地方公営企業法

昭和27年8月1日 法律第292号

最終改正 平成11年12月8日 法律第151号

※ 一部未確認、未修正の改正部分があります。


第1章 総則

第1条(この法律の目的)

 この法律は、地方公共団体の経営する企業の組織、財務及びこれに従事する職員の身分取扱いその他企業の経営の根本基準、企業の経営に関する事務を処理する地方自治法の規定による一部事務組合及び広域連合に関する特例並びに企業の財政の再建に関する措置を定め、地方自治の発達に資することを目的とする。


第2条(この法律の適用を受ける企業の範囲)

1 この法律は、地方公共団体の経営する企業のうち次に掲げる事業(これらに附帯する事業を含む。以下「地方公営企業」という。)に適用する。
  1.  水道事業(簡易水道事業を除く。)
  2.  工業用水道事業
  3.  軌道事業
  4.  自動車運送事業
  5.  鉄道事業
  6.  電気事業
  7.  ガス事業

2 前項に定める場合を除くほか、次条から第6条まで、第17条から第35条まで、第40条から第41条まで及び附則第2項から附則第4項までの規定(以下「財務規定等」という。)は、地方公共団体の経営する企業のうち病院事業に適用する。

3 前2項に定める場合のほか、地方公共団体は、政令で定める基準に従い、条例(地方自治法(昭和22年法律第67号)第284条第1項の一部事務組合(以下「一部事務組合」という。)又は広域連合(以下「広域連合」という。)にあつては、規約)で定めるところにより、その経営する企業に、この法律の規定の全部又は一部を適用することができる。


第3条(経営の基本原則)

 地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。


第4条(地方公営企業の設置)

 地方公共団体は、地方公営企業の設置及びその経営の基本に関する事項は、条例で定めなければならない。


第5条(地方公営企業に関する法令等の制定及び施行)

 地方公営企業に関する法令並びに条例、規則及びその他の規程は、すべて第3条に規定する基本原則に合致するものでなければならない。


第5条の2(国の配慮)

 国の行政機関の長は、地方公営企業の業務に関する処分その他の事務の執行にあたつては、すみやかに適切な措置を講ずる等地方公営企業の健全な運営が図られるように配慮するものとする。


第6条(地方自治法等の特例)

 この法律は、地方公営企業の経営に関して、地方自治法並びに地方財政法(昭和23年法律第109号)及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)に対する特例を定めるものとする。


第2章 組織

第7条(管理者の設置)

 地方公営企業を経営する地方公共団体に、地方公営企業の業務を執行させるため、第2条第1項の事業ごとに管理者を置く。ただし、条例で定めるところにより、政令で定める地方公営企業について管理者を置かず、又は2以上の事業を通じて管理者1人を置くことができる。なお、水道事業(簡易水道事業を除く。)及び工業用水道事業を併せて経営する場合又は軌道事業、自動車運送事業及び鉄道事業のうち2以上の事業を併せて経営する場合においては、それぞれ当該併せて経営する事業を通じて管理者1人を置くことを常例とするものとする。


第7条の2(管理者の選任及び身分取扱い)

1 管理者は、地方公営企業の経営に関し識見を有する者のうちから、地方公共団体の長が任命する。

2 次の各号のいずれかに該当する者は、管理者となることができない。

  1.  成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
  2.  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けること がなくなるまでの者

3 管理者は、衆議院議員若しくは参議院議員又は地方公共団体の議会の議員若しくは常勤の職員と兼ねることができない。

4 管理者の任期は、4年とする。

5 管理者は、再任されることができる。

6 管理者は、常勤とする。

7 地方公共団体の長は、管理者が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認める場合又は管理者の業務の執行が適当でないため経営の状況が悪化したと認める場合その他管理者がその職に必要な適格性を欠くと認める場合には、これを罷免することができる。

8 地方公共団体の長は、管理者に職務上の義務違反その他管理者たるに適しない非行があると認める場合には、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。

9 管理者は、前2項の規定による場合を除くほか、その意に反して罷免され、又は懲戒処分を受けることがない。

10  管理者は、第2項各号の一に該当するに至つたときは、その職を失う。

11 地方自治法第159条、第165条第2項及び第180条の5第6項から第8項まで並びに地方公務員法第30条から第37条まで及び第38条第1項の規定は、管理者について準用する。


第8条(管理者の地位及び権限)

1 管理者は、左に掲げる事項を除く外、地方公営企業の業務を執行し、当該業務の執行に関し当該地方公共団体を代表する。但し、法令に特別の定がある場合は、この限りでない。
  1.  予算を調製すること。
  2.  地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。
  3.  決算を監査委員の審査及び議会の認定に付すること。
  4.  地方自治法第228条第2項及び第3項並びに第244条の2第7項に規定する過料を科すること。

2 第7条但書の規定により管理者を置かない地方公共団体においては、管理者の権限は、当該地方公共団体の長が行う。


第9条(管理者の担任する事務)

 管理者は、前条の規定に基いて、地方公営企業の業務の執行に関し、おおむね左に掲げる事務を担任する。
  1.  その権限に属する事務を分掌させるため必要な分課を設けること。
  2.  職員の任免、給与、勤務時間その他の勤務条件、懲戒、研修及びその他の身分取扱に関する事項を掌理すること。
  3.  予算の原案を作成し、地方公共団体の長に送付すること。
  4.  予算に関する説明書を作成し、地方公共団体の長に送付すること。
  5.  決算を調製し、地方公共団体の長に提出すること。
  6.  議会の議決を経るべき事件について、その議案の作成に関する資料を作成し、地方公共団体の長に送付すること。
  7.  当該企業の用に供する資産を取得し、管理し、及び処分すること。
  8.  契約を結ぶこと。
  9.  料金又は料金以外の使用料、手数料、分担金若しくは加入金を徴収すること。
  10.  予算内の支出をするため一時の借入をすること。
  11.  出納その他の会計事務を行うこと。
  12.  証書及び公文書類を保管すること。
  13.  労働協約を結ぶこと。
  14.  当該企業に係る行政庁の許可、認可、免許その他の処分で政令で定めるものを受けること。
  15.  前各号に掲げるものを除く外、法令又は当該地方公共団体の条例若しくは規則によりその権限に属する事項


第10条(企業管理規程)

 管理者は、法令又は当該地方公共団体の条例若しくは規則又はその機関の定める規則に違反しない限りにおいて、業務に関し管理規程(以下「企業管理規程」という。)を制定することができる。

第11条・第12条 削除


第13条(代理及び委任)

1 管理者に事故があるとき、又は管理者が欠けたときは、管理者が当該地方公共団体の長の同意を得てあらかじめ指定する上席の職員がその職務を行う。

2 管理者は、その権限に属する事務の一部を第15条の職員に委任し、又はこれにその職務の一部を臨時に代理させることができる。


第13条の2(事務の委任)

 管理者は、その権限に属する事務の一部を、当該地方公共団体の経営する他の地方公営企業の管理者に委任することができる。


第14条(事務処理のための組織)

 地方公営企業を経営する地方公共団体に、管理者の権限に属する事務を処理させるため、条例で必要な組織を設ける。


第15条(補助職員)

1 管理者の権限に属する事務の執行を補助する職員(以下「企業職員」という。)は、管理者が任免する。但し、当該地方公共団体の規則で定める主要な職員を任免する場合においては、あらかじめ、当該地方公共団体の長の同意を得なければならない。

2 企業職員は、管理者が指揮監督する。


第16条(管理者と地方公共団体の長との関係)

 地方公共団体の長は、当該地方公共団体の住民の福祉に重大な影響がある地方公営企業の業務の執行に関しその福祉を確保するため必要があるとき、又は当該管理者以外の地方公共団体の機関の権限に属する事務の執行と当該地方公営企業の業務の執行との間の調整を図るため必要があるときは、当該管理者に対し、当該地方公営企業の業務の執行について必要な指示をすることができる。


第3章 財務

第17条(特別会計)

 地方公営企業の経理は、第2条第1項に掲げる事業ごとに特別会計を設けて行なうものとする。但し、同条同項に掲げる事業を2以上経営する地方公共団体においては、政令で定めるところにより条例で2以上の事業を通じて1つの特別会計を設けることができる。


第17条の2(経費の負担の原則)

1 次に掲げる地方公営企業の経費で政令で定めるものは、地方公共団体の一般会計又は他の特別会計において、出資、長期の貸付け、負担金の支出その他の方法により負担するものとする。
  1.  その性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てることが適当でない経費
  2.  当該地方公営企業の性質上能率的な経営を行なつてもなおその経営に伴う収入のみをもつて充てることが客観的に困難であると認められる経費

2 地方公営企業の特別会計においては、その経費は、前項の規定により地方公共団体の一般会計又は他の特別会計において負担するものを除き、当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てなければならない。


第17条の3(補助)

 地方公共団体は、災害の復旧その他特別の理由により必要がある場合には、一般会計又は他の特別会計から地方公営企業の特別会計に補助をすることができる。


第18条(出資)

1 地方公共団体は、第17条の2第1項の規定によるもののほか、一般会計又は他の特別会計から地方公営企業の特別会計に出資をすることができる。

2 地方公営企業の特別会計は、前項の規定による出資を受けた場合には、利益の状況に応じ、納付金を一般会計又は当該他の特別会計に納付するものとする。


第18条の2(長期貸付け)

1 地方公共団体は、第17条の2第1項の規定によるもののほか、一般会計又は他の特別会計から地方公営企業の特別会計に長期の貸付けをすることができる。

2 地方公営企業の特別会計は、前項の規定による長期の貸付けを受けた場合には、適正な利息を一般会計又は当該他の特別会計に支払わなければならない。


第19条(事業年度)

 地方公営企業の事業年度は、地方公共団体の会計年度による。


第20条(計理の方法)

1 地方公営企業においては、その経営成績を明らかにするため、すべての費用及び収益を、その発生の事実に基いて計上し、かつ、その発生した年度に正しく割り当てなければならない。

2 地方公営企業においては、その財政状態を明らかにするため、すべての資産、資本及び負債の増減及び異動を、その発生の事実に基き、かつ、適当な区分及び配列の基準並びに一定の評価基準に従つて、整理しなければならない。

3 前項の資産、資本及び負債については、政令で定めるところにより、その内容を明らかにしなければならない。


第21条(料金)

1 地方公共団体は、地方公営企業の給付について料金を徴収することができる。

2 前項の料金は、公正妥当なものでなければならず、かつ、能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし、地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならない。


第22条(企業債)

 地方公共団体が、地方公営企業の建設、改良等に要する資金に充てるため起す地方債(以下「企業債」という。)については、行政庁の許可を必要としない。


第22条の2(企業債についての配慮)

 国は、地方公営企業の健全な運営を確保するため必要があると認めるときは、企業債の償還の繰延べ、借換え等につき、法令の範囲内において、資金事情が許す限り、特別の配慮をするものとする。


第23条(償還期限を定めない企業債)

 地方公共団体は、企業債のうち、地方公営企業の建設に要する資金に充てるものについては、償還期限を定めないことができる。この場合においては、当該地方公営企業の毎事業年度における利益の状況に応じ、特別利息をつけることができる。


第24条(予算)

1 地方公営企業の予算は、地方公営企業の毎事業年度における業務の予定量並びにこれに関する収入及び支出の大綱を定めるものとする。

2 地方公共団体の長は、当該地方公営企業の管理者が作成した予算の原案に基いて毎事業年度地方公営企業の予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならない。

3 業務量の増加に因り地方公営企業の業務のため直接必要な経費に不足を生じたときは、管理者は、当該業務量の増加に因り増加する収入に相当する金額を当該企業の業務のため直接必要な経費に使用することができる。この場合においては、遅滞なく、管理者は、当該地方公共団体の長にその旨を報告するものとし、報告を受けた地方公共団体の長は、次の会議においてその旨を議会に報告しなければならない。


第25条(予算に関する説明書)

 地方公共団体の長は、地方公営企業の予算を議会に提出する場合においては、当該地方公営企業の管理者が作成した政令で定める予算に関する説明書をあわせて提出しなければならない。


第26条(予算の繰越)

1 予算に定めた地方公営企業の建設又は改良に要する経費のうち、年度内に支払義務が生じなかつたものがある場合においては、管理者は、その額を翌年度に繰り越して使用することができる。

2 前項の規定による場合を除くほか、毎事業年度の支出予算の金額は、翌事業年度において使用することができない。ただし、支出予算の金額のうち、年度内に支出の原因となる契約その他の行為をし、避け難い事故のため年度内に支払義務が生じなかつたものについては、管理者は、その金額を翌事業年度に繰り越して使用することができる。

3 前2項の規定により予算を繰り越した場合においては、管理者は、地方公共団体の長に繰越額の使用に関する計画について報告をするものとし、報告を受けた地方公共団体の長は、次の会議においてその旨を議会に報告しなければならない。


第27条(出納)

 地方公営企業の業務に係る出納は、管理者が行う。ただし、管理者は、地方公営企業の業務の執行上必要がある場合においては、政令で定める金融機関で地方公共団体の長の同意を得て指定したものに、当該地方公営企業の業務に係る公金の出納事務の一部を取り扱わせることができる。


第27条の2(公金の収納等の監査)

1 監査委員は、必要があると認めるとき、又は管理者の要求があるときは、前条の規定により指定された金融機関が取り扱う地方公営企業の業務に係る公金の収納又は支払の事務について監査することができる。

2 監査委員は、前項の規定により監査をしたときは、監査の結果に関する報告を地方公共団体の議会及び長並びに管理者に提出しなければならない。


第28条(企業出納員及び現金取扱員)

1 地方公営企業を経営する地方公共団体に、当該地方公営企業の業務に係る出納その他の会計事務をつかさどらせるため、企業出納員及び現金取扱員を置く。ただし、現金取扱員は、置かないことができる。

2 企業出納員及び現金取扱員は、企業職員のうちから、管理者が命ずる。

3 企業出納員は、管理者の命を受けて、出納その他の会計事務をつかさどる。

4 現金取扱員は、上司の命を受けて、企業管理規程で定めた額を限度として当該地方公営企業の業務に係る現金の出納に関する事務をつかさどる。


第29条(一時借入金)

1 管理者は、予算内の支出をするため、一時の借入をすることができる。

2 前項の規定による借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。但し、資金不足のため償還することができない場合においては、償還することができない金額を限度として、これを借り換えることができる。

3 前項但書の規定により借り換えた借入金は、1年以内に償還しなければならない。但し、借入金をもつてこれを償還するようなことをしてはならない。


第30条(決算)

1 管理者は、毎事業年度終了後2月以内に当該地方公営企業の決算を調整し、証書類、当該年度の事業報告書及び政令で定めるその他の書類をあわせて当該地方公共団体の長に提出しなければならない。

2 地方公共団体の長は、決算及び前項の書類を監査委員の審査に付さなければならない。

3 監査委員は、前項の審査をするにあたつては、地方公営企業の運営が第3条の規定の趣旨に従つてされているかどうかについて、特に意を用いなければならない。

4 地方公共団体の長は、第2項の規定により監査委員の審査に付した決算を、監査委員の意見を付けて、遅くとも当該事業年度終了後3月を経過した後において最初に招集される定例会である議会の認定に付さなければならない。

5 前項の規定による意見の決定は、監査委員の定数が2人以上である場合においては、その合議によるものとする。

6 地方公共団体の長は、第4項の規定により決算を議会の認定に付するに当たつては、第2項の規定により監査委員の審査に付した当該年度の事業報告書及び政令で定めるその他の書類を併せて提出しなければならない。

7 第1項の決算について作成すべき書類は、当該年度の予算の区分に従つて作成した決算報告書並びに損益計算書、剰余金計算書又は欠損金計算書、剰余金処分計算書又は欠損金処理計算書及び貸借対照表とし、その様式は、総務省令で定める。


第31条(計理状況の報告)

 管理者は、毎月末日をもつて試算表その他当該企業の計理状況を明らかにするために必要な書類を作成し、翌月20日までに当該地方公共団体の長に提出しなければならない。


第32条(剰余金)

1 地方公営企業は、毎事業年度利益を生じた場合において前事業年度から繰り越した欠損金があるときは、その利益をもつてその欠損金をうめ、なお残額があるときは、政令で定めるところにより、その残額の20分の1を下らない金額を減債積立金又は利益積立金として積み立てなければならない。

2 毎事業年度生じた利益の処分は、前項の規定による場合を除くほか、議会の議決を経て定めなければならない。

3 第1項の減債積立金は、企業債の償還に充てる場合のほか、使用することができない。

4 第1項の利益積立金は、欠損金をうめる場合のほか、使用することができない。

5 毎事業年度生じた資本剰余金は、その源泉別に当該内容を示す名称を附した科目に積み立てなければならない。

6 前項の資本剰余金は、政令で定める場合を除くほか、処分することができない。


第32条の2(欠損の処理)

 地方公営企業は、毎事業年度欠損を生じた場合において前事業年度から繰り越した利益があるときは、その利益をもつてその欠損金をうめ、なお不足があるときは、政令で定めるところにより、これを繰り越すものとする。


第33条(資産の取得、管理及び処分)

1 地方公営企業の用に供する資産の取得、管理及び処分は、管理者が行う。

2 前項の資産のうちその種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める重要なものの取得及び処分については、予算で定めなければならない。

3 地方公営企業の用に供する行政財産を地方自治法第238条の4第4項の規定により使用させる場合に徴収する使用料に関する事項については、管理者が定める。


第33条の2(公金の徴収又は収納の委託)

 管理者は、地方公営企業の業務に係る公金の徴収又は収納の事務については、収入の確保及び住民の便益の増進に寄与すると認める場合に限り、政令で定めるところにより、私人に委託することができる。


第34条(職員の賠償責任)

 地方自治法第243条の2の規定は、地方公営企業の業務に従事する職員の賠償責任について準用する。この場合において、同条第1項中「規則」とあるのは「規則又は企業管理規程」と、同条第4項中「議会の同意を得て」とあるのは「条例で定める場合には議会の同意を得て」と読み替えるほか、第7条の規定により管理者が置かれている地方公営企業の業務に従事する職員の賠償責任について準用する場合に限り、同法第243条の2第3項中「普通地方公共団体の長」とあるのは「管理者」と、同条第4項中「普通地方公共団体の長」とあるのは「管理者」と、「あらかじめ監査委員の意見をきき、その意見」とあるのは「管理者があらかじめ監査委員の意見をきき、普通地方公共団体の長が当該意見」と、同条第6項中「処分に不服がある者は」とあるのは「処分に不服がある者は、当該普通地方公共団体の長に審査請求をすることができ、その裁決に不服がある者は」と、「した処分」とあるのは「した裁決」と、「審査請求をすることができる。この場合においては、異議申立てをすることもできる」とあるのは「再審査請求をすることができる」と、同条第7項中「異議申立て」とあるのは「審査請求」と読み替えるものとする。


第34条の2(財務規定等が適用される場合の管理者の権限)

 第2条第2項又は第3項の規定により地方公共団体の経営する企業に財務規定等が適用される場合においては、管理者の権限は、当該地方公共団体の長が行なう。ただし、管理者の権限のうち当該企業の出納その他の会計事務及び決算に係るものについては、条例で定めるところにより、その全部又は一部を当該地方公共団体の出納長又は収入役に行なわせることができる。


第35条(政令への委任)

 この章に定めるものを除く外、地方公営企業の財務に関し必要な事項は、政令で定める。


第4章 職員の身分取扱

第36条(職員の労働関係の特例)

 企業職員の労働関係については、地方公営企業労働関係法(昭和27年法律第289号)の定めるところによる。


第37条(職階制)

1 企業職員については、職階制を実施することができる。

2 前項の職階制においては、企業職員の職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて分類整理しなければならない。


第38条(給与)

1 企業職員の給与は、給料及び手当とする。

2 企業職員の給与は、その職務に必要とされる技能、職務遂行の困難度等職務の内容と責任に応ずるものであり、かつ、職員の発揮した能率が充分に考慮されるものでなければならない。

3 企業職員の給与は、生計費、同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従業者の給与、当該地方公営企業の経営の状況その他の事情を考慮して定めなければならない。

4 企業職員の給与の種類及び基準は、条例で定める。


第39条(地方公務員法の適用除外)

1 企業職員については、地方公務員法第5条、第8条(第1項第5号、第3項及び第4項を除く。)、第23条から第26条まで、第37条、第39条第3項、第40条第2項、第46条から第49条まで、第52条から第56条まで及び第58条(地方公務員災害補償法(昭和42年法律第121号)第2条第1項に規定する者に適用される場合に限り、第58条第3項中労働基準法第75条から第88条まで及び船員法第89条から第96条までに係る部分を除く。)。地方公務員の育児休業等に関する法律(平成3年法律第110号)第4条第2項、第7条及び第9条並びに行政不服審査法(昭和37年法律第160号)の規定は、適用しない。

2 企業職員(政令で定める基準に従い地方公共団体の長が定める職にある者を除く。)については、地方公務員法第36条の規定は、適用しない。


第5章 一部事務組合及び広域連合に関する特例

第39条の2(組織に関する特例)

1 地方公営企業の経営に関する事務を共同処理する一部事務組合(これを企業団という。)の管理者の名称は、企業長とする。

2 企業団には、第7条の規定にかかわらず、同条の管理者を置かず、当該管理者の権限は、企業長が行なう。

3 企業長は、企業団の規約で別段の定めをしない限り、地方公営企業の経営に関し識見を有する者のうちから、企業団を組織する地方公共団体の長が共同して任命するものとする。

4 第7条の2第2項及び第4項から第10項まで、地方自治法第180条の5第6項から第8項まで並びに地方公務員法第34条の規定は、企業長について準用する。この場合において、第7条の2第7項及び第8項中「地方公共団体の長は」とあるのは、前項に規定する方法により選任される企業長について準用する場合にあつては「企業団を組織する地方公共団体の長は、共同して」と、前項の別段の定めにより選任される企業長について準用する場合にあつては「企業団の規約で定める者は、その規約で定めるところにより」と読み替えるものとする。

5 企業団の監査委員の定数は、企業団の規約で定めるところにより2人又は1人とする。

6 前項の監査委員は、企業長が企業団の議会の同意を得て、人格が高潔で、事業の経営管理に関し優れた識見を有する者のうちから選任する。

7 企業団の議会の議員の定数は、15人をこえることができない。ただし、その経営する事業が大規模である企業団にあつては、その事業規模に応じて政令で定める基準により、30人を限度としてその議会の議員の定数を増加することができる。

8 地方公営企業の経営に関する事務を処理する広域連合(これを広域連合企業団という。)に対する第7条の規定の適用については、同条ただし書中「政令で定める地方公営企業について管理者」とあるのは、「管理者」とする。

9 企業団又は広域連合企業団の設置があつた場合における企業長の選任の時期その他必要な事項は、政令で定める。


第39条の3(財務に関する特例)

1 企業団又は広域連合企業団においては、地方公営企業の財務以外の財務についても、第17条から第35条まで並びに附則第2項及び附則第3項の規定を適用する。

2 第17条の2から第18条の2までの規定は、企業団又は広域連合企業団を組織する地方公共団体の当該企業団又は広域連合企業団に対する経費の負担、補助、出資及び長期の貸付けについて準用する。

3 前2項の規定は、第2条第2項又は第3項の規定により財務規定等が適用される企業の経営に関する事務を処理する一部事務組合又は広域連合に準用する。


第6章 雑則

第40条(地方自治法の適用除外)

1 地方公営企業の業務に関する契約の締結並びに財産の取得、管理及び処分については、地方自治法第96条第1項第5号から第8号まで及び第237条第2項及び第3項の規定にかかわらず、条例又は議会の議決によることを要しない。

2 地方公営企業の業務に関する負担附きの寄附又は贈与の受領、地方公共団体がその当事者である審査請求その他の不服申立て、訴えの提起、和解、あつせん、調停及び仲裁並びに法律上地方公共団体の義務に属する損害賠償の額の決定については、条例で定めるものを除き、地方自治法第96条第1項第9号、第12号及び第13号の規定は、適用しない。


第40条の2(業務の状況の公表)

1 管理者は、条例で定めるところにより、毎事業年度少くとも2回以上当該地方公営企業の業務の状況を説明する書類を当該地方公共団体の長に提出しなければならない。この場合においては、地方公共団体の長は、遅滞なく、これを公表しなければならない。

2 前項の規定による公表は、これをもつて、当該地方公営企業に係る地方自治法第243条の3第1項の規定による普通地方公共団体の長の行う公表とみなす。


第40条の3(助言等)

1 総務大臣は、地方公営企業が第3条に規定する基本原則に合致して経営されるように、地方公営企業を経営する地方公共団体に対し、助言し、又は勧告することができる。

2 総務大臣は、前項の助言又は勧告を行うため必要がある場合においては、地方公営企業を経営する地方公共団体に対し、政令で定めるところにより、当該地方公営企業の経営に関する事項について報告を求めることができる。


第41条(国と地方公営企業を経営する地方公共団体等との関係)

 地方公営企業の経営に関し、地方公共団体相互の間で協議がととのわない場合において、関係地方公共団体の申出があるときは、政令で定めるところにより、総務大臣又は都道府県知事は、必要なあつ旋若しくは調停をし又は必要な勧告をすることができる。


第42条(地方公共企業体)

 地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、地方公営企業を経営するための地方公共企業体を設けることができる。


第7章 財政の再建


第43条(財政再建計画の策定等)

1 この法律を適用している水道事業、工業用水道事業(その布設に要する経費について国から補助金の交付を受けたものを除く。第49条において同じ。)軌道事業、自動車運送事業、鉄道事業、電気事業、ガス事業又は病院事業のうち実質上収支が均衡していないもので、昭和41年3月31日(同年4月1日に新たにこの法律を適用した事業にあつては、同日)において不良債権(政令で定めるところにより計算した流動負債の額が政令で定めるところにより計算した流動資産の額を超える場合において、その超える額をいう。以下同じ。)を有するもの(同年4月1日においてこの法律を適用していなかつた事業にあつては、昭和40年度において実質赤字を有するもの。以下「昭和40年度の赤字企業」と総称する。)について、この章の規定によつて財政の再建を行おうとする地方公共団体は、当該地方公共団体の議会の議決を経て、その旨を政令で定める日までに自治大臣に申し出て、自治大臣の指定する日(以下「指定日」という。)現在により、当該企業の財政の再建に関する計画(以下「財政再建計画」という。)を定めなければならない。

2 財政再建計画は、指定日の属する年度及びこれに続くおおむね7年度以内に不良債務を解消し、財政の健全性を回復するように次の事項について定めるものとする。

  1.  財政の再建の基本方針
  2.  各年度において解消する不良債務
  3.  不良債務を解消し、財政の健全性を回復するための具体的措置
  4.  第45条の規定による企業債の各年度ごとの償還額

3 第1項に規定する実質赤字とは、次に掲げる金額をいう。

  1.  歳入が歳出に不足するため翌年度の歳入を繰り上げて充用した額に相当する金額
  2.  実質上歳入が歳出に不足するため当該年度に支払うべき債務の支払を翌年度に繰り延べた額又は当該年度に執行すべき事業に係る歳出予算の額のうち翌年度に繰り越した額から、これらの支払又は事業の財源に充当することができる特定の歳入で当該年度に収入されなかつた部分に相当する額を控除した金額


第44条(財政再建計画の承認)

1 財政再建計画は、昭和40年度の赤字企業を経営する地方公共団体の長が当該企業の管理者の作成する資料に基づいて作成し、当該地方公共団体の議会の議決を経て、自治大臣の承認を得なければならない。この場合において、自治大臣は、その財政再建計画による財政の再建が合理的に達成できるように、当該財政再建計画に必要な条件を付けて、当該財政再建計画を承認することができる。

2 前項の規定は、財政再建計画について承認を得た地方公共体(以下「財政再建団体」という。)が当該財政再建計画を変更する場合について準用する。

3 災害その他緊急やむを得ない理由により異常の支出を要することとなつたため、財政再建計画を変更する必要が生じた場合において、あらかじめその変更について、自治大臣の承認を得るいとまがないときは、財政再建団体は、事後において、遅滞なく、その変更につき前項において準用する第1項の自治大臣の承認を得なければならない。

4 財政再建団体の長は、財政再建計画に従つて予算を調製しなければならない。

5 再建企業(地方公共団体が財政再建計画について承認を得た昭和40年度の赤字企業をいう。以下同じ。)の管理者は、財政再建計画に従つて当該再建企業の業務を執行しなければならない。


第45条(財政再建債)

 財政再建団体は、昭和41年3月31日(同年4月1日に新たにこの法律を適用した事業にあつては、同日)における不良債務又は昭和40年度の実質赤字(第43条第3項に規定する実質赤字をいう。第49条において同じ。)の範囲内における一時借入金の償還及び未払金の支払に充てるため並びに前条第1項の規定による財政再建計画の承認のあつた日から財政再建計画による財政の再建が完了する年度の前年度の末日までの間に財政再建計画に基づく職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により退職した管理者及び企業職員に支給すべき退職手当の財源に充てるため、企業債を起こすことができる。


第46条(財政再建債の償還)

 前条の企業債(以下「財政再建債」という。)は、指定日の属する年度の翌年度以降おおむね7年度以内(同条の退職手当の財源に充てるため起こした財政再建債にあつては、その起こした日の属する年度の翌年度以降3年度以内)に、財政再建計画に基づき償還しなければならない。


第47条(財政再建債の利子補給)

 国は、毎年度予算の範囲内で、財政再建債で利息の定率が年3分5厘をこえるものにつき、政令で定める基準により、年4分5厘の定率を乗じて得た額を限度として、当該財政再建債の当該年度分の利子支払額のうち、利息の定率を年3分5厘として計算して得た額をこえる部分に相当する金額を当該財政再建団体に補給する。


第48条(企業債の償還繰延べ等)

 国は、財政再建団体が財政再建計画を実施するため必要があると認めるときは、企業債の償還の繰延べその他再建企業の財政の再建を促進するための措置について配慮するものとする。


第49条(赤字の企業の財政再建)

1 水道事業、工業用水道事業、軌道事業、自動車運送事業、鉄道事業、電気事業、ガス事業又は病院事業で昭和41年度以降の年度において不良債務又は実質赤字を有するもの(再建企業を除く。以下「赤字の企業」という。)のうちこの法律を適用しているものを経営する地方公共団体は、当分の間、第43条第1項の規定により当該赤字の企業について財政の再建を行うことを申し出ることができる。
 この場合において、同項中「自治大臣」とあるのは、「総務大臣」として、同項の規定の例による。

2 第43条第2項及び第44条の規定は、前項の規定によりその例によることとされた第43条第1項の規定により財政の再建を行うことを申し出た地方公共団体の経営する赤字の企業に係る財政の再建について準用する。

※ 第3項未確認

4 総務大臣は、第2項において準用する第44条第1項又は前項において準用する第44条第1項若しくは第3項の規定により財政再建計画又はその変更に同意しようとするときは、地方財政審議会の意見を聴かなければならない。


第50条(地方財政再建促進特別措置法の準用)

 地方財政再建促進特別措置法(昭和30年法律第195号)第4条、第5条第2項、第6条、第7条、第11条、第14条、第18条から第21条まで及び第24条第1項の規定は、再建企業又は赤字の企業の財政の再建について準用する。


第51条(自治大臣の権限の委任)

 総務大臣は、政令で定めるところにより、この章に定める自治大臣の権限のうち市町村に係るものの一部を都道府県知事に委任することができる。


附則(平成12年12月8日法律第151号)(抄)

第1条(施行期日)

 この法律は、平成12年4月1日から施行する。
 〔ただし書省略〕


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