児童手当法

昭和46年5月27日 法律第73号

改正 平成11年12月22日 法律第160号

目次

 第1章 総則(第1条−第3条)
 第2章 児童手当の支給(第4条−第17条)
 第3章 費用(第18条−第22条)
 第4章 雑則(第23条−第31条)


第1章 総則

第1条(目的)

 この法律は、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会をになう児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的とする。


第2条(受給者の責務)

 児童手当の支給を受けた者は、児童手当が前条の目的を達成するために支給されるものである趣旨にかんがみ、これをその趣旨に従つて用いなければならない。


第3条(定議)

1 この法律において「児童」とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者をいう。

2 この法律にいう「父」には、母が児童を懐胎した当時婚姻の届出をしていないが、その母と事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含むものとする。


第2章 児童手当の支給

第4条(支給要件)

1 児童手当は、次の各号のいずれかに該当する者が日本国内に住所を有するときに支給する。
  1.  次のイ又はロに掲げる児童(以下「支給要件児童」という。)を監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母
  2.  父母に監護されず又はこれと生計を同じくしない支給要件児童を監護し、かつ、その生計を維持する者
  3.  児童を監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母であつて、父母に監護されず又はこれと生計を同じくしない児童を監護し、かつ、その生計を維持するもの。ただし、これらの児童が支給要件児童であるときに限る。

2 前項第1号又は第3号の場合において、父及び母がともに当該父及び母の子である児童を監護し、かつ、これと生計を同じくするときは、当該児童は、当該父又は母のうちいずれか当該児童の生計を維持する程度の高い者によつて監護され、かつ、これと生計を同じくするものとみなす。


第5条

1 児童手当は、前条第1項各号のいずれかに該当する者の前年の所得(1月から5月までの月分の児童手当については、前前年の所得とする。)が、その者の所得税法(昭和40年法律第33号)に規定する控除対象配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)並びに同項各号のいずれかに該当する者の扶養親族等でない児童で同項各号のいずれかに該当する者が前年の12月31日において生計を維持したものの有無及び数に応じて、政令で定める額以上であるときは、支給しない。

2 前項に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める。


第6条(児童手当の額)

1 児童手当は、月を単位として支給するものとし、その額は、1月につき、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる額とする。
  1.  児童手当の支給要件に該当する者(以下「受給資格者」という。)に係る支給要件児童のすべてが3歳に満たない児童である場合
  2.  次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれイ又はロに掲げる額
  3.  次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれイ又はロに掲げる額

2 前項の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。


第7条(認定)

1 受給資格者は、児童手当の支給を受けようとするときは、その受給資格及び児童手当の額について、住所地の市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の認定を受けなければならない。

2 前項の認定を受けた者が、他の市町村(特別区を含む。以下同じ。)の区域内に住所を変更した場合において、その変更後の期間に係る児童手当の支給を受けようとするときも、同項と同様とする。


第8条(支給及び支払)

1 市町村長は、前条の認定をした受給資格者に対し、児童手当を支給する。

2 児童手当の支給は、受給資格者が前条の規定による認定の請求をした日の属する月の翌月から始め、児童手当を支給すべき事由が消滅した日の属する月で終わる。

3 受給資格者が住所を変更した場合又は災害その他やむを得ない理由により前条の規定による認定の請求をすることができなかつた場合において、住所を変更した後又はやむを得ない理由がやんだ後15日以内にその請求をしたときは、児童手当の支給は、前項の規定にかかわらず、受給資格者が住所を変更した日又はやむを得ない理由により当該認定の請求をすることができなくなつた日の属する月の翌月から始める。

4 児童手当は、毎年2月、6月及び10月の3期に、それぞれの前月までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであつた児童手当又は支給すべき事由か消滅した場合におけるその期の児童手当は、その支払期月でない月であつても、支払うものとする。


第9条(児童手当の額の改定)

1 児童手当の支給を受けている者につき、児童手当の額が増額することとなるに至つた場合における児童手当の額の改定は、その者がその改定後の額につき認定の請求をした日の属する月の翌月から行う。

2 前条第3項の規定は、前項の改定について準用する。

3 児童手当の支給を受けている者につき、児童手当の額が減額することとなるに至つた場合における児童手当の額の改定は、その事由か生じた日の属する月の翌月から行う。


第10条(支給の制限)

 児童手当は、受給資格者が、正当な理由がなくて、第27条第1項の規定による命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に応じなかつたときは、その額の全部又は一部を支給しないことができる。


第11条

 児童手当の支給を受けている者が、正当な理由がなくて、第26条の規定による届出をせず、又は同条の規定による書類を提出しないときは、児童手当の支払を一時差しとめることができる。


第12条(未支払の児童手当)

 児童手当の受給資格者が死亡した場合において、その死亡した者に支払うべき児童手当で、まだその者に支払つていなかつたものがあるときは、その者が監護していた支給要件児童であつた者にその未支払の児童手当を支払うことができる。


第13条(支払の調整)

 児童手当を支給すべきでないにもかかわらず、児童手当の支給としての支払が行なわれたときは、その支払われた児童手当は、その後に支払うべき児童手当の内払とみなすことができる。児童手当の額を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として減額しない額の児童手当か支払われた場合における当該児童手当の当該減額すべきであつた部分についても、同様とする。


第14条(不正利得の徴収)

 偽りその他不正の手段により児童手当の支給を受けた者があるときは、市町村長は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。


第15条(受給権の保護)

 児童手当の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。


第16条(公課の禁止)

 租税その他の公課は、児童手当として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。


第17条(公務員に関する特例)

1 次の表の上欄に掲げる者(以下「公務員」という。)についてこの章の規定を適用する場合においては、第7条第1項中「住所地の市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)」とあり、第8条第1項及び第14条中「市町村長」とあるのは、それぞれ同表の下欄のように読み替えるものとする。 (上欄)(下欄) 常時勤務に服することを要する国家公務員その他政令で定める国家公務員当該国家公務員の所属する各省各庁(財政法(昭和22年法律第34号)第21条に規定する各省各庁をいう。以下同じ。)の長(裁判所にあつては、最高裁判所長官とする。以下同じ。)又はその委任を受けた者 常時勤務に服することを要する地方公務員その他政令で定める地方公務員当該地方公務員の所属する都道府県若しくは市町村の長又はその委任を受けた者(市町村立学校職員給与負担法(昭和23年法律第135号)第1条又は第2条に規定する職員にあつては、当該職員の給与を負担する都道府県の長又はその委任を受けた者)

2 第7条第2項の規定は、前項の規定によつて読み替えられる同条第1項の認定を受けた者が当該認定をした者を異にすることとなつた場合について準用する。

3 第1項の規定によつて読み替えられる第7条第1項の認定を受けた者については、第8条第3項中「住所を変更した」とあるのは、「当該認定をした者を異にすることとなつた」と読み替えるものとする。


第3章 費 用

第18条(児童手当に要する費用の負担)

1 被用者(第20条第1項各号に掲げる者が保険料又は掛金を負担し、又は納付する義務を負う被保険者、加入者、組合員又は団体組合員をいう。以下同じ。)に対する児童手当の支給に要する費用は、その10分の7に相当する額を同項に規定する拠出金をもつて充て、その10分の2に相当する額を国庫が負押し、その10分の0.5に相当する額を都道府県及び市町村がそれぞれ負担する。

2 被用者でない者(被用者又は公務員でない者をいう。以下同じ。)に対する児童手当の支給に要する費用は、その6分の4に相当する額を国庫が負担し、その6分の1に相当する額を都道府県及び市町村がそれぞれ負担する。

3 次に掲げる児童手当の支給に要する費用は、それぞれ当該各号に定める者が負担する。

  1.  各省各庁の長又はその委任を受けた者が前条第1項の規定によつて読み替えられる第7条の認定(以下この項において単に「認定」という。)をした国家公務員に対する児童手当の支給に要する費用
     国
  2.  都道府県知事又はその委任を受けた者が認定をした地方公務員に対する児童手当の支給に要する費用
     当該都道府県
  3.  市町村長又はその委任を受けた者が認定をした地方公務員に対する児童手当の支給に要する費用
     当該市町村

4 国庫は、毎年度、予算の範囲内で、児童手当に関する事務の執行に要する費用を負担する。

5 第1項又は第2項の規定による費用の負担については、第7条の規定による認定の請求をした日の属する月の翌月からその年又は翌年の5月までの間(第26条第1項の規定による届出をした者にあつては、その年の6月から翌年の5月までの間)は、当該認定の請求をした際(第26条第1項の規定による届出をした者にあつては、6月1日)における被用者又は被用者等でない者の区分による。


第19条(市町村に対する交付)

1 政府は、政令で定めるところにより、市町村に対し、市町村長が第8条第1項の規定により支給する児童手当の支給に要する費用のうち、被用者に対する費用についてはその10分の9に相当する額を、被用者等でない者に対する費用についてはその6分の4に相当する額を、それぞれ交付する。

2 政府は、政令で定めるところにより、市町村に対し、市町村長が第8条第1項の規定により支給する児童手当の事務の処理に必要な費用を交付する。


第20条(拠出金の徴収及び納付義務)

1 政府は、被用者に対する児童手当の支給に要する費用及び第29条の2に規定する児童育成事業に要する費用に充てるため、次に掲げる者(以下「一般事行主」という。)から、拠出金を徴収する。
  1.  厚生年金保険法(昭和29年法津第115号)第82条第1項に規定する事業主
  2.  私立学校教職員共済法(昭和28年法律第245号)第28条第1項に規定する学校法人等
  3.  農林漁業団体職員共済組合法(昭和33年法律第99号)第55条に規定する農林漁業団体等
  4.  地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号)第144条の3第1項に規定する団体その他同法に規定する団体で政令で定めるもの
  5.  国家公務員共済組合法(昭和33年法律第128号)第126条第1項に規定する連合会その他同法に規定する団体で政令で定めるもの

2 一般事業主は、拠出金を納付する義務を負う。


第21条(拠出金の額)

1 拠出金の額は、前条第1項各号の法律に基づく保険料又は掛金の計算の基礎となる標準報酬、標準給与又は給料の月額(以下この条において「賦課標準」という。)に拠出金率を乗じて得た額の総額とする。

2 前項の拠出金率は、毎年度における被用者に対する児童手当の支給に要する費用の予想総額の10分の7に相当する額を当該年度における賦課標準の予想総額をもつて除して得た率に第29条の2に規定する児童育成事業に要する費用のうち前条第1項の拠出金をもつて充てる額の予定額を当該年度における賦課標準の予想額をもつて除して得た率(次項において「事業費充当額相当率」という。)を加えた率を基準として、政令で定める。

3 毎年度の事業費充当額相当率は、当該年度の前年度の事業費充当額相当率を標準とし、当該前年度以前5年度の各年度における事業費充当額相当率を勘案して設定しなければならない。


第22条(拠出金の徴収方法)

1 拠出金その他この法律の規定による徴収金の徴収については、厚生年金保険の保険料その他の徴収金の徴収の例による。

2 前項の拠出金その他この法律の規定による徴収金の徴収に関する政府の権限で政令で定めるものは、社会保険庁長官が行なう。

3 政府は、拠出金その他この法律の規定による徴収金の取立てに関する事務を、当該拠出金その他この法律の規定による徴収金の取立てについて便宜を有する法人で政令で定めるものに取り扱わせることができる。

4 前項の規定による拠出金その他この法律の規定による徴収金の取立て及び政府への納付について必要な事項は、政令で定める。


第4章 雑則

第23条(時効)

1 児童手当の支給を受ける権利及び拠出金その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によつて消滅する。

2 児童手当の支給に関する処分についての不服申立ては、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。

3 拠出金その他この法律の規定による徴収金の納入の告知又は督促は、民法(明治29年法律第89号)第153条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。


第24条(期間の計算)

 この法律又はこの法律に基づく命令に規定する期間の計算については、民法の期間に関する規定を準用する。


第25条(不服申立てと訴訟との関係)

 児童手当の支給に関する処分又は拠出金その他この法律の規定による徴収金に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決又は当該処分についての異議申立てに対する決定を経た後でなければ、提起することができない。


第26条(届出)

1 第8条第1項の規定により児童手当の支給を受けている者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長に対し、前年の所得の状況及びその年の6月1日における被用者又は被用者等でない者の別を届け出なければならない。

2 児童手当の支給を受けている者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により届出をする場合を除くほか、市町村長(第17条第1項の規定によつて読み替えられる第7条の認定をする者を含む。以下同じ。)に対し、厚生労働省令で定める事項を届け出、かつ、厚生労働省令で定める書類を提出しなければならない。


第27条(調査)

1 市町村長は、必要があると認めるときは、受給資格者に対して、受給資格の有無、児童手当の額及び被用者又は被用者等でない者の区分に係る事項に関する書類を提出すべきことを命じ、又は当該職員をしてこれらの事項に関し受給資格者その他の関係者に質問させることができる。

2 前項の規定によつて質問を行なう当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。


第28条(費料の提供等)

 市町村長は、児童手当の支給に関する処分に関し必要があると認めるときは、受給資格者の資産又は収入の状況につき、郵便局その他の官公署に対し、必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは受給資格者の雇用主その他の関係者に対し、必要な事項の報告を求めることができる。


第29条(報告)

 第17条第1項の規定によつて読み替えられる第7条の認定をする者は、厚生労働省令で定めるところにより、児童手当の支給の状況につき、厚生労働大臣に報告するものとする。


第29条の2(児童育成事業)

 政府は、児童手当の支給に支障がない限りにおいて、児童育成事業(育児に関し必要な援助を行い、又は児童の健康を増進し、若しくは情操を豊かにする事業を行う者に対し、助成及び援助を行う事業その他の事業であつて、第1条の目的の達成に資するものをいう。)を行うことができる。


第30条(実施命令)

 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、厚生労働省令で定める。


第31条(罰則)

 偽りその他不正の手段により児童手当の支給を受けた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。ただし、刑法(明治40年法律第45号)に正条があるときは、刑法による。


附則(平成11年12月22日法律第160号)〔抄〕

第1条(施行期日)

 この法律〔括弧書省略〕は、平成13年1月6日から施行する。〔以下省略〕


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