![]() |
エイリアンソルジャー | |
| ジャンル | 多方向スクロールアクション | |
| メーカー | セガ | |
| 発売年 | 1995/2/24 | |
「トレジャー」という名のゲーム製作集団を知っているかい? 大手のメーカーには真似のできない小回りの良さでもって、半ばマーケティングといったものとは無縁の作品作りを展開しているストイックなメーカーさ。俺たちは「何をどうすればゲームが面白くなるのか」ということを常に考えているんだぜ、という“魂”をプレイヤーである我々にひしひしと感じさせてくれる、深い作りこみに定評のあるメーカーなんだ。そのゆるぎない魂を支える技術力も申し分ない。
このようなメーカーに、「金は出すけど口は出さない」“わかっている”パトロンがついたとき、非常に純度の高いピュアなゲームが我々の手に届けられることになる(やったね!)。メガドライブ用としてセガブランドから発売された同社の作品群は、どれもキラリと光る逸品ばかり。今プレイしてみてもそれは色あせることはなく、むしろこんな時代だからこそ、魅力的な光彩を強めているようにも思えるんだ。
大笑いされるかもしれない。けど僕は、トレジャーのゲームが遊びたくて、いまだにメガドライブに火を入れてるんだ。ということで今回は、数あるトレジャー作品の中でも特に傑作と誉れの高い、“アクションとシューティングの素敵な出会い”、『エイリアンソルジャー』を紹介しよう。
ボス戦につぐボス戦、あまりにもスピーディーな展開とリズム感が、プレイヤーを包み込んで離さない。タイトル画面に表示される「FOR
MEGADRIVERS CUSTOM(メガドライバーにお誂え向き)」の文字がゲーマーのプライドをくすぐりまくる。『エイリアンソルジャー』はメガドライブの晩期に発売された、傑作アクションゲームだ。
方向ボタンによる移動と、ジャンプ、攻撃、武器選択にそれぞれボタンが割り振られた操作系は実にオーソドックス。だがそこには、実に多彩で濃密なフィーチャーが満載されている。
天井への張り付き、ホバーリング、ステップジャンプ…。そしてゲームを特徴づけているカウンターフォースと時空操作0移動と0移動爆装。
カウンターフォースとは敵弾をはじくシールドで、はじいた敵弾はライフ回復アイテムに変わる。時空操作0移動とはいわゆる“ダッシュ”のことなのだが、無敵時間が発生するのが特徴。さらにライフが最大のときに0移動を行うと“0移動爆装”となり、すれ違う敵に多大なダメージを与えることができるのである。ただし一度使用するとライフが減少するため連続使用は不可。だが、カウンターフォースを駆使すればライフはすぐに回復できる。うまく立ち回ってライフを回復し、0移動爆装の使いどころを考えながら攻略していくのが抜群に楽しく、そこにはある種のリズム感のようなものすら漂っている。
攻撃には、一点集中の“バスターフォース”、4方向弾を放つ“レンジャーフォース”、生物系の敵に絶大な威力を発揮する火炎放射“フレイムフォース”、敵を追尾する“ホーミングフォース”、一直線に鋭く伸びる“ソードフォース”、機械系の敵に有効な“ランサーフォース”の6種類の武器が用意されている。ただし一度に持ち運べる武器は4つに限定されているため、プレイヤーの戦術によってどの武器を携行するかを考える必要がある。武器発射にはエネルギーが必要で、これがなくなると使用できなくなる(一定時間で回復)。そのため、単純に4つのスロットに別々の武器をセットしてあらゆるシチュエーションに対処できるようにするよりも、自分のお気に入りの武器や、ステージに応じた武器を見極めて同じ武器でも複数携行するなどの戦略が重要となる。
ゲームはボス戦の連続で進む。合間にはザコを相手にするオーソドックスなアクションゲーム的な場面が挟まれるが、非常に短いスパンのもので、その存在意義は間髪入れずに登場する次なるボスキャラとの戦いへと備える“体力回復アイテム回収”にあるといっても過言ではない。そう、先述した“カウンターフォース”を駆使してアイテムを回収するのだ。しかしそこには凡百のB級ゲームたちが抱えているような“かったるさ”は存在しない。効率良く回復を行うためには無駄な動きは許されない。自分なりのパターンを作り出していくことが肝要となる。そしてそれは華麗なプレイスタイルを生み出すことにもつながっていく。己のプレイスタイルに酔いしれる高揚感。そして、張り詰めた緊張感は最後まで途切れることはない。
キチンと使い分けを要求される武器アイテムやパターン作りの楽しさといった部分に如実に表れた、抜群に高い攻略性の高さ。コイツにシビれなきゃゲーマーじゃぁない。ゲームオーバー時に表示される、ボス戦に要した時間などを詳細に示してくれるスタッツ画面も画期的だ。スキルの高いプレイヤーであれば20分足らずでオールクリアできてしまうゲームなのだが、このスタッツが表示されるおかげでレースゲームさながらのタイムアタックが満喫できるのだ。オールクリアを果たした後にも楽しみは尽きない。というより、オールクリア後のタイムアタックにこそ、このゲームのアツさが宿っているといえよう。
さらにこのゲームの真骨頂といえるのが、多関節を駆使した巨大なボスキャラクターたちだ。ドット絵ならではの緻密なグラフィックとダイナミックな動きを両立したその姿は、けれん味たっぷりで、マニアもそうでない者も度肝を抜かれたものだ。
残念なのは、メガドライブがハードの役目を終わろうとしていた頃という発売時期の都合からか、一部未完成と思われる状態のまま発売されてしまったことだ。セブンフォースが5形態にしか変形せずに名前負けしている点などが非常に悔やまれる。だが、それを差し引いてもこの作品が傑作であることは間違いない。請合ってもいい。これほどまでに作り手のこだわりを感じることのできるゲームには、そうそう出会えるものではない。
このゲームの完全版は、いずれ必ず作られなければならないであろう。
2000 5/7
階TC刊『ユーズド・ゲームズ Vol.4』寄稿記事に加筆修正
![]() |
![]() |
![]() |
いくつものパーツを組み合わせて作られた多関節の巨大キャラクターたち。これが実にスピーディーかつなめらかにグリグリと魅力的な動きを見せてくれる。粋なプログラマーの力量に舌を巻かせられる、幸せなひとときである。 もちろん、プレイ中にはそんな余裕などないのだが…。 |