エクセルを用いた分布荷重を受ける梁のたわみ計算

        


         図1 分布荷重を受ける梁のたわみグラフ

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計算力学ハンドブック(第1巻)

Excelで解く構造力学

材料力学史
著者:ステファン・P.チモシェンコ



梁のたわみ方程式


 一般的な梁のたわみ方程式は

  
E I d4y/dx4 = q(x)  ・・・・・ (1)     

      x : 原点からの梁方向距離
      y : xにおけるたわみ
      E : ヤング率
      I : 断面2次モーメント
      q(x) : 荷重分布

となる。


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分布荷重Wを受ける梁のたわみ方程式


図2 分布荷重Wを受ける梁


 図2のように、原点からの距離(L1、L2)の範囲に大きさWの集中荷重を受ける長さ(L)の梁の場合、
たわみ方程式の解は

(0≦x≦L1) のとき

 y = ys + is x - (Ms/2EI) x2 - (Qs/6EI) x3   ・・・ (2) 

(L1<x≦L2) のとき

 y = ys + is x - (Ms/2EI) x2 - (Qs/6EI) x3 + (W/24EI) ( x - L1 )4 ・・・ (3)  

(L2<x≦L) のとき

 y = ys + is x - (Ms/2EI) x2 - (Qs/6EI) x3 + (W/24EI) ( x - L1 )4 - (W/24EI) ( x - L2 )4 ・・・ (4)  

      x : 原点からの梁方向距離
      y : x位置における梁のたわみ
      E : 材質のヤング率
      I : 断面2次モーメント
      
      ys  : 梁始端での梁のたわみ
      is  : 梁始端での梁の傾斜
      Ms : 梁始端での曲げモーメント
      Qs : 梁始端でのせん断力


となる。

梁のたわみと傾斜角(i)、曲げモーメント(M)、せん断力(Q)の関係は

   i = dy/dx        ・・・・・ (5)

   M = -(d2y/dx2)・EI  ・・・・・ (6)

   Q = -(d3y/dx3)・EI  ・・・・・ (7)

となり、(2),(3),(4)式を微分することで、傾斜角(i)、曲げモーメント(M)、せん断力(Q)

は求まる。



集中荷重を受ける梁のたわみ、傾斜、曲げモーメント、せん断力の関係式


(2)〜(7)式とその微分式より、梁の始端と終端のたわみ(y)、傾斜角(i)、曲げモーメント(M)、
せん断力(Q)の関係は次式となる。

 ys + is L - Ms L2/(2EI) - Qs L3/(6EI) - ye =  - W( L - L1 )4 /(24EI) + W ( L - L2 )4/(24EI)  ・・・・・ (8)

 is - Ms L/(EI) - Qs L2/(2EI) - ie = -W(L-L1)3/(6EI) + W(L-L2)3/(6EI)     ・・・・・ (9)

 Ms + Qs L - Me = W(L-L1)2/2 - W(L-L2)2/2   ・・・・・ (10)

 Qs - Qe = W(L - L1) - W(L - L2)           ・・・・・ (11)
     
      ye  : 梁終端での梁のたわみ
      ie  : 梁終端での梁の傾斜
      Me : 梁終端での曲げモーメント
      Qe : 梁終端でのせん断力



梁の材端条件


 求めるべき変数が8あるため、(8)〜(11)の4式だけでは、解は求まらない。

梁の材端条件式が必要です。

梁始端の材端条件式が2、梁終端の材端条件式が2あり、(8)〜(11)と合わせ

8式となり、連立方程式を作り、解くことができる。

梁には、数種類の材端条件があり、代表的な3種類を表1 に示す。



表1 梁の材端条件表

(a)剛結


梁端のたわみと傾斜が0となる。
始端が剛結の場合
ys = 0 is = 0

終端が剛結の場合
 ye = 0 ie = 0

(b)ピン結



梁端のたわみと曲げモーメントが0となる。
始端がピン結の場合
 ys = 0 Ms = 0

終端がピン結の場合
 ye = 0 Me = 0


(c)自由端



梁端の曲げモーメントとせん断力が0となる。
始端が自由端の場合
 Ms = 0 Qs = 0

終端が自由端の場合
 Me = 0 Qe = 0



連立方程式のマトリックス(行列)表記


 連立方程式を次式のようにマトリックス表記する。

  G  × X = W    ・・・・ (12)

連立方程式の解は次式となる。

  X = G -1 × W    ・・・・ (13)

 ただし、G-1Gの逆行列である。

梁の材端条件を始端が剛結、終端がピン結とした
マトリックスの成分を下表に示す。

@ X 変数ベクトル


ys
is
Ms
Qs
ye
ie
Me
Qe

A G マトリックス

1 L -L2/(2EI) -L3/(6EI) -1 0 0 0
0 1 -L/(EI) -L2/(2EI) 0 -1 0 0
0 0 1 L 0 0 -1 0
0 0 0 1 0 0 0 -1
1 0 0 0 0 0 0 0
0 1 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 1 0 0 0
0 0 0 0 0 0 1 0

B W 荷重ベクトル

-W(L-L1)4/(24EI) + W(L-L2)4/(24EI)
-W(L-L1)3/(6EI) + W(L-L2)3/(6EI)
W(L-L1)2/2 - W(L-L2)2/2
W(L-L1) - W(L-L2)
0
0
0
0



分布荷重Wを受ける梁のたわみ方程式をエクセルで解く


 次の図3に記載された条件のもと、分布荷重を受ける梁のたわみ方程式を解きます。


     図3 分布荷重を受ける梁のたわみ計算の条件

図3の分布荷重を受ける梁のたわみ計算の条件を参照し、エクセルシートにGマトリックス、P荷重ベクトルを設定する。


                        図4 Gマトリックス、P荷重ベクトルの設定

Gマトリックスの逆行列(G-1)を求める。  参照 連立方程式をエクセル(EXCEL)で解いてみよう


                        図5 Gマトリックスの逆行列

逆マトリックス(G-1)と荷重ベクトルをかけ、解であるX変数ベクトルを求める。


          図6 解の変数ベクトル

求まった解と(2)(3)(4)式を使用し、梁のたわみグラフを作成する。

 グラフ作成方法の参考 : エクセル(EXCEL)でグラフを作ってみよう


               図7 分布荷重を受ける梁のたわみグラフ

求まった解と(2)(3)(4)式の2階微分式と(6)式より、梁のモーメントグラフを作成する。


           図8 分布荷重を受ける梁の曲げモーメントグラフ


エクセルを用いた集中荷重を受ける梁のたわみ計算

エクセルを用いたモーメント荷重を受ける梁のたわみ計算

 





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