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第二話 ナンジャタウンは鬼ばかり



お正月ということもあり、ナンジャタウン内は異様な程の人で混んでいた。 すぐそこに見える目的地にすら行けないのである。 人混みをかき分けながら、なんとかナンジャビザ販売機までたどり着きひと呼吸いれる。
(ふぅ、それにしてもこの混みよう。 はたして今日一日でスタンプを集めきることなどできるのだろうか)
ただでさえひとりぼっちの挑戦なのに、すでに弱腰になっていた。

新しいナンジャビザを購入し、販売機裏にある階段を降りてドレッサールームへと向かう。
このドレッサールームで撮った写真をナンジャビザに貼る手順になっているのだが
(あぁここも混んでいる)
行列にうんざりしながらも約10分ほど列に並んで無事に撮影を終える。 写真をみれば疲れ切った表情の自分の顔があった。
(人が気合いを入れてスタンプラリーをやろうとしているのに、 どうしてこんな時に限って混んでいるんだっ!)

自分の事は棚に上げて、気分はすっかり橋田壽賀子ドラマのいじめられ主人公。 (兄嫁にも、姑にもこの旅館の権利書はわたせまへんっ!) なんて妄想をしていたら少しだけ気分が晴れた。
(そうだ、まだ始まったばかりなんだ。頑張らねば!)
現実に目を戻しとにかく自分に気合いを入れる。
こうして地獄のスタンプラリーの幕が開けた。

まずはドレッサールームを出てすぐに目に付くナンジャコアの街区代表スタンプ。 さっそくビザにスタンプを押す。
「ナンジャラ〜」
ナジャヴの声に見送られてエスカレーターを上ると 再び「おしくらまんじゅう」の様な渋滞の中に突入した。

人の波に押されながら思案する。
(さてここからが本番だ。 この人の数ではきっと廻る順番が重要になってくるに違いない。 広いマカロニ広場をまずは陥落させるか、 それともビザの順番通りにコアから探すべきなのか)
しばらく思案した後に一つの決断を下した。

(おそらく今日は初めてナンジャタウンに来るって人が多いはず。 そうすると入り口のある二階のフロアーから人が埋まっていくのは必然的。 ということは、まず最初にやっておかなければいけないのは 二階フロアーのスタンプ集めに違いない)
早足で歩きながらコアに移動しスタンプ探しを開始する。

要領はもう分かっていた。 人混みの避け方もだんだんと体が覚えてきた。 そしてお正月とスタンプの場所が変わっていなかった為か、 ものの五分もしないウチにコアのスタンプが集まった。
(順調だ、かなり順調だ。足取りも軽い)
たった5個のスタンプを集めただけですでに英雄気取りだった。
しかし本当の地獄はこの後だったのだ・・・




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