
「日本秘湯に入る会」というのは、インターネットを通じて温泉好きが集まったサークルで、その名称は「日本秘湯を守る会」のパロディとも言える。
本書の企画は、岩波書店の山本氏からの提案で当会に持ち込まれたもの。
温泉好きでは引けを取らない猛者の多い当会であるから、通り一遍の温泉ガイドになるはずもなく、「あまり情報が出回っていない温泉」を紹介しようということになり、会員諸氏から候補の施設を募った。そこからさらに絞り込んで掲載温泉を決定し、あらためて取材した上で執筆されたのが、本書だ。
(原則として、推薦者が取材することになっていた)
結果として本書は、温泉ガイドブックというよりも、温泉を守る方々やお客として訪れる方々の湯に対する思いが詰まった本となった。
もちろん、それぞれの湯を取材したメンバーもまた愛しているがこそ推薦したので、文の行間からも思いが伝わる。
念のために申し添えるなら、紹介された温泉は、万人受けするものとは限らない。豪華な高級温泉宿にはかなわないかもしれない。それでも、湯の良さには絶対の自信がある。浸かってもらえば、わかってもらえる。いずれも、そういう施設だ。
本書は全国各地の温泉を紹介している。安手の温泉ガイドムックのように、関東周辺だけ、宿のパンフレットを丸写しなどということはない。
もし本書で紹介された温泉がお近くにあったなら、1度出かけてみてほしい。
そして、その温泉が気に入っていただけたなら、取材した私たちにとって、これにまさる喜びはない。
(私は鹿児島の若宮温泉妙薬尊湯を取材/執筆いたしました)
この温泉が好きだ! 日本秘湯に入る会編
発行 岩波書店
税込1575円 ISBN:4-00-022851-X