ソ連戦車兵3人の記念写真で,キャプションには「ソ連邦英雄の第20戦車旅団の誰々」とあり,各々の人物名を記している。ちなみに「第20戦車旅団」は1939-1940年のソ連・フィンランド戦争(冬戦争)時に,SMKやT-100,KV試作型を配備した特別重戦車中隊を編成し,カレリア地峡の戦闘に投入したことで知られる。
さて,私が気になったのは戦車兵達の後方に写っている戦車。立木に(意図的に?)乗り上げていて誘動輪周りと砲塔の一部しか見えないが,白色に冬季迷彩が施された,鉢巻きアンテナ付きのT-28である。
左はその部分拡大写真だが,履帯のうち矢印で示したリンクに注目されたい。何と「裏表を逆に」装着しているのだ!
もちろんこれは,履帯を裏履きにすることにより,履帯ガイドを「グローサー(アイゼン)」代わりにし,雪・氷上での防滑効果を期待したものであろう。写真を見た感じではおおよそ10リンクに1枚位の間隔で裏履きさせているようだ。
湖沼が多いフィンランドでは,冬季の渡河に凍った氷の上を走行することも多かったであろうから,そのような状況ではある程度効果的なのかもしれない,しかし逆に舗装された路面では走れそうもないとも思えるが。
以後,T-28の写真を見るときには,履帯を同様にした車両を注意深く探しているのだが,現在のところこの写真以外ではお目に掛かっていない。非常に珍しい例と言えそうだ。
(2000/01/21)