| 3月26日オウム真理教と地下鉄サリン事件の概略について知りたい |
留学生が、「日本事情」に関するテーマを自分でひとつ選び、レポートにまとめるのだけど・・・と相談してきた。
その留学生が選んだテーマが「オウム真理教」。内心、困ったと思う。
専門外なので、単行本資料がない。これが課題研究なら、資料の情報を与えて、公立図書館に行くことを勧める。が、一時間の授業のために、そこまでするだけの時間的余裕は、忙しい留学生にはない。それに、知りたいのは概略だ。
事件当時、その留学生は日本にはまだいなかった。国際ニュースで報道された程度の知識しかないのだろう。それよりも、もう少し詳しい情報程度でもよいのかもしれない。
まず、宗教の棚に行く。専門外の資料は収集しないが、参考図書として利用できそうなものを選んで購入するようにしている。
確か、近年、宗教関連で1冊購入したはずだった。
棚にあったのは、石井研士『データブック現代日本人の宗教 戦後50年の宗教意識と宗教行動』新曜社(1997)。
内容を確認すると、オウム真理教についてもかなりページをさいていた。もちろん、現代日本人の宗教観を見る資料としてもつかえる。
それから、『現代用語の基礎知識』や『朝日キーワード』など時事用語のわかるもの、『朝日年鑑』などの年鑑類を教える。
なかでも、一番、留学生が関心をよせたのが『ジュニア朝日年鑑』だ。この年鑑は、小中学生に向けてつくられている。難しい漢字にはルビがふってあるし、説明文も簡単な言葉を選んでいるので、日頃から留学生に人気の年鑑だ。毎年刊行されるもので、「統計」と、その年ごとに話題になったテーマを中心に説明した「社会学習」との2分冊になっている。
その年鑑が、地下鉄サリン事件の翌年の「社会学習」で、「オウム真理教」を特集していた。
留学生はこれらの資料で充分だと了解してくれた。
資料を教えたあと、あの事件も「日本事情」になるのかと、内心少し暗い気持ちになる。
だがもちろん、立場上、利用者が知りたいという気持ちを妨げることなどできはしない。
明暗あるのが人間社会というものだとわかってはいる。
それに、留学生も日本が桃源郷だとは思っていないだろう。ただ、昨今の暗い事件・話題ばかりの日本を、彼ら留学生が嫌いになって、帰国してほしくないと願うばかりだ。
さて、もしこれが課題研究だった場合だが、単行本資料の情報収集に、国会図書館のデータベースが有効だと思う。
前回、「サマータイム」で利用した「件名」の項目を利用するのである。ただし、「オウム真理教」は団体名なので、「件名検索」のリストで確認することはできない。
それでも、これだけ有名になった団体名だ。たぶん、あるだろうと検索すると、やはり関連図書を呼び出すことができた。
「件名検索」であるから、書名中に「オウム真理教」の名前がなくても、もちろん呼び出すことができる。
それに、国会図書館の件名は、一度決められたら、おいそれと変更されることはない。たとえ、あの団体が名前を改称しても、それについて書かれた図書には、「オウム真理教」の件名がついてまわるはずだ。
「件名」が統一されているのは、こういう時には便利だと思う。が、逆に困る場合もある。それについては、次の「美輪明宏」で説明する。
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