●修士論文「ガバナンス概念と国際関係研究」と苦節十年

よみかえして感慨ぶかい。あれから苦節十年。文体も、内容も、立場も、別人の著述のようにかんじられる。

文体はよくもわるくも直訳調であり、意味が明確な反面、くどくてたまらない。いまは簡潔で頭にとびむ表現を心がける。

内容は「九十年代」というにつきる。冷戦終結、クリントン、国際協力。院生の心は柔らかかったので、時代の風やこだわりにみずからすすんでそよいでいた。

「立場」や「主義」といったことにはすっかり冷めてしまった。コンストラクティビズム (構成主義、構築主義)はその後、日本でも流行し、欧米の国際関係論でもつづいているのに。

とはいえ現在の研究は、19世紀を中心とした仲裁による「政府なきガバナンス」の分析といえるから、結局、足は洗っていないのかもしれない。

 

木下郁夫、修士論文「ガヴァナンス概念と国際関係研究――ポスト冷戦期の分析と設計――」(早稲田大学大学院政治学研究科修士課程、1996年)(pdf)

 

2006年1月10日

 

トップページへ