上屋久町環境基本計画第3部 各種施策の展開

第1章 ゾーニングによる適正な土地利用の推進

ゾーニングの考え方

保護ゾーン」 「ふれあいゾーン」 「生活文化ゾーン」 「海辺親水ゾーン

 はるか悠久の昔以来、屋久島に住む人々の心の根底には、奥岳地域は、水などの恵みを生み出す源泉であると同時に、山岳信仰の対象として不可侵の畏怖すべきところ、奥岳から放射状に流れる川の河口に広がる麓(ふもと)は、人々が生活の場としているところ、奥岳と集落の間にある前岳は、人々が生活の糧を得る場として普段から慣れ親しんできた身近な自然のあるところ、そして、島の外側をとりまく海は、生活の糧を得る場であると同時に外界とつながっているところとして認識されていました。
 このような長い歴史的背景を持った4つの区分がもとにあって、古くから、それぞれの環境特性に合わせた土地の利用が行われてきました。こういった背景を踏まえ、現在、屋久島では鹿児島県の環境文化村構想により、3つのゾーニングとそれに対応した施策が行われてきております。
 これらのゾーンは、これまでの国、県、町などの施策との調整により、これらの境界の引き方や、境界そのものの領域について今後検討すべき課題について残すものの、既にコンセンサスが得られており、この環境基本計画においても、環境文化村構想を踏まえ、さらに自然環境保全とその活用の方向を提示する必要性から、陸域については以下の3つのゾーンを設定します。

 世界遺産地域、原生自然環境保全地域等屋久島の優れた自然の核心部である「保護ゾーン

 保護ゾーンをとりまく森林を中心とした部分であって、生態系を保全しながら林業(生産活動)等が行われている「ふれあいゾーン

 屋久島の最も低い位置にある人間の生活圏を中心とする「生活文化ゾーン

 また、これら3つのゾーンに加えて、この基本計画では、優れた自然があり、人々の生活の糧を得る場としての海についても目を向ける必要から海岸及び周辺海域を含めた「海辺親水ゾーン」を加えた4つのゾーニングを行い、各ゾーンの特徴を生かしながら、それぞれに対応した環境配慮の方向を明確にし、環境保全の施策を講じます。


各ゾーンの基本方針

 各ゾーンにおける保全活用の基本方針を以下に示します。

保護ゾーン

このゾーンは、屋久島の原生地域の核心部であり、世界の財産であると同時に、特に宮之浦岳を中心とした奥岳は人々の信仰や畏敬の空間としても重要であり、保護すべき地域であります。また、世界遺産地域を含むこのゾーンの自然保護は、国際的な責務でもあります。このゾーンの自然環境及び生きものに象徴される優れた自然は、負荷を極力加えないことを前提に、原生的自然の観察など限定的な利用にとどめます。また、宮之浦岳をはじめ奥岳地域は信仰の対象であるということを十分踏まえ、その価値を損なうことのないさまざまな配慮が必要です。

 保全活用の基本方針

ふれあいゾーン

 このゾーンは、「保護ゾーン」と「生活文化ゾーン」の間にあって、自然環境を保全しつつ、限定された範囲内で生産活動が行われる地域です。自然とのふれあい活動が行われるとともに、自然からさまざまな糧を得る区域でもあり、自然生態系の保全を前提とした林業のモデル等を構築する地域と位置づけられます。保全の観点からは、未来の子どもたちのために自然生態系を取り戻し、再生を試みる地域であります。

 保全活用の基本方針

生活文化ゾーン

自然と共生する豊かな生活文化をはぐくむ地域であり、生態系の保全を優先するべき場所、市街地などさまざまな環境を含んでおり、私たちの生活・生産の拠点として、日常的な活動が営まれている地域です。

 保全活用の基本方針

海辺親水ゾーン

 このゾーンは、干潟、砂浜・岩礁、藻場、サンゴ群落など空間的多様性に満ちており、生きものの種類・数とも豊富な区域です。海洋生態系の機能を維持しながら、一方で漁業をはじめ人々の生活の糧を得る場でもあり、同時に海や水生生物と親しむ場でもあります。

 保全活用の基本方針


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