「鬼平遊歩道」のきっかけ

ある日の通りすがりの人に捧ぐ・・・

 閑古鳥の鳴いていた「GOROZO's ROOM」というホームページを開いていた頃、ある通りすがりの方からメールを頂きました。「『鬼平』のキーワードで検索して行き着きました。きれいなページですね。」 短いメールでした。善意でお書き頂いたのでしょう。しかし、私は何かやりきれない思いがしました。鬼平ほど好きな時代劇、いえTVドラマはないのに、鬼平の文字はプロフィールでただ一語使っているのみ。せっかく期待して訪ねてきてもらったにも関わらず、鬼平コンテンツは一切なし。ずっとそのメールが心にひっかかっていました。

 ある日、元の同僚でもある友人と食事をしている途中、インターネットの話題になりました。彼のお気に入りのサイトにBMWのみを取り扱った個人サイトがあり、しょっちゅう巡回しているとの事。「他の人にはわからなくても、BMWファンにはたまらないホームページ」と表現していました。「なるほどねぇ」と私。所詮は個人サイト。誰にでもうける八方美人サイトは、結局八方美人のような結末を生むのみ。ならば、自分の好きなジャンルに特化してみたらどうか?この辺りで時代劇のホームページに一新する事を考える。ただ、時代劇と言っても漠然と広い。好きでもない水戸黄門や暴れん坊将軍などいわゆる東映のおきまりもの時代劇は真っ平御免。そこでさらに特化する事を考える。やはり今の私に多大な影響を与えた鬼平犯科帳こそメインにすべきだ。冒頭のメールが甦ってくる。

 ただずらずらと鬼平犯科帳の事を書き連ねただけでは、いくら鬼平が好きな人でもつまらないページに違いない。鬼平に限らず実際私自身がこういうサイトは敬遠しています。乏しいながらもフリーソフトを作った事のある経験上、何事もユーザー指向で考えます。私なりに巡回者の立場になって作っているのが鬼平遊歩道なのです。ただ、やはり自分の展開したい事が最優先。これは個人サイトであるからこその権利です。



「鬼平遊歩道」7つのこだわり

1.「自己満足の世界」
人の為に作るなんて事は企業サイトでもない限り考えないほうが良いです。きっと更新が滞るでしょう。自己満足の世界が人によっては共感を生む。それぐらいに考えたほうが気楽に更新していけます。「期待していますよ」の言葉をあまり重荷にしない事です。

1.「ビジュアル優先」
ご覧のとおりです。私は音楽の才能はありませんが、もしも私がミュージシャンなら確実に詞よりもメロディを優先するタイプです。

1.「POP感覚」
仕事でよくPOPを作っています。POPは分かりやすさと、速効性が命です。お客さんに見てもらって購入の参考にしてもらえるとやはり嬉しいものです。ただしPOPの記述が間違っているとクレームの元になりかねません。これと同じ感覚で鬼平遊歩道も作っています。

1.「ホームページ作成ソフトを使う」
私は昔からdB-SOFTのHotallというソフトを使っています。複雑なタグも簡単に組めるのが使い続けている理由です。HTMLを全てTEXTで作れる事は立派な事ですが、HTMLを覚えて記述する時間があったら別の事に利用します。アップロードには便利なフリーソフトの小次郎を使いあっという間に済ませています。

1.「素材は自分で作成」
他人が作った素材を使いたくないという意味ではありません。鬼平遊歩道にしっくりと合う素材がWEB上では見つからないからです。ですから鬼平遊歩道にぴたりとはまり、かつ私の苦手な手描き風の素材は一部使わせて頂いてます。

1.「時にはシンプルさを捨てる」
これは前サイトの反省から来るものです。前サイトはコンテンツのリンクボタン全てを文字で行っていました。軽いのはいいのですが、その分、見出しで興味が湧きたちません。少しぐらい重くてもいい。シンプルさも使い分けが必要です。

1.「壁紙は原則不要」
鬼平遊歩道の場合、壁紙を入れたり色をつけると黒文字や画像が目立ちません。また、壁紙を使うと利用できる色に制約ができてしまって自由度が極端に低くなるからです。



「鬼平遊歩道」を運営して感じた事

やはり私は鬼平初心者だった。
ここを正式開設して、ありがたい事に3日目で週刊アスキーに紹介される事が決まりました。それがきっかけで多くの方に鬼平サイトとして認知してもらえるようになりました。
そこで私以外の鬼平ファンの方の傾向を知りたくてアンケートコーナーを作りました。「鬼平は何回読みましたか?」という質問を入れたところ、予想に反して2巡目、3巡目という方が実に大勢いらっしゃる。その時まだ全巻読み切っていない私は、鬼平初心者である事を悟りました。

掲示板から得られる情報と交流
掲示板を置いていると実にいろいろな方から、書き込みがあります。HPの感想や励まし、鬼平の感想、質問と回答、情報、お誘い、書き込み人相互の交流など。一つ一つ読んでいると今まで知らなかった事が結構あったりするんですよ。私のような一鬼平ファンにとってこれが本当に役に立ちます。「一問一答」コーナーも、そんなお役立ち情報をずっと残しておきたいから作りました。

完成はありえないのか、な?
好きで作ってるサイトですからね。まだまだ展開していきたい事はたくさんあります。既成のコンテンツも発展させたいし、新しいコンテンツもやりたいし。ただ、何を作るにもやはり鬼平に関する事。サイト作りに完成は無いのかもしれませんが、一区切りっていうのはあると思うのです。その一区切りっていうのがまだまだ見通しがつかないので、鬼平以外の事には安易に手を広げないつもりです。隆慶一郎小説や剣客商売もいいのですが、それはサイト作りではなく読書という枠組みの中で楽しむ事にします。やっぱり鬼平が最高。

掲載は願ってもない事ですが
軌道に乗ってきますと、検索サイトや雑誌にも特にこちらから働きかける事なく掲載して頂けるようになりました。ある検索サイトでは鬼平ベストサイトという称号まで賜り大変ありがたい事であると受け止めています。贅沢を言うようですが、解説文を読ませて頂きますと時々このサイトの趣旨とやや異なる文章が目につく事があります。
例を挙げると
1.時代劇総合サイトという扱い・・・水戸黄門、暴れん坊将軍を殆ど見た事もない(見ていられない)私が何を語れというのでしょう。
2.池波小説の書評あり・・・池波先生は尊敬しており、鬼平以外にも何冊か読んでいますが池波小説全般を網羅している訳ではありませんし、またその考えもありません。
伝えたいのは、「鬼平犯科帳」。手を広げすぎますと収拾がつかなくなり、全てが希薄なコンテンツになりかねません。検索サイトのスタッフの方、雑誌編集者の方、そこのところをどうぞ御理解願います。



主な使用ソフト

Hotall、Photoshop、Shade、小次郎、軽板



参考文献

『鬼平犯科帳 1巻〜24巻』 文庫 池波正太郎 著 文藝春秋
『乳房(鬼平犯科帳 番外編)』 文庫 池波正太郎 著 文藝春秋
『「鬼平犯科帳」お愉しみ読本』 文庫 文藝春秋 編 文藝春秋
『鬼平犯科帳の世界』 文庫 池波正太郎 著 文藝春秋
『鬼平を極める』 文庫 フジテレビ 編 扶桑社
『鬼平を歩く』 ムック 西尾直久 監修・資料提供 毎日新聞社
『鬼平がよみがえる』 単行本 久田俊夫著 東洋経済新聞社