離島振興法

昭和28年7月22日 法律第72号

改正

 平成 5年 3月31日 法律第8号
 平成 9年12月17日 法律第124号
 平成10年 6月12日 法律第101号
 平成11年 7月16日 法律第87号


第1条(目的)

 この法律は、国土の保全、海洋資源の利用、自然環境の保全等に重要な役割を担つている離島について、本土より隔絶せる特殊事情よりくる後進性を除去するための基礎条件の改善及び産業振興に関する対策を樹立し、これに基づく事業を迅速かつ強力に実施する等離島の振興のための特別の措置を講ずることによつて、その経済力の培養、島民の生活の安定及び福祉の向上を図り、あわせて国民経済の発展に寄与することを目的とする。


第2条(指定)

1 内閣総理大臣は、国土審議会の意見を聴いて、第1条の目的を達成するために必要と認める離島の地域の全部又は一部を、離島振興対策実施地域として指定する。

2 内閣総理大臣は、前項の指定をした場合においては、その旨を公示しなければならない。


第3条(離島振興計画の作成)

1 前条の規定により、離島振興対策実施地域の指定があつた場合においては、関係都道府県知事は、当該地域について離島振興計画を作成し、これを内閣総理大臣に報告しなければならない。

2 前項の離島振興計画は、その地域について、国土総合開発法(昭和25年法律第205号)第7条の2第1項又は第10条第4項に基く総合開発計画がある場合には、これと調和したものでなければならない。


第4条(離島振興計画の内容)

 前条の離島振興計画は、次に掲げる事項を含むものとする。
  1.  離島の振興の基本的方針に関する事項
  2.  本土と離島及び離島と離島並びに離島内の交通通信を確保するための航路、航空路、港湾、空港、道路等の交通施設及び通信施設の整備その他の必要な措置に関する事項
  3.  農林水産業、商工業等の産業の振興及び資源開発を促進するための漁港、林道、農地、電力施設等の整備その他の必要な措置に関する事項
  4.  水害、風害その他の災害を防除するために必要な国土保全施設等の整備に関する事項
  5.  生活環境の整備に関する事項
  6.  医療の確保に関する事項
  7.  高齢者の福祉その他の福祉の増進に関する事項
  8.  教育及び文化の振興に関する事項
  9.  観光の開発に関する事項


第5条(離島振興計画の設定)

1 内閣総理大臣は、第3条第1項の規定による報告があつたときは、国土審議会の意見を聴いて、離島振興計画を定める。

2 内閣総理大臣は、前項の離島振興計画を定めたときは、これを関係都道府県知事に通知するものとする。


第6条(事業計画の作成)

1 内閣総理大臣は、毎年度、前条第1項の離島振興計画の実施のために必要な事業計画を作成しなければならない。

2 内閣総理大臣は、前項の規定による事業計画を作成するときは、あらかじめ関係都道府県の意見を聴かなければならない。


第7条(事業の実施)

 前条第1項の事業計画に基く事業は、この法律に定めるものの外当該事業に関する法律(これに基く命令を含む。)の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとする。


第8条(経費の計上)

 国は、第5条第1項の離島振興計画の実施に要する経費については、毎年度、国の財政の許す範囲内において、これを予算に計上しなければならない。


第9条(国の負担又は補助の割合の特例等)

1 第5条第1項の離島振興計画の事業に要する費用について国が負担し又は補助する割合は、 (これらの法律に基づく命令の規定を含む。)にかかわらず、別表のとおりとする。

2 前項の場合において、地方交付税法(昭和25年法律第211号)第10条に規定する普通交付税の交付を受けない地方公共団体については、別表で定める国庫の負担割合及び補助割合を減ずることができる。ただし、同項に掲げる法律に規定する国庫の負担割合又は補助割合を下ることはできない。

3 離島振興対策実施地域における災害復旧事業については、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和26年法律第97号)第3条の規定により地方公共団体に対して国がその費用の一部を負担する場合における当該災害律旧事業費に対する国の負担率は、同法第4条の規定によつて算定した率が5分の4に満たない場合においては、同法同条の規定にかかわらず、5分の4とし、公立学校施設災害復旧費国庫負担法(昭和28年法律第247号)第3条の規定により国がその経費の一部を負担する場合における当該公立学校の施設の災害復旧に要する経費に対する国の負担率は、同法同条の規定にかかわらす、5分の4とする。

4 国は、政令の定めるところにより、第5条第1項の離島振興計画に基づき次に掲げる事業を行う地方公共団体に対し、その事業に要する費用の10分の5.5を補助する。 公立の小学校、中学校、中等教育学校の前期課程又は公立の盲学校若しくは聾学校の小学部若しくは中学部に勤務する教員又は職員のための住宅の建築(買収その他これに準ずる方法による取得を含む。)をすること。 体育、音楽等の学校教育及び社会教育の用に供するための施設を公立の小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程に設けること。

5 国は、第5条第1項の離島振興計画に基づき簡易水道の用に供する水道施設の新設又は増設をする地方公共団体に対し、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、その新設又は増設に要する費用の2分の1以内を補助することかできる。

6 政府は、別表に掲げる費用以外の費用についても、これに対し国が補助する割合及び対象を定める政令がある場合においては、第1項の規定に準じ当該政令の特例を設けるものとする。


第10条(地方債についての配慮)

 地方公共団体が第5条第1項の離島振興計画を達成するために行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮をするものとする。


第11条(資金の確保等)

 国及び地方公共団体は、第5条第1項の離島振興計画の達成に資すると認められる事業を営む者に対し、必要な資金の確保その他の援助に努めなければならない。


第12条(医療の確保)

1 都道府県知事は、離島振興対策実施地域における医療を確保するため、第5条第1項の離島振興計画に基づいて、無医地区に関し次に掲げる事業を実施しなければならない。
  1.  診療所の設置
  2.  患者輸送車(患者輸送艇を含む。)の整備
  3.  定期的な巡回診療
  4.  保健婦による保健指導等の活動
  5.  医療機関の協力体制の整備
  6.  その他無医地区の医療の確保に必要な事業

2 都道府県知事は、前項に規定する事業を実施する場合において特に必要があると認めるときは、病院又は診療所の開設者又は管理者に対し、次の各号に掲げる事業につき、協力を要請することができる。

  1.  医師又は歯科医師の派遣
  2.  巡回診療車(巡回診療船を含む。)による巡回診療

3 国及び都道府県は、離島振興対策実施地域内の無医地区における診療に従事する医師若しくは歯料医師又はこれを補助する看護婦の確保その他当該無医地区における医療の確保(当該診療に従事する医師又は歯科医師を派遣する病院に対する助成を含む。)に努めなければならない。

4 都道府県は、第1項及び第2項に規定する事業の実施に要する費用を負担する。

5 国は、前項の費用のうち第1項第1号から第3号までに掲げる事業及び第2項に規定する事業に係るものについて、政令の定めるところにより、その2分の1を補助するものとする。

6 国及び都道府県は、離島振興対策実施地域における医療を確保するため、市町村が第5条第1項の離島振興計画に基づいて第1項各号に掲げる事業を実施しようとするときは、当該事業が円滑に実施されるよう適切な配慮をするものとする。


第13条(高齢者の福祉の増進)

 国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域における高齢者の福祉の増進を図るため、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第5条の2第3項第2号に規定する便宜を供与し、あわせて高齢者の居住の用に供するための施設の整備等について適切な配慮をするものとする。


第14条(交通の確保)

 国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域における島民の生活の利便性の向上、産業の振興等を図るため、海上、航空及び陸上の交通の総合的かつ安定的な確保及びその充実に特別の配慮をするものとする。


第15条(情報の流通の円滑化及び通信体系の充実)

 国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域における島民の生活の利便性の向上等を図るため、情報の流通の円滑化及び通信体系の充実について適切な配慮をするものとする。


第16条(教育の充実)

 国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域において、その教育の特殊事情にかんかみ、学校教育及び社会教育の充実に努めるとともに、地域社会の特性に応じた生涯学習の振興に資するための施策の充実について適切な配慮をするものとする。


第17条(地域文化の振興)

 国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域において伝承されてきた文化的所産の保存及び活用について適切な措置が講ぜられるよう努めるとともに、地域における文化の振興について適切な配慮をするものとする。


第18条(税制上の措置)

 国は、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)の定めるところにより、離島振興対策実施地域の振興に必要な措置を講ずるものとする。


第19条(地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置)

 地方税法(昭和25年法律第226号)第6条の規定により、地方公共団体が、離島振興対策実施地域内において製造の事業の用に供する設備を新設し、若しくは増設した者について、その事業に対する事業税、その事業に係る建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税若しくはその事業に係る機械及び装置若しくはその事業に係る建物若しくはその敷地である土地に対する固定資産税を課さなかつた場合若しくは離島振興対策実施地域内において畜産業、水産業若しくは薪炭製造業を行う個人について、その事業に対する事業税を課さなかつた場合又はこれらの者について、これらの地方税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が自治省令で定める場合に該当するものと認められるときは、地方交付税法第14条の規定による当該地方公共団体の各年度における基準財政収入額は、同条の規定にかかわらず、当該地方公共団体の当該各年度分の減収額(事業税又は固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあつては、これらの措置がされた最初の年度以降3箇年度(個人の行う畜産業、水産業及び薪炭製造業に対するものにあつては、自治省令で定める期間に係る年度)におけるものに限る。)のうち自治省令で定めるところにより算定した額を同条の規定による当該地方公共団体の当該各年度(これらの措置が自治省令で定める日以後において行われたときは、当該減収額について当該各年度の翌年度)における基準財政収入額となるべき額から控除した額とする。


第20条(国土審議会)

1 国土審議会は、離島振興に関する重要事項を調査審議する。

2 国土審議会は、前項に規定する事項につき、関係行政機関の長に対し意見を申し出ることができる。


第21条(政令への委任)

 この法律の実施のための手続その他必要な事項は、政令で定める。


別表(第9条関係)

(1) 港湾法第42条第1項から第3項まで(同法第52条第2項において準用する場合を含む。)、
第43条第1号及び第2号並びに第52条第3項第2号に規定する費用について
港湾の区分事業の区分事業主体国庫の負担割合又は補助割合
重要港湾水域施設又は外郭施設の建設又は改良(重要な工事に限る。)港湾管理者10分の8
10分の8.5
係留施設又は臨港交通施設の建設又は改良港湾管理者10分の6(本土と離島及び離島と離島を連絡する橋梁の建設又は改良に係るものにあつては、3分の2)
3分の2
避難港水域施設又は外郭施設の建設又は改良港湾管理者10分の8
10分の8.5
係留施設の建設又は改良港湾管理者10分の6
3分の2
地方港湾水域施設又は外郭施設の建設又は改良港湾管理者(北海道にあつては、港湾管理者又は国)10分の8(国が行う工事に係るものにあつては、10分の8.5)
係留施設又は臨港交通施設の建設又は改良10分の6(本土と離島及び離島と離島を連絡する橋梁の建設又は改良に係るもの並びに国が行う工事に係るものにかつては、3分の2)

(2) 漁港法第20条第2項及び第3項に規定する費用について
漁港の区分事業の区分事業主体国庫の負担割合又は補助割合
第1種漁港
第2種漁港
第3種漁港
外部施設又は水域施設の修築地方公共団体100分の80
水産業協同組合100分の95
係留施設の修築地方公共団体100分の60
水産業協同組合100分の75
第4種漁港外郭施設又は水域施設の修築地方公共団体100分の85
水産業協同組合100分の95
係留施設の修築地方公共団体3分の2
水産業協同組合100分の80

(3) 道路法第56条に規定する費用について
道路の区分事業の区分事業主体国庫の補助割合
建設大臣の指定する主要な都道府県道又は市道及び資源の開発、産業の振興、観光その他国の施策上特に整備する必要のある道路新設及び改築イ 本土と離島及び離島と離島を連絡する橋に係るもの道路管理者3分の2
ロ イ以外のもの10分の5.5(政令で定める道路の新設及び改築に係るものにあつては、10分の6)

(4) 空港整備法第6条第1項、第8条第1項及び第4項並びに第9条第1項及び第3項に規定する費用について
空港の区分事業の区分事業主体国庫の負担割合又は補助割合
第2種空港
第3種空港
滑走路、着陸帯、誘導路、エプロン、排水施設、照明施設、護岸、道路、自動車駐車場若しくは橋の新設若しくは改良又は空港用地の造成若しくは整備国又は地方公共団体100分の80

(5) 義務教育諸学校施設費国庫負担法第3条第1項に規定する経費について
学校の区分事業の区分事業主体国庫の負担割合
公立の小学校
公立の中学校(次項に掲げる中学校を除く。)
教室の不足を解消するための校舎の新築又は増築(買収その他これに準ずる方法による取得を含む。以下同じ。) 屋内運動場の新築又は増築地方公共団体10分の5.5
適正な規模にするため統合しようとすることに伴つて必要となり、又は統合したことに伴つて必要となつた校舎の新築又は増築
公立の中学校(学校教育法(昭和22年法律第26号)第51条の10の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すものに限る。)建物の新築又は増築地方公共団体10分の5.5
公立の中等教育学校前期課程の建物の新築又は増築地方公共団体10分の5.5
公立の盲学校
公立の聾学校
小学部及び中学部の建物の新築又は増築地方公共団体10分の5.5
公立の義務教育諸学校構造上危険な状態にある建物の改築(買収その他これに準ずる方法による取得を含む。)地方公共団体10分の5.5

(6) 児童福祉法第50条第9号及び第51条第2号に規定する費用について
児童福祉施設の区分事業の区分事業主体国庫の負担割合
保育所設備の新設、修理、改造、拡張又は整備地方公共団体2分の1から10分の5.5まで

(7) 消防施設強化促進法第2条に規定する費用について
消防施設の区分事業の区分事業主体国庫の補助割合
消防の用に供する機械器具及び設備購入又は設置市町村10分の5.5

このページの先頭へ