リバーパトロール
ジャンル 縦スクロールアクション
メーカー オルカ
発売年 1981


河川警備

 『リバーパトロール』は、ビデオゲーム草創期にユニークな作品を連発したオルカ社から'81年に発売されたアクションゲーム。プレイヤーは河川パトロール艇を巧みに操作して、上流のダムを目指すのが目的。しかしこのパトロール艇、脇腹に穴でも開いているらしく、時間とともに浸水が激しくなってくる。浸水度は画面左のゲージで確認することができ、これが一杯になってしまう前にゴールであるところのダムに辿り着かなければならない。要は、当時のゲームによく見られたタイマーの代わりというわけだ。とはいうものの、浸水によってミスとなるケースは稀だった。敵は浸水ではなく、岩石によって複雑に入り組んだ地形であり、上流より流されてくる様々な障害物たちなのだ。

ひょろろろろろ

 操作は二方向レバーと推進ボタンを使って行う。パトロール艇を巧みに操作して岩石を避けながら上流を目指す。岩石への衝突は沈没を意味するからだ。左右の川岸への接触もNG。上流から流されてくるドラム缶や流木、ボートなども危険。これらに接触しても船は沈む。たまに赤いワニが近づいてくることがあるのだが、これに接触したときには他とは違う処置がとられる。“ひょろろろろろ”という腹立たしいSEが鳴り響き、船の浸水速度が速くなってしまう。さらには謎の渦に巻き込まれる状況などもあり、河川警備などのんきな仕事であろうと想像していたプレイヤーたちの鼻をへし折る展開が待ち受けているのである。

人命救助

 そして、このゲームのランドマークが、“溺れる人”だ。様々な障害物とともに流されてくる哀れな彼らに近付いて、見事救助に成功すると100点のボーナスが入る。さらに一人も漏らさずに、連続して救助することによって、200点、300点…と獲得できるポイントが上昇していき、最大で一人につき1000点もらえる。以降、全ての溺れる人が、輝ける1000点の溺れる人となる。ゲームの目的はあくまでも上流のダムを目指すことであり、溺れる人を無視しても何のペナルティもない。しかし、上記した得点システムのせいもあり、プレイヤーは皆、人命救助に誇りを見出し、多少の危険を犯しても溺れる人を救助することを常とした。
 ただし、溺れる人を救助するときには注意すべき点がある。船の舳先で真正面からぶつかったが最後、その人は昇天してしまう。ご丁寧にも、「葬送行進曲」のワンフレーズまで流れる始末だ。ボーナスポイントも振り出しに逆戻り。溺れている彼らをぞんざいに扱ってはいけない。繊細かつ丁寧な救助活動が必要なのだ。

ベクトルとお友達になろう

 このゲームを面白くしているのは、その操作性だ。二方向レバーと推進ボタンによってパトロール艇を操作することは既に述べたとおりだが、ユニークなのはそのレバーの役割だ。通常、レバーというものは、倒した方向へプレイヤーが移動するものと相場が決まっているものだが、『リバーパトロール』におけるそれは、どちらへ進むかを決定してやる装置に過ぎない。左右どちらかへレバーを倒し、推進ボタンを押したときに初めて船が動き出すのである。そう、往年の名作『アステロイド('79、アタリ)』のような感じだ。
 パトロール艇は常に川の流れの影響を受ける。推進ボタンを押さずにいると、どんどん下流に流されてしまう。移動の際にもこの流れの影響を考慮する必要があり、進もうとしている方向と、画面下へと働く川の流れを勘案し、ベクトル和によって導き出されるラインを頭の中に思い描いて操舵する必要がある。
 画面下へと働く川の流れは難儀なものだが、これを逆手にとって、通り過ぎてしまった溺れた人を後退しながら救助するなどといったテクニックも可能であった。

忍耐

 川の流れの作用をプレイに加味し、繊細な操作で障害物をかわす。ハイスコアを叩き出すために、神経をすり減らして人命救助にいそしむ。撃ちまくり、敵を攻撃することで体内に溜まった不純物をスパークさせることに慣れていたプレイヤーたちにとって、ストイックに耐え忍ぶことを要求するこのゲームは、とても異色な存在であった。

2000 5/24


●一口メモ


●スクリーンショット

入り組んだ地形をくぐり抜け、溺れた人を救助する。
画面左のゲージで現在の浸水状況とゴールまでの距離を知ることが出来る。


渦に飲み込まれると凄い勢いで浸水メーターが上昇する。
すばやく脱出することが肝要。


ワニ接近。
こちらに向かってくるということはなく、ただただフラフラと流れてくる。
しかし接触時のSEは精気を吸い取るような音で、非常に腹立たしい。



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