食品というとなんとなく、欲求次元の商品のように思いがちだが、決してそうではない。市場飽和時代には、食品業界もまたあらゆる次元の願望に対応する、多角的なマーケティング戦略が必要になる。具体的にその方向を例示してみよう。
- 欲求次元の対応……日常生活上の現実的な欲求に対応するには、メカニックな戦略とナチュラルな戦略の両面が求められる。前者では健康・美容・頭脳などにプラスになる産品(サプリメント、機能性食品、ビタミン強化食品、キシリトールガムなど)、後者では有害物質の排除を保障する産品(オーガニック食品、無農薬栽培野菜、合成保存量無添加食品など)を作り出すことが有効だ。
- 欲望次元への対応……情報や文化への憧れが作り出す欲望に対しては、カラー(カラー野菜、カラー飲料など)、デザイン(高デザイン菓子、斬新パッケージなど)、ネーミング(斬新なネーミングやチャッチフレーズなど)、ブランド(稀少性、高級性など)、ストーリー(曰く因縁由緒来歴をつけた食品など)、キュリオシティ(新奇な菓子や食品など)、プレミアム(限定生産食品・飲料・酒など)といった諸戦略が必要であろう。
- 欲動次元への対応……潜在的でパーソナルな欲動に対しては、手作りを促す参加・愛着戦略と超常的な神話戦略が考えられる。前者ではユーザーが自分の手を加えて満足を増す産品(手作り性を加味した食材、参加性の高い食品など)、また後者では、健康・美容・頭脳などにプラス効果があると信じ込ませる神話的産品(かっての紅茶きのこ、野菜ジュースなど)、幸運とか厄除けなどの開運神話を持った産品(合格リンゴ、開運酒など)が必要である。
結局、市場が飽和化し停滞する時代には、食品のマーケティングにおいても、便利、美味、安全などの“モノ”的価値に加えて、情報、文化、シンボルなど“コト”的な価値への対応が必要になってくるのだ。
人口動態で読む年齢別市場のゆくえ
(THE21,1999年3月号)
現代社会研究所所長・青森大学教授 古田隆彦
【三つの“代”から変化を読め】
これからの一〇年間、消費市場の動向を最も左右するのは人口の動きである。二〇〇五年前後から総人口が減り始めると、消費需要全体が停滞するうえ、中高年市場は拡大するものの、若年市場では量的縮小と質的転換が平行的に進んでいくからだ。
こうした年齢別の消費動向を的確に展望するには、まず時代、世代、年代(年齢)という、三つの“代”からアプローチしたうえで、それぞれの変化を重ね合わせて判断することが必要だろう。
第一は「時代」の変化。現在の個人消費は、平成不況に伴う閉塞観や人口伸び率の急落による消費停滞などで著しく低迷している。しかし、今後二、三年間は政府の強力な梃入れ策の効果もあって、景気は幾分持ち直し、僅かながらもプラス成長を取り戻すだろう。
とはいえ、そのあたりが限界で、もはや高度成長期やバブル時代のような、高水準の成長はありえない。とりわけ、二〇〇五年前後から人口が減り始めると、それに伴って消費市場も再び停滞し始める。結局、一〇年後の二〇一〇年ころには、慢性的な消費停滞と供給過剰によって、消費市場の量的縮小が進み、ゼロ成長経済が常態化することになろう。
だが、決して悲観することはない。例えGDPが一定であっても、人口が減っていく以上、一人当たりGDPは増えていくから、ゼロ成長さえ維持できれば、消費市場の質的な縮小は起こらない。むしろ、人口減少とゼロ成長を前提とした、新たな消費性向を需給両面から作り出すことができれば、消費市場はいっそう高度化していくことが期待できる。例えば、「多少高くとも質がよくて永く使える」とか「TPOに対応してさまざまに使い分ける」ような、新しい付加価値を持った商品を開発すれば、従来の成長・拡大型とは一味違う飽和・凝縮型の消費市場を創造することも可能だろう。
その意味で、おそらく今後一〇年間は、新しい市場構造への一大転換期となるだろう。
【少数世代がリードする】
第二は「世代」の変化。世代とはいうまでもなく、同時期に生まれた人口集団のことだ。最も狭義には同年生まれの集団をさすが、より広義には一〇〜一五年の間に生まれた集団をさす場合もある。
ここでは後者の定義に従って、わが国の世代構成を分けてみると、表に示したように、明治・大正生まれを一括りとして、昭和一ケタ、昭和二ケタ、団塊一世、新人類、団塊二世、少子化一次、団塊三世、少子化二次の八集団が考えられる。これら八つの世代はそれぞれ独特の性格を持っているが、それを決めたのは主として次の二要因であった。
一つは同時期に生まれた人口(コウホート)の大きさ。一般的にいうと、沢山生まれた世代(多数世代)は競争が激しいから、しっかり者が多くなるが、余裕がないから新しい文化や消費行動を創り出す能力に乏しい。他方、少なく生まれた世代(少数世代)は競争が少ないから、ぼんやり者が多くなるが、ゆとりがあるから斬新な文化や消費行動を創り出す能力がある。
このため、新しい流行や生活様式などは少数世代が生み出し、これを継承し拡大させるのが多数世代という役割になる。具体的にいえば、団塊、団塊二世、団塊三世などが前者であり、昭和二ケタ、新人類、少子化一次、少子化二次などが後者に近い。その結果、昭和一ケタが創り出した流行や生活様式を、団塊世代が継承して拡大したり、新人類が創り出した流行を、団塊二世が継承・発展させていくというケースが多くなっている。
もう一つは世代の履歴効果。各世代は幼児期、少年期、青年期、成人期と育っていく過程で、さまざまな社会・経済的情勢や事件、時代のムードなどの影響を受けて、一定の価値観や行動様式を形成している。
例えば、団塊の世代は幼児期に戦後の混乱期を抜け出し、一〇代で高度経済成長と第一次、第二次安保騒動を経験し、二〇代で列島改造と石油ショックの洗礼を受け、三〇〜四〇代で円高とバブル経済を体験してきた結果、前時代の後始末と新時代の模索という役割を担わされている。
他方、新人類世代は幼児期に高度経済成長と第一次、第二次安保騒動の中で育ち、一〇代で列島改造と石油ショックの洗礼を受け、二〇代で円高とバブル経済を体験してきたものの、三〇代に大不況を体験した結果、前世代までの生活様式をほとんど破棄して、まったく新しい生活様式を創り出す役割を担わされている。
今後一〇年、平成不況から人口減少社会へと転換する社会の中で、各世代はそれぞれ履歴効果に応じた反応を見せるだろう。
【上に伸びる年齢別生活】
第三は「年代」の変化。人生の各過程には、時代や世代にはほとんど影響されない、年齢別の生活様式がある。一〇代なら小学校、中学校、高等学校などの生徒・学生としての生活様式、二〇代なら新社会人や新家庭人としての生活様式、六〇代なら引退や老後への移行という生活様式と、時代や世代がどのように変わろうとも、同じ年頃になればほぼ同じような生活を体験する。これが年代である。
しかし、この年代も今後一〇年間でかなり変化する。平均寿命の伸び方は多少鈍化するものの、人生の長さはなお少しずつ伸びていくから、生活様式もまた上方に向かって引き延ばされるからだ。具体的にいえば、結婚適齢期は三〇代が当たり前になるし、七〇代前後の高齢者が現役で働くケースも増えてくるだろう。
以上で述べたように、時代、世代、年代という三つの変化は、今後の年齢別生活に大きな影響を与えていく。そこで、三つを重ねてみると、今後一〇年間の年齢別の消費の動きが自ずから浮かんでくる。
つまり、現在、それぞれの年代を占めている各世代は、今後一〇年間に年齢を重ねて、二〇一〇年ころには一つ上の年代に移行していく。以下では現在と比較しながら、年代別市場毎のヒット商品を展望してみよう。
【少子化世代がリードする若年市場】
〇歳代市場……現在は新人類や団塊二世の子どもである団塊三世で形成されており、ポケットピカチュー、電脳教育ソフト、高級離乳食などがヒットしている。今後の一〇年間にこの市場にはさらに数の少ない少子化二次世代が入ってくる。彼らの親の多くは、もともと新奇な流行を創りだしたコギャル世代であるから、これまで以上に「少子豪華化」志向が強めて、ブランド産院に殺到したり、高サービス幼稚園や早期英才教育商品などに飛びつくことになろう。
一〇代市場……現在、ポスト団塊二世である少子化一次世代が占めており、電子ゲーム機、コギャル・ファッション、形態電話などをヒットさせている。今後一〇年間、この市場には次第に団塊三世が入ってくる。彼らは前世代の消費傾向を引き継いで、教科書やノート機能を持つモバイル学習機器、幾分落ちついたマゴギャル・ファッション、そしてエリート教育からレジャーランド学園まで、目的のはっきりした大学・高校・専門学校などをヒットさせることになろう。
二〇代市場……現在は団塊二世が占めており、モバイルパソコン、ポケットボード、美白化粧品などを伸ばしている。これからの一〇年の間に、この市場へ少子化一次世代が入ってくると、新人類と同様にライフスタイルの変革世代である彼らは、新しい仕事の形を求めて、脱サラや起業家向けの教育・指導サービスをヒットさせたり、コギャル・ファッションの延長線上で、さらに過激なセミヌード・ファッションを流行させる。また前世代のモバイルパソコンを進化させて、身体と一体化したウエアラブル・コンピューターをヒットさせるだろう。
【新人類が変える成人市場】
三〇〜四四歳市場……今のところ、新人類世代と団塊二世が入っており、ガーデニング、アロマテラピー、コマダム・ファッションなどを流行させている。今後一〇年の間にこの市場は団塊二世で占められるようになるが、この世代は前世代の始めた、新しい家族生活の形を継承・拡大させるから、その結果として、SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)支援サービス、DINKS(ダブルインカム・ノーキッズ=子供のいない共働き夫婦)支援商品・サービス、シングルマザー支援サービスなどをヒットさせる。
四五〜五四歳市場……現在は団塊一世が担っており、運転ゲーム、『失楽園』関連商品、ヒーリング関連商品などをヒットさせている。今後、この市場が新人類世代にとって代わられると、離婚・再婚を繰り返す家族のためのステップファミリー用品、コマダム・ファッションを発展させたオオマダム・ファッション、郊外地価の低下に伴う新しいタイプの別荘などを、次々にヒットさせることになろう。
五五〜六四歳市場……現在は昭和二ケタ世代が占めており、世界一周クルーズ、トレッキング用品、社交ダンス用品などをヒットさせている。これから一〇年間にこの市場へ団塊一世が入ってくると、前世代の始めた新中年生活をさらに拡大していくから、ナイスミドル・ファッション、還暦・定年記念旅行、中高年向けのディスコやクラブなどを伸ばすことになろう。
【OPALが開く新高年市場】
六五〜七四歳市場……現在のところ、昭和一ケタ世代によって形成され、電動アシスト自転車、ポリフェノール入り食品、バイアグラなどをヒットさせている。この市場が今後の一〇年間に、昭和二ケタ世代へ移行していくにつれて、OPAL(オールドエイジ・ピープル・ウイズ・アクティブ・ライフスタイル=活動的な高齢者)度の高い人たちが増えてくるから、塩分や脂肪の少ない高年向けHMR(ホーム・ミール・リプレイスメント=家庭料理代替食品)、健常者グループホーム(コレクティブハウス)、高年者向け海外旅行といった商品やサービスをヒットさせることになろう。
七五歳以上の市場……昨今では明治・大正生まれの世代によって形成され、バリアフリー住宅、グループホーム、永代供養契約のような商品やサービスを伸ばしつつある。このうち七五〜八四歳の市場には、今後一〇年間に昭和一ケタ世代が入ってくるから、高齢者向けの生活支援商品やサービス、介護用住宅、生前葬や自然葬といった新方式葬儀などをヒットさせることになろう。
八五歳以上の市場……今後一〇年間ですべて明治・大正世代になるから、現在の高齢者向け商品やサービスをさらに伸ばすとともに、新たに介護ロボット、介護サービス付き住宅、音読式読書機などをヒットさせることになろう。
以上、二〇一〇年に向けての年齢別消費を展望してきたが、全ての市場に共通して伸びると思われるのは、人口増加社会から人口減少社会への移行に対して、より積極的に対応していこうとする商品やサービスであろう。
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