| 2月22日 三谷幸喜の舞台作品のシナリオを入手したい |
この手の質問はよくあるのだが、小説と違って、シナリオの入手はなかなかに難しい。
本の形で、刊行されているシナリオが、そう多くないからだ。シナリオを掲載している月刊雑誌も存在するが、目的のものが掲載されたことがあるのか調べなければいけない。また、たとえ掲載されていたとしても、バックナンバーを購入するためには、特別な店に赴く必要がある。普通の書店では、まず置いていないからだ。 とりあえず、三谷作品で、何がシナリオ化されているか調べてみる。東京都立図書館の蔵書検索に接続して、著者名検索欄に、「三谷幸喜」といれ検索を開始。いくつかヒットしたものの、分類を確認すると、小説を意味する「913.6」か、エッセイを意味する「914.6」ばかり。シナリオを意味する「912.7」の本は2冊だけだ。
1冊は、『今夜、宇宙の片隅で』だ。だが、これは確かテレビのドラマだったはずだ。
もう1冊の書名は『年鑑代表シナリオ集 1991』。複数の脚本家の作品集であり、その中に、三谷作品である「12人の優しい日本人」が掲載されていることが確認できた。こちらは、かなり評判となった舞台作品で、そのうえ映画化もされたはずだ。ただし、これらの本は普通の書店では、まずない本である。書名などの情報を伝え、あとは注文での取り寄せを勧めるのもひとつの方法ではある。だが、中身を質問者自身で確認してから、購入できた方がさらによいだろう。
わたしは棚から『東京ブックマップ』を取り出した。
東京にある大図書館、大規模書店、そして専門書店などの情報が掲載されている本だ。専門書店は餅は餅屋ともいうべき存在で、特別な種類の本を探している場合、お役立ちの店だ。専門雑誌のバックナンバーを置いているところも多い。わたしの記憶では、確か、演劇関連の専門書店が存在していたはずだ。確認すると、それは都内にあり、映画演劇関連の書籍、雑誌のバックナンバーなどの品揃えが充実しているとある。先ほどの本も、ここにいけば店頭に並んでいる可能性だってあるだろう。またそれ以外の有益な情報が得られることも考えられる。 以上のことを本を見せながら説明すると、質問者は早速出かけてみるという。そういうことならばと、『現代日本人名録 98』を引き出して三谷幸喜の項を探した。質問者が、くだんの脚本家の作品名をあまり知らないようだったからだ。せっかく専門書店に行くのなら、情報は多いほうがいい。『現代日本人名録』は数年おきに発行される。著名人の略歴、業績、連絡先などが掲載されている。三谷幸喜の項目には、テレビ、映画、演劇の過去の主な作品名が載っていた。
これを手がかりに探すことと、それから、もし観客を入れて上演するなら、たとえ営利が目的でない場合も、とりあえず、記載されている連絡先に、連絡を入れるようアドバイスした。
後日、質問者は、笑顔で報告に現れた。専門書店で思っていた以上の成果を得られたこと。また、脚本家の事務所に電話をいれると、「教育の現場で利用されるのでしたら」ということで許可してくれたそうだ。それを聞いて、ほっとした。昨今、著作権の問題があって、この種のことにはどうしても慎重になってしまう。何はともあれ、よかった。
追記:TRC新刊書籍検索で三谷幸喜を検索すると、『NOW and THEN三谷幸喜』という本が出てくる。シナリオというわけではなく(中学時代のものが掲載されいるようだが)、副書名に「三谷幸喜自身による全作品解説+51の質問」とあるので、三谷作品の参考書として利用できると思う。置いてある書店、図書館は少ないかもしれない。都立図書館にはないようだ。(2000.2.26)
追記2:ネットサーフィンをしていて、とても充実した三谷幸喜のファンサイトに行きあたった。作品情報や、シナリオが掲載された雑誌の情報も載っていた。そこで、新たに1冊、シナリオが掲載された本の情報があった。『やっぱり猫が好き・採録シナリオ集』だ。なぜこれまで検索できなかったのだろうと思い、TRC新刊書籍検索で書名検索してみた。データは呼びだせた。シナリオと出演者の対談が掲載されている本だという。
そして、以前呼び出せなかった理由もわかった。著者のデータが、このドラマの出演者である「もたいまさこ ほか」となっていて、三谷幸喜の名前がないのだ。 これからは、細かな情報まで網羅した、こういったHPこそ、ネットの財産になるのだろう。あと、気になる記述が一箇所。「三谷氏は、自作の上演を許可しない」とある。となると、あの質問者に許可が降りたのは、特別ということか。今後もし、同じような質問がきた場合、やはり個々に連絡してもらうよう、案内しなくては、と思った。(2000.2.27)
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