地方自治法/第2編 普通地方公共団体

昭和22年4月17日 法律第67号

最終改正 平成11年7月22日 法律第107号

第9章 財務

目次


第1節 会計年度及び会計の区分

第208条(会計年度及びその独立の原則)

1 普通地方公共団体の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わるものとする。

2 各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに充てなければならない。


第209条(会計の区分)

1 普通地方公共団体の会計は、一般会計及び特別会計とする。

2 特別会計は、普通地方公共団体が特定の事業を行なう場合その他特定の歳入をもって特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合において、条例でこれを設置することができる。


第2節 予算

第210条(総計予算主義の原則)

 1会計年度における一切の収入及び支出は、すべてこれを歳入歳出予算に編入しなければならない。


第211条(予算の調整及び議決)

1 普通地方公共団体の長は、毎会計年度予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。この場合において、普通地方公共団体の長は、遅くとも年度開始前、都道府県及び第252条の19第1項に規定する指定都市にあっては30日、その他の市及び町村にあっては20日までに当該予算を議会に提出しなければならない。

2 普通地方公共団体の長は、予算を議会に提出するときは、政令で定める予算に関する説明書をあわせて提出しなければならない。


第212条(継続費)

1 普通地方公共団体の経費をもって支弁する事件でその履行に数年度を要するものについては、予算の定めるところにより、その経費の総額及び年割額を定め、数年度にわたって支出することができる。

2 前項の規定により支出することができる経費は、これを継続費という。


第213条(繰越明許費)

1 歳出予算の経費のうちその性質上又は予算成立後の事由に基づき年度内にその支出を終わらない見込みのあるものについては、予算の定めるところにより、翌年度に繰り越して使用することができる。

2 前項の規定により翌年度に繰り越して使用することができる経費は、これを繰越明許費という。


第214条(債務負担行為)

 歳出予算の金額、継続費の総額又は繰越明許費の金額の範囲内におけるものを除くほか、普通地方公共団体が債務を負担する行為をするには、予算で債務負担行為として定めておかなければならない。


第215条(予算の内容)

 予算は、次の各号に掲げる事項に関する定めから成るものとする。
  1.  歳入歳出予算
  2.  継続費
  3.  繰越明許費
  4.  債務負担行為
  5.  地方債
  6.  一時借入金
  7.  歳出予算の各項の経費の金額の流用


第216条(歳入歳出予算の区分)

 歳入歳出予算は、歳入にあっては、その性質に従って款に大別し、かつ、各款中においてはこれを項に区分し、歳出にあっては、その目的に従ってこれを款項に区分しなければならない。


第217条(予備費)

1 予算外の支出又は予算超過の支出に充てるため、歳入歳出予算に予備費を計上しなければならない。
 ただし、特別会計にあっては、予備費を計上しないことができる。

2 予備費は、議会の否決した費途に充てることができない。


第218条(補正予算、暫定予算等)

1 普通地方公共団体の長は、予算の調製後に生じた事由に基づいて、既定の予算に追加その他の変更を加える必要が生じたときは、補正予算を調製し、これを議会に提出することができる。

2 普通地方公共団体の長は、必要に応じて、1会計年度のうちの一定期間に係る暫定予算を調製し、これを議会に提出することができる。

3 前項の暫定予算は、当該会計年度の予算が成立したときは、その効力を失うものとし、その暫定予算に基づく支出又は債務の負担があるときは、その支出又は債務の負担は、これを会計年度の予算に基づく支出又は債務の負担とみなす。

4 普通地方公共団体の長は、特別会計のうちその事業の経費を主として当該事業の経営に伴う収入をもって充てるもので条例で定めるものについて、業務量の増加により業務のため直接必要な経費に不足を生じたときは、当該業務量の増加により増加する収入に相当する金額を当該経費(政令で定める経費を除く。)に使用することができる。この場合においては、地方公共団体の長は、次の会議においてその旨を議会に報告しなければならない。


第219条(予算の送付、報告及び公表)

1 普通地方公共団体の議会の議長は、予算を定める議決があったときは、その日から3日以内にこれを当該普通地方公共団体の長に送付しなければならない。

2 普通地方公共団体の長は、前項の規定により予算の送付を受けた場合において、再議その他の措置を講ずる必要がないと認めるときは、直ちにこれを都道府県にあっては総務大臣、市町村にあっては都道府県知事に報告し、かつその要領を住民に公表しなければならない。


第220条(予算の執行及び事故繰越し)

1 普通地方公共団体の長は、政令で定める基準に従って予算の執行に関する手続きを定め、これに従って予算を執行しなければならない。

2 歳出予算の経費の金額は、各款の間又は各項の間において相互にこれを流用することができない。
 ただし、歳出予算の各項の経費の金額は、予算の執行上必要がある場合に限り、予算の定めるところにより、これを流用することができる。

3 繰越明許費の金額を除くほか、毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年度において使用することができない。
 ただし、歳出予算の経費の金額のうち、年度内に支出負担行為をし、避けがたい事故のため年度内に支出を終わらなかったもの(当該支出負担行為に係る工事その他の事業の遂行の必要に基づきこれに関連して支出を要する経費の金額を含む。)は、これを翌年度に繰り越して使用することができる。


第221条(予算の執行に関する長の調査権等)

1 普通地方公共団体の長は、予算の執行の適正を期するため、委員会若しくは委員又はこれらの管理に属する機関で権限を有するものに対して、収入及び支出の実績若しくは見込みについて報告を徴し、予算の執行状況を実地について調査し、又はその結果に基づいて必要な措置を講ずべきことを求めることができる。

2 普通地方公共団体の長は、予算の執行の適正を期するため、工事の請負契約者、物品の納入者、補助金、交付金、貸付金等の交付若しくは貸付けを受けた者(補助金、交付金、貸付金等の終局の受領者を含む。)又は調査、試験、研究等の委託を受けた者に対して、その状況を調査し、又は報告を徴することができる。

3 前2項の規定は、普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるもの、普通地方公共団体が借入金の元金若しくは利子の支払を保証し、又は損失補償を行う等その者のために債務を負担している法人で政令で定めるもの及び普通地方公共団体が受益権を有する信託で政令で定めるものの受託者についてこれを準用する。


第222条(予算を伴う条例、規則等についての制限)

1 普通地方公共団体の長は、条例その他議会の議決を要すべき案件があらたに予算を伴うこととなるものであるときは、必要な予算上の措置が適確に講ぜられる見込みが得られるまでの間は、これを議会に提出してはならない。

2 普通地方公共団体の長、委員会若しくは委員又はこれらの管理に属する機関は、その権限に属する事務に関する規則その他の規程の制定又は改正があらたに予算を伴うこととなるものであるときは、必要な予算上の措置が適確に講ぜられることとなるまでの間は、これを制定し、又は改正してはならない。


第3節 収入

第223条(地方税)

 普通地方公共団体は、法律の定めるところにより、地方税を賦課徴収することができる。


第224条(分担金)

 普通地方公共団体は、政令で定める場合を除くほか、数人又は普通地方公共団体の一部に対し利益の在る事件に関し、その必要な費用に充てるため、当該事件により特に利益を受ける者から、その受益の限度において、分担金を徴収することができる。


第225条(使用料)

 普通地方公共団体は、第238条の4第4項の規定による許可を受けてする行政財産の使用又は公の施設の利用につき使用料を徴収することができる。


第226条(旧慣使用の使用料及び加入金)

 市町村は、第238条の6の規定による公有財産の使用につき使用料を徴収することができるほか、同条第2項の規定により使用の許可を受けた者から加入金を徴収することができる。


第227条(手数料)

1 普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務で特定の者のためにするものにつき、手数料を徴収することができる。


第228条(分担金等に関する規制及び罰則)

1 分担金、使用料、加入金及び手数料に関する事項については、条例でこれを定めなければならない。
 この場合において、手数料について全国的に統一して定めることが特に必要と認められるものとして政令で定める事務(以下本項において「標準事務」という。)について手数料を徴収する場合においては、当該標準事務に係る事務のうち政令で定めるものにつき、政令で定める金額の手数料を徴収することを標準として条例を定めなければならない。

2 分担金、使用料、加入金及び手数料の徴収に関しては、次項に定めるものを除くほか、条例で5万円以下の過料を科する規定を設けることができる。

3 前詐欺その他不正の行為により、分担金、使用料、加入金又は手数料の徴収を免れたものについては、条例でその徴収を免れた金額の5倍に相当する金額(当該5倍に相当する金額が5万円を超えないときは、5万円とする。)以下の過料を科する規定を設けることができる。


第229条(分担金等の徴収に関する処分についての不服申立て)

1 第138条の4第1項に規定する機関がした使用料又は手数料の徴収に関する処分に不服がある者は、当該普通地方公共団体の長に審査請求をすることができる。

2 前項に規定する機関以外がした分担金、使用料、加入金又は手数料の徴収に関する処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が処分庁の直近上級庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。

3 分担金、使用料、加入金又は手数料の徴収に関する処分についての審査請求又は異議申立てに関する行政不服審査法第14条第1項本文又は第45条の期間は、当該処分を受けた日の翌日から起算して30日以内とする。

4 普通地方公共団体の長は、前項の処分についての審査請求又は異議申立てがあったときは、議会に諮問してこれを決定しなければならない。

5 議会は、前項の規定による諮問があった日から20日以内に意見を述べなければならない。

6 第4項の審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定を受けた後でなければ、第3項の処分については、裁判所に出訴することができない。


第230条(地方債)

1 普通地方公共団体は、別に法律で定める場合において、予算の定めるところにより、地方債を起こすことができる。

2 前項の場合において、地方債の起債の目的、限度額、起債の方法、利率及び償還の方法は、予算でこれを定めなければならない。


第231条(歳入の収入の方法)

 普通地方公共団体の歳入を収入するときは、政令の定めるところにより、これを調定し、納入義務者に対して納入の通知をしなければならない。


第231条の2(証紙による収入の方法等)

1 普通地方公共団体は、使用料又は手数料の徴収については、条例の定めるところにより、証紙による収入の方法によることができる。

2 証紙による収入の方法による場合においては、証紙の売りさばき代金をもって歳入とする。

3 証紙による収入の方法によるものを除くほか、普通地方公共団体の歳入は、第235条の規定により金融機関が指定されている場合においては、政令の定めるところにより、口座振替の方法により、又は証券をもってこれを納付することができる。

4 前項の規定により納付された証券を支払の呈示期間又は有効期間内に呈示し、支払の請求をした場合において、支払の拒絶があったときは、当該歳入は、はじめから納付がなかったものとみなす。この場合における当該証券の処分に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

5 証紙による収入の方法によるものを除くほか、普通地方公共団体の歳入については、第235条の規定により金融機関を指定していない市町村においては、政令の定めるところにより、納入義務者から証券の提供を受け、その証券の取立て及びその取り立てた金銭による納付の委託を受けることができる。


第231条の3(督促、滞納処分等)

1 分担金、使用料、加入金、手数料及び過料その他の普通地方公共団体の歳入を納期限までに納付しないものがあるときは、普通地方公共団体の長は、期限を指定してこれを督促しなければならない。

2 普通地方公共団体の長は、前項の歳入について同項の規定による督促をした場合においては、条例の定めるところにより、手数料及び延滞金を徴収することができる。

3 普通地方公共団体の長は、分担金、加入金、過料又は法律で定める使用料その他の普通地方公共団体の歳入につき第1項の規定による督促を受けた者が同項の規定により指定された期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、当該歳入並びに当該歳入に係る前項の手数料及び延滞金について、地方税の滞納処分の例により処分することができる。この場合におけるこれらの徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

4 第1項の歳入並びに第2項の手数料及び延滞金の還付並びにこれらの徴収金の徴収又は還付に関する書類の送達及び公示送達については、地方税の例による。

5 普通地方公共団体の長以外の機関がした前4項の規定による処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が処分庁の直近上級庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。

6 第1項から第4項までの規定による処分についての審査請求又は異議申立てに関する行政不服審査法第14条第1項本文又は第45条の期間は、当該処分を受けた日の翌日から起算して30日以内とする。

7 普通地方公共団体の長は、第1項から第4項までの規定による処分についての審査請求又は異議申立てがあったときは、議会に諮問してこれを決定しなければならない。

8 議会は、前項の規定による諮問があった日から20日以内に意見を述べなければならない。

9 第7項の審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定を受けた後でなければ、第1項から第4項までの規定による処分については、裁判所に出訴することができない。

10 第3項の規定による処分中差押物件の公売は、その処分が確定するまで執行を停止する。

11 第3項の規定による処分は、当該普通地方公共団体の区域外においても、また、これをすることができる。


第4節 支出

第232条(経費の支弁等)

1 普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務を処理するために必要な経費その他法律又はこれに基づく政令により当該普通地方公共団体の負担に属する経費を支弁するものとする。

2 法律又はこれに基づく政令により普通地方公共団体に対し事務の処理を義務づける場合においては、国は、そのために要する経費の財源につき必要な措置を講じなければならない。


第232条の2(寄附又は補助)

 普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。


第232条の3(支出負担行為)

 普通地方公共団体の支出の原因となるべき契約その他の行為(これを支出負担行為をいう。)は、法令又は予算の定めるところに従い、これをしなければならない。


第232条の4(支出の方法)

1 出納長又は収入役は、普通地方公共団体の長の命令がなければ、支出をすることができない。

2 出納長又は収入役は、前項の命令を受けた場合においても、当該支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと及び当該支出負担行為に係る債務が確定していることを確認したうえでなければ、支出をすることができない。


第232条の5

1 普通地方公共団体の支出は、債権者のためでなければ、これをすることができない。

2 普通地方公共団体の支出は、政令の定めるところにより、資金前渡概算払前金払繰替払、隔地払又は口座振替の方法によってこれをすることができる。


第232条の6(小切手の振出し及び公金振替書の交付)

1 第235条の規定により金融機関を指定している普通地方公共団体の支出は、政令の定めるところにより、現金の交付に代え、当該金融機関を支払人とする小切手を振り出し、又は公金振替書を当該金融機関に交付してこれをするものとする。ただし、小切手を振り出す場合において、債権者から申出があるときは、出納長又は収入役は、自ら現金で小口の支払をし、又は当該金融機関をして現金で支払をさせることができる。

2 前項の金融機関は、出納長又は収入役の振り出した小切手の呈示を受けた場合において、その小切手が振出日付から10日以上を経過しているものであっても1年を経過しないものであるときは、その支払をしなければならない。


第5節 決算

第233条(決算)

1 出納長又は収入役は、毎会計年度、政令の定めるところにより、決算を調製し、出納の閉鎖後3箇月以内に、証書類その他政令で定める書類とあわせて、普通地方公共団体の長に提出しなければならない。

2 普通地方公共団体の長は、決算及び前項の書類を監査委員の審査に付さなければならない。

3 普通地方公共団体の長は、前項の規定により監査委員の審査に付した決算を監査委員の意見を付けて次の通常予算を議する会議までに議会の認定に付さなければならない。

4 前項の規定による意見の決定は、監査委員の定数が2人以上である場合においては、その合議によるものとする。

5 普通地方公共団体の長は、第3項の規定により決算を議会の認定に付するに当たっては、当該決算に係る会計年度における主要な施策の成果を説明する書類その他政令で定める書類を併せて提出しなければならない。

6 普通地方公共団体の長は、決算をその認定に関する議会の議決及び第3項の規定による監査委員の意見と併せて、都道府県にあっては総務大臣、市町村にあっては都道府県知事に報告し、かつ、その要領を住民に公表しなければならない。


第233条の2(歳計余剰分の処分)

 各会計年度において決算上剰余金を生じたときは、翌年度の歳入に編入しなければならない。ただし、条例の定めるところにより、又は普通地方公共団体の議会の議決により、剰余金の全部又は一部を翌年度に繰り越さないで基金に編入することができる。


第6節 契約

第234条(契約の締結)

1 売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。

2 前項の指名競争入札随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる。

3 普通地方公共団体は、一般競争入札又は指名競争入札(以下本条において「競争入札」という。)に付する場合においては、政令の定めるところにより、契約の目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最高又は最低の価格をもって申込をした者を契約の相手方とするものとする。
 ただし、普通地方公共団体の支出の原因となる契約については、政令の定めるところにより、予定価格の制限の範囲内の価格をもって申し込みをした者のうち指定の価格をもって申込をしたもの以外の者を契約の相手方とすることができる。

4 普通地方公共団体が競争入札につき入札保証金を納付させた場合において、落札者が契約を締結しないときは、その者の納付に係る入札保証金(政令の定めるところによりその納付に代えて提供された担保を含む。)は、当該普通地方公共団体に帰属するものとする。

5 普通地方公共団体が契約につき契約書を作成する場合においては、当該普通地方公共団体の長又はその委任を受けた者が契約の相手方とともに契約書に記名押印しなければ、当該契約は、確定しないものとする。

6 競争入札に加わろうとする者に必要な資格、競争入札における公告又は指名の方法、随意契約及びせり売りの手続きその他契約の締結の方法に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

※参照
・一般競争入札の参加者の資格 地方自治法施行令第167条の4
・指名競争入札の参加者の資格 地方自治法施行令第167条の11


第234条の2(契約の履行の確保)

1 普通地方公共団体が工事若しくは製造その他についての請負契約又は物件の買入れその他の契約を締結した場合においては、当該普通地方公共団体の職員は、政令の定めるところにより、契約の適正な履行を確保するため又はその受ける給付の完了の確認(給付の完了前に代価の一部を支払う必要がある場合において行なう工事若しくは製造の既済部分又は物件の既納部分の確認を含む。)をするため必要な監督又は検査をしなければならない。

2 普通地方公共団体が契約の相手方をして契約保証金を納付させた場合において、契約の相手方が契約上の義務を履行しないときは、その契約保証金(政令の定めるところによりその納付に代えて提供された担保を含む。)は、当該普通地方公共団体に帰属するものとする。
 ただし、損害の賠償又は違約金について契約で別段の定めをしたときは、その定めたところによるものとする。


第234条の3(長期継続契約)

 普通地方公共団体は、第214条の規定に関わらず、翌年度以降にわたり、電気、ガス若しくは水の供給若しくは電気通信役務の提供を受ける契約又は不動産を借りる契約を締結することができる。
 この場合においては、各年度におけるこれらの経費の予算の範囲内においてその給付を受けなければならない。


第7節 現金及び有価証券

第235条(金融機関の指定)

1 都道府県は、政令の定めるところにより、金融機関を指定して、都道府県の公金の収納又は支払の事務を取り扱わせなければならない。

2 市町村は、政令の定めるところにより金融機関を指定して、市町村の公金の収納又は支払の事務を取り扱わせることができる。


第235条の2(現金出納の検査及び公金の収納等の監査)

1 普通地方公共団体の現金の出納は、毎月例日を定めて監査委員がこれを検査しなければならない。

2 監査委員は、必要があると認めるとき、又は普通地方公共団体の長の要求があるときは、前条の規定により指定された金融機関が取り扱う当該普通地方公共団体の公金の収納又は支払の事務について監査することができる。

3 監査委員は、第1項の規定による検査の結果に関する報告又は前項の規定による監査の結果に関する報告を普通地方公共団体の議会及び長に提出しなければならない。


第235条の3(一時借入金)

1 普通地方公共団体の長は、歳出予算内の支出をするため、一時借入金を借り入れることができる。

2 前項の規定による一時借入金の借入の最高額は、予算でこれを定めなければならない。

3 第1項の規定による一時借入金は、その会計年度の歳入をもって償還しなければならない。


第235条の4(現金及び有価証券の保管)

1 普通地方公共団体の歳入歳出に属する現金(以下「歳計現金」という。)は、政令の定めるところにより、最も確実かつ有利な方法によりこれを保管しなければならない。

2 債権の担保として徴するもののほか、普通地方公共団体の所有に属しない現金又は有価証券は、法律又は政令の規定によるのでなければ、これを保管することができない。

3 法令又は契約に特別の定めがあるものを除くほか、普通地方公共団体が保管する前項の現金(以下、「歳入歳出外現金」という。)には、利子を付さない。


第235条の5(出納の閉鎖)

 普通地方公共団体の出納は、翌年度の5月31日をもって閉鎖する。


第8節 時効

第236条(金銭債権の消滅時効)

1 金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利は、時効に関し他の法律に定めがあるものを除くほか、5年間これを行わないときは、時効により消滅する。
 普通地方公共団体に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。

2 金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利の時効による消滅については、法律に特別の定めがある場合を除くほか、時効の援用を要せず、又、その利益を放棄することができないものとする。
 普通地方公共団体に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。

3 金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利について、消滅時効の中断、停止その他の事項(前項に規定する事項を除く。)に関し、適用すべき法律の規定がないときは、民法(明治29年法律第89号)の規定を準用する。普通地方公共団体に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。

4 法令の規定により普通地方公共団体がする納入の通知及び督促は、民法第153条(前項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。


第9節 財産

第237条(財産の管理及び処分)

1 この法律において「財産」とは、公有財産、物品及び債権並びに基金をいう。

2 第238条の4第1項の規定の適用がある場合を除き、普通地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、これを交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けてはならない。

3 普通地方公共団体の財産は、第238条の5第2項の規定の適用がある場合で、議会の議決によるときでなければ、これを信託してはならない。

 第1款 公有財産

第238条(公有財産の範囲及び分類)

1 この法律において「公有財産」とは、普通地方公共団体の所有に属する財産のうち次に掲げるもの(基金に属するものを除く。)をいう。
  1.  不動産
  2.  船舶、浮標、浮桟橋及び浮ドック並びに航空機
  3.  前2号に掲げる不動産及び動産の従物
  4.  地上権、地役権、鉱業権その他これらに準ずる権利
  5.  特許権、著作権、商標権、実用新案権その他これらに準ずる権利
  6.  株券、社債券(特別の法律により設立された法人の発行する債券を含む。)及び地方債証券(社債等登録法(昭和17年法律第11号)の規定により登録されたものを含む。)並びに国債証券(国債に関する法律(明治39年法律第34号)の規定により登録されたものを含む。)その他これらに準ずる有価証券
  7.  出資による権利
  8.  不動産の信託による受益権

2 公有財産は、これを行政財産と普通財産とに分類する。

3 行政財産とは、普通地方公共団体において公用又は公共用に供し、又は供することと決定した財産をいい、普通財産とは、行政財産以外の一切の公有財産をいう。


第238条の2(公有財産に関する長の総合調整権)

1 普通地方公共団体の長は、公有財産の効率的運用を図るため必要があると認めるときは、委員会若しくは委員又はこれらの管理に属する機関で権限を有するものに対し、公有財産の取得又は管理について、報告を求め、実地について調査し、又はその結果に基づいて必要な措置を講ずべきことを求めることができる。

2 普通地方公共団体の委員会若しくは委員又はこれらの管理に属する機関で権限を有するものは、公有財産を取得し、又は行政財産の用途を変更し、若しくは第238条の4第2項の規定による行政財産である土地の貸付け若しくはこれに対する地上権の設定若しくは同条第4項の規定による行政財産の使用許可で当該普通地方公共団体の長が指定するものをしようとするときは、あらかじめ当該普通地方公共団体の長に協議しなければならない。

3 普通地方公共団体の委員会もしくは委員又はこれらの管理に属する機関で権限を有するものは、その管理に属する行政財産の用途を廃止したときは、直ちにこれを当該普通地方公共団体の長に引き継がなければならない。


第238条の3(職員の行為の制限)

1 公有財産に関する事務に従事する職員は、その取扱いに係る公有財産を譲り受け、又は自己の所有物と交換することができない。

2 前項の規定に違反する行為は、これを無効とする。


第238条の4(行政財産の管理及び処分)

1 行政財産は、次項に定めるもののほか、これを貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、出資の目的とし、若しくは信託し、又はこれに私権を設定することができない。

2 行政財産である土地は、その用途又は目的を妨げない限度において、国、他の地方公共団体その他政令で定めるものに対し、政令で定める用途に供させるため、政令で定めるところにより、これを貸し付け、又はこれに地上権を設定することができる。
 この場合においては、次条第3項及び第4項の規定を準用する。

3 第1項の規定に違反する行為は、これを無効とする。

4 行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可することができる。

5 前項の規定により許可を受けてする行政財産の使用については、借地借家法(平成3年法律第90号)の規定は、これを適用しない。

6 第4項の規定により行政財産の使用を許可した場合において、公用若しくは公共用に供するため必要を生じたとき、又は許可の条件に違反する行為があると認めるときは、普通地方公共団体の長又は委員会は、その許可を取り消すことができる。


第238条の5(普通財産の管理及び処分)

1 普通財産は、これを貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、若しくは出資の目的とし、又はこれに私権を設定することができる。

2 普通財産である土地(その土地の定着物を含む。)は、当該普通地方公共団体を受益者として政令で定める信託の目的により、これを信託することができる。

3 普通財産を貸し付けた場合において、その貸付期間中に国、地方公共団体その他公共団体において公用又は公共用に供するため必要を生じたときは、普通地方公共団体の長は、その契約を解除することができる。

4 前項の規定により契約を解除した場合においては、借受人は、これによって生じた損害につきその補償を求めることができる。

5 普通地方公共団体の長が一定の用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定して普通財産を貸し付けた場合において、借受人が指定された期日を経過してもなおこれをその用途に供せず、又はこれをその用途に供した後その指定された期間内にその用途を廃止したときは、当該普通地方公共団体の長は、その契約を解除することができる。

6 第3項及び第4項の規定は貸付以外の方法により普通財産を使用させる場合に、前項の規定は普通財産を売り払い、又は譲与する場合に準用する。

7 第3項から第5項までの規定は、普通財産である土地(その土地の定着物を含む。)を信託する場合に準用する。

8 第6項に定めるもののほか普通財産の売払いに関し必要な事項及び普通財産の交換に関し必要な事項は政令でこれを定める。


第238条の6(旧慣による公有財産の使用)

1 旧来の慣行により市町村の住民中特に公有財産を使用する権利を有する者があるときは、その旧慣による。その旧慣を変更し、又は廃止しようとするときは、市町村の議会の議決を経なければならない。

2 前項の公有財産をあらたに使用しようとする者があるときは、市町村長は、議会の議決を経て、これを許可することができる。


第238条の7(行政財産を使用する権利に関する処分についての不服申立て)

1 第238条の4の規定により普通地方公共団体の長がした行政財産を使用する権利に関する処分に不服がある者は、都道府県知事がした処分については総務大臣、市町村長がした処分については都道府県知事に審査請求をすることができる。この場合においては、異議申立てをすることもできる。

2 第238条の4の規定により普通地方公共団体の委員会がした行政財産を使用する権利に関する処分に不服がある者は、当該普通地方公共団体の長に審査請求をすることができる。

3 第238条の4の規定により普通地方公共団体の長及び委員会以外の機関がした行政財産を使用する権利に関する処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が処分庁の直近上級庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。

4 普通地方公共団体の長は、行政財産を使用する権利に関する処分についての異議申立て又は審査請求(第1項に規定する審査請求を除く。)があったときは、議会に諮問してこれを決定しなければならない。

5 議会は、前項の諮問があった日から20日以内に意見を述べなければならない。

6 行政財産を使用する権利に関する処分についての審査請求(第1項に規定する審査請求を除く。)に対する裁決に不服がある者は、都道府県知事がした裁決については総務大臣、市町村長がした裁決については都道府県知事に再審査請求をすることができる。


 第2款 物品

第239条(物品)

1 この法律において「物品」とは、普通地方公共団体の所有に属する動産で次の各号に掲げるもの以外のもの及び普通地方公共団体が使用のために保管する動産(政令で定める動産を除く。)をいう。
  1.  現金(現金に代えて納付される証券を含む。)
  2.  公有財産に属するもの
  3.  基金に属するもの

2 物品に関する事務に従事する職員は、その取扱いに係る物品(政令で定める物品を除く。)を普通地方公共団体から譲り受けることができない。

3 前項の規定に違反する行為は、これを無効とする。

4 前2項に定めるもののほか、物品の管理及び処分に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

5 普通地方公共団体の所有に属しない動産で普通地方公共団体が保管するもの(使用のために保管するものを除く。)のうち政令で定めるもの(以下「占有動産」という。)の管理に関し必要な事項は、政令でこれを定める。


 第3款 債権

第240条(債権)

1 この章において、「債権」とは、金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利をいう。

2 普通地方公共団体の長は、債権について、政令の定めるところにより、その催促強制執行その他その保全及び取立てに関し必要な措置をとらなければならない。

3 普通地方公共団体の長は、債権について、政令の定めるところにより、その徴収停止履行期限の延長又は当該債権に係る債務の免除をすることができる。

4 前2項の規定は、次の各号に掲げる債権については、これを適用しない。

  1.  
  2.  地方税法(昭和25年法律第226号)の規定に基づく徴収金に係る債権
  3.  過料に係る債権
  4.  証券に化体されてる債権(社債等登録法又は国債に関する法律の規定により登録されたものを含む。)
  5.  預金に係る債権
  6.  寄附金に係る債権
  7.  基金に属する債権


 第4款 基金

第241条(基金)

1 普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、又は定額の資金を運用するための基金を設けることができる。

2 基金は、これを前項の条例で定める特定の目的に応じ、及び確実かつ効率的に運用しなければならない。

3 第1項の規定により特定の目的のために財産を取得し、又は資金を積み立てるための基金を設けた場合においては、当該目的のためでなければこれを処分することができない。

4 基金の運用から生ずる収益及び基金の管理に要する経費は、それぞれ毎会計年度の歳入歳出予算に計上しなければならない。

5 第1項の規定により特定の目的のために定額の資金を運用するための基金を設けた場合においては、普通地方公共団体の長は、毎会計年度、その運用の状況を示す書類を作成し、これを監査委員の審査に付し、その意見を付けて、第233条第5項の書類と併せて議会に提出しなければならない。

6 前項の既定による意見の決定は、監査委員の定数が2人以上である場合においては、その合議によるものとする。

7 基金の管理については、基金に属する財産の種類に応じ、収入若しくは支出の手続、歳計現金の出納若しくは保管、公有財産若しくは物品の管理若しくは処分又は債権の管理の例による。

8 第2項から前項までに定めるもののほか、基金の管理及び処分に関し必要な事項は、条例でこれを定めなければならない。


第10節 住民による監査請求及び訴訟

第242条(住民監査請求)

1 普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合を含む。)と認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実(以下「怠る事実」という。)があると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によって当該地方公共団体のこうむった損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。

2 前項の規定による請求は、当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは、これをすることができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

3 第1項の規定による請求があった場合においては、監査委員は監査を行ない、請求に理由がないと認めるときは、理由を付してその旨を書面により同項の規定による請求人(以下本条において「請求人」という。)に通知するとともに、これを公表し、請求に理由があると認めるときは、当該普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関又は職員に対し期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を請求人に通知し、かつ、これを公表しなければならない。

4 前項の規定による監査委員の監査及び勧告は、第1項の規定による請求があった日から60日以内にこれを行わなければならない。

5 監査委員は、第3項の規定による監査及び勧告を行なうにあたっては、請求人に証拠の提出及び陳述の機会を与えなければならない。

6 第3項の規定による監査及び勧告についての決定は、監査委員の定数が2人以上である場合においては、その合議によるものとする。

7 第3項の規定による監査委員の勧告があったときは、当該勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員は、当該勧告に示された期間内に必要な措置を講ずるとともに、その旨を監査委員に通知しなければならない。この場合においては、監査委員は、当該通知に係る事項を請求人に通知し、かつ、これを公表しなければならない。


第242条の2(住民訴訟)

1 普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第3項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第7項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第3項の規定による監査若しくは勧告を同条第4項の期間内に行なわないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第7項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次の各号に掲げる請求をすることができる。
 ただし、第1号の請求は、当該行為により普通地方公共団体に回復の困難な損害を生ずるおそれがある場合に限るものとし、第4号の請求中職員に対する不当利得の返還請求は、当該職員に利益の存する限度に限るものとする。
  1.  当該行政機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求
  2.  行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求
  3.  当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求
  4.  普通地方公共団体に代位して行う当該職員に対する損害賠償の請求若しくは不当利得返還の請求又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に対する法律関係不存在確認の請求、損害賠償の請求、不当利得返還の請求、原状回復の請求若しくは妨害排除の請求

2 前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる期間内に提起しなければならない。

  1.  監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合は、当該監査の結果、当該勧告の内容の通知があった日から30日以内
  2.  監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員の措置に不服がある場合は、当該措置に係る監査委員の通知があった日から30日以内
  3.  監査委員が請求した日から60日を経過しても監査又は勧告を行なわない場合は、当該60日を経過した日から30日以内
  4.  監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員が措置を講じない場合は、当該勧告に示された期間を経過した日から30日以内

3 前項の期間は、不変期間とする。

4 第1項の規定による訴訟が継続しているときは、当該普通地方公共団体の他の住民は別訴をもって同一の請求をすることができない。

5 第1項の規定による訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。

6 前4項に定めるもののほか、第1項の規定による訴訟については、行政事件訴訟法第43条の規定の適用があるものとする。

7 第1項第4号の規定による訴訟を提起した者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、弁護士に報酬を支払うべきときは、普通地方公共団体に対し、その報酬額の範囲で相当と認められる額の支払いを請求することができる。

8 第1項第4号の規定による訴訟の当該職員が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、弁護士に報酬を支払うべきときは、普通地方公共団体は、議会の議決によりその報酬額の範囲内で相当と認められる額を負担することができる。


第11節 雑則

第243条(私人の公金取扱いの制限)

 普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがある場合を除くほか、公金の徴収若しくは、収納又は支出の権限を私人に委任し、又は私人をして行わせてはならない。


第243条の2(職員の賠償責任)

1 出納長若しくは収入役若しくは出納長若しくは収入役の事務を補助する職員、資金前渡を受けた職員、占有動産を保管している職員又は物品を使用している職員が故意又は重大な過失(現金については、故意又は過失)により、その保管に係る現金、有価証券、物品(基金に属する動産を含む。)若しくは占有動産又はその使用に係る物品を亡失し、又は損傷したときは、これによって生じた損害を賠償しなければならない。
 次の各号に掲げる行為をする権限を有する職員又はその権限に属する事務を直接補助する職員で普通地方公共団体の規則で指定したものが故意又は重大な過失により法令の規定に違反して当該行為をしたこと又は怠ったことにより普通地方公共団体に損害を与えたときも、また同様とする。
  1.  支出負担行為
  2.  第232条の4第1項の命令又は同条第2項の確認
  3.  支出又は支払
  4.  第234条の2第1項の監督又は検査

2 前項の場合において、その損害が2人以上の職員の行為によって生じたものであるときは、当該職員は、それぞれの職分に応じ、かつ、当該行為が当該損害の発生する原因となった程度に応じて賠償の責めに任ずるものとする。

3 普通地方公共団体の長は、第1項の職員が同項に規定する行為によって当該普通地方公共団体に損害を与えたと認めるときは、監査委員に対し、その事実があるかどうかを監査し、賠償責任の有無及び賠償額を決定することを求め、その決定に基づき、期限を定めて賠償を命じなければならない。ただし、同項前段の場合にあっては、その事実を知った日から、同項後段の場合にあってはその事実の発生した日から3年を経過したときは、賠償を命ずることができない。

4 前項本文の規定により監査委員が賠償責任があると決定した場合において、普通地方公共団体の長は、当該職員からなされた当該損害が避けることのできない事故その他やむを得ない事情によるものであることの証明を相当と認めるときは、議会の同意を得て、賠償責任の全部又は一部を免除することができる。この場合においては、あらかじめ監査委員の意見をきき、その意見を付けて議会に付議しなければならない。

5 第3項本文の規定による決定又は前項後段の規定による意見の決定は、監査委員の定数が2人以上である場合においては、その合議によるものとする。

6 第3項の規定による処分に不服がある者は、都道府県知事がした処分については総務大臣、市町村長がした処分については都道府県知事に審査請求をすることができる。この場合においては、異議申立てをすることもできる。

7 普通地方公共団体の長は、前項の規定による異議申立てがあったときは、議会に諮問してこれを決定しなければならない。

8 議会は、前項の規定による諮問があった日から20日以内に意見を述べなければならない。

9 第1項の規定によって損害を賠償しなければならない場合においては、同項の職員の賠償責任については、賠償責任に関する民法の規定は、これを適用しない。


第243条の3(財政状況の公表等)

1 普通地方公共団体の長は、条例の定めるところにより、毎年2回以上歳入歳出予算の執行状況並びに財産、地方債及び一時借入金の現在高その他財政に関する事項を住民に公表しなければならない。

2 普通地方公共団体の長は、第221条第3項の法人について、毎事業年度、政令で定めるその経営状況を説明する書類を作成し、これを次の議会に提出しなければならない。

3 普通地方公共団体の長は、第221条第3項の信託について、信託契約に定める計算期ごとに、当該信託に係る事務の処理状況を説明する政令で定める書類を作成し、これを次の議会に提出しなければならない。


第243条の4(普通地方公共団体の財政の運営に関する事項等)

 普通地方公共団体の財政の運営、普通地方公共団体の財政と国の財政との関係等に関する基本原則については、この法律に定めるもののほか、別に法律でこれを定める。


第243条の5(政令への委任)

 歳入及び歳出の会計年度所属区分、予算及び決算の調整の様式、過年度収入及び過年度支出並びに翌年度歳入の繰り上げ充用その他財務に関し必要な事項は、この法律に定めるもののほか、政令でこれを定める。


      

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