| 5月27日 石灯篭について詳しく知りたい |
「石灯篭」の種別を、図解入りで説明した資料が欲しいと、留学生がやってきた。
少し前にも同じ質問をしてきた学生だ。前に聞かれた時は、百科事典を見せて、それでオーケイといっていたはずだが、どうやら足りなかったようだ。
しかし、当館にとってはやや専門外。石灯篭について、百科事典以上に詳しい資料があるだろうか?
そもそも、石灯篭について、詳細に説明した本というものが、存在するのだろうか?
一応、館内の検索機で試したが、やはりヒットしない。
それでまず、国立国会図書館の蔵書検索画面に接続し、書名検索欄に「灯篭」といれて検索(この時、「籠」の字の方を使用してはいけない。→「検索方法基礎講座:漢字は難しい」を参照)。
出てはくるが、牡丹灯篭のようなタイトルが目立つ。
これでは効率が悪い。それではと、件名検索欄に「灯篭」といれて検索。それらしい本が10件ほど出てきた。
次に「石灯篭」で件名検索しなおすと、24件ヒットした。書名を見ると、参考になりそうな本がいくつかある。
それらが近隣の公立図書館にあれば、この質問に対応できるだろう。が、この質問があったのは、月曜日。近隣の公立図書館は蔵書整理日で休館、検索用のコンピュータはOFFにしているはずだ。
火曜日に改めて所蔵確認するしかない。が、留学生は、「石灯篭」に関するレポートを、一週間後には提出しなければいけないらしい。
厳しいタイムスケジュールで生活している彼らにしてみれば、たとえ一日でも無駄にはしたくないだろう。
で、何かないかと改めて考える。専門図書館とはいえ、日本文化に関する本はある程度所蔵している。
書名中に「灯篭」の単語がなくても、何か利用できる本があるかもしれない。
「石灯篭」は、石でできた工芸品である。
そこで、工芸の棚に行く。 『日本の伝統工芸品産業全集』ダイヤモンド社(1992) の『金工・石工ほか』の巻に数種の石灯篭の写真と説明を発見。
説明をざっと読むと、「石灯篭は、仏教とともに渡来、近世、茶道の発展とともに、庭の添景物として好まれるようになった」とある。
茶道に関する本なら、かなり所蔵していたはずなので、棚に向かう。目についたのは、前久夫『茶室のみかた図典』東京美術(昭和56年)、『茶庭:大橋治三写真集』グラフィックス社(1989)。
前者は、いくつもの石灯篭を図解説明しており、後者は石灯篭を配した茶庭のカラー写真がふんだんにあった。また、茶道を英語で説明した本の中にも、石灯篭を説明した箇所があるのを見つけた。
以上4点を質問者に紹介すると、早速読んでみるという。もし、それでも足りなければ、改めて専門書を探す道を紹介すればいいだろう。
限られた時間と、限られた蔵書数。その中で、何か参考になりそうな本を探し出す。今の図書館で働くようになって、その作業は日常になった。
コンピュータの検索機能は確かに便利だ。が、書名中にも件名にも入っていないものを探しだす能力はまだまだ未成熟。
それとも、いつかはそんな能力も付加されていくのだろうか。
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