小鳥のイラスト

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ポレポレ登ろう山の小道


写真/1999年11月子どもたちを背負って登る物部の白髪山
 いろんな人が山に訪れ、いろんな考え方で山を見ていく。
 それでも山は、いつも同じ場所に同じ姿勢でいる。
 決して押し付けではなく、いろんなことに気づかせてくれる。理屈じゃないんだ。
 ただ楽しむためだけの山であったとしても、何か答えを見い出すための山であったとしても、山は昔からそこにあったんだ。
 誰一人その山のことを考えていない時も、ずっとそこに在り続けていたのである。
 灯台のように、軟らかな光で己の心の位置をゆっくりと気づかせてくれる。

 頭でっかちな僕は、思うとおりに行かないことがあれば、すぐに周りのもののせいにして、自分を正当化する理屈を考え、守ろうとする。
 自分の正体を人に知られないよう、張りぼてのような言い訳を無意識のうちに積み上げている。
 こんな悪循環の中で作られて行く、空虚で非力な自分の姿に、山は気づかせてくれる。

クマのイラスト
 もともとは、だんだん視力が下がり、一人でできないことが増えて来る中で、それでも身体を動かすことだけは何か続けていきたくて、偶然であったような登山ではあるが、これからもゆっくりでもいい、謙虚に続けていきたいことなのである。


大座礼山山行報告



《REP》
 2月は暖かかったのに、3月に入りまた寒さがもどってきた感じだ。
 山行前日も、木枯らしのような冷たい風が吹き荒れ、明日の気温が心配になったが、ちらっと斜め見した天気予報は、「今日より7度くらい最低気温が高い!」ということを伝えてくれ、少しの安心をくれた。ただ、僕の落ち度は、その天気予報が高知の天気予報であったかどうかという確認を怠ったことであろう。
 翌朝起きると、風は止んでおり、薄日も差していたので、やはり昨日の天気予報は、高知の予報だったのだと、思いこむこととした。しかし、家を出る寸前にTVから、「四国の一部では雪が何たらかんたら・・・」というのが耳に入ってきたので、あわてて二階に駆け上がり、納戸からオーバー手袋とスパッツを引っ張り出してきた。
 本日も7時半に南国市役所集合ということで、ジャストタイムの滑り込みであったが、小谷さんのみがぽつりと立っていた。「時間になっても誰も来ないから、間違えたのかと思っちゃったよ!」っが第一声である。ほんとうに何もかもポレポレペースで申し訳ない。
 程なく鈴木さん、堀川さんも到着し、いざ大座礼目指して出発である!
 今回のパーティーは4人。小谷号1台で移動である。メンバーは、みなまことしやかな・・・を平気でいうような顔ぶればかりなので、車内はさながら、深いガスの中、誠谷と嘘谷を隔てるやせ尾根を心で探りながら歩を進めるような会話ばかりである。
写真:「雪の中でちょっと休憩」
 大豊ICを下りると雪が舞っており、北に見えるはずの山並みも、雪雲の中である。本日は、堀川さん待望の雪山にご招待できそうだ。
 登山口が近づくに連れ、路面の雪も多くなり、小谷号の4WDが力を発揮する。先人のつけた轍が、なぜか登山口500mくらいのところで引き返していた。思いの外の雪に、登山をあきらめて引き返したのだろうか?
 ほぼ予定時刻通りに登山口に着く。積雪は20cmくらいだろうか。風が吹き、思っていたよりも寒く、少し不安になるが、樹林に入ればそれほどのことはないだろうと、スパッツとオーバーグローブをつけ、いざ歩き出す。
 雪の登山道は、段差も気にせず、自分の歩幅で適当に登れるから、ある種気楽である。大座礼は、僕のお気に入りベスト5に入る山でもあり、また山頂近くのブナの巨木に会えるかと思うとうれしくなる。
 樹林の中の道は、寒風から僕らを守ってくれる。急坂も手伝ってすぐに全身から汗が噴出す。
 衣服調節で立ち止まると、雪をかぶった木立の中から1・2羽の小鳥のさえずりが聞こえてくるが、一面の白い綿が音を吸収してしまうせいかよけいか細く感じられる。
 登り始めて20分ほどで小さな沢を渡りさらに高度を上げていく。張り出した枝を避け損ねると、樹上の雪が背中の中に落下してきて、思わず子供のような悲鳴が出てしまう。
 最近運動不足だという小谷さんが「疲れた疲れた」を連発している。30〜40cmの雪の上を歩くにはいつもより足をよけいに上げなくてはいけないので、エネルギーの消費も余計である。
 一つ目の丸木橋を渡ったあたりから、傾斜も徐々に緩やかになりトラバース道に入る。春先ならこの辺りからは、ツツジの花に囲まれて、遠くに連なる山並を眺められるところなのであるが、前を行く鈴木さんに聞いてもガスにかすんで真っ白だということだ。
 傾斜が緩やかになり、さながら雪上ハイキングのような道がしばらく続くので、快適なのだが、所々雪に隠されルートファインディングを迫られる場面もあり、小谷さんと鈴木さんが探索に走ってくれる。堀川さんも、雪山は初めてだということだが、滑って転んで満喫しているようだ。
 「頂上まで60分」の標識まで、本来のコースタイムでは1時間であるが、約1.5倍の時間が経過していた。小谷さんが、道脇のヨグソミネバリをとり嗅がせてくれたり、ウラジロモミの名のイワレヲ教えてくれるが、話をどこまで信じていいのか迷うところである。
 ほどなく杉の植林帯に入り、大田尾越が近いことを知らせてくれるが、それにしても間伐もされていない樹林の中は薄暗い。
 標識から20分ほどで大田尾越に到着し、そこから再び傾斜はきつくなる。そろそろ昼も近づき、どこでご飯にしようかという話が出始める。
 頂上まで行けば、お昼も過ぎるので、とりあえずブナの巨木までは行こうかということになった。雪は相変わらず降り続いている。
 ここからは僕らが先行し巨木を目指す。トラバース道に慣れていた身体には、この樹間を縫う急登はしんどく、なまった全身に血液を送ろうと一生懸命の心臓がばくばくとしている。
写真:「雪の中に座する大ブナ」
 20分ほどで雪の中にどっかりと座する大ブナに到着した。
 大きく広げた枝に雪を抱え静かにたたずむ姿は落ち着いた暖かさのようなものが伝わってくる。少しふぶいてきたので本日はこのブナの根元で昼食としよう。メニューは毎度毎度のインスタントラーメンである。
 鍋にテルモスのお湯を入れ、持ってきた野菜をぶち込みコンロにかける・・・ っが火がつかないっ。。。 (^.^;
 しかしながら、幸か不幸か今日のラーメンはチキンラーメンだったので、「仕方がない、そのままお湯でふやかして食べるか。。。」っと短絡的に発想、そしてすぐに実行した。っが、僕の不幸はまだ続くのである。
 すぐに手がかじかみ感覚が失われてしまうような寒風の中では、アルミ鍋のお湯はすぐに冷めてしまいラーメンにふやける隙も与えてくれないのである。
 鍋を開けて見ると、そこには、冷えた水の中に四角く固まったままの麺と生野菜が浮かぶという、なんとも食欲もそそられない物体があった。
 今回はこれしか持ってきてなかったので、いくら食欲を呼び起こされなくとも、それを箸でつかみ口に運ばなければならないのである。人類は往々にして過ちの中から新たな発見に出会ってきたこともあるのであろうが、今回のこの水の中に落としてしまったベビースターラーメンを拾って食らうようなものは、いくら味音痴の僕でも明らかにまずいとわかり、人類に対し新たなラーメンの食らい方を提案するまでには至らなかったのである。
 生野菜の浮かんだ冷たい汁をすすっても身体が温まるわけもなく、ただ鍋の中の物体を胃の中に流し込むという作業をさっさと完了させ下山に移ることにしよう。
 下山はさながら登山靴で滑るスキーである。雪の斜面に一歩踏み出せば、2〜3m滑走し、転倒しないように重心をうまく乗せるのにもテクニックがいる。みんな代わりばんこに転んでは前後で歓声があがり、和気あいあいの中で「あっ」っという間に大田尾越まで降り着いた。
 トラバース道も快適に転びながら進み、2番目の丸木橋に着た。鈴木さんが「丸木橋だから・・・」っと説明している間に、一歩を大きく出しすぎ、橋から鈴木さんも巻き添えにして転落させてしまった。
 幸い山側で落差もなかったので、大事には至らなかったが、1年くらいは寿命を縮めさせてしまったのではないだろうか。本当に申し訳ないことである。
 けっきょくその場はそのまま橋の下を渡ることとし、先に進む。10分ほどで第1の丸木橋にきたが、今度はストックで橋幅を確認しながら、一歩一歩慎重に歩を進める。
 無事クリアし、登山口までの急な下りに入る。再び靴スキーの始まりである。
 やがて沢の音が近づき、渡渉し左手に沢音を聞きながら登山口へと降り立ち、本日の雪満喫山行が完了となった。
写真:「ブナの前ではいポーズ!」
 今回は、1月の土佐矢筈よりも寒く、新雪をたっぷり堪能させてもらった。
 大ブナは、この寒さ、この雪の重みを支えながら、何百年も耐え、大きく根を張り、広く枝を伸ばしてきたのである。その偉大さに、改めて気づかせてくれ、本日もすてきな山行であった。

 小谷さんには、まだ雪道の運転&みんなを南国まで送り届けるという苦労をかけてしまうのである。
 本当に申し訳ない&南国までよろしくお願いいたします。なのだ。



のんびり山行記
 山歩き同様、いつもただだらだらと長いだけの山行報告集ですが・・・。

小石のつぶやき
 そこらの道ばたに転がっているような、にわか登山者の気まぐれなつぶやき・・・ かな!?

ポレポレへの歩み
 高知の(本当は”四国の…”にしたいんだけど。。。)視障者とともに登山を楽しむ「ポレポレ山楽会」を作るまでの歩みです。

ポレポレ山楽会
 僕がもっぱら山行を楽しませてもらっている、ポレポレのホームページです。

山小屋「ポレポレ」
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Last Update: March 26, 2004