Castrol HONDA SUPERBIKE 2000 デモ版









 Midas Interactiveが開発するこのレーシング・ゲームは前作であるCastrol HONDA SUPERBIKEの続編に当たり、2000の名を冠して再登場するものです。バイク・シミュレーターとしては最も現実を忠実に再現しているという評判であった前作から、今回の続編はどのようにレーシング・シミュレーター愛好家に訴えるのでしょうか?

 デモ版ではUSAとAllerton.G.Pの2コースを遊べるようになっていて少々お得といったところでしょうか。キー設定は自由に変更可能で、コントローラを使う場合はFFB対応の物も使えるようです。

 このゲームの売りは、先ず、何と言っても美しく描かれた背景にバイクとドライバーのレンダリングの完成度の高さではないでしょうか。最近のレーシング・ゲームではお決まりのレンズ・フレア効果は、このゲームではなんと太陽光線の当たる角度によって視界の色合いが明るく黄味掛かるのです。これは他のゲームにはまだ見られない粋な工夫だと思います。UBI F1RSで初めてレンズ・フレアを見た時は驚きましたが、今となってはあれはただの輪の形をしたテクスチャがあるだけのように感じてしまいます。
 また、レーシング・ゲームでは背景が疎かになってテクスチャの荒さが目立ってしまうことが多いのですが、このゲームの場合は、それ程気にならない程度に上手くテクスチャ処理されているようです。荒さが目立つどころか、シミュレータとしては良く出来た背景の部類ではないでしょうか。
 更に細かい点を挙げると、スクリーン・ショットを御覧になって頂くと分ると思いますが、物体の動きに伴って影の付き方が微妙に変化していることも見逃せません。

 バイク走行時の物理処理も全くと言って良い程シミュレータに徹しています。アーケードの雰囲気は感じられず、モトレーサ等アーケードに慣れた人は返ってスピード感に欠ける位に速度が遅く感じるかもしれません。そのくせコーナーでは律儀に速度を更に落さないとコースから外れて砂場で減速することになります。この点はシミュレータ贔屓の人には嬉しい部分ではないでしょうか。しかし、初心者への気配りもされていて、ブレーキ、アクセル、コーナーの方向、ライン取り等多数の補助機能を備えています。

 走行感覚の出来具合は満足の行くものとして、気になるのは走行時視点の種類の乏しさです。左のスクリーン・ショット上から2番目のレーサー視点と後方視点切り替えのみなのです。これは良心的に捉えるとしたら、シミュレータを強調していると云える部分です。しかし、この世にはこの視点が好ましくない人も多いと思うのです。しかも、このバイク・ゲームに限ったことではないのですが、レーサー視点でコーナーに入るとバイクの傾きと全く同じ角度で視点も傾くのです。これは甚だ運転し難くないでしょうか? 果たして実際のレースではこの視点の動きが妥当なのでしょうか? 私が思うには、コーナーではレーサーの頭は起き上がってないでしょうか? このゲームのタイトル画面もそうじゃないですか(苦笑)。それ故に今迄はバイク・ゲームでレーサー視点があっても、これを選択したことがなかったのです。
 このゲームは走行視点の選択がないので、この改善検討は必須だと思うのです。

 もう一つ気になることを挙げます(一つじゃないか、笑)。それは転倒しているスクリーン・ショットを御覧下さい。格好良い場面ですよね? だけど、このコマの後はレーサーの転倒の様はまるでマネキン人形なのです。人形の様にぎこちなく固い動きで寝転がります。走行時の細かい仕草は本格的なのに、この大事な転倒場面であっさりしているのは手抜きだと思うのです。更に不満を付け加えるとリプレイ時に遠いカメラ視点になると、バイクの動きとは関係なしにエンジン音が無造作に連発されます。これが凄く不自然です。

 何らかんら不満ばかり挙げてしまったようですが(苦笑)、この乏しい視点が気にならない人には概ね楽しめるバイク・レーシング・シミュレータになり得るのではないでしょうか。シミュレータとしての走行時の物理処理は悪くないですし、画質も良好な一本です。
 フォース・フィードバック・ホイール(FFBW)は現在数社から発売されていて入手可能ですが、バイク・ゲーム専用のFFB機能付きコントローラもそろそろ世に出ても良いのではないかと思います。これがあれば、きっとバイク・シミュレータももっと面白くなる筈(?!)ではないでしょうか。むむ、このゲームの本質とはあんまり関係ないですか(笑)?!

関連サイト






平成11年8月10日
(C)Herbie