
固定された壁の間に2つの質点(質量ma、mb)があり、バネで接合されたモデルを想定する。 バネ定数は左からk1、k2、k3とする。 質点(質量ma,mb)の水平方向変位をそれぞれ、xa,xbとし、水平方向の振動運動を解析する。 |
バネ加えられた力(F)は伸び量(x)に比例する。その比例定数がバネ定数(k)である。 F = k・x ・・・・ フックの法則 質点(質量ma,mb)の水平方向変位をそれぞれxa,xbとした時、バネに働く力(Fk1,Fk2,Fk3)は Fk1 = k1・xa Fk2 = k2・(xb-xa) Fk3 = k3・(-xb) となる。 |
質量mの物体に力Fを加えた時、αの加速度で運動する。 F = m・α ・・・・ ニュートンの第2法則 よって、質点(質量ma,mb)の運動方程式は ma・αa = -k1・xa - k2・(xa-xb) mb・αb = -k3・xb - k2・(xb-xa) αa : 質点(質量ma)の加速度 αb : 質点(質量mb)の加速度 となる。 加速度は変位を時間(t)で2階微分したものである。よって、運動方程式は次式となる。 ma・d2xa/dt2 = -k1・xa - k2・(xa-xb) mb・d2xb/dt2 = -k3・xb - k2・(xb-xa) |
質点の運動エネルギーは次表となる。
バネのポテンシャルエネルギーは次表となる。
全ての時間において、質点の運動エネルギーとバネのポテンシャルエネルギーの和は一定である。(エネルギー保存の法則) ルンゲクッタ法による数値積分の精度を確認する目的で、各時間でのエネルギーを計算する。 |
質点の運動方程式は2階連立微分方程式である。 ルンゲクッタ法で解くためには1階連立微分方程式に変換しなければならない。 変位の1階微分は速度である。 va = dxa/dt vb = dxb/dt va : 質点(質量ma)の速度 vb : 質点(質量mb)の速度 速度の1階微分は加速度である。 αa = dva/dt αb = dvb/dt このことにより、運動方程式は1階連立微分方程式となる。 すなわち、 dxa/dt = va dxb/dt = vb dva/dt =[ -k1・xa - k2・(xa-xb) ]/ma dvb/dt =[ -k3・xb - k2・(xb-xa) ]/mb となる。 |
数値積分法の基礎と応用 技術論文作成のための機械分野キーワード100解説集 独修微分積分学改訂増補 Excel VBA 2007/2003/2002対応(できる大辞典) |
例題として、次の問題を解いて見よう。 バネ定数
質量
質点maの初期速度を5とする。 図-1のように、新潟大学工学部の伊東章先生から入手した常微分方程式解法シート(4次のルンゲクッタ法)を用い運動方程式を解く。 ![]() 図-1 常微分方程式解法シート(4次のルンゲクッタ法) 当初50であったエネルギーの合計はだんだん減少し、時間が30秒経過したとき、エネルギーの合計は48.333となった。 質点の変位と速度を図-2、図-3に示す。 ![]() 図-2 質点の変位 ![]() 図-3 質点の速度 |
数値積分の性能(精度)を改良するため、新潟大学工学部の伊東章先生からルンゲクッタフェールベルグ(Runnge-Kutta-Fehlbelg)法による常微分方程式解法シート作成を依頼された。そのシートを用い運動方程式を解いてみよう。 図-4のようにルンゲクッタフェールベルグ法ではエネルギーの合計は一定となり、この方法は非常に性能(精度)の良い方法であることが解る。また、数値積分の分割数、計算時間は次表となった。
ルンゲクッタフェールベルグ法は精度が良いにもかかわらず数値積分の分割数が少ないため計算時間が少なくてすむ。 ![]() 図-4 常微分方程式解法シート(ルンゲクッタフェールベルグ法) グラフ上では4次のルンゲクッタ法とあまり変わらないがルンゲクッタフェールベルグ法による質点の変位と速度を図-5、図-6に示す。 ![]() 図-5 質点の変位(ルンゲクッタフェールベルグ法) ![]() 図-6 質点の速度(ルンゲクッタフェールベルグ法) |
新潟大学工学部化学システム工学科からの依頼により、エクセルを用いたRunge-Kutta-Fehlberg法を製作しました。Runge-Kutta-Fehlberg法は誤差をチェックし、時間刻み幅を変更しながら計算するため、通常のルンゲクッタ法と比較して非常に精度が良い方法です。通常のルンゲクッタ法では発散してしまう温度境界層問題も解けます。Runge-Kutta-Fehlberg法によるVBAは化学工学(反応速度式などに適応)のみならず機械工学にもたいへん有用と思われます。この常微分方程式解法シート(ITOシート)は新潟大学の化学工学資料のページからダウンロードできます。 参考 : 化学工学資料のページ Excelで気軽に化学工学 エクセルを用いたルンゲクッタフェールベルグ法によるクロソイド曲線(緩和曲線) 計算が難しいといわれているクロソイド曲線も容易に算出できる。 ルンゲクッタフェールベルグ法により電気回路方程式を解く 電気回路にも適用できる。 Excelを用いてラグランジュポイントにおける物体の運動方程式を解く (決して宇宙人には教えないで下さい) ラグランジュポイントでは物体は奇妙な運動を行う。 |

