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なぜ走るのか・・・? ![]() 競争でなく、”ゆっくりと長い距離を走る楽しさ”を知ってから、人の温かさが少しずつわかるようになってきたような気がする。 (^^ゞポリポリ
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《REPORT》 今回参加したクラブウルトラは、はしる空手マン中野先生が指導する、高知学園空手部の精神鍛錬の一環として、毎年この時期に開催されているものであり、部員の学生に混じり、一般参加の人も受け入れてくれるというものである。 従って、大会という形式のものでもなく、エイドステーションなども設置されず、それぞれの部員の父兄が、車で我が子の給水や食糧のサポートをするという、家族によって支えられ、家族で感動を共有できるというすてきな運営形態がとられており、一般参加の場合は、自分でサポート車を用意するか父兄のサポート車のお世話になる、あるいは荷物を自分で背負って走るということになるのだ。 今回の不安は、この時期のフル以上の距離が未体験であるため、体力面はもとより、防寒に対するウェアーの選択、エイドの食糧、毎度の吐き気など多岐ではあるが、まあ前夜にあまり心配しても仕方なく、先日伴走の吉田@高知さんにいただいた胃薬を服用し床につく。布団にはいると、何となく腹がぐるぐるするが、ウルトラの前夜は緊張のせいか、よくこんなことがあるので、あまり気にせず、いつの間にか眠りについていた。 4時45分に目覚ましが鳴り起床。前夜は眠れないことも多いが、さすがに自宅なので、熟睡できた。着替えを済ませトイレに行くと、少しお腹がゆるい感じだったが、早朝のせいだと、勝手に思いこんでいた。 子どもたちが寝ている間に、こっそり妻に車で送ってもらう予定だったが、不思議と気配を察知したのか、普段は寝坊の子どもたちが起き出して、「一緒に行く!」と言う。お父さんのお遊びのために、家中朝から騒がしてしまい、ほんとうに申し訳ない。 m(__)m スタートの高知学園の場所がわからず、少し迷ってしまったが、6時10分頃に到着。
スタート前に配られた、本日の注意書きにもあったが、ほんとうに、決して一人の力で走れたと思ってはいけないのである。伴走者やサポート、家族、一緒に走る仲間、大会を支える人たちの力がなければ、今日こうして走ることなどできないのだ。 スタート時刻が近づくが、やはりお腹の調子が悪く、再びトイレに行く。そして程なく、集合写真を撮り、「いくぞっ、oh!!」コールとともに、6時50分、父兄たちに見送られて集団が動き出す。 土佐道路までの1kmくらいは、長い列になって集団走である。今回の参加者は70人くらいだとのことだ。小学生の声も聞こえ、なんとなく和気藹々という感じだ。ちなみに、中学2年生以下は、須崎までの約38kmということだが、それでもほとんどフルマラソンの距離で、たいしたもんである。 5km過ぎのところで、均さんが車を止め、最初のエイドを構えてくれていた。ここまで寒さを警戒して、ロングタイツとロンTの上に上下ジャージ、その上にウィンドブレーカーという格好であったが、身体も温まってきたので、上下のジャージを脱ぐことにした。 口の中に飴を放り込んで再び走り出す。 歩道のあれているところもあり、伴走者もかなり神経を使うコースに違いないが、吉田さんは、実に丁寧に誘導してくれる。100%の信頼で、安心して走ることができる。 伴走者の声とソールに伝わる路面の情報に応じて、逆ハの字型に着地したり、ストライドを細かくしたりとフォームを変える。ケガは絶対に避けなければならない。 ケガをすれば、そこから前に進めなくなるという個人的な問題だけではなく、伴走者の心にも傷を残し、大会を主催する側にも迷惑が及んでしまうこともあるからだ。 ずっと国道沿いを走っているので、車の音がとぎれることはないのだが、人間の耳は不思議である。だんだん車の音は意識されなくなり、小鳥のさえずりや遠くでほえる犬の声などが、心和ませてくれるようになる。 気温は低いものの、今日はそれほど風がないのでありがたい。仁淀大橋を渡っている間だけ、上流側から冷たい風が吹き付け、右の頬が冷え、陽光を浴びている左の頬と、対照的である。 15kmの休憩手前で、また突然便意に襲われる。間もなく簡易トイレがあったので、救われたが、少しお腹が不安になってきた。吉田さんも、走るときにお腹の調子が悪くなることが多く、いつも下痢止めを持っているということで、それを分けてもらい、お茶で服用し走り出す。 学生たちもまだまだ元気に走っている。車で追いかけ、先回りし、5kmごとぐらいに、我が子の到着を待ち、送り出す父兄の姿も、心暖まる。 11時のサイレンが遠くの方で聞こえてから間もなく、ほぼ中間点の須崎市役所に着いた。本日のメインディッシュはみどりのタヌキだ!寒さに備えてという意味もあったが、最近の吐き気の原因に、発汗による塩分欠乏が影響しているのではないかというあまり根拠のない疑念もあったからだ。 サポート車の中原さんに、手前で電話を入れ、カップにお湯を注いでおいてもらう。 ・・・つもりだったが、計算間違いで、中原さんがうどんの封を開けているうちに、もう到着してしまった。 今回のルートの国道56号線は、四万十に行くときの道であり、ここから先は、アップダウンがきつくなると言うことを覚悟していたが、ここまで足の調子も、まあ順調である。前岡さんも、フル以上の距離は初めてだということだが、ほんとうによく走れている感じだ。 かわうその里で再びトイレを済ませ、走り出すと、予想通り、徐々に道は登りとなる。アップダウンもそうだが、ここからは安和や焼坂といった、いくつもの長いトンネルが続く。 トンネルの中では、反響する車の音に耳をふさがれ、音に頼っている僕らにとっては、平衡感覚まで奪われてしまうような感じになる。吉田さんの指示も聞き取りにくくなり、伴走用のロープの動きに意識を集中する。伴走者を信頼し、次の一歩も安全だと信じて、歩を進める。 歩道が極端に狭く、吉田さんだけ車道に降りて伴走してくれたところもあるが、ダンプのような大型車の音がすぐ脇をすり抜ければ、恐怖感を覚えているはずである。しかし、吉田さんは声のトーンも変えずに、淡々と的確な誘導をしてくれる。 最近の大会では、40kmを過ぎる頃から吐き気が出始め、食欲も減退してくるのだが、今回は胃薬のおかげか、気温が低くいつもほど汗をかいていないせいか、走りながら、「次の休憩では何を食べようか?」などと考えられるほど、食欲も維持できている。 そろそろ歩いている人たちもちらちら現れ出す。いよいよこのコースの目玉、久礼坂である。標高300mの七子峠まで約7km、だらだらと登るのである。 登り初めて1kmほどのところで、中原さんがサポート車を止め、休憩を入れてくれる。ありがたい。 前岡さんも足が張ってきたと言いながら、ほんとうに頑張って走っている。 「ここまで来たら時間内に完走できるのは確実なんだから、走ってゴールするために、この坂はゆっくりでも歩いてもいいんだからね!」っと偉そうに、前岡さんに言って走り出したものの、坂を上り始めると、ついつい向きになっている自分がいるのである。 あと3km、あと2km・・・っと峠が近づくに連れて、足は重くなって来るのに、あたかも峠がゴールのような錯覚にとらわれ、歩き出せないのである。 どうにか歩かずに、峠に着くと、前岡さんの奥さんが、友達の車で、応援に駆けつけていた。前岡さんも、間もなく峠に上がってきた。やはり歩かなかったという。さすがだ。もう前岡さんに偉そうにアドバイスなどできる立場ではない。彼には十分に、完走できる体力と粘りがあるようだ。 僕らが休息を入れていると、高松中央高校空手部の女の子がやってきた。峠を駆け上がったらのどが渇いたという。サポート車もついていないようだったので、余っていたスクイズボトルを持たせてあげたが、それにしても、「こんなに長い距離を走るのは初めて。」と言っていたが、水を飲んだら、再びゴールを目指し颯爽と走り去るあたり、すばらしい根性である。やはり日頃の鍛錬のたまものなのだろうか。 僕らも、後を追い岩本寺を目指そう! 峠を過ぎると、窪川まで緩やかな下りであり、比較的快適に走れる。不思議と脚にも、ほとんどダメージがない。このままゴールに滑り込めるかとも思ったが、やはり世の中それほど甘くはなかった。 峠への登りでかいた汗が、下りで冷えたせいか、先ほどまで小康状態だったお腹が、一気に急行列車になった。お腹が急行になれば、自ずと脚は各駅停車になる。 もうそこからは、2kmごとにトイレに駆け込むような状態で、集中力も欠けてくる。 峠で会った女子高生に、トイレに行っている間に引き離され、走っては追いつきを何度か繰り返したが、ユーイング四万十を過ぎてからは、もう追いつけなくなってしまった。 野山であれば、そこらの草原で用をたすということにもなるのだが、国道を走っているので、そういうわけにもいかない。脚のダメージがないのに走れない自分が情けない。 あぐり窪川のトイレを出てからは、どうにか走れるようになり、残り3kmほどをゴールの岩本寺を目指す。最後のトンネルを抜けた辺りまで、中原さんが迎えに来てくれていた。 窪川の町の中に入り、「あと500m!」という声と、吉田さんの、「今8時間59分ですから、急ぎましょう!」という声で、ペースをあげてみたが、やはり500mを1分で走れるわけもなく、12段の石段を上りゴールのテープを切ったのは、9時間の1分オーバーであった。 ゴール後に暖かいスープを飲み、お風呂で暖まったら、やっとお腹も少し楽になった。 学生たちもほとんどが、時間内にゴールできたと聞き、驚きとともに感心させられた。
たとえその日の体調で完走できないことがあったとしても、その目標に向かって努力を積み重ね、スタートラインに立つことこそ大切なのではないだろうか。 今回も、アットホームで暖かい大会に出会えてよかった。今回一度しか参加していない僕が言うようなことではないが、あまり大きくなりすぎず、暖かさを保ったまま、いつまでも続いてもらいたい伝統である。 |
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