鹿児島県

環境基本条例

平成11年3月 条例第号

目次

 
前 文
 第1章 総則(第1条−第9条)
 第2章 環境の保全及び形成に関する基本的施策
  第1節 環境の保全及ぴ形成に関する施策の基本方針(第10条)
  第2節 環境基本計画(第11条)
  第3節 環境の保全及ぴ形成のための施策等(第12条−第21条)
  第4節 地球環境の保全の推進(第22条)
 附 則


前文

 私たちのふるさと鹿児島県は、南北約600キロメートルにも及ぶ広大な県土に、多くの島々や長い海岸線を有し、桜島や鹿児島湾、我が国で最初に国立公園に指定された霧島、世界自然遺産として登録された屋久島、サンゴ礁や希少な野生動植物が見られる亜熱帯の奄美の島々など、特色あるすぐれた自然に恵まれている。  私たちは、これらの豊かな自然と触れ合いながら生活を営み、産業を興し、個性ある文化をつくり出してきた。  しかしながら、資源やエネルギーを大量に消費する近年の社会経済活動は、私たちに物質的豊かさと生活の利便性の向上をもたらす−方、環境への負荷を増大させ、生態系に影響を及ぼし、このまま推移すれば、地球規模の環境破壊にもつながることやこれまで予測し得なかった新たな環境問題が発生することが懸念されている。  健やかでうるおいのある豊かな環境を享受することは、現在及ぴ将来の県民の権利であり、この環境を守り、育て、将来の世代に継承していくことは、私たちの責務である。  私たちは、環境が人間のみならず、すべての生命の母体であることを深く認識し、自らの日常生活や経済活動の在り方を見つめ直すことによって、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な鹿児島の創造を目指さなければならない。  ここに、私たちは、すべての県民の参加の下に、健やかでうるおいのある豊かな環境を築き、これを将来の世代に引き継いていくことを決意し、この条例を制定する。


第1章 総則

第1条(目的)

 この条例は、環境の保全及ぴ形成について、基本理念を定め、並びに県、市町村、事業者及ぴ県民の責務を明らかにするとともに、環境の保全及ぴ形成に関する施策の基本となる事項を定めることにより、豪境の保全及ぴ形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及ぴ将来の県民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。


第2条(定義)

1 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2 この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。 以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

3 この条例において「地球環境の保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、県民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。


第3条(基本理念)

1 環境の保全及ぴ形成は、県民の健康で文化的な生活の基盤である健やかでうるおいのある豊かな環境を確保し、その環境が将来の世代に継承されるように適切に行われなければならない。

2 環境の保全及ぴ形成は、自然と人間との共生を基本として、環境への負荷の少ない循環を基調とする社会が構築されるように適切に行われなければならない。

3 環境の保全及ぴ形成は、地域の環境が地球全体の環境と深くかかわっているという認識の下に、ずぺての事業活動及ぴ日常生活において推進されなければならない。

4 環境の保全及ぴ形成は、すべての者がそれぞれの立場に応じた役割分担の下に、自主的かつ積極的に取り組むことによって行われなければならない。


第4条(県の責務)

1 県は、環境の保全及ぴ形成に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとする。

2 県は、環境の保全及ぴ形成を図る上で地域住民に最もかかわりのある市町村の果たす役割の重要性にかんがみ、市町村が行う環境の保全及ぴ形成に関する施策について、助言、情報の提供その他の支援を行うように努めるものとする。


第5条(市町村の責務)

1 市町村は、環境の保全及ぴ形成に関し、その市町村の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及びこれを実施するものとする。

2 市町村は、前項の施策を策定し、及びこれを実施するに当たっては、県及ぴ他の市町村との連携を図るように努めるものとする。


第6条(事業者の責務)

1 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずるとともに、資源の循環的な利用及ぴエネルギーの有効利用によって、事業活動に伴う環境への負荷の低減に努めるものとする。

2 事業者は、県及ぴ市町村が実施する環境の保全及ぴ形成に関する施策に協力するものとする。


第7条(県民の責務)

1 県民は、その日常生活と環境とのかかわりを認識し、環境への負荷の少ない行動に努めるものとする。

2 県民は、環境の保全及ぴ形成に関する活動への積極的な参加に努めるとともに、県及ぴ市町村が実施する環境の保全及び形成に関する施策に協力するものとする。


第8条(相互連携等)

1 県、市町村、事業者及ぴ県民は、相互に連携し、及び協力して環境の保全及ぴ形成に努めるものとする。

2 県は、広域にわたる取組が必要とされる環境の保全及ぴ形成に関する施策を策定し、及びこれを実施するに当たっては、国及ぴ他の都道府県と協力して推進するものとする。

3 県は、環境の保全及ぴ形成に関する施策を総合的に推進するため、その機関相互の連携及ぴ調整に努めるものとする。


第9条(年次報告書の作成等)

 知事は、毎年、環境の状況、環境の保全及ぴ形成に関する施策の実施状況等を明らかにした報告書を作成し、及びこれを公表するものとする。


第2章 環境の保全及び形成に関する基本的施策

 第1節 環境の保全及ぴ形成に関する施策の基本方針

第10条

 県は、環境の保全及び形成に関する施策を策定し、及びこれを実施するに当たっては、次に掲げる基本方針に基づき、総合的かっ計画的に推進するものとする。
  1.  人の健康が保護され、及び生活環境が保全されること。
  2.  廃棄物の減量、再利用及ぴ適正な処理が図られるとともに、資源の循環的な利用及ぴエネルギーの有効利用が促進されること。
  3.  生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全され、及び形成されること。
  4.  人と自然との身かな触れ合いが保たれ、並びにゆとりとうるおいのある快道な環境が保全され、及び形成されること。
  5.  地球環境の保全に適切な配慮がなされること。


第2節 環境基本計画

第11条

1 知事は、環境の保全及び形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全及ぴ形成に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

  1.  環境の保全及ぴ形成に関する総合的かつ長期的な施策の大綱
  2.  前号に掲げるもののほカ、環境の保全及ぴ形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項3 知事は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、鹿児島県環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 知事は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。


第3節 環境の保全及ぴ形成のための施策等

第12条(施策の策定等に当たっての配慮)

 県は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及びこれを実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図るとともに、県民の意見を反映させるように努めるものとする。


第13条(情報の提供)

 県は、環境の保全及ぴ形成に関する情報を事業者及ぴ県民に提供するため、必要な措置を講ずるものとする。


第14条(環境学習等の推進及ぴ自発的活動の促進)

 県は、環境に関する学習及ぴ教育の推進並びに環境に関する広報活動の充実により、事業者及ぴ県民が環境の保全及ぴ形成についての理解を深めるとともに環境の保全及ぴ形成に関する活動が自発的かつ積極的に行われるようにするため、必要な措置を講ずるものとする。


第15条(環境影響評価の推進)

 県は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、環境に−定の影響を及ぼすと認められる事業を実施するに当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。


第16条(規制の措置及び監視等の体制の整備)

1 県は、公害の防止、自然環境の適正な保全その他環境の保全及ぴ形成を図るため、必要な規制の措置を講じなければならない。

2 県は、環境の保全及ぴ形成に関する施策を適正に実施するために必要な監視、測定等の体制を整備しなければならない。


第17条(調査研究等の推進)

 県は、豪境の保全及ぴ形成に関する事項について、国の試験研究機関、大学、民間の団体等との協力の下に、情報の収集に努めるとともに、科学的な調査及ぴ研究の実施並びに技術の開発並びにそれらの成果の普及に努めるものとする。


第18条(資源の循環的な利用の促進等)

1 県は、環境への負荷の低減を図るため、事業者及ぴ県民による資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用及ぴ環境への負荷の低減に資する製品等の利用が促進されるように、必要な措置を講ずるものとす.る。

2 県は、市町村と協力して、事業者及ぴ県民による廃棄物の減量、.再利用及び適正な処理が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

3 県は、施設の建設及ぴ維持管理その他の事業の実施に当たっては、資源の循環的な利用及ぴエネルギーの有効利用並びに廃棄物の減量、再利用及ぴ適正な処理に率先して努めるものとする。


第19条(地域の特性を生かした快適な環境の形成)

 県は、水や緑に親しむことができる生活空間、良好な景観、歴史的文化的な環境その他の地域の特性を生かした快適な環境を形成するため、必要な措置を講ずるものとする。


第20条(事業者及ぴ県民への支援)

 県は、事業者及ぴ県民による環境の保全及ぴ形成に関する活動を促進するため、必要な支援に努めるものとする。


第21条(原子力発電所周辺地域における環境放射線の監視、測定等)

 県は、原子力発電所の周辺の地域における住民の安全を確保するため、その地域における環境放射線め監視及ぴ測定を実施し、並びにその結果を定期的に公表するものとする。


第4節 地球環境の保全の推進

第22条

1 県は、地球の温暖化の防止、オゾン層の保護その他の地球環境の保全に関する施策を積極的に推進するものとする。

2 県は、県、市町村、事業者及ぴ県民の地球環境の保全に関するそれぞれの役割に応じた積極的な取組がなされるように努めるものとする。

3 県は、国及ぴ国際機関その他の団体と連携し、地球環境の保全に関する調査研究、情報の提供、技術め活用等により、国際協力の推進に努めるものとする。


附則(抄)

(施行期目)

1 この条例は、平成11午4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に定められている環境の保全及ぴ形成に関する県の基本的な計画であって、環境の保全及ぴ形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るためのものは、この条例の規定により定められた環境基本計画とみなす。


  

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