上屋久町環境基本計画第2部 屋久島の概況
第1節 自然的条件

3.気候

 気候については、屋久島は、林芙美子が小説「浮雲」で月に35日雨の降るところと記しているように、多雨が大きな特徴となっており、季節的な気団の変化と島という条件がその原因となっています。中でも、梅雨と台風によってもたらされる雨量が多く、5〜6月頃と9月に多量の降水が記録されており、特に、山間部から山頂部にかけての降雨が非常に多くなります。低気圧による降水は低気圧が島の南西方向にある時に多く、南東風が卓越する際に降水量が多くなる傾向があります。このため島の西部では比較的降水量が少なく、低地では年間2,500〜3,000mm程度なのに対し、それ以外の地域では低地でも年間4,000〜5,000の降水量が記録されています。山岳部の降水量は低地より多く、年間7,000〜10,000mmにも達します。1mm以上の降水がある日数は低地では年間170日程度であり、これは山岳地ではさらに多くなる傾向があります。
 冬季には大陸から東シナ海を渡ってくる北西の風が、山頂部に例年11月中旬頃に初雪をもたらし、尾根筋では3〜4m、谷では5〜6m以上の積雪になります。
 500m以下の低地の気温は、通常黒潮の影響により温暖になっています。海岸沿いでは1月の平均気温が8〜9℃程で、累年最低気温でさえ1℃程度であるため、年間を通して霜が降りることはほとんどありません。逆に8月の平均最高気温は30℃強と九州本土と比べてもあまり高くはならず、穏やかな気候といえるでしょう。山頂付近では夏季の月平均気温は15℃前後、最高気温は20℃前後と推定されます。冬季になると平均気温は氷点下となり、12月から3月までの平均最低気温は−5℃以下になることもあります。
 屋久島は外洋に囲まれているため、冬期の季節風による波浪が強く、夏期は台風の来襲頻度が高いことから、9カ所の海岸及び漁港が海岸保全区域に指定されています。これらは海岸事業5ヶ年計画により整備が進められています。


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