植物防疫法(抄)
昭和25年5月4日 法律第151号
※ 昭和60年法律第90号以降の改正については未確認
第1章 総則
第1条(法律の目的)
この法律は、輸出入植物及び国内植物を検疫し、並びに植物に有害な動植物を駆除し、及びそのまん延を防止し、もって農業生産の安全及び助長を図ることを目的とする。
第2条(定義)
1 この法律で「植物」とは、顕花植物、しだ類又はせんたい類に属する植物(その部分、種子、果実及びむしろ、こもその他これに準ずる加工品を含む。)で、次項の有害植物を除くものをいう。
2 この法律で「有害植物」とは、真菌、粘菌、細菌、寄生植物及びバイラスであって、直接又は間接に有用な植物を害するものをいう。
3 この法律で「有害動物」とは、昆虫、だに等の節足動物、線虫その他の無脊椎動物又は脊椎動物であって、有用な植物を害するものをいう。
第3条(植物防疫官及び植物防疫員)
1 この法律に規定する検疫又は防除に従事させるため、農林水産省に植物防疫官をおく。
2 第3章又は第4章の規定により植物防疫官が行う検疫又は防除の事務を補助させるため、農林水産省に植物防疫員を置くことができる。
3 植物防疫員は、非常勤とする。
第4条(植物防疫官の権限)
1 植物防疫官は、有害動物又は有害植物が附着しているおそれがある植物又は容器包装があると認められるときは、土地、貯蔵所、倉庫、事業所、船車又は航空機に立ち入り、当該植物及び容器包装等を検査し、関係者に質問し、又は検査のため必要な最少量に限り、当該植物又は容器包装を無償で集取することができる。
2 前項の規定による検査の結果、有害動物又は有害植物があると認めた場合において、これを駆除し、又はまん延を防止するため必要があるときは、植物防疫官は、当該植物、容器包装、土地、貯蔵所、倉庫、事業所、船車又は航空機を所有し、又は管理する者に対し、その消毒を命ずることができる。
3 前項の場合には、第20条第1項の規定を準用する。
4 第1項の規定による立入検査、質問及び集取の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第5条(証票の携帯及び服制)
1 植物防疫官及び植物防疫員は、この法律により職務を執行するときは、その身分を示す証票を携帯し、且つ前条第1項の規定による権限を行うとき、又は関係者の要求があったときは、これを提示しなければならない。
2 植物防疫官の服制は、農林水産大臣が定める。
(「第2章 国際植物検疫」、「第3章 国内植物検疫」は省略
第4章 緊急防除
第17条(防除)
1 新たに国内に侵入し、若しくは既に国内の一部に存在している有害動物若しくは有害植物がまん延して有用な植物に重大な損害を与えるおそれがある場合、又は有害動物若しくは有害植物により有用な植物の輸出が阻害されるおそれがある場合において、これを駆除し、又はそのまん延を防止するため必要があるときは、農林水産大臣は、この章の規定により、防除を行うものとする。
但し、森林病害虫等について、別に法律で定めるところにより防除が行われる場合は、この限りでない。
2 農林水産大臣は、前項の規定による防除をするには、その30日前までに左の事項を告示しなければならない。
- 防除を行う区域及び期間
- 有害動物又は有害植物の種類
- 防除の内容
- その他必要な事項
第18条(防除の内容)
1 農林水産大臣は、前条第1項の防除を行うため必要な限度において、左の各号に掲げる命令をすることができる。
- 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着するおそれがある植物を栽培する者に対し、当該植物の栽培を制限し、又は禁止すること。
- 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着するおそれがある植物又は容器包装の譲渡又は移動を制限し、又は禁止すること。
- 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着するおそれがある植物又は容器包装を所有し、又は管理する者に対し、当該植物又は容器包装の消毒、除去、廃棄等の措置を命ずること。
- 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着するおそれがある農機具、運搬用具等の物品又は倉庫等の施設を所有し、又は管理する者に対し、その消毒等の措置を命ずること。
2 前条第1項の場合において、緊急に防除を行う必要があるため同条第2項の規定によるいとまがないときは、農林水産大臣は、その必要の限度において、同項の規定による告示をしないで、前項第3号の命令をし、又は植物防疫官に有害動物又は有害植物が附着し、若しくは附着するおそれがある植物若しくは容器包装の消毒、除去、廃棄等の措置をさせることができる。
第19条(協力命令)
1 第17条第1項の防除を行うため必要があるときは、農林水産大臣は、地方公共団体、農業者の組織する団体又は防除業者を防除に関する業務に協力させることができる。
2 前項の場合には、協力命令書を交付しなければならない。
3 第1項の規定により防除に協力させたときは、国は、その費用を弁償しなければならない。
第20条(損失の補償)
1 国は、第18条の処分により損失を受けた者に対し、その処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。
※参照 憲法第29条第3項
2 前項の規定により保証を受けようとするものは、保証を受けようとする見積額を記載した申請書を農林水産大臣に提出しなければならない。
3 農林水産大臣は、前項の申請があったときは、遅滞なく、補償すべき金額を決定し、当該申請人に通知しなければならない。
4 農林水産大臣は、前項の規定により補償金額を決定するには、少なくとも1人の農業者を含む3人の評価人をその区域から選び、その意見を徴しなければならない。
5 第1項の規定による補償を伴うべき処分は、これによって必要となる保証金の総額が国会の議決を経た予算の金額を超えない範囲内でしなければならない。
6 第3項の補償金額の決定に不服がある者は、その決定の通知を受けた日から3箇月以内に、訴えをもってその増額を請求することができる。
※参照 行政事件訴訟法第4条、第3章
7 前項の訴えにおいては、国を被告とする。
(以下省略)
