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第一話 スタンプラリーは突然に



気がつけば目の前にはナンジャタウンがあった。 (あぁどうして僕は今、ここにいるんだろう) それは親子連れの行列を目の前にした正直な感想であった。

きっかけは1999年〜2000年の年越しイベントに誘われた事だった。 友人のなかば強引な誘いによって1990年代最後の大晦日をナンジャタウンで過ごすことになった。
今までナンジャタウンで遊んだことは数度あるが、 屋内遊園地という閉鎖感からかどうも好きではなかった。
(こんなところで年を越したら、死んでしまうかも)
まるで小動物のようなそんな気分だったのである。

入場し、まずした事はスーパーナンジャビザの購入。 いや、させられたと言った方が正しいだろう。 友人に強引に買わされ一つ持たされた。
「ねぇこれ、何?」
「スタンプラリー帳。それに、ほらあんな感じのスタンプを押していくの」 と、友人がなにやら壁の方に向かって指をさした。
壁の近くに寄っていくと確かにそこにはスタンプがあった。

「このスタンプについている番号をみて、それに該当するページを探して・・・」 友人がナンジャビザのページをペラペラとめくり、そしてスタンプを押した。
「こうして押して集めていく訳さ」
「ふーん」
友人にならって自分も同じようにする。

「分かった?こんな要領でスタンプを集めて行くだけ」
「なんだかかったるいね。ちなみに全部でいくつあるの」
「108個」
「げーっ!」
(こんなの全部集める奴なんているのか?いたとしてもよっぽどの暇人だな)

そして、それから2日後の1月3日。 なぜか僕はひとりナンジャタウンの前に立っているのである。
あの日の友人の最後の一言が頭に浮かぶ。
「結局さ、最後はキミの方がスタンプを一生懸命探していたみたいだけど?」
そうだったろうか? いや、そうだった様な気がする。 もともと収集癖があるのだから当然といえば当然の結果であろう。 その日は穴だらけのスタンプ帳が出来上がっただけだったが、今日こそは。
意を決して入場ゲートをくぐる。

心の中で、何かを求める期待と不安が入り交じっていた・・・




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