| インストカード 用意できず |
ピーターパックラット | |
| ジャンル | アイテム回収アクション | |
| メーカー | アタリ | |
| 発売年 | 1984 | |
パックラットとは北米に生息する森ネズミのことで、光り輝くものに興味を示す習性がある。『ピーターパックラット』は、そんな森ネズミの習性をゲーム化した可愛らしいアクションゲーム。
舞台となるのは、スクラップ置き場、地下洞窟、森の大木の三つのシーン。'84年製のゲームだけに、基本となる三つのシーンが繰り返されるだけの展開となるが、ステージが進むごとにマップの大きさや配置されるギミックがどんどん増えていくようになっており、退屈感はない。
ステージのあちこちには、主人公ピーターの大好きな空き缶やワインボトル、壊れた時計などといった“光り輝くもの”がたくさん落ちている。それらを全て拾い集めて巣に持ち帰ることがゲームの目的だ。行く手にはライバルのネズミや、コウモリ、ワニなどといった面々が行く手を阻む。だが、そんな連中は道中で拾い集めたアイテムをぶつけることで気絶させることができる。敵の中には、気絶させることでピーターが操ることができるものもおり、ゲームに楽しいアクセントを与えている。
そのゲーム性は単純なもので、'83年『マッピー(ナムコ)』を彷彿とさせるものだが、得点システムに工夫の凝らされていた『マッピー』ほどの深みはない。しかし、『ピーターパックラット』には息づいている世界があった。
ゲームの舞台となる背景のグラフィックは「さすがはアタリ」と思わせる美しさを誇っていただけでなく、常にどこかがアニメーションしている。些細なことではあるが、こうしたサービスを国内作品に見ることができることは少なく、それはとても気の利いた演出として僕の目に映った。
そんな良くできた舞台を動き回るピーターや敵キャラクタといったキャストの面々の演技も素晴らしく、実にスムーズに美しく自然に動き回る。当時のゲームキャラクタといえば2〜3枚のアニメーションパターンの切り替えで動かされていた。ところが、『ピーターパックラット』の主人公ピーターは、当時としては破格の8パターン切り替えで動いていたのである。石を投げたり物を拾ったりなどといったピーターのアクション用に用意されたアニメパターンの数は、全部で実に100以上。ワーナーブラザーズやハンナ・バーベラのドタバタアニメのような躍動感ある動きを髣髴させる魅力を持っていた。
『ピーターパックラット』は『マーブルマッドネス('84年、アタリ)』と同じ、“ATARI
SYSTEM I”という基板でリリースされ、カートリッジ交換により両ゲームを簡単に交換できた。現在でいうところのシステム基板といったところだ(常に時代の先を行く、イカすぜアタリ!)。筐体も共通でコンパネ等を取り替えればどちらのゲームにもなる。
『マーブルマッドネス』は業界初のFM音源採用作品として有名だが、発売時期や、上記したようなハードウェアの事情を勘案すると、この『ピーターパックラット』も業界初のFM音源採用作品といっても間違いではないだろう。
そしてアタリは、その初のFM音源で、実に素晴らしい仕事ぶりを我々に見せて…いや聞かせてくれた。『マーブルマッドネス』の念のこもったあのサウンドは割と有名だが、『ピーターパックラット』は国内での流通量の少なさもあって知名度も低く、ましてやそのサウンドの魅力を知る者は少ない。だが、『ピーターパックラット』には、一度聞いたら一生忘れることのできないであろうサウンドを耳にすることができる。それは、素晴らしく綺麗な、澄み渡って響く口笛の音だ。音作りの構造や手順が複雑なFM音源。しかもノウハウの蓄積なんてまるでなかった時代に、アタリはもう既にあんな口笛を鳴らしていた。シビれるじゃぁないか。
今やFM音源なんて珍しくもなんともないし、さらに優れた音源も登場してリッチなサウンドを様々なゲームで耳にすることができる。しかし、あの口笛のように練り込まれた、聞く者に感銘を与えるようなサウンドに巡り会うことはほとんどない。それは単純に、僕の耳が肥えてしまったから…、ということではなさそうだ。
2000 6/6
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スクラップヤード、洞窟、大木を舞台にしたピーターの冒険。 スクラップヤードでの口笛が特に印象的だが、大木ステージでのパーカッションや、洞窟ステージのホーンセクションなども味わい深い。 |