![]() 図1 ラグランジュポイントにおける物体の運動軌跡グラフ |
数学が解き明かした物理の法則―ニュートンの『プリンキピア』から量子力学まで 数学的着想と自然観の変遷 (読んで楽しむ教科書) |

質量の小さい物体が質量の大きな2天体(地球と月)から引力をうけ、2天体と同じ周期で円運動できる位置が5箇所あり、その位置をラグランジュポイントという。L1,L2,L3は2天体を結ぶ直線上にあり、L4,L5は2天体と正三角形をなす位置にある。L1,L2,L3は不安定なつり合い点であるが、L4,L5には復元力がありこの位置から大きくずれることはない。そのためL4,L5は、ガンダムのスペースコロニーで有名になったラグランジュポイントですか、宇宙人が地球を攻撃するための秘密基地になる可能性がある。この計算を決して宇宙人に教えないで下さい。 |
2つの物体の間には、物体の質量に比例し、2物体間の距離の二乗に反比例するi引力が働く。 F = G・M・m/r2 ・・・ (1) F:万有引力 M,m:2物体の質量 r:2物体間の距離 G:万有引力定数 (6.67259×10-11 m3・s-2・kg-1) |

図3のように、月が地球を回っているのではなく、地球と月の重心を地球と月が回っている。地球の質量をM、月の質量をmとした時、地球と月の距離(r)をm:Mに内分した点が地球と月の重心となる。重心から月の距離をrm、角速度をωとした時、遠心力(E)は次式となる。 E = m・rm・ω2 ・・・ (2) rm = r・M/(M+m) 引力(F)と遠心力(E)が等しいことから、角速度(ω)が(1)(2)式から求まる。 ω= √(F/rm) ・・・ (3) 角速度と公転周期(T)の関係は次式となり、日に換算すると27.3日になる。 T = 2π/ω ・・・ (4) 図3のように地球の月側は月の引力が原因で満潮になり、裏側は遠心力が原因で満潮になる。図4の計算より、月側も裏側もほとんど同じ力が海水に作用することがわかる。 ![]() 図4 地球と月の公転周期と満潮の力 |
図5のように、正三角形の頂点位置では地球の引力と月の引力と遠心力がつり合っている。 ![]() 図5 ラグランジュポイントでのつり合い計算 |

角速度ωで回転する座標系に現れる力として、遠心力とコリオリの力がある。質量maの物体がこの座標系で速度(v)で運動すると、速度と直角の方向にコリオリの力(Fc)が作用する。その大きさは次式となる。 Fc = 2ma・v・ω ・・・ (5) ラグランジュポイントでは、このコリオリの力がポイントから離れる物体を引き止める復元力となる。 |
質量maの物体の運動方程式は次式となる。 F = ma・α ・・・ (6) αは加速度、Fは地球の引力、月の引力、遠心力、コリオリの力の合計である。 |
数値積分の性能(精度)を改良するため、新潟大学工学部の伊東章先生からルンゲクッタフェールベルグ(Runnge-Kutta-Fehlbelg)法による常微分方程式解法シート(ITOシート)作成を依頼された。ITOシートを用いラグランジュポイントにおける運動方程式を解いてみよう。 図7のように、ラグランジュポイントからx方向に500mはなれた位置に物体を設置した。この物体は予想もつかないような運動を行う。 ![]() 図7 ITOシート(ルンゲクッタフェールベルグ法) |
新潟大学工学部化学システム工学科からの依頼により、エクセルを用いたRunge-Kutta-Fehlberg法を製作しました。Runge-Kutta-Fehlberg法は誤差をチェックし、時間刻み幅を変更しながら計算するため、通常のルンゲクッタ法と比較して非常に精度が良い方法です。通常のルンゲクッタ法では発散してしまう温度境界層問題も解けます。Runge-Kutta-Fehlberg法によるVBAは化学工学(反応速度式などに適応)のみならず機械工学にもたいへん有用と思われます。この常微分方程式解法シート(ITOシート)は新潟大学の化学工学資料のページからダウンロードできます。 参考 : 化学工学資料のページ Excelで気軽に化学工学 エクセルを用いたルンゲクッタ法による多質点系バネマスモデルの振動解析 上記振動解析において、4次のルンゲクッタ法とRunge-Kutta-Fehlberg法を比較しました。Runge-Kutta-Fehlberg法はエネルギー保存則(運動エネルギー+バネのエネルギー)を満たしており、ひじょうに精度の良い解法であることがわかる。また4次のルンゲクッタ法より精度が良いにもかかわらずその演算時間が格段に小さく、性能が優れていることが解る。 エクセルを用いたルンゲクッタフェールベルグ法によるクロソイド曲線(緩和曲線) 計算が難しいといわれているクロソイド曲線も容易に算出できる。 ルンゲクッタフェールベルグ法により電気回路方程式を解く 電気回路にも適用できる。 Excelを用いてラグランジュポイントにおける物体の運動方程式を解く (決して宇宙人には教えないで下さい) ラグランジュポイントでは物体は奇妙な運動を行う。 |
