| 上屋久町環境基本計画 | 第3部 各種施策の展開 |
| 第2章 自然と人間が共生する豊かな町づくり |
第2節 生きものの多様性の保護
課題
屋久島の自然は、縄文杉に代表される太古から存在する屋久杉の原生的な森をはじめ、生命に満ちあふれる海、地球最大の規模といわれる照葉樹林など世界的な価値を持つ希有な財産といえます。他の世界遺産地域では、徹底した保護施策がとられている場合もあります。しかしながら、島内に多くの人々が生活する屋久島では人々の暮らしを発展させながら生物多様性を保全する新たなる方策を模索しなければなりません。
屋久島に生息している生きものの価値はさまざまで、私たちが把握している事実はわずかに過ぎず、将来、生物由来の資源が医学や産業などに役立つ可能性もあります。しかしながら忘れてならないことは、そもそも自然は恵みであり畏怖すべき対象であるという屋久島の自然観は、自然の価値を人間にとっての有用性−有害性だけで決めていないということです。はるかな時の流れの中で生まれた屋久島の生き物たちに対しては、畏敬の念と同居者同志という共同体意識を持ちながら、国の生物多様性国家戦略に示された施策との連携も踏まえ、生きものの保護と生息環境の保全及び生きものとの共生を図るための政策を講じなければなりません。
目標
屋久島の原生の動植物が適正に生息・生育する環境を維持・創造します。
1.各種法規制による屋久島の生きものの保護
- 屋久杉、エラブオオコウモリ、アカウミガメ、アカヒゲなどに代表される国際的にも重要な生きものについては文化財保護法、ウミガメ保護条例、種の保存法等の各種法律及び条例を最大限に活用し、保護の推進・強化を図ります。
- 国・県と連携協力しながら、鳥獣保護及び狩猟に関する法律等による希少な生きものの生息地等の保全や狩猟、捕獲等の規制を推進します。
2.各種法規制による生息環境の保護
3.保全が望ましい希少な生きものの保護
- 固有種やレッドデータブック等に記載されながらも、具体的規制がかけられていない生きものについての保護、増殖保存等の施策を講じます。
- 貴重な自然地域については、町などが主体となった買い取り制度の導入を検討します。
4.移入された生きものによる生態系の撹乱防止
- 在来の植物を基にした緑地帯等の形成を進めます。
- 園芸種についての取り扱いに注意を促すとともに、人為的な移入による屋久島の自然環境の撹乱防止を図ります。
- 本来生息する生きものを脅かす可能性のある移入種の情報について普及啓発するとともに、移入を防止し、外部からの動植物の移入の規制について検討します。
5.サル・シカの保護管理の推進
- サル・シカによる被害対策や保護管理のあり方について、国、県、その他関係機関との協議の場を設置します。
- 国、その他関係機関と連携、協力のもと、広葉樹林帯を創出し、サル、シカが利用できる地域の保全・拡充を図ります。
- 林道や農道などを利用してのシカ・サルの耕地への進入路を防ぐための電気柵等を設置し、農作物被害対策を強化するとともに、創出した広葉樹林帯へシカ・サルの利用場所を移動させる等の施策を推進します。
- 野猿等被害防除事業においては、生態学・行動学的なデータをもとに、効果的な被害防除計画を検討します。
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