スピードボール2
ジャンル 近未来スポーツ
メーカー CSK総合研究所
発売年 1992/6/19


近未来スポーツ

 スポーツゲームというのは、題材となるそのスポーツ以上の面白さ、発展性を持たせることが難しいジャンルだ。そのため、スポーツの面白みとビデオゲームとしての楽しさをどう両立させるかがクリエーターの腕の見せ所となっている。
 これまでに、『フライングパワーディスク('94年、DECO)』など、独自のルールや近未来を想定した設定で遊ばせる、ビデオゲームならではのキラリと光るタイトルが発表されてきたのはご存知のとおりだが、今回紹介する『スピードボール2』も、そんな近未来スポーツゲームの一つである。

ハードヒットスポーツの集大成

 『スピードボール2』は四方を壁に囲まれた鋼鉄のコートの中で行われる近未来スポーツである。既成のスポーツで例えるなら、ハンドボール+アイスホッケーといったところ。基本的なルールは、相手のゴールにボールをシュートすることで得点するという単純なものだが、コート内に設置された仕掛けの数々がこのゲームを面白くしている。この仕掛けはピンボールのヤクモノを思わせるもので、知らなくてもプレイに支障はないが、理解した上で競技に臨むとその面白さは数倍アップする。仕掛けを理解した者同士での対戦の面白さは格別だ。また、ゲームをよりエキサイティングにしているのが、得点方法の一つである「敵選手をノックアウトする」という要素である。ボディチェックによるペナルティなどを気にする必要はない。それどころか相手へのダーティなチェックが推奨されているのだ。
 金属の冷たさを感じさせる、メタリックで未来的なグラフィックも素晴らしく、負傷した選手を運び出すロボドクターや、ゴール時のインスタントリプレイなど、ツボを押さえた細かな演出も実にいい味だ。また、方向キーとボタン一つだけというシンプルな操作系で、誰にでもすぐに遊べるという点も評価できる。

食わず嫌いはもったいない

 このゲームは、英国、ビットマップブラザーズによる作品で、元々はアミガで発売されたタイトルの移植作。ヨロコミ(ヨーロピアンコミックス)調のハードなグラフィックが日本のプレイヤーには馴染みにくく、海外作品ということもあって妙な色眼鏡で見られることも多かったようだ。しかし、一試合(90秒ハーフ=3分)だけでいいから遊んでみて欲しい。単純だがプリミティブな面白さが味わえるはずだ。そして3分後、こう叫んでいるに違いない。
 「もう一回!」

2000 5/14
階TC刊『ユーズド・ゲームズ Vol.6』寄稿記事に加筆修正


●『スピードボール物語〜スピードボールの起源〜』

 一人の少年がビルのそばを歩いていると、突然頭上の窓からステンレスのボールが転がり落ちてきて、彼の頭を直撃した。倒れた彼の周りに集まる群衆。ふらふらと立ち上がった彼は、ボールを拾い上げると、それを力まかせに投げつけた。見物していた一人に命中!
 突然、まるで飢えた人々が食べ物を奪い合うかのように、ボールの奪い合いが始まった。ボールを奪い取り、それをもう一人の顔面に投げつける。奪い取ってはまた顔面めがけ…。
 2時間後、警察が到着し、騒ぎは収まったが、そのほとんどが多かれ少なかれ傷を負っていた。だが、奇妙なことに、警察で取り調べられた全員が「面白かった」と証言しているのだ。彼らこそがスピードボールの創始者なのだが、誰一人そんなことは考えていなかった。
 この路上の騒ぎから10年経ったとき、すでに「ストリートボール」という言葉が新しいゲームの名前として定着していた。人々はあちこちでその戦いを再現し、次第にゲームの形を整えていった。そのころは、狭い通りがフィールド、マンホールの蓋がゴールだった。どちらかが重傷を負うまでゲームを続けたという。
 しかし、ストリートボールをスポーツとして運営する公式の組織はなく、やがてその中身はギャングの衝突と変わらないものになってしまった。かくて、スピードボールは非合法化されたが、その精神は生き続けた。地下駐車場など、適当な場所を見つけてはゲームが行われていたのである。やがて当局も完全に取り締まることは不可能との結論を出し、禁止から規制へと方向転換して、再びストリートボールを合法化した。
 SPA(ストリートボール選手協会)が結成されたのは2018年。それから2年かかって公式のルールを確立した。2020年には公式のゲームが行われるようになり、ストリートボールがスピードボールに名前を変えた。その後80年間、ルールは基本的に変わっていない。これはルールが極めて単純であるためだ。2039年になって、コンクリートの競技場が次第に消えていき、それに代わって鉄製の競技場が登場した。これによって耐久性が向上したのはもちろん、ボールのスピードもアップした。
 2095年、腐敗と暴力がスピードボールを支配するようになると、再び非合法化。当局の目を逃れて行われるゲームは残忍さだけが売り物のショーに過ぎなかった。SPAはスピードボールを蘇らせるため、大幅な改革を実施。
 それから5年経った2100年。新しく生まれ変わったゲーム、それがスピードボール2なのである。

マニュアルより抜粋


●スクリーンショット

『HEAVY METAL』誌とかに載っていそうな、ヨロコミ調のハードなグラフィックがイカす。


1Pモードでは長いトーナメントを戦い抜くのだが、資金をやりくりしてチームを強化する、育成ゲーム的な要素もある。


左のほうに見えているのはスコアアップループ。
フィールド上に設置されたピンボールライクなヤクモノの一つでボールを通過させると得点倍率が上昇する。
戦いの序盤では、コイツをめぐっての激しい攻防が繰り広げられる。



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