虫日記 平成20年 後期





平成20年8月28日 探索 ポイントTG082808 TT082808

夜勤明けの午前中から仕事帰りに以前から気になっていた地域を探索してみた。そしてポイントTG082808とTT082808を追加した。どちらも開発の触手が入って来てはいるものの、九十九里平野にしては古くからの自然が纏まって残されている数少ない貴重な場所だ。特にTG082808では、環境としては人跡未踏に近い素晴らしい場所を見つけた。荒れた細い田圃道の奥を進むと、田圃にもなっていない湿地になかなかの柳を見つけた。休耕田でもない純粋な湿地だろう。誰もヒトが入った形跡はない。きっと、カブト、コクワ、ノコギリがいるに違いない。ここは広葉樹を主体とした自然林が纏まって残されている。常緑広葉樹を主体とはしていないので、恐らく、半世紀以上前に一度伐採された後の二次林だろう。幸運にしてその後に針葉樹を沢山植えらなかった為に、自然に復活した植生と推察される。周辺で、これと言った決め手となる木が見つかればしめたものだが、電柱クヌギが見つかるのみであった。但し、その電柱クヌギも大きい古木なので非常に頼もしく感じられる。周囲でカブトの屍骸は見つけることが出来た。これと言った手軽な樹液場はないのだが、期待せずにはいられない。幾らか離れた畑の裏でもクヌギの古木が見つかって、近くの樹液を流さないコナラの陰で綺麗な赤のノコギリが大顎を振りかざしていた。今後、樹液を流して虫を集めるようにと、クヌギにお祈りを捧げた。本気でそんな事をする小生は完全に逝っちゃってるオジサンとしか考えられない。だが、今日はこんな環境を見つけられただけでも大収穫だ。
ポイントTT082808は、実は一昨年に1回来た事があってカブトとノコギリを観察していた。クヌギ主体のポイントだが、これといった捲れや洞のある木がない。周辺の環境の下見をしていなかったので、ポイントとしては見過ごしていた。今回或る程度周辺の探索をした結果、このポイントに行き着く事になった。なかなか良好な環境が残っているので捨て切れず、今後また訪問してみようと考えている。今日はノコギリのつがいが昼間から人目を憚らずにのんびりといちゃついているのを観察した。雄は黒くてなかなか立派な大歯だった。
人跡未踏に近い自然

柳に踏み込めない



平成20年8月30日 採集 20時 24℃ ポイントTG082808 他

仕事帰りに一昨日の下見を踏まえて夜の観察に出向いた。1箇所の樹液場にカブトが雌雄合わせて5匹以上集っているのを見たので嬉しかった。この時期にこの光景はもう滅多に出くわす事はないだろう。1ヶ月前の往時なら恐ろしい数のカブトがいただろう事が容易に想像出来る。その証拠に木の下では夥しい数の屍骸を観察する事が出来る。
最後にポイントTS072808 に寄って今日の巡回を締めくくろうと思っていたが、生憎急な土砂降りの雨に見舞われたので帰途に就いた。

■今日の収穫
ノコギリ 1 + 0 ♂
コクワ 7 + 0 exs
カブト 10 + 1 exs (大凡)
コカブト 0 + 1 ♂



平成20年9月1日 飼育 コクワ 利島産 WD

■コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (利島産 α系統 WD 雄 32mm 21mm 雌 22mm 18mm WD親は全て死亡 )
セットした親が全て死に切って暫く保管してあった飼育容器を暴く事にした。材中から終齢幼虫全 5匹が得られた。はっきりした雌班を有している幼虫もいたが、材の色で腹部が黄土色になっている個体が多くて雌雄判別不明の例が多かった。頭部の大きさに違いが見出せず、雄であってもどれも小さい成虫になりそうだ。

 ・今日の収穫
  終齢幼虫 5
  新成虫の雌が死亡 -1 (9/28)
  終齢幼虫が死亡 -2 (11/20)
  α系統WF1 合計飼育個体 5


■コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (利島産 γ系統 WD H19.8.26 H19.8.27採集 雄 1 雌 4 )
今までセットもせずに持て余していた天然個体の生き残りを全て新しく作った飼育セット1つに放って、落ちる前に働いて貰う事にした。しっかりと子孫を残して欲しい。系統はγとするが、得られる子孫はいずれα系統とβ系統の中に統合する心算だ。全て複数の天然個体から得られる子孫なので遺伝的には問題ないだろう。

利島産コクワ



平成20年9月4日 採集 20時 24℃ ポイント自宅 他

今晩は電子メールで予てより親交のあったS 氏に九十九里平野の夜のお勤めに同行して頂いた。時期の割りにはカブトとコクワが沢山いて樹液場は賑わっており、この地域の雰囲気を満喫して頂いたと思うが、ヒラタはなかなか観察されなかったのが残念でこれで終わりかと言うその時、ヒラタがつがいで出迎えてくれた。よりによって非常に珍しいヒラタの雌がいたとは、S 氏の日頃の行いが報われたと思う他ないだろう。しかし、採集には至らずに捲れにつがいで逃げ込まれてしまった。

■今日の収穫
ヒラタ 1♂ 1♀ (つがいで同所、雄は45mm位 )
コクワ 10 + 1 + 10 exs (大凡)
カブト 10 + 0 + 3 exs (大凡、雌は少数 )



平成20年9月5日 飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F4

トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 β系統 F4 雄 38mm、雌 28mm、28mm(雌は 2匹共死亡) )

雌2 匹は飼育セットから取り出した後は早々と呆気なく落ちてしまった。雌に寿命が来たのならそれなりに産んだのだろうと予想していたが、完全に裏切られた格好となった。雌1 匹が産んだ数だったとしても、少ない位しか幼虫が得られなかった。考えようによっては、個人が飼うには丁度良い数だとも言える。α系統が大変な数になっているので良しとしよう。

■今日の収穫
亜終齢幼虫 1
終齢幼虫 18
終齢で取り出した幼虫が死亡 -1 (11/17)
β系統 F5 合計飼育個体 18



平成20年9月8日 飼育 オオクワ 北海道産 F3 他

以下のクワガタの飼育セットを暴いて幼虫を取り出した後、再び飼育セットを組み直して取り出してあったそれぞれの雌を飼育セットに戻した。冬が来るまでにもう一働きして貰いたい。特に北海道産オオクワガタは、得られている幼虫がたったの3 匹で意外に苦戦している。雌の寿命を考えるとのんびりとはしていられない。オオクワの幼虫はヒラタケの菌床に投入した。
又、今年の初夏に羽化して活動も後食も活発なオオクワの雌2 匹を飼育セットに投入した。7月17日に採集した天然72mm 雄の側室としてつがわせ済みだ。勿論、同産地である事は言う迄もない。この時期にオオクワのセットを組みたくはないのだが、来年迄この貴重な天然雄が健在だと言う保障はどこにもないので物は試しに決行と相成った。因みに最初に投入した正室の姫君は食事も摂らずに寝続けている。 (「平成20年7月17日 採集 23時 25℃ 某所」を参照)

■オオクワガタ Dorcus hopei binodulosus Waterhouse, 1874 (北海道産 F3 雄 67mm H18.6.28羽化 雌 44mm H18.6.11羽化 )
 ・今日の収穫
  亜終齢幼虫 3
  α系統F4 合計飼育個体 3

■ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (九十九里平野産 ポイントTT030907 自己採集からの累代 WF1 雄 46mm H19.5.19羽化 雌 36mm H19.5下旬羽化 )
 ・今日の収穫
  終齢幼虫 3
  終齢幼虫が死亡 -1 (11/17)
  α系統F2 合計飼育個体 2

■ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (自己採集からの累代 九十九里平野産 ポイントOS092405 α系統WF1 雄 52mm H19.11.18羽化 雌 33mm H19秋羽化 )
 ・今日の収穫
  初齢幼虫 4
  亜終齢幼虫 8
  掘り出し時にマット内の初齢幼虫 1 匹潰し -1
  幼虫が死亡 -1 (10/3)
  α系統F2 合計飼育個体 10



平成20年9月8日 採集 23時 24℃ ポイントTS072808 他

夜のお勤めに出た。カブトがすっかり姿を消して多くの樹液場に来客がなくなって林が静まり返っていた。時たまコクワが集っているのみで、他のクワガタを観察する事もなかった。

■今日の収穫
コクワ 12 + 8 exs (雌は少数)
カブト 0 + 1 ♂



平成20年9月9日 飼育 ゴトウヒラタ 福江島産 他

今日は最近にしては珍しく雲一つない晴天で、最高気温は29℃の夏日であった。しかし、常に程良い北風が吹いていて気温の割りには体感として涼しい日となった。秋晴れと言った風情を感じる一日であった。

■ゴトウヒラタクワガタ Dorcus titanus karasuyamai Baba, 1999 (福江島産 雄 WF1 75mm H19.5中旬羽化 雌 α系統 F2 36mm H20.6.12羽化 )
1ヶ月前から後食と活動が頗る活発な雌がいたので、持て余すのも忍びなく飼育セットを組む事にした。同じF2 で使える雄がまだいないので、直接の父親であるWF1 の雄をもう一度使う事にした。血が濃くなり過ぎで幾ら虫と雖も遺伝的不都合が頭を過るところであるがものは試しという事で決行した。この系統をインラインからのαとして、それ以外全てをインラインからのβ系統とする。β系統は例によって二次醗酵マットで屋外飼育専門だ。時には材飼育も混ぜようと考えている。

■オキナワヒラタクワガタ Dorcus titanus okinawanus (Krieshe, 1922) (沖縄本島大宜味村産 自己採集からの累代 WF1 雄 H19.9.27羽化 59mm 雌 H19.7中旬羽化 35mm )
飼育セットを掘り返してみた。マットからは何も発見されないものの産卵木には激しく雌が齧った痕があり、初齢幼虫3 匹が材から零れ落ちるように出て来た。幼虫はまだ小さいので材に戻して、その材のみ飼育セットから取り出して保管した。そして、新しい軟らかめの産卵木を投入した。天然個体からオキナワヒラタは材にはよく産むが、ヒラタらしいマット産みの傾向が低いような雰囲気がある。

■オキナワノコギリクワガタ Prosopocoilus dissimilis okinawanus Nomura, 1962 (沖縄本島国頭村産 自己採集からの累代 β系統 WF1 雄 49mm H19.7.28羽化 雌 死亡 )
WF1の黒系つがいのセットがあって1ヶ月以上前から産卵が確認されて多くの幼虫を容器壁面から観察していた。幼虫を取り出して更なる産卵を雌に促そうとしたが、雌は既に落ちているのが分かった。産み切ったのだろう。材をどかすと初期の初齢幼虫がいたので、また材を戻して雄親を取り除いて飼育セットは全ての幼虫が大きくなるまで寝かしておく事にした。大きい幼虫でもまだ亜終齢のみだ。
WF1の雌雄で黒系が揃ったのでこのつがいから始まった系統をインラインからのβとする。β系統は例によって二次醗酵マットで屋外飼育専門。



平成20年9月9日 実験 トクノシマコクワとトカラコクワの交雑 その弐

トカラコクワ雌とトクノシマコクワ雄
トクノシマコクワ雌とトカラコクワ雄
トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 F2 雄27mm H19.6上羽化 雌25mm H19.5上羽化 )
トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 F4 雄32mm H19.6中羽化 雌24mm H19.6上羽化 )

始めてから約4 ヶ月が経過した。日頃から飼育容器内を観察していたが、余り成虫が活発に動き回る事はなく鑑賞するには物足りない組み合わせであった。餌の減りも極めて少なく、成虫は落ちてしまったのではないかとさえ思えた。
愈々飼育容器を暴く時が来た。成虫4 匹は全て健在で身体の草臥れは微塵も感じられない。産卵材はと言うと、それぞれにセットした木 2本共に雌が齧った痕があって大変良い雰囲気であった。両方のつがいで交尾は確実に済んでいる事を示している。さて、肝心の幼虫はどうかと言うと、結論からして1 匹も得る事は出来なかった。トカラコクワ雌とトクノシマコクワ雄の組み合わせの方は、孵化していない卵が産卵坐から見付かった。育たずに中の蛋白質が沈んだような状態に見えた。他にも産卵坐は幾つも見付かった。トクノシマコクワ雌とトカラコクワ雄の組み合わせの方は、材中に幼虫の食痕のような物が見付かったものの、材から出て来たのはトクノシマコクワ雌親のみで、少数の幼虫が孵ったものの育たずに落ちたか、雌親に共食いされたかのどちらかである。何れにしてもそう易々とは交雑子孫を得る事は叶わない結果を示した。



平成20年9月9日 採集 23時 23℃ ポイントTS072808 他

個体数が少ないのでこの時期としては珍しく樹液場につがいでいるカブトを観察した。この雄は昨日見た個体と同じようだ。林にカブトがいる限りはまだ夏の名残りを感じさせてくれる。それにしても寂しくなったものだ。今日廻った所はカブトの最盛期なら1晩で優に50匹以上は観察出来るのだ。はっきり言って数え切れない。そのカブトが殆ど姿を消しても見るクワガタの多くがコクワとは。ノコギリでも見ようものなら嬉しい位だ。もう直ぐ本当に見られるクワガタはコクワだけになってしまう。

■今日の収穫
コクワ 10 + 10 exs (雌は少数)
カブト 0 + 2 ♂♂ 0 + 1 ♀



平成20年9月10日 採集 20時 21℃ ポイントTG082808 他

仕事帰りに職場近くのクヌギ・ポイントとTG082808 に寄った。今日寄った職場近くのクヌギ・ポイントは3〜4年前に冬の下見をして以来で、流れている樹液に虫が付いているのを見るのは初めてだ。見たのはコクワだけだが、冬以外の青々としている時に見るとなかなか良い雰囲気で、盛夏の晩に一度も来た事がないのは悔やまれる。
TG082808では、腹部が負傷していて瀕死の雄カブトが林床で他のカブトの屍骸と混じっているのを観察した。樹液場を占領している雄ノコギリの仕業ではなさそうで、恐らくは、鳥に啄ばまれたのだろう。腹部末端の半分近くが抉れているのに、小生が触ると普通に歩き始める。残すところ数時間の命だろう。

■今日の収穫
ノコギリ 2 ♂♂
コクワ 15 exs (大凡)
カブト 1 ♂



平成20年9月13日 採集 南会津遠征 その参

Dorcus parallelipipedus fan site を運営されている豊房氏と今年2度目の南会津遠征に行った。前回と同様に子連れの予定だったが、生憎遠征日が 1週間ずれ込んだ為、我が家の子供は別の予定があって同行出来なかった。
最初の林道を約3 時間歩いて成果はヒメオオとミヤマの屍骸を各1 個体ずつであった。林道の最高気温は一番近くの道路標示から推測して凡そ18℃であった。20℃以上になってくれるのが望ましかったが、天気予報に反して終日曇り空であった。帰り掛けにもう一つの林道に行ってみたが、アカアシが採れたのみで狙っている獲物に遭遇する事は出来なかった。3 回目の遠征も惨敗だった。相手は予想以上に手強いので、今後は方針を転換せねばならない。

■今日の収穫
アカアシ 4 ♂♂ (2匹持ち帰り)
ヒメオオの屍骸 1
ミヤマの屍骸 1
ハコネサンショウウオ 1
種名不詳のカミキリムシ


木の葉のような種名不詳のチョウ
ハコネサンショウウオ



平成20年9月13日 採集 21時 24℃ ポイントTG082808 他

夜になってもなかなかの気温であったし、南会津遠征の疲労が極限に達しているのも忘れて帰り道にポイントに立ち寄った。遠征の成果が消化不良であった事は否めずに、万が一の出合いを期待しての訪問であった。カブトが完全に姿を消しているが、秋にお馴染みのクワガタは盛況で、中でもノコギリ5 匹の観察には大分元気付けられた。なかなか大きい60mm 位の雄は前回も同じ樹液場にいたんじゃないだろうか。カブトは林床で屍骸になっているので、コクワ相手に現在はこの木の主として君臨しているようだ。時期が終わる前にこのノコギリを打ち負かす大物が来ないものだろうか。

■今日の収穫
ノコギリ 3 + 1 ♂♂ 0 + 1 ♀
コクワ 10 + 0 exs



平成20年9月13日 飼育 コクワガタ 伊豆大島産 WD

コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (伊豆大島産 α系統 WD H19夏採集 雄 死亡 雌 未計測 )

雄は夏になるかならないかの時期に落ちてしまったので雌だけになっていた。その雌もその後は餌が減らないし、今日飼育容器から産卵材を取り出した際にも見当たらず、さしあたり消息不明となっている。産卵材を取り出した時点で初齢から終齢までの幼虫で計5匹が得られた。初齢幼虫がいるのでマットをそれ以上は掘り返してないし、材も崩していないので、最終的に得られる幼虫の総数は幾らになるかはまだ分からない。1ヶ月後を目処にまた掘り返そうと考えている。今日採り出した幼虫5匹は全てヒラタケ菌床に投入した。

今日掘り返した方の飼育セットから始まった子孫をα系統とする。この系統の雄親は、伊豆諸島産コクワらしく躯体の大きさに対して大顎が短めでずんぐりとした印象があった。一方の飼育セットで飼っているつがいはβ系統とする。このつがいの雄の上翅は微妙に赤味がある。それぞれの系統が採集された場所は異なっている。

■今日の収穫
初齢幼虫 2
亜終齢幼虫 1
終齢幼虫 2
α系統WF1 合計飼育個体 5



平成20年9月15日 採集 2時 22℃ ポイントTS072808

日中の最高気温は30℃だった。太陽の傾きと比例するように陽射しは弱まって日没も早くなった。夜になっても気温は上々と思ったら意外に低かった。湿度が高いのだろう。
夜勤帰りに時間の掛からない場所に寄ってみた。明日も仕事だ。林にはまだカブトの生き残りがいたので幾らかほっとした。なかなか大きいコクワがいて採って計測しようか否か考えている内にぽろりと落下されてしまった。林床を探したが見付からなかった。てかっていたので秋に現れる大型の新成虫かもしれない。

■今日の収穫
コクワ 10 exs (雌は少数)
カブト 1 ♂



平成20年9月15日 採集 22時 23℃ ポイントTG082808 他

60mm 位のノコギリ
台風13号は台湾から南西諸島を襲っている。この影響で九十九里平野は日中から曇り空だ。夜間の気温は23℃とまずまずであるが、台風の影響で湿度が高いせいか、実際の体感温度は蒸し暑かった。

明日は仕事が休みなので、夜勤明け後の仕事を終えてくたくたになった帰宅途中に、怒涛の 4ポイント巡回を強行した。台風で身動きが出来なくなる前にすべき事をしておこうと言う魂胆だ。TG082808、TS082607、TS072808、OS092405の順で廻った。実は最初はもう1 箇所も予定していたのだが、流石に体力が続かないので5箇所目は止める事にした。

■今日の収穫
ノコギリ 5 ♂♂ 1♀
コクワ 50 exs (雌は雄の約1/5)
カブト 1 ♂
スズムシ



平成20年9月16日 採集 23時 20℃ ポイント自宅

犬の散歩がてらに自宅の西と北西に行ってみた。サイカチでは先月下旬にカブトを見たのが最後で、それ以来樹液を流しているにも拘らず何の虫も見ていなかった。しかし、今日は大きめのコクワの雄を観察した。但し、いたのは樹液の所ではなく幹の下方に張り付いていただけだ。
北西の方は犬に吠えられるのが難点だが、今日は初めて我が家の番犬を一緒に連れて行ったところ、偶然なのか何なのか一声吠えたのみでやり過ごす事が出来た。カブトの雄とヒラタの雄を観察した。写真を撮ろうとカメラをポケットから取り出している間にヒラタは洞に逃げ込んでしまった。
今日は朝から昼まで雨降りだったので草叢は湿っており、犬も小生のスボンもびしょ濡れになってしまった。

■今日の収穫
ヒラタ 1 ♂ (35mm位 )
コクワ 2 ♂♂ 2 ♀♀
カブト 1 ♂



平成20年9月17日 採集 19時 23℃ ポイントTI091708

シラカシの大木 (中央に煙草の箱)

カブトとノコギリの闘争
古い過去の話や地図を眺めているとどうしても捨て難く、T地区をもう一度洗い直してみようと日中に広域を車で探索してポイントTI091708 を追加した。このポイントはシラカシの大木2 本を含んでおり、他にもなかなかのシラカシが2 本と農家の栗が生えている。日中の探索時にはこのシラカシの大木にカブトの雄が1 匹、コクワの雄2 匹が観察された。期待させられる洞と捲れを有しているものの周囲の環境は芳しくなく、広大な針葉樹の植林に囲まれてしまっている。植林地帯にはこれと言った広葉樹の古木が含まれている雰囲気でもなく、大物棲息の可能性は限りなく低いと予想している。それでもこの悠然と聳え立つシラカシの大木2 本を眺めていると、採集人としての血が騒がない訳には行かない。大物が期待出来ないまでも万が一にでもここにヒラタがいたとしたら大収穫であり、棲息地を考える上での知見として進歩となる。だから、この場所も忘れないように要観察とする。
暗くなってからも訪問してみた。昼間は幹の上方にしがみついて休息していたカブトはやや下方の樹液場で食事中で、ノコギリが横からちょっかいを出している場面を観察した。コクワガタは4 匹のみで、クワガタの密度は高くなかった。

千葉県の農家は大変に実直で勤勉である。半世紀前に林野庁が号令するや否や、いざ針葉樹を植林するとなると、広葉樹を隈なく伐採して針葉樹に置き換えている。T地区の郷土資料を紐解くと、戦前には「ぼっかぶち」と言われたきこりが薪炭を採っていた。特にT地区のM地域で薪炭が採られたと記されている。今ではM地域に行っても薪炭になる材は微塵も残されていない光景を見るだけだ。動物( 生物学で言う植物以外の ) 不毛の鬱蒼とした針葉樹林と化した山になっている。時々クヌギやコナラ、シラカシにスダジイと言ったドングリの木が針葉樹に混じってぽつりと生えている。これらの広葉樹は「見落とした」とか「切り忘れた」とか、はたまた「崖が険しくてヒトが近づけなかった」、「人里から余りにも離れている」等、その程度しか残っていない状況だ。古い農家の屋敷林が一番広葉樹の密度が高いと言える。地域と生物の種類によっては、この屋敷林にその生命線が託されていると言っても過言ではないだろう。

■今日の収穫
ノコギリ 1 ♂
コクワ 4 ♂♂
カブト 1 ♂



平成20年9月21日 採集 2時 20℃ ポイントTS072808 他

夜勤の仕事帰りに林に寄った。時間が遅いので出来るだけ無理をしない経路を選んだ。台風で日照が少ない日々が続いている影響か、樹液場の数と流れる樹液量が大分貧弱になったように感じる。泡を吹くような出方は少なくなって、樹液が涸れかかって湿った程度の場所が増えており、虫の集まりも大人しくなった。虫の種類も数も確実に減って、コクワガタが見つけられれば良い程度になっている。
今年の初ヒラタのポイントがあった。秋ヒラタがそのポイントの今年初ヒラタだ。ここは毎年こういう傾向がある場所で、ヒラタの密度は昔から薄いが、それでもこの場所が残っている御蔭で毎年のように採集を楽しむ事が出来る。

■今日の収穫
ヒラタ 1 + 0 ♂
ノコギリ 2 + 0 ♂♂
コクワ 14 + 8 exs



平成20年9月23日 探索 ポイントTK092208

スズメバチとノコギリクワガタ
秋分の日だ。一昨日は台風13号の影響で土砂降りの大雨であった。この台風の進行はとてもゆっくりで、その間は曇り空が多く、日に日に日没が早くなるのも相俟って、すっかり夏の名残りが過ぎ去った雰囲気だ。台風の進行が遅かったのは、寒気が強くなって秋が深まったからだろう。夕方5 時を過ぎるともう薄暗くなってしまう。日中の気温が30℃に届く事はなくなり、夏が終わっても盛況を極めていた蝉すら、この季節の変化に逆らえなくなっている。聞こえるのはツクツクボウシの鳴き声ばかりだ。

夜勤の仕事帰りに某地域を探索してポイントTK092208を追加した。前日に車でちらりと通ってみたところ、広葉樹の古木を含んだ山が残っているのに気付いたので、押さえておきたい場所と考えた。今日は念入りに廻って、気になった場所は車から降りて散策するのを繰り返してみた。残念ながらクヌギ・コナラは 1本たりともないのだが、虫を呼ぶ木を幾らかは見つけた。それでも、はっきりと樹液が出ているのを観察したのはたったの1 本だけでとても苦しい展開だ。唯一の樹液場では、日中であるにも拘らず、スズメバチが占有している端っこで2 匹のノコギリの雄がひそひそと食事しているのを見つけた。
なかなかありそうでない、条件の揃った場所。だからこそ大物とはピン・ポイントでしか出合えないのだろう。本当に難しい。

以下は広辞苑からの引用だ。
秋分(しゅうぶん)とは、二十四節気の一で、太陽が秋分点に達した時の称。秋分を含む日を秋分の日といい、太陽暦では9月23日頃。秋の彼岸の中日に当る。昼夜の長さがほぼ等しくなる。秋分の日は国民の祝日の一で、9月23日頃。祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日。もとの秋季皇霊祭。<(季)秋>。⇔春分。
秋分点(しゅうぶん‐てん)とは、黄道と赤道との交点のうち、太陽が北から南に向かって赤道を通過する点。赤経・黄経ともに180度。

■今日の収穫
ノコギリ 2 ♂♂



平成20年9月23日 飼育 コクワ 利島産 WD 他

コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (利島産 α系統赤 WD 雄 27mm 21mm 雌 24mm 20mm WD親は全て死亡 )

親が全て落ちていて餌が全く減らなかったので、暫く飼育セットをいじらないで保管した後に掘り返してみた。4 匹の親は全てマット上で果ててばらばらになった者や乾燥して形を留めている者等があった。幼虫はマットと材中から計6 匹が得られた。亜終齢幼虫2 匹は菌床飼育にした。終齢幼虫を菌床に入れてしまうと餌交換する前に蛹化する可能性があるので、終齢幼虫は皆二次醗酵マットへ投入して、劣化が早い菌床で羽化するのは防止する。

■今日の収穫
亜終齢幼虫 2
終齢幼虫 4
α系統赤 WF1 合計飼育個体 6


ムシモンオオクワガタ Dorcus musimon Gene 1836 (イタリア・サルディニア島 Sardinia Island Italy、β系統CBF1 H19中羽化 雄 5 雌 4 )
ムシモンの成虫は 2年は生きると言われているように小さい割には長生きで、去年羽化した成虫の多くは越冬して今年も活動しており、しかも皆恙無く身体の欠損もなく元気に過ごしている。それでも寿命を考えると遊ばせておくのは忍びなく、去年羽化した成虫を集団で飼育して産卵させる事にした。小でもないが中よりは小さいプラ・ケースに雌雄合わせて 9匹を纏め飼いにした。小さい虫は手間を省いて飼えるのが有難い。



平成20年9月23日 採集 20時 22℃ ポイントTS072808 他

35mm 位のヒラタ 雄
前回観察したヒラタの雄とは今日も同じ樹液場で出合う事が出来た。今年はこのポイントのヒラタはこの雄しか見ていない。個体数が非常に少ない中で雌と知り合えたのだろうか。今日は写真を撮ろうとしたら洞に逃げ込んでしまって良い写真が撮れなかった。ノコギリは草臥れた雰囲気の個体ばかりになった。相変わらずコクワの個体数は維持されている。もう直ぐ林に来てもコクワしか見なくなるだろう。

■今日の収穫
ヒラタ 1 + 0 ♂
ノコギリ 4 + 0 ♂♂
コクワ 23 + 9 exs



平成20年9月25日 採集 2時 19℃ ポイントTK092208 他

夜勤の仕事帰りに23日に開拓したポイントに寄った。ノコギリが 1匹だけ増えていただけだった。懐中電灯で照らしてはあはあ息を吐くと白くなっていた。気温が低過ぎる。

■今日の収穫
ノコギリ 0 + 3 ♂♂
コクワ 9 + 3 exs



平成20年9月26日 採集 21時 22℃ ポイントTG082808 他

昨日は朝方はかなり気温が落ちてまるで10月下旬のような感じであった。しかし、日中は良く晴れて気温が上がり、暗くなっても暑さを維持していた。昨日の20時で24℃であった。昨日は一昨日の夕方から夜勤で、明けてまた日中に仕事であったので激しく疲労していた為、勤務後は涙を呑んで早々と帰宅した。天気予報によると26日は雨の確率が高かったのだが、もし、雨が降らなければ林に寄る心算でいた。幸いにして曇り空が続いても雨にはならなかったので、今日は仕事帰りに林を訪問した。昨日の気温の上昇でクワガタを期待出来ると踏んでいたので、非常に楽しみであった。結果は予想通りに大量のコクワを観察。

■今日の収穫
ポイントTG082808
ノコギリ 1 ♂
コクワ 17 exs

ポイントTK092208
ノコギリ 1 ♂
コクワ 10 exs

ポイントTS082607
ノコギリ 1 ♂

ポイントOS092405
ヒラタ 1 ♂
ノコギリ 1 ♂
コクワ 29 exs

ポイント自宅 (北西)
コクワ 5 exs
16日に見たカブトの屍骸 1



平成20年9月28日 飼育 ミシマコクワガタ 黒島産 F3 他

雨降りの天候でなくても夜に林に行く事はなくなった。何故なら昨日から日中の最高気温ですら20℃強程度しか上がらず、夜間は言わずもがなである。今年の九十九里平野での採集時期は完全に終わってしまった。林に行ってももうコクワしかいないだろう。せいぜいノコギリの生き残りを見れば良い方だし、場所によってはヒラタも少し位はいるだろう。来年の採集時期まで後8ヶ月の間は、飼育中の虫共の世話が中心となる。


ミシマコクワガタ Dorcus rectus mishimaensis Tsuchiya, 2003 (鹿児島県大隈諸島三島村黒島産 α系統 F3 雄 H19.6上羽化 47mm 雌 H19.5羽化 25mm )

8月中から取り置いてあった産卵木をばらしてみたが、初齢幼虫ばかり出て来るので半分崩した時点で中断した。残りはまた1 ヶ月後に作業しようと思う。今日得られた幼虫はヒラタケ菌床に投入した。成虫は雌雄共に健在。

■今日の収穫
初齢幼虫 3
亜終齢幼虫 1
初齢で取り出した幼虫が死亡 -1 (11/17)
α系統 F4 合計飼育個体 3


コカブトムシ Eophileurus chinensis chinensis (Faldermann, 1835) (H18.6.28 自己採集からの累代 九十九里平野産 F3 雄 1 雌 2 WF1 雄 1 )

種親はとっくに全滅していたようだが、7月頃には飼育容器壁面から数匹の幼虫が見えていたので、種になる雌がたった1 匹しかいなかった状態での累代なので、胸を撫で下ろす気分であった。しかし、今日飼育容器を掘り返してみて、またもやコカブトの飼育の難しさを思い知る事になった。F3となる子孫は 雄 1 雌 2 しか残っていなかったのだ。累代が来年に繋げられるかどうか、今からもう思いやられる状況だ。上翅や前胸等、4〜5匹分の新成虫の物らしき部品が見付かったので、秋に新成虫が活動し始めるや否や、早速共食い合戦が繰り広げられたようである。ゼリーのみならず、クワガタやカブトの屍骸が得られる度にコカブトの容器に放っていたのに、何とも不甲斐ない結果と相成った。因みにコカブトを飼う容器は特大プラ・ケースを使用している。
今年の6 月6 日に採集して持ち帰った天然雌からは、たった1 匹だけ雄の子孫が得られた。このWF1 雄とF3 の雌1 匹をつがわせる事にした。残ったF3 と合わせて2 つがいになるが、来年の初夏までこの4 匹が共食いしないで、無事に越冬して健在でいてくれる事を唯々祈るのみである。



平成20年10月3日 飼育 コクワ 利島産 WD 他

数日前の話になるが、台風15号は勢力が弱まって熱帯低気圧になり、仕舞いには本州に上陸する事はなかった。台風が来なかった理由を考えれば、日本の気温が下がった証左であるからして、遂には秋が深まった事を意味している。
このところ数日は日中に晴れても気温はせいぜい20℃台前半までにしか上がらず、それでも晴れれば夜には林に出向いてコクワでも見に行こうかと、ついつい残暑の勢いがまだ癖になっているのだが、夜になるともう半袖では寒い位で、クワガタどころではない時期になった現実を思い知らされてしまう。全く寂しい限りだ。


コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (利島産 β系統 WD 雄 35mm 30mm 雌 28mm 25mm WD親は全て死亡 )

親は全て落ちてかなり日が経っている。保管していた飼育容器を掘り返すと、産卵木内から3 匹の終齢幼虫が得られた。

■今日の収穫
終齢幼虫 3
β系統 WF1 合計飼育個体 3


トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 α系統 WF1 H18.7羽化 雄 34.3mm 雌 30.5mm )

8月28日に取り出しておいた産卵木を崩してみた。幼虫がまだ小さい事と、材にはまだ堅い部分が多くて梃子摺ってしまった為、2匹の亜終齢幼虫を潰す失態を犯してしまった。気分が萎えてしまった。
今日得られた終齢幼虫以外の5 匹はヒラタケ菌床に投入した。

■今日の収穫
初齢幼虫 1
亜終齢幼虫 6
終齢幼虫 1
作業中に亜終齢幼虫を2 匹潰し -2
二次醗酵マットに投入した終齢幼虫が死亡 -1 (10/21)
α系統F2 合計飼育個体 26



平成20年10月3日 採集 20時 17℃ ポイント自宅

犬の散歩がてらにポイント自宅 の北西に行ってみた。まだ幾らか樹液が出ていて早々とコクワを見付けた。ヒラタの屍骸でも落ちていないかと丁寧に周囲を見回していて、前回見た最後のカブトの屍骸がまだそっくりその儘残っているのを確認して、またその直ぐ近くに、最後のカブトよりも後に地表に落ちたと思しきカブトの屍骸を発見。枯葉の中から尻だけが見えている。と言う事は、これが最後のカブトの屍骸かと思いながら手に取ってみると、何とこのカブト、まだ生きているではないか! 10月に入って生きた野生のカブトを観察したのは、これが生まれて初めての体験だ。なかなか立派な雄で、フ節は幾つか落ちていて何気に軽くてかなり草臥た状態だ。だが、まだ生きている。本当に生きている。
因みに、我が家の飼育カブトは、10日位前に雌雄それぞれ1 匹ずつが死んで、残り雌 1匹が元気がないながらもまだ健在。この雌はもう産卵はしないだろうが、寒くなっても餌だけは食べている。

■今日の収穫
コクワ 2 ♂♂ 3 ♀♀
カブト 1 ♂



平成20年10月3日 雑記 虫相撲

小学生の長女が帰宅して子供が揃ったところを見計らって、子供に虫相撲を見せる事にした。我が家で飼育中のクワガタ達を戦わせてどれが一番強いのかを決めるのだ。と言っても、今このような用途に使える成虫の数は限られていて、オオクワとオキナワヒラタの雄がそれぞれ 5匹位、オキナワノコギリの雄が3 匹、関東ヒラタの雄が1 匹である。さて、この中でどれが一番強いんだろうか。大きさはオオクワで58〜70mm、キオナワヒラタが56〜62mm、関東ヒラタが55mm、オキナワノコギリが50mm前後と言ったところだ。
結果は、58mmのオキナワヒラタに軍配が上がった。今回の虫相撲でまともな試合になったのはオキナワヒラタだけだったと言っても過言ではなかった。オオクワは 1匹を除いてただひたすら逃げて隠れようとするのみで全くやる気なし。唯一戦いそうなオオクワも、オキナワヒラタに近付けたら全くやる気なく逃げようとするだけになってしまった。期待の関東ヒラタも逃げるのみ。オキナワノコギリは、小生が手に持とうとする時だけ怒っていて、いざ戦わせようとして木の切れっ端に置くや否や只逃げようとするのみ。
見物していた子供は、最初は皆興味深気に一緒に観察していたが、オキナワヒラタが終わって他のクワガタになってなかなか戦わなくなると、長女は寝てしまい、次女は他の用事を考えて歩き回る始末であった。終始小生に付き合ってくれていたのは、男の子である長男のみであった。男がいると頼もしいと感じられる時であった。但し、長男は相撲を見るよりもクワガタを触りたい気持ちが先行していたようで、何度も何度もねだられたので、相撲が終わった後に一番大きなオオクワを持たせて写真を撮ってやった。
虫相撲はカブトがいるとまた内容が大分違ってくる筈である。少なくともカブトはヒトに敏感に反応して逃げ隠れする事はないし、カブトのいる時期は虫が活動するにはほどほどの気温なので戦わせるには好条件である。来年はカブトがいる時期にカブトも参加させて子供に虫相撲を見せようと考えている。だが、正直なところ、子供に見せるよりも小生が楽む事が最大の目的になっていたりする。



平成20年10月5日 採集 18時 21℃ ポイント自宅 他

日中は晴れて最高気温は25℃に達し、暗くなった17時過ぎでも気温がまずまずなので、往生際の悪い物好きなオッサンは毎度の夜のお勤めに出向いた。ヒラタの残党と一昨日のカブトの再観察を目的としてポイント自宅北西と北、及びその他を廻った。しかし、結果は期待に反して観察されたのは秋の常連ばかりであった。秋はコクワ天国だ。樹液が少ないのに彼らはやけに多い。

■今日の収穫
ノコギリ 1 + 0 + 0 ♂
コクワ 29 + 7 + 13 exs



平成20年10月6日 飼育 オキナワノコギリ 沖縄本島産 WF1

オキナワノコギリクワガタ Prosopocoilus dissimilis okinawanus Nomura, 1962 (沖縄本島国頭村産 自己採集から累代 β系統 WF1 雄 49mm H19.7.28羽化 雌 32mm死亡 )

雌雄が初めて黒い組み合わせで揃った。この系統をβとしている。雌親が落ちてから雄を取り出して暫く物置内に飼育セットを放置しておいた。幼虫が大きくなったので掘り返したのだが、まだ小さい亜終齢幼虫も混ざっていて、マット内にいた1 匹を誤って潰してしまった。産卵木は崩さずにまたマットに埋め戻したので、実際の幼虫の数は20 匹位だろうか。まあまあだ。毎年オキナワノコギリは簡単に着実に増えてくれる。
これぞ雄という終齢幼虫以外は、プラケース大で集団飼育にした。こうでもして飼育能率の向上を図らないと、虫共の世話をするのにどうにも追いつかない。オキナワノコギリの幼虫の雌雄判別はとても難しく、はっきりとした雌斑が見当たらないので、専ら頭幅を見た際の直感に頼るのみだ。それでも、これぞ雄という幼虫は、今のところ雄にはなっている。我が家で羽化した成虫は雄でも皆小振りで、60mm に到達した事はまだ一度もない。大きくするのも難しい。

■今日の収穫
亜終齢幼虫 3
終齢幼虫 12 + α
掘り出し時にマット内の幼虫を潰し -1
β系統 F2 合計飼育個体 14 + α



平成20年10月9日 飼育 オオクワ 横芝牛熊産 CBF1

オオクワガタ Dorcus hopei binodulosus Waterhouse, 1874 (千葉県横芝牛熊産 CBF1 複数 )

晴れれば日中は暖かいが、朝晩が冷え込む時期だ。野生のオオクワで越冬する個体は、もう既に見付けた寝床で静かに固まっていることだろう。今年羽化した新成虫共を越冬に備えて室内飼育から屋外飼育に移した。無暗に室内に置いていても、餌を大量に消費するだけだし、それより何よりもそんな事をしていたら寿命を縮めてしまうだろう。屋外に出すのに伴ってナメクジ対策として、セロハン・テープで紙ラベルを覆った。こうしないと紙ラベルがナメクジに跡形もなく食べられてしまって、種名、産地名、飼育録等の貴重なデータが失われてしまう。テープ貼りは面倒な作業だ。この土地のナメクジが非常に恨めしい。
追ってオオクワ以外の種類も、飼育セットを組んでいなければ、近々屋外に移す予定だ。来春までしっかり寝て貰わねばならない。



平成20年10月16日 飼育 ハチジョウヒラタ 八丈町産 CBF1 他

ハチジョウヒラタクワガタ Dorcus titanus hachijoensis (Fujita et Okuda, 1989 ) (八丈町産A型 CBF1 雄 56mm H20.3.25羽化 雌 32mm H20.3.20羽化 )

羽化後の期間を経ずにセットしたつがいであるにも拘らず、ぼちぼち産卵してくれて今年は計8 匹の幼虫が得られた。雌雄共に頗る元気であるから、越冬後の来年は多くの幼虫が採れる事だろう。今月になって餌ゼリーが全く減らなくなったので、幼虫を掘り返して種親は飼育セットごと屋外に移した。産卵木は雌成虫と幼虫の齧りでぼろぼろになったので交換した。卵や初齢幼虫は見付からなかったので、今年の産卵は終わったに違いない。屋外に出す時期も適切だと考える。

ハチジョウヒラタは、本土ヒラタよりも光沢が強く、ピカピカヌメヌメな感じで上品な印象を受ける。雌も雄と同様にピカピカだ。雄の大顎は本土ヒラタに比べると微妙に丸みが強いし、千葉ヒラタよりも顎の丈が長い印象を受ける。因みに、千葉ヒラタは大顎は長くならないし、腹部末端は丸みが強いので、本土ヒラタの中でも特徴的な部類じゃないだろうか。
ハチジョウヒラタで大きな特徴をもう一つ。多くの個体を比べないと確信は持てないし個体差の範囲かも知れないが、小生の知るヒラタの中では一番大人しい種類だ。刺激を与えても余り好戦的な雰囲気がなくて威嚇せずに擬死してしまうし、どちらかと言えば、ヒラタというより大きなコクワを扱っているような振る舞いで、その擬死の時間も短くはない。これは樹液場で闘争する機会が少ない環境で進化した結果なのだろうか。そうだとすると、将来は雄の大顎が退化して小さくなるような気がする。それとも大顎を使う場面は樹液場での闘争だけではないから、今でも大顎が小さくはなってはいないという事なのだろうか。

■今日の収穫
亜終齢幼虫 4
終齢幼虫 2
幼虫が死亡 -1 (10/30)
F2 合計飼育個体 7


コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (長崎県五島市冨江町長峰(福江島)産 α系統 WD 雄 H19.6.2活動 41mm、雌 H19.1.25採集 未計測 2頭 ) (β系統 WD 雄 H19 29mm、雌 H19 24mm 死亡 )

α系統の幼虫は今年の 7月中に全て羽化したようで10 匹近くが無事に成虫になっているようだ。飼育容器底面から蛹室が観察されているが、掘り返さずに来年迄保管しておく心算だ。だから、実際の数は把握していない。9月上旬頃から活動している成虫が数匹いるようなので少量の餌を入れておいた。纏め飼いなので雌雄共に小形個体ばかりのようだ。
β系統として一番小さい雌雄のつがいで飼育していた方では、雌は産卵して直ぐに落ちてしまったから、雄だけになっている。飼育容器壁面から2 匹の初齢幼虫が見えていた。この2 匹は先月中に落ちてしまったのも飼育容器壁面から見えていた。まだ産卵木内に幼虫がいると考えられるが、β系統なので割らずに材飼育として屋外に出した。コクワはお手軽に飼育出来るのが嬉しい。

■今日の収穫
 α系統
 特になし
 α系統WF1 合計飼育個体 13
 β系統
 産卵木を割らずに保管
 β系統WF1 合計飼育個体 ?
ハチジョウヒラタクワガタ A型



平成20年10月22日 飼育 アマミコクワ 奄美大島名瀬市産 F4 他

今年最後の蝉の鳴き納めは10月15日で北総のツクツクボウシだった。九十九里平野では10月上旬でやはりツクツクボウシだった。動きが鈍くなったコクワガタの残党を除いて、これで完全に今年の夏の名残りを感じさせてくれる昆虫は姿を消した。愈々長い冬を迎える時期が近付いた。冬至迄後残すところ2 ヶ月。夕方5 時になると外はもう真っ暗だ。虫採りも出来ずに気分も真っ暗。
夜勤が続く10月21日と22日の両日の日中の合間に手付かずの飼育セットを纏めて暴いた。日本のコクワガタを中心に飼育している事を示すように、ここで挙がるのはコクワガタばかりだ。


アマミコクワガタ (原名亜種) Dorcus amamianus amamianus (Nomura, 1964) (奄美大島名瀬市朝戸産 F4 α系統 H17.11.17購入 雄 死亡、雌 H16.12羽化 29mm )

直系の孫(27mm β系統CBF1 H20.7.7 羽化 ) との間に子を残して婆さんは天寿を全うした。数日前に餌不足になっていないかと飼育容器内を覗いた際には、産卵木の脇で佇んで生きていたが、その後もその場所に留まった儘息絶えたようだ。羽化後4 年近くを経た長寿なアマミコクワであった。
得られた終齢幼虫の内、初期の終齢と考えられる2 匹はヒラタケ菌床に投入した。

■昨日の収穫
終齢幼虫 3
α系統CBF1 合計飼育個体 3


トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 β系統 F2 )

WF1 つがいの飼育セットから終齢幼虫 3 匹が得られた。親になるWF1 はまだ元気だ。産卵木を崩し切ってないので他に幼虫がいるかもしれないが、β系統なのでその儘小プラ・ケースに材ごと移して纏め飼いをする事にした。

■昨日の収穫
終齢幼虫 3
β系統F2 合計飼育個体 3 + α


コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (伊豆大島産 α系統 WD H19夏採集 雄 死亡 雌 行方不明 β系統 WD 雌雄共未計測 )

α系統は沢山の幼虫を回収した。産卵木は跡形もなくなってマットは全体的に腐葉土状と化していた。幼虫が多くて過密になっていたので餌の分解も早かったのだろう。雌親の屍骸は見つからなかったので脱走した可能性が高いが、これだけの幼虫が得られるだけ産卵しているので、脱走後間もなく寿命で果てただろう。物置小屋のどこかに屍骸が落ちている筈だ。幼虫が多過ぎるので、終齢で雄らしき個体以外は集団纏め飼いにした。
β系統の産卵木は原型を留めていて雌が齧った痕が至る所で見られている。マット内から亜終齢幼虫を2 匹見付けた。β系統なので産卵木と見付けた幼虫 2匹は纏めて 1つの小プラ・ケースに移して屋外飼育とした。雌雄共に種親は生きているが、雄はかなり草臥れて活気がなく、来春迄健在でいるかどうか疑わしい状態だ。

■今日の収穫
α系統
亜終齢幼虫 8
終齢幼虫 14
α系統WF1 合計飼育個体 27
β系統
亜終齢幼虫 2 + α
β系統WF1 合計飼育個体 2 + α


コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (三宅島産 α系統 WD 雄 39mm 雌 24mm 23mm、β系統 WD 雄 31mm、雌 23mm )

α系統は雌親が1 匹落ちていた。沢山の幼虫が得られたので産み切って天寿を全うしたのだろう。亜終齢幼虫 4匹をヒラタケ菌床に投入し、成長段階未確認の 8 + α 匹の幼虫は材ごと纏め飼いにした。そうでもしないと世話をしきれない。年初来飼育数が500 匹を超えているので、どこかで合理化しないととてもじゃないが飼育を続けられない状況だ。
β系統も雌親が落ちていた。掘り返したら4 匹の幼虫が出て来た。材は割らずに確認した幼虫と材はまた元に戻して集団纏め飼いにした。

■昨日の収穫
α系統
初齢幼虫 2
亜終齢幼虫 5
終齢幼虫 1
その他の幼虫 8 + α
α系統WF1 合計飼育個体 16 + α
β系統
幼虫 4 + α
β系統WF1 合計飼育個体 4 + α


コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (長崎県五島市冨江町長峰(福江島)産 α系統 WD 雄 H19.6.2活動 41mm、雌 H19.1.25採集 未計測 2頭 1頭死亡で残り1 頭 ) (β系統 WD 雄 H19 29mm、雌 H19 24mm 死亡 )

α系統産卵木はぼろぼろになって跡形もなくなっていた。雌親1 匹が落ちているのを確認した。生き残っている雌親に幼虫が共食いされたと考えられ、得られたのはたったの5 匹だった。現に雌親は終齢幼虫の屍骸と一緒にマット内の坑道から見付かった。紛れもない現行犯だ。そのお陰か雌はフ節取れがあるものの力強くぴんぴんしている。新鮮な蛋白質の補給で衰えなしだ。雄もまだかなり元気で身体の損傷は全くなく、小生が捕まえようとすると大顎を振り翳して威嚇している。今日回収した幼虫は全てヒラタケ菌床に投入した。兄さん姉さんは二次醗酵マットに集団纏め飼いだったので全て小形成虫になった。菌床飼育の個体がどう育つのか見物だ。
β系統は16日にばらし済み。

■今日の収穫
α系統
亜終齢幼虫 4
終齢幼虫 1
α系統WF1 合計飼育個体 18
β系統
特になし
β系統WF1 合計飼育個体 ?



平成20年10月30日 雑記 椎茸を栽培する その参

コクワの産卵痕だらけになった椎茸原木
栽培中の椎茸の手入れをした。手入れと言っても寝かせて積んであった原木を立てるだけの作業だ。椎茸が生えている気配がなかったのは以前から知っていたので、最初から期待はしていなかったが、思わぬ誤算は、ホーム・センターで買って来た椎茸の菌を最初から植えてある木は、すっかり野生のコクワの産卵床に成り果てていた事だ。凄まじく齧られている。これじゃあ、飼育用の産卵木に使える筈がない。夏の間に水掛けを忘れずに度々手を入れていたのに、椎茸は一本も生えておらず、おまけにコクワの棲家になってしまったとは。それもその筈、コクワに丁度良い朽ち加減になっているだけでなく、ほぼ全域に渡って樹皮が剥がれているではないか。コクワが見逃さない手はない。椎茸は原木の樹皮上に生えるので、収穫するには樹皮の表面積が勝負どころなのだ。残念だ。2ヶ月後には引越しの予定だ。この天然コクワの産卵床になった原木は、今の家の敷地で土に帰って貰う事にする。何の利用価値も見出せない材になってしまって、只の無駄遣いに終わってしまった。授業料としては安いのだろう。
一方の自分で種菌を植えた原木は全て何の気配もなく経過している。種菌を植えなかった材には、カワラ茸が吹いたり黴が生えたりと何かしらの変化が見られている。従って、何も変化のない種菌を植えた原木では、椎茸が根付いている可能性が高いと考えられる。これは朗報。引越し先でも観察と手入れを継続しようと思う。早く自家製椎茸を食べたいものだ。次の収穫時期は春だ。

※参照記事
「平成20年3月26日 雑記 椎茸を栽培する」
「平成20年4月9日 雑記 椎茸を栽培する その二」



平成20年11月13日 探索 ポイントSSF111308

仕事帰りに今までに通った記憶のない横道に逸れて山の中を流してみた。進めども進めども杉の植林が続いていて全く面白くない景色を見るのみ。仕舞いには広大な新興宅地の中に入り込んでいた。ところが、その新興宅地が広がっている先の山の辺りに近付くと、道端で腰の曲がっているらしきお婆さんが草取りをしているらしき光景が目に入ったと思ったら、少しずつ景色が良くなっていった。シラカシのような大木が見えたと思えば、栗の木が幾らか植えてあり、それを過ぎるとなかなかのクヌギが1 本遠目で見られた。その内にスダジイが茂っている場所を見付けた。嘗ては有望であったろうと推測出来る地域と考えられ、今でも幾らか木が残っている場所に辿り着いた。意外な収穫だ。来年の夏に備えて下見をする事にした。
場所が特定出来てしまうので詳しく書けないが、通りすがりの見た目では、一見してなかなかのクヌギが1 本あるのみのショボイ場所だ。このクヌギの下では、数匹分のカブトの屍骸を確認した。時期が来れば、クワガタならコクワ、ノコギリを見付けられるだろう。しかし、鬱蒼とした林の奥に1 歩踏み入ってみると、古木が何本も立ち並び、鳥の棲家になっているだろう大きな洞を有した巨大なスダジイが含まれているのが直ぐに分かった。クワガタやカブトの棲息場所としては申し分のない環境が残っている。只、成虫をもてなす木が乏しいのが残念なところである。周辺に成虫のホストとなる木が過去にはもっと沢山あったのなら、今でも幼虫の発生場所が豊富に残されているので、珍品の大物が生き長らえている可能性を否定出来ないと考えている。それに、ここでヒラタでも見付けようものなら、場所としても市町村名としてもかなりの珍品である事に間違いはない。来年の夏が待ち遠しい。それにしても、あの腰の曲がったお婆さんが娘だった時分に、この場所に来てみたかったものだ。きっと期待を裏切らなかった事だろう。


5日前の11月8日に立冬を過ぎた。今の時期は夜に晴れれば綺麗な満月を拝む事が出来る。冷えた夜空によく映えている。去年の初霜は12月16日頃だったので、あと 1ヶ月もすると九十九里平野に霜が降るようになるかもしれない。

以下は広辞苑からの引用だ。
りっ‐とう【立冬】
二十四節気の一。太陽の黄経が225度の時。冬の始め、太陽暦の11月8日頃。<(季)冬>。



平成20年11月21日 雑記 初霜

今朝出勤する時に車が凍っており、出発する前にガラスに水を掛けて視界を良くする必要があった。今年の初霜に気付いた瞬間だった。しかし、職場に来てから初霜の話をすると、昨日から霜が降りていたらしい事が分かった。去年の初霜は12月16日頃であったので、今年は去年と比べると1 ヶ月近くも早かった事になる。
長女が学校から持って来たミニトマトを庭に置いてあり、秋の収穫後も未だに新たにトマトが生れていたので、初霜の来月迄は収穫出来ると踏んでいたところだが、今年のトマトの時期はもうこれで終わりになってしまったようだ。



平成20年12月9日 雑記 庭でクワトープ その五

古い家から新しい家に植栽
もう直ぐ冬至だ。冬至が来ると来年の採集時期までの折り返し点を過ぎたような感じがする。指折り数えて、虫が出て来るまであと5ヶ月。全然折り返し点じゃなかった(笑)。まだまだだ。室内で飼育している虫ならその2ヶ月位前には活動して繁殖に使えるだろう。それが虫との触れ合いを渇望する気持ちへの救いだ。
もう直ぐ我が家の引越し日でもある。以前住んでいた場所の直ぐ近くに新居を構えたのだ。以前の横芝の家から歩いて1分以内の場所だ。家の建築が終わって、その他諸々の作業が終わって、最後に外溝(外壁や柵 ) 工事がやっと終わって、愈々家も庭も自分でいじれるようになった。最後の外溝工事が終わる迄は、庭には何も植えられなかった。無暗に木や苗を植えてあると、業者の作業の邪魔になるのは勿論、業者の車や重機に踏んずけられて、折角植えた木が無駄になってしまうからだ。
これからは晴れて「庭でクワトープ計画」を着々と進める予定。早速ではあるが、家財道具の搬送を差し置いて屋外飼育コンテナの半数とクヌギの若木、コナラの若木を古い家から新しい家に移動した。野外の物品や生木の搬送は、天気相手の勝負なので、雨が降っていないか、雨の後のずぶ濡れ状態を避けられる時に、能率的に出来るだけ作業を進めねばならない。11月から雨天ばかりで、覚えている範囲内で言うなら、ここのところ半月間は 3日に1 日は雨でほぼ毎日のように地面は湿っている状態だ。だから、やれる時には優先してやるのだ。
クヌギとコナラは樹齢 5年程度の若木で、引越しで土から掘り返すのはこれで2 度目。植え替えした年は、生長するよりも、環境の変化に適応して、先ずは根付いて生き延びられるかが優先されるので、当年(来夏 ) は余り大きくならないかもしれない。引越しがなければ 5年物の木としてもっと大きくなっていたかもしれないのが残念だ。
引越し日は業者に依頼してあるので家財道具の大移動となる予定だが、それ以外にもやる事は山程あるので、多忙な日々は来月迄続くのだろう。

※参照記事
平成20年5月6日 雑記 庭でクワトープ
平成20年6月6日 雑記 庭でクワトープ その弐
平成20年7月5日 雑記 庭でクワトープ その参
平成20年7月12日 雑記 庭でクワトープ その四



平成20年12月19日 雑記 庭でクワトープ その六

シラカシ3.4m
今年の冬至は21日で、その直前になっているが今年の冬至は引越しのお陰でゆず湯にのんびり浸かっている余裕は全くない予定だ。18日には一気に引越し業者に荷物を運んで貰ったのだが、小生の多趣味が祟って屋外にある荷物まではまだまだ到底手が回らない。屋外の荷物で運んだのはまだ生き虫と番犬と番犬に付随する物だけだ。これだけでも結構な作業だった。虫用具やら椎茸の原木やら仕切り用ブロックやらVWの部品やら車いじり用工具やら…、数え上げたらきりがなくて頭が重くなってしまう。

クワトープの話に移ろう。3.4m と3.1m のシラカシを入手して植えた。 1本は裏庭へ、もう1 本は門の脇で一番表にだ。シラカシはスダジイと同じで冬になっても葉が茂っているので、庭のちょっとした目隠しとして良い雰囲気を出してくれる事だろう。早く大きく育って貰いたいものだ。それに将来夏になれば樹液を流して虫を呼ぶ事だってあるだろう。シラカシが 3mにもなると、幹の太さは清涼飲料水の缶を超えるようになっている。もう3〜5 年もするとなかなかの木になるかもしれない。
庭をシャベルで掘っていたら、巨大なカエルが土の中から落ちて来た。どうやら冬眠を邪魔してしまったようなので、庭の端に穴を掘ってまた土の中に帰してやった。帰す時に手に持った感じではシャベルで掘った時に怪我はしなかったようだ。良かった。極寒の上に熟睡していたのだろうか。動作は生きているのが分かる程度に非常に鈍くて、小生が手に取ろうとした際に逃げようとする素振も見せていなかった。

以下は広辞苑からの引用だ。(去年と全く同じ内容)
とう‐じ【冬至】
二十四節気の一。太陽の黄経が270度に達する時で、北半球では、正午における太陽の高度は一年中で最も低く、また、昼が最も短い。太陽暦では12月22日頃。日南至。<(季)冬>⇔夏至。
巨大なカエルが冬眠中



平成20年12月30日 雑記 もう一つの虫(VW Bug)趣味 その壱

まだまだ全ての荷物を運びきれておらず、引越し作業は続いている。この調子だと正月三が日一杯は掛かりそうだ。当然の如く新居の荷物の整理すら儘ならない状態だ。

そんな仕事の合間を縫うように引越し作業で忙殺されている日々でありながら、何故かネットで車を探している自分がいた。住居が替わる事だし、心機一転の気分だったのだろう。1964年式VWのレストアを板金専門ショップに依頼してもう直ぐ丸6年になるのに、未だに作業に取り掛かって作って貰える見込みが感じられなかったのだ。 「もういい加減に乗りたい車に乗りたいものだ。この調子で行くと下手をすると乗りたい車に乗れない儘にガソリン車時代が終わるとも限らない。安い足VWでも探してレストアが完了するまでの繋ぎにでもしようか。」と、ぼんやり考えながらPC画面を眺めていた。今年は大きな節目になる出来事が世界を襲った。金融恐慌に端を発した100年に一度と言われる歴史的な世界景気の減速事件と原材料価格の暴騰、この事件に伴って世界的な省エネへの動きとエネルギー・システムのパラダイム・シフトの思想が、小生のささやかな旧車趣味をも恐怖に陥れたのは言うまでもない。
すると手頃な価格のOvalがこの目に飛び込んで来たではないか。その結果、引越し作業で忙しい中、更に追い討ちをかけて忙しさに拍車が掛かることになった。その1956年式Oval を買ってしまったのだ。レストアを依頼していた'64年式VWが小生が求める状態にレストアされる費用と、その'56年式VWを入手してまともに走るようにして更にセミ・レストアを加えて仕上げる総費用を天秤に懸けて熟考した。'56年式VWを購入して、仮に'64年式VWを土に戻したとしても、弾いた算盤の辻褄が合ってしまったのだ。それに、残る車は誰が何と言ってもあの憧れのOval なのだ。この車に出会わなければ自分がOval に乗るなんて今まで考えもしなかった事だ。幾らVW が外車の中でも安い方だと言っても、日本では何せ超稀少、超太古な車のOval である。だから買うとしたらそれなりのお金も必要だった。少なくとも平行輸入車がじゃんじゃん日本に上陸したバブル経済時代前に街を走っているOval を見るのは、それこそ大海でシーラカンスに出くわすのに等しかったであろう。

題名の虫(Bug) についてであるが、ビートル(Beetle: 甲虫) という呼び名は日本での呼び名であって、アメリカでは日本のビートルに当たる愛称はバグ (Bug: 単なる虫 ) である。因みに本国ドイツではKafer (ケーファー) で意味は同じく虫、ブラジルではFusca (フスカ ) で、これも意味は虫 ?
入手したOval は'56年式で、ボディーもシャシーも'55年8月にドイツ本国で製造されたアメリカ仕様車である。アメリカで38年間を過ごした後に日本に'93年 (平成5年8月 ) に上陸。小生に引き取られる前は埼玉県の某所で停まっていた。このVWは今年50歳になった東京タワーよりも年を食っている。
相場よりも安い旧車の例に洩れず自走出来ないので(苦笑)、購入前の下見も含めて合計3 回も埼玉県の某所に足を運ぶ事になった。入手前から板金専門ショップと作業内容と段取りの手筈までをも取り決めておいて、当のOval の輸送はキャリア・カーを自分で借りてショップまで運転した。小生は何と情熱的で大馬鹿な男なのだろうか。いきなりショップまで運んだのは、自走出来ないと名義変更が出来ないからである。車を入手したはいいが、不調なエンジンが掛かってもブレーキが利かずに自走出来ず、まだ当分自宅に持って来れる当てがない。もう10年以上もVWに乗ってない。早く名義変更もしたい。妻は口癖のように「ブレーキが利かないで走らない車が○○万円。」と、小生に口酸っぱく迫っている。そこで小生は妻に「高い金を払って丸1日もかけて幾つも乗り物に乗れない○○ズ○○ラ○ド (某遊園地 ) が好きなのと同じだよ。価値観の違いだよ。」と、応戦。
ところで、レストア依頼を止めた'64年式VWをどうしよう。土に戻すには勿体無い。
1956年式 Oval



1964年式ビートル





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