虫日記 平成19年 前期





平成19年1月13日 飼育 ムシモンオオ サルディニア島産 CBF1

ムシモンオオクワガタ Dorcus musimon Gene 1836 (イタリア・サルディニア島 Sardinia Island Italy β系統 CBF1 )

F5 の雌と別系統の雄を平成18年10月13日に投入し、飼育容器底面マット中に18個の卵を確認したので平成18年10月25日に親を別容器に移していた。見えていた卵で孵らずに土に戻ったのは1 個のみであった。細いものの2 本の材も入れてあるので、穿孔している幼虫もいるかもしれない。従って幼虫は20 頭以上はいるだろうと予想していた。
仕事柄連休とは完全に無縁の年末年始と引越し作業で最近はなかなか虫の世話に手が回らなかったが、やっと時間が出来た今日は、今迄纏め飼いほったらかし飼育に甘んじていたムシモン幼虫共を個別飼育へと切り替えるべく、親虫の投入から使っていた飼育容器を漸く暴くことにした。トクノシマコクワ、トカラコクワ、オキナワヒラタ、オキナワノコギリ、オオクワ共の餌交換も兼ねていたので、作業は昼から始めて終了したのは真っ暗闇の17時半頃であった。幸い日中は風のない晴天で温かかったが、15時を過ぎた辺りから弱い西日になったので頗る寒かった。1 月らしい天気であったが、この時期の屋外作業の寒さは骨身に凍みるものだ。
ムシモン幼虫は19 頭の終齢を得た。飼育容器底面で見えていた卵とほぼ一致する数であった。真っ暗で時間切れになったので、雌雄の判別もせず、2本の材も割らずにマットで軽く埋め戻した。

■今日の収穫
β系統 CBF1
終齢幼虫 19
合計飼育個体 20
ムシモンオオの終齢幼虫



平成19年1月14日 飼育 カブト幼虫 千葉県横芝産 F2

カブトムシ Allomyrina dichotoma septentrionalis (千葉県横芝産 F2 自己採集からの累代 )

11 月下旬にやろうと思っていて未だにほったらかしなっていた屋外コンテナのカブト幼虫共を掘り返して総数を把握することにした。産卵数と投入された幼虫数から100 頭以上はいるだろうと予想していたのだが、結果は大外れの53 頭とかなり少な目であった。理由は分からないが、かなり淘汰されたものだ。50 頭を残して元の林に返そうと考えていたのが、全くの肩透かしであった。しかも小振りが多く、終齢初期や中には亜終齢も1 頭いる始末であった。これら小振りの個体は9 月に産卵された集団だろう。
カブトムシは冬になる前の11 月頃には幼虫として最大近く迄成長しているのが普通である。蛹化前の春先は成長を補う程度でもう大きくはならない。現時点で亜終齢と終齢初期の個体は、この儘屋外飼育を続けた場合無事に成虫になれるのかが甚だ疑問である。これらの個体は試しに成長促進の為、室内飼育へと切り替えることにした。
林へ返すのなら是非とも欲しいと幼稚園の園長さんに言われていたので、33 頭を残して20 頭の幼虫を長女と長男が通う幼稚園へ進呈することにした。

■今日の収穫
千葉県横芝産 F2 カブト幼虫
53 頭
里子で20 頭を進呈
合計飼育個体 33



平成19年1月15日 飼育 ニジイロ クイーンズランド産 CBF1

ニジイロクワガタ Phalacrognathus muelleri (MacLeay, 1885) (H18.11.19入手 オーストラリア・クイーンズランド産 CBF1 つがい )
12月になってからは室内飼育で13 〜 23℃にて管理しており、雄は1 日を通して18℃以上であれば摂食行動が見られている。一方の雌は、12 月上旬頃迄は次第に摂食しなくなって時々産卵木を齧っているような音が聞かれていた。しかし、それ以来は全く活動している気配がなく、低温下での冬眠・越冬をするとは聞いていないニジイロクワガタだけに、生死が心配になっていた。雌が死んでしまっているにしても幼虫がいないものかと、飼育容器底側面を時々観察していたが、幼虫がいる気配は感じられていなかった。今日は雌の生死と産卵の有無を確かめるべく容器を掘り返してみた。
飼育容器をひっくり返すと、底に固詰めされていたマットが割れた中からあっさりと雌が出て来た。冬眠・越冬かどうかは分からないが、とにかく寝ていたようだ。今年になって新居へ引越してからは以前よりも安定した温度管理を続けられるようになっている。起こされた刺激でひょっとしたらこれから雄と同じように活動を続けるかもしれない。越冬向けに小さい容器へ移そうかと考えて一旦は移したものの、早春の繁殖を考えてまた元の産卵セットに戻すことにした。産卵木が取り出しただけで崩れてしまう程軟らかくなっていた。手で全て崩してみてニジイロクワガタの幼虫がいないのを確認した後これはカブト幼虫の餌にした。そして、産卵セットにはしっかりした材を投入しなおした。

■今日の収穫
なし
ニジイロクワガタ 雌



平成19年1月29日 雑記

筋力トレーニングを始めて早1 ヶ月が経とうとしている。3 日坊主で終わらないのには我ながら感心しているところだ。2 日か3 日に1 回の割合で懸垂、腹筋、背筋、腕立て伏せを続けている。脚力は10 代の時にかなり頑強に鍛えられていたので特には手を掛けない方針だ。と言うのは、高校生の時には自宅から学校まで片道22km の道のりを自転車漕ぎしていたのだ。下肢が発達していたので大学時代には後姿を「洋梨」と形容された程である。お蔭で大人になってから定期的な運動らしい運動をしていなくても、今でも大腿から臀部の造りは逞しさを保っている。(と、勝手に自分で思い込んでいる)

少々前置きが長くなったが、今年は木登りを極める年と決めている。「平成18年12月31日 雑記」で述べたように今年の採集目標を達成するには、木登りをする為の筋力トレーニングが必須であると考えた。千葉県では大物は広く薄く(非常に薄く ) 棲息している。千載一遇の機会に洩れなく捕獲する為には、運良く見つけられた棲息場所で根気強く木登りをしまくるしかないと判断した。実際、千葉県で有名なショップの採集人さんの採集記を読んでいると、大物採集時には必ず木登りをしているように見えるのだ。それだけではない。どの採集記を見ても大物を樹液採集する場合はほぼ全ての例で木登りが必要であるように見受けられる。歩いて行って直ぐ目の前の樹液場にいるのを鷲掴みしたというのは、稀少中の稀少な事例ではないだろうか。それこそ、広大な土地に広葉樹の台木が豊富にあって、且つ採集者も少なく棲息場所が荒れていないという、今では完全に有り得ないような環境がないと、そんな僥倖に恵まれる可能性は望めないのではないだろうか。
小生が少年時代に偶然にも大物の棲息場所を発見した時も、たまたま木に登った際に下からは見えない洞に巨大な顎が覗いているのに気付いたことがその契機となっているのだ。詰まり、木登りをしないならば、広く非常に薄く棲息しているような種は、たとえ或る林にいたとしても、その棲息が人に気付かれないという可能性が大いにあるのだ。

まだそれ程日数を重ねた訳ではないが、何気に筋肉が付いて力強くなったような気がしている。それだけでなく、風邪を引き難くなったという予想外の効果も得られている。定期的に心肺機能に負荷が懸かることで免疫力が活性化されているのだろう。虫採りとは無関係に続けたい習慣となりつつある。
過去に約20 年程前にも夏の海水浴に向けて筋力トレーニングをしたことがあった。あの頃は夏までの半年間であったが、意外に続けられて成果があったものだ。当時も今も雌を相手にするということが共通点であるが、それがヒトなのか虫なのかという大きな違いも持ち合わせている。あの頃は無垢で若かった。



平成19年2月1日 飼育 アマミコクワ 奄美大島名瀬朝戸産 F5

アマミコクワガタ (原名亜種) Dorcus amamianus amamianus (Nomura, 1964) (奄美大島名瀬朝戸産 F5 幼虫 )
平成18年11月29日に続いて生死の怪しい個体がいたので掘り出してみた。去年の秋から蛹室を作って蛹化待ちと思われた個体であったが、幾らなんでももう蛹になっていてもいい時期である。ところが容器壁面から僅かに覗ける穴から見える様子がどうもおかしいと判断した。皮膚色が蛹でも前蛹でもなさそうであったのだ。掘り出して蛹室を割ってみると死亡して硬くなった前蛹が転がり出た。
15 頭いたF5 幼虫は割り出し時に潰した個体とその後死亡した個体で減少を続け、とうとう残り6 頭になってしまった。まだ1 頭も羽化に至っていない。今年何頭が成虫になってくれるだろうか。繁殖にかなり苦戦してしまって増やせないでいる。

■今日の収穫
α系統F5 幼虫
死亡 1頭
合計飼育個体6 頭
前蛹の屍骸



平成18年2月3日 飼育 コクワ 福江島産 WD

コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (富江町長峰(福江島)産 α・β系統 WD H19.1.25 採集 雄36mm 1頭 雌 未計測 4頭)
コクワ 雄 36mm
コクワ 雌
新たに五島列島福江島産のコクワガタを雄1 頭、雌4 頭で入手した。全て材割り採集された天然個体達で、どれも別の材に入っていたようなので系統(母虫 ) も別であると考えられる。従って、雌の数だけ系統を分けられるが、増え過ぎて飼育困難になるのは避けたいので、繁殖させる際には2 系統に統合する予定だ。今の時代、材割り採集であるのが気に掛かるが、小生は採集場面を見ている訳ではないし、マナーのない方法で実施されたと言い切れるものでもないので、ここでは材割り採集の是非を問うことは避けることにする。

同産地ではゴトウヒラタが棲息している。ツシマヒラタとも本土ヒラタとも区別されている亜種であるが、その分類方法には常に物議が付きまとっているのではないだろうか。同産地はヒラタが亜種になるだけ古くから島として隔離されていたとしたら、コクワの場合は亜種にならないまでも、大変に興味をそそる産地である。しかし、かなり大胆な言い方であるが、もし、五島産コクワが本土コクワと何ら変わりがないとしたら、ゴトウヒラタは亜種と言うよりも本土ヒラタとツシマヒラタの交雑子孫と言える根拠の一つであるかもしれない。それは、島として永く隔離されたことでゴトウヒラタが亜種となったのではなく、流木により棲息範囲を拡大している節のあるヒラタに本土と対馬の間で遺伝子交流があった結果と言えなくもない。
話を戻して福江島産コクワについては、野外とは環境が違う飼育下ではあるが、形態及び生態面で何か発見があるかもしれないので非常に楽しみにしている。



平成19年2月17日 飼育 アマミコクワ 奄美大島名瀬朝戸産 F5

アマミコクワガタ (原名亜種) Dorcus amamianus amamianus (Nomura, 1964) (奄美大島名瀬朝戸産 F5 幼虫 )

2月1日に前蛹が死んでいた一件があるので、心配になっていた幼虫の中身を1 つ思い切って暴いてみることにした。この個体も2月1日に死んでいた幼虫とほぼ同時期から蛹室を作っていて、昨秋から永らく容器側面から中が全く見えない状態であった。幾らなんでも、もう蛹室内で新成虫が鎮座していても不思議ではない日々が過ぎている。または、2月1日と同じように死んで干乾びた幼虫の屍骸を再び見ることになるのだろうか。
今日はオキナワヒラタのWF1 幼虫の餌交換をするついでである。ついでであるにしても、先ずは一番最初にアマミコクワの幼虫を掘り出すことにした。容器外から見えていた通りに蛹室が作られていた。その中に背を上にした脂肪で黄味掛かった中位の大きさの幼虫が現れた。丸まっていたのでまだ前蛹にすらなっていなかったのだ。失敗した。前蛹になっていれば人工的な蛹室に入れて管理すれば問題はない。だが、まだ幼虫と言える状態であるのだから、この後またマット内を動き回って再び自力で蛹室を作ろうとするだろう。蛹室を作る際には大量に体液を吐き出すので、一旦蛹室を作った後にまた作り直すとなると、体液が足りなくなって上手く蛹室を作れないかもしれない。それどころか、体力を消耗してしまって蛹化不全か羽化不全を起こす可能性が高くなってしまったと考えられる。縦しんば運良く羽化迄漕ぎ着けたとしても、矮小成虫になること請け合いである。
非常事態に急遽、蛹室の残骸を元に人工的に蛹室を作り直して幼虫を入れてみた。しかし、気に入らないのか数十分後には幼虫はマット奥へ潜って行ってしまった。予想通りの展開であるが、蛹化・羽化不全迄も予想通りにはなって欲しくないものだ。小さくても良いから無事に成虫になって貰いたいものだ。
アマミコクワ 雄(H18撮影)

■今日の収穫
α系統F5 幼虫
変わりなし
合計飼育個体6 頭
アマミコクワ 雌(H17撮影)



平成19年2月19日 ポイントTKI021907 その他 探索

勤務外の仕事が溜まりに溜まって精神的ストレスの極致にあって切羽詰まっている。そのせいなのか、最近はどうも目先の手作業に逃避する傾向を否めない。そんな今日は仕事が休みで、やらなければならない宿題は後回しにして自宅近辺を探索することにした。なかなか疲れが取れないし煮え切らない気だるい気分が続くので、この際は逃避行動に没頭しようと思う。
ここは地元のような場所とは云えども、今年の1月から引っ越して来たばかりの新居なので、虫に関しての周辺の状況はまだまだ把握し切っていない。新たな発見を求めて廻ってみるのはいつでも楽しいものだ。

自宅から歩いて3 分程の所に、この地域でも珍しい皀莢 (サイカチ ) Gleditsia japonica の巨木がある。「平成18年11月7日 11時 21℃ ポイントTG110706 採集」でも述べたが、新居が決まって近辺を子供と散策した平成18年8月18日には、早速このサイカチでカブトが採集された。地面に落ちているカブトの屍骸を見る限り、この1 本でもかなりの個体数を賄っているように思えた。今の時期は葉が落ちて丸裸になっているので、樹皮や洞の状態をよく観察することが出来る。今見ると真夏に考えた程は洞や樹皮捲れがある訳ではなく、大物が潜めそうな隠れ家は残念ながらなさそうだ。だが、殆ど自宅のような場所でカブトが採れるのだから、子供への絶好の教材であるし、贅沢なんぞは言ってられない。文句なしにこれは憑いている。いいや、子供の教材と云うよりも、小生の一番の遊び場になりそうだと云うのが本音か。
真夏のサイカチ
真冬のサイカチ
サイカチの葉
アラカシ
サイカチのある公民館の敷地内にアラカシ Quercus glauca がある。10歳位の木だろうか。まだ樹液を出した痕はないようだが、日当たりは悪くないし大きさとしてはそろそろ虫を集めるような木になってもおかしくないようだ。建物の出入り口に一番近い場所に生えているので、スズメバチでも集るようだと切られてしまうかもしれないのが残念だ。
シラカシ Quercus myrsinaefolia とアラカシの両者は小生のような素人には区別が難しく間違え易い。知らない人は写真で見比べただけではどちらがどちらだか分からないだろう。常緑カシ類には他にも、アカガシ Quercus acuta、イチイガシ Quercus gilva、ウバメガシ Quercus phillyraeoides、ウラジロガシ Quercus salicina、ツクバネガシ Quercus sessilifolia と種類が豊富だ。そもそもどれもよく似ているようで、ドングリも皆そっくりだし、樹齢や環境条件によって葉や樹皮に同じ木とは思えないような変異がある。どの樹種も条件さえ揃えば樹液を出して虫を集めるように思える。
過去の虫日記中で小生が記した常緑カシ類は全てシラカシとしているのだが、今になって見直してみるとアラカシであった場合が多分にあると考えられる。九十九里平野では、恐らくシラカシとアラカシを見る頻度は同じ位だ。樹液を出して虫を集める能力と虫の隠れ家となる樹皮捲れが出来る頻度はアラカシの方に分があるような気がする。
アラカシは棒ガシとも呼ばれて、西日本でシラカシの少ない地域では生垣に使われることがある。アラカシの幼木を1 本我が家の庭に植えてみようと思う。完全な虫馬鹿である。
以前から通勤途中で気になっていたポイントTKI021907 屋敷周辺林 を歩いてみた。ほぼ私有地と思しき場所に入ることになるので気が引ける。人に会ったら先ず挨拶を忘れてはならない。と言っても、旧屋敷周辺の雑木林なので全く人目が気になることはなかった。
ここは幾つか旧屋敷が並ぶ、周辺がなかなかの大きな雑木林になっている。遠目から見ても虫の発生場所が豊富にありそうで、横芝の例に倣うのなら大物が発生し得る環境が残っていると踏んでも良いのではないか。虫が集まるような樹液場を見つけようものなら、普通種なら捕まえるのに全く苦労しなそうな雰囲気である。
ところが、行けども行けども虫をもてなす樹液場どころか、目当ての樹種すら見当たらない。予想通りに確かに幼虫発生場所が豊富にあることは分かったのだが、成虫が捕まりそうな場所を見つけることが出来ない。きっと昔だったら住宅街となっている近隣は畑になっていて雑木林もあったことだろうと想像出来る。そうだとしたら、樹液場もそれなりにあっただろうし、大物も難なく採集出来た場所だったのかもしれない。そんな想いを巡らせながら歩くがどうしても良い木が見つからない。
重なる広葉樹の朽ちた材


蛍がいそうな湿地
ハコヤナギに似た木


ハコヤナギに似た木の樹皮捲れ
車で移動してもう一箇所の気になる場所に行ってみた。先程の場所から少し離れているが同じ地区と言っても良く、甲虫が飛翔して行き来する範囲だと考えられる。
畑の前に車を停めてカメラを手に木を見上げていると、ここは私有地ではないだろうに畑と民家に近いからか、農作業中のような軽トラックで通り掛ったおじさんに徐行しながら睨まれた。この周辺の方だろうから出来れば挨拶したいところだが、徐行して去ったのでそのまま観察を続けた。
林に近づいた際に鳥が飛び去ったような音がしていたのだが、奥に行ってみるとそれは鳥ではなかったことに気づいた。意外な獣だった。この地域にも野兎がいたようだ。元々野生だったのか、飼われていた個体が逃げて野生化したのかは分かる術がないが、毛並みと色からして野兎であることは間違いなさそうだ。大昔ならニホンオオカミ、二昔前なら鳶や野良犬がいたろうに、この地域では野兎の天敵はヒト以外には考えられないのが不思議なところだ。生態系では、現代のヒトを除いては、天敵のいない生物はいない仕組みになっているのだ。
この場所では収穫があった。虫を集めそうな樹液を出し得る木が見つかったのだ。「平成18年9月23日 16時 ポイントYT092306 採集」でも述べた樹種不明の木で、ハコヤナギ (ヤマナラシ ) か同属のセイヨウハコヤナギ (ポプラ ) と思しき木である。樹液の具合は夏場にならないと未知ではあるものの、なかなかの樹齢の木が数本あって、ヒラタなら入りそうな樹皮捲れが何箇所か見られた。

野兎



平成19年3月3日 飼育 ハチジョウコクワ 八丈町産 WD 他

3月3日は雛祭であるが今年初頭は引越しで何かと慌しかったので、納戸から雛人形を出す間もなく今日を迎えてしまった。今日も本棚を整理していた程だ。運良く仕事が休みだったので、日中は子供らを自転車で遊ばせた後は、今春から長女が通うことになっている小学校へ連れて行って、滑り台やらぶらんこやらで遊ばせた。雛祭らしいことは雛霰を食べたことだけか。小学校へ行ったのは、実は近隣の植生を見に行きたかったというのが本音だったりする。相変わらずだ(笑)。言い訳はこれ位にして虫の話に移ろう。
今年の例に洩れず、今日も暖房が要らないような3月上旬らしくない温かい日になっている。日付は予定よりもよっぽど早いのだが、去年中に子孫を得られずに気になっていた種類、又はつがいを中心に、屋外休眠越冬体制から室内へ持ち込んで今年の繁殖の準備をすることにした。室内飼育に切り替えたのは以下のつがい或いは雌単独である。今年は是非とも頑張って増えて貰いたいものだ。

・ハチジョウコクワガタ Dorcus rectus miekoae (Yoshida, 1991) (八丈町産 β系統 WD 雌 未計測 2頭 )
・ヤクシマコクワガタ Dorcus rectus yakushimaensis Tsuchiya, 2003 (鹿児島県屋久島麦生産 WF1 雄H18.9.1取り出し51mm、雌H18.9.1取り出し、未計測 )
・ミシマコクワガタ Dorcus rectus mishimaensis Tsuchiya, 2003 (鹿児島県大隈諸島三島村黒島産 β系統 F3 H18.6羽化 雄 35mm、H18.4羽化 雌 26mm )
・コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (H18.9.18 自己採集 ポイントOS092405 九十九里平野産 WD 雌 未計測 )
・ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (九十九里平野産 ポイントOS092405 H18.9.16 自己採集 WD 雄52mm 雌31mm)



平成19年3月6日 雑記

啓蟄だ。昨日は九州各地で25℃を超える夏日となり、北陸から北海道に掛けては平年より14〜15℃も高い日となった。新聞紙上では「春の嵐」と銘打たれ、日本全国で秒速30〜35m の強風が吹き荒れた。例年なら丁度今頃が春一番の時期なのであるが、今年の春一番は約3 週間前という信じられない早い日に春のお告げとして来てしまっていた。故に昨日の「春の嵐」は「春二番」の如しだ。一体どうなってしまったんだろう。今後毎年のようにこんなことが起こるとしたら、異常気象が進んでいる証と言えるのかもしれない。

さて、今日は夜勤明けで千葉県中央博物館へ行って来た。啓蟄という日を意識して相応しい活動をしようと心掛けていた訳ではなく、全くの偶然だ。去年からいつか行こうと度々思っていたのだが、やっと実現した。ここへ来れば、千葉県産クワガタの一通りの確かな情報が得られると踏んでいたからだ。
夜勤明けで草臥れた気だるい体に鞭を打って車を運転して千葉市の中心へ向かった。今まで博物館の場所は千葉文化会館の近くだろうと勝手に思っていたので行ってみると、やや的が外れていたようだった。青葉病院、青葉の森の入り口近辺であった。病院、公園、博物館らの建物は全て新しいので、ひょっとしたら小生の見当はまんざら間違いでもなかったかもしれないが、今更どうでもいいことだ。
入館料は大人で300円という良心的な料金で、一旦出てしまっても券があれば再入館出来るとのことなので有り難い。ざっと館内の地図で確かめた後、クワガタに行く前に凡そ館内を見廻った。農村と里山の今と昔の比較、漁業、地学、千葉県の気候、歴史、化石、公害問題と大いに勉強になった。平日の為か概ね静かで落ち着けて大変に良かったが、途中、幼稚園の団体が小生の後を追うように押し寄せて来たので、興味のある場所ではじっくり読まずには気が済まない小生にとっては、聊か気が散る場面もあった。
千葉県産クワガタが勢揃い
本命のクワガタ標本コーナーへは一番最後に来た。お楽しみは最後まで取っておくといった感じだ(笑)。ところが、行ってみると予想していたよりも数が少ないのには僅かながら気分が萎えた。他にもないかともう一度周囲を見渡して歩いてみたが、やはりこれだけだ。所蔵はもっとあるだろうに、同じ種類でも比較用にもう少し多くの個体を展示して貰いたいものだが、クワガタ専門でもあるまいから仕方のないところだろう。
千葉県は他県と比べると絶対的に種数が少ないのは明白である。西日本程も温かくないし、標高も房総でたかだか400m そこそこである。熱帯性のクワガタはヒラタとネブトのたったの2 種のみで、ヒラタは一般には採集が難しく、ネブトは今までに2・3例しか採集例がない幻のクワガタである。その幻のネブトの標本が展示されていたのは大収穫であったので、これだけでも今日来た甲斐があったというものである。
標高が高い場所がないことが災いして、千葉県は本土でヒメオオクワガタが分布しない唯一の県である。非常に残念である。その他、勿論、高山種と言われる種もいないし、今日の博物館での確認でアカアシクワガタも分布しないことがはっきりした。いないと思っていたのだが、インターネットでアカアシを匂わす情報が流れたことがあったので、確かめてみたかった事項だ。
ミヤマクワガタは全てサト型(フジ型)のようだ。オオクワガタは34 年も前の標本で雄は大きくない中歯の個体だ。雌雄とも同じポイントで同じ日に一緒に採集されたようだ。今でも環境が残っていて棲息しているのだろうか。スジクワガタは3 個体共全て小さく、全体的に赤味掛かっている。雌は直ぐにスジクワと同定出来るが、雄は採集時にコクワ極小個体との区別に苦労しそうだ。その場でデジカメで写真を撮って拡大してみれば問題ないだろう。ヒラタは小生が大体分かるポイントで採集されたようだ。標本はどれも50mm に満たない個体だ。内心、自分の採集した個体と比べて優越感に浸っていた。一人博物館内でほくそ笑んでいるおじさんがいる光景は、やはり変人の証なんだろうか。

その他気になったところは、ホタルの分布で横芝が抜けていたのが気になった。毎年横芝でホタルを見てるぞ。博物館の資料と言うより、保護団体の初期の資料であるから仕方のないことか。その他、タヌキの分布図で大網白里町近辺では絶滅となっていたが、小生は去年、大網白里町でタヌキを見ているぞ。話すと長くなるので端折るが、辛うじて僅かながらに残っている里山に、僅かながらの自然が残っているのだ。だからこそ残された場所を大切にしたいものなんだが、一体どうなるのだろう。
次に来る時は家族連れで千葉県中央博物館を訪れようと思う。子供にもなかなか良い教育になりそうだ。
幻の千葉県産ネブトクワガタ



平成19年3月9日 ポイントTT030907 探索

アラカシのどんぐり拾い


冬でも樹液を出すアラカシ
午後に時間が空いたので幼稚園から帰って来た3 歳の長男を連れて車で行ける範囲を廻ってみた。6 歳の長女は誘ってみたものの、炬燵に入ってテレビを見ている方を選んだ。親離れに少し寂しい気分だが、長男はこれからだし、まだ赤ちゃんをやっている次女も今後に控えているので、子供の世話はこの先当分掛かるだろう。
とにかく長男と車に乗ってその辺を流してみた。すると、大当たり!(多分) 凄い場所を見つけた。もう大物を捕まえた気分になってしまった。捕らぬ狸の皮算用とは言ったものだが、この林を見ているとどうしても夢が大きく広がってしまう。今回は、幼虫発生場所、成虫の樹液場、棲み処の3 拍子揃ったポイントを開拓したと自負したい(笑)。ヒラタのいるポイントTT010106 「平成18年6月29日 21時 25℃ ポイントTT010106 他 採集」 にかなり近い場所で、そこから車でゆっくり走っても5 分以内の所である。植生と雰囲気からここにもヒラタがいるのはほぼ確実だと踏んでいる。但し、人の手で大変よく整備されている場所のようで、落葉は少ないし甲虫の屍骸も直ぐには見つけられなかった。何がいるのかは夏が来てのお楽しみである。
この林の樹種は、中程度のハルニレ(春楡) Ulmus davidiana var. japonica が多数、中程度のコナラが数本、アラカシ Quercus glauca の巨木(シラカシかもしれない ) が数本といった具合である。その他、欅やら楠が多数でよく手入れされている木が殆どだ。何よりも樹液痕と洞、捲れのある木もよく目に付き、そんな贅沢な場所なのに誰かに荒らされている形跡が全くないのが素晴らしい。そうかと言って、幹に網を絡めた痕跡が1箇所認められるので、採集圧が全くないという訳でもなさそうだ。アラカシの巨木に至っては、冬のこの真っ只中で樹液を出している木がある程の贅沢振りだ。今までに見たことのないハルニレの大きな台木もあり、しかも樹液痕も見られる。九十九里平野で虫を集める状態の台木を小生は他に知らない。本当に贅沢だ。こんな環境のあるこの林に大物がいなければ、この地域に大物はいないと断言したい。もう夏を待ちきれない。
ハルニレの台木



平成19年3月12日 ポイントTT030907 他 探索

春の芽吹きで林が鬱蒼とする前に、気になる木の冬の裸状態を観察するべく今日は一人で出撃した。夏に向けて今の内に大物の棲み処となるだろう洞や捲れの場所と状態を徹底的に把握するのが目的だ。今年こそは今迄の悲願を何としても果したいものである。

■ポイントOS092405 田圃脇クヌギ並木
気になる全てのクヌギを登ってみた。引越しの転機に入手した脚立は大変に重宝した。5.4m の玉網の使用感も確認してみたが上々である。林の中で玉網と脚立を抱えた長靴姿のこの親父は独り武者震いしている。やはりこれは変人の証なんだろうか。
林の奥に紛れもない現在進行形の幼虫発生木を見つけた。15 m はあるだろうでかい立ち枯れで、幹は大人が抱えきれない太さだ。所謂カワラタケやヒラタケと言った、はっきりとした子実体は生えていないものの、表面は茸の菌糸が張り付いていると言った感じの色で中は適度に朽ちていそうだ。他にも大きな生木が点在しているので、部分枯れには事欠かないだろう。ポイントが開発により消滅、或いは侵食されない限りは、今後も永らくここで幼虫が発生してくれるのだろう。しかし、今の生態系が維持されるには、周辺も含めてヒトが近付かないことが必須条件だと考えられるので、意識的に環境が保護されなければ農村の退廃と共に永続は難しいかもしれない。
ところで本題だ。新たに発見した捲れを含めて、9箇所の棲み処に相応しいと思しき洞と捲れを確認した。やっぱりここは素晴らしい林だ。しかし、去年取り逃がした大物の棲み処と目される捲れのみは、足の置き場のない、恐らく8m の高所にあって辿り着いて覗くことが出来なかった。これは大捕物劇になった際の唯一で且つ最大の禍根である。昨夏はそこに棲んでいたんだろうから。もう少し下に降りて来た所にある洞に転居してくれることを祈りたい。その洞は一昨年の棲み処なのだ。但し、それでも洞の入り口は直径3cm程で中は深そうなので、雌の場合は潜られたら諦めるしかなさそうだ。相変わらず戦う前から状況は厳しいと想像する。

■ポイントTT030907 ハルニレ、アラカシ巨木
一昨々日に長男と探した林だ。一人で木々を見ていると、前回見えなかった物が良く見えるようになっている。小生も人の親なんだろう。どうやら子供が同伴していると、大分注意が子供に行っているようだ。
てっきり1 箇所だと思っていた網の絡みつく採集痕は、実はあちこちに沢山あった。きちんと片付けていない事から、これは近所の子供の仕業だろう。林床ではノコギリとカブトの屍骸の部品を幾つか確認した。一番大きなアラカシの4m 程の所に、小さな蛇なら入れそうな大きさの洞とその直ぐ隣に直径4 cm 程で虫に丁度良さそうな洞があった。今の時期ですら樹液の匂いがする格好の棲み処である。どれも中は深く、潜り込まれたら引き摺り出すのが困難そうだ。直径4 cm の方の洞は諦めるしかないかもしれない。早く夏が来ないかな。



平成19年3月19日 雑記

樹液場にオオクワがつがいでへばり付いており、即座に雌を右手で鷲掴みして採集した。何とも言えない幸福で全身が包まれた瞬間である。そして、眠りから目覚めてこの至福の感覚は夢であったと悟った。今年は同じような夢をもう1 回見ている。



平成19年3月20日 ポイントCWI032007他 探索

健康優良クヌギが多い
通勤途中の千葉市内の或る地域を廻ってみた。この辺は千葉市で最も多く緑が残されている貴重な地域で、あちらこちらで昔ながらの谷津田を見ることが出来る。纏まった林が多いだけにクワガタを採集する場所が絞り難いという、皮肉な程に贅沢な地域だ。場所が絞り難いのは緑が豊富にあるというだけでなく、クヌギやカシの大木があったとしても、何故か樹液を出す雰囲気ではない場合が多いのである。何にも虫が喰っておらず樹皮がすべすべの健康優良木ばかりの林もよく見掛ける。大木になるシラカシもよく見つかるのだが、残念なことに樹液痕のある木を未だに見たことがない。この雰囲気からして、この辺でヒラタにお目に掛かることはまずないだろう。
台地を下った九十九里平野よりも気候が若干涼しいのが原因なのだろうか。九十九里平野で雪が降らなくても、北総台地には雪が積もるということは、大昔からよくあったことだ。これは植生の違いにも表れており、谷津田を囲む雑木林の高台斜面でイヌシデが自生している光景が目立っている。温帯や暖帯由来であるカバノキ科のイヌシデは、九十九里平野には全く見られない。そんな環境だからこそ、千葉市産ミヤマクワガタが採集されることがあるのだろう。今年は千葉市産ミヤマとスジに出会いたいものだ。千葉市でミヤマを採集出来るだろうか。スジは棲んでいるのだろうか。

■ポイントCWI032007 クヌギと栗林
山奥に多くの幼虫発生場所があると考えられる地域だ。1本のなかなか立派なクヌギと隣に栗林があるポイントだ。クヌギには部分枯れともう一方の太い枝にはクワガタが入りそうな直径4cmの洞があるので、夏場に何がいるのか見に来たいと思う。

■ポイントCWI032007 クヌギ林
中位のクヌギが群生する林で、電柱クヌギばかりという程に日当たりが少ない訳ではないのだが、ここでも樹液痕がなかなか見つからない。シラカシの大木とクヌギが沢山あるので、ひょっとしたらクワガタが沢山いるかもしれない。

■ポイントCWN032007 クヌギ林
雑木林のところどころに中位のクヌギが多く見られる。広葉樹の太い立ち枯れもほどほどにあるので押さえておきたい場所だ。
部分枯れのある立派なクヌギ



平成19年3月28日 飼育

ニジイロクワガタの雄は去年に入手して以来、ぼちぼち餌を食べ続けている。しかし、一方の雌は1月15日に寝ているのを確認した以後も活動する気配は未だにない。
3月3日に屋内へ持ち込んだ5 種では、ヤクシマコクワ、ミシマコクワ、関東ヒラタらの雄のみが活動を開始している。一番早かったのは、ヤクシマコクワ雄51mm で、次いで関東ヒラタ雄52mm であった。
クワガタの越冬・休眠からの活動開始は、雌よりも雄の方が早いというのが共通点のように見えるのだが、雌の中でも餌を食べている個体がいるようだ。雌は単に餌を食べたら直ぐに隠れてしまっているだけかもしれない。
屋外と屋内に関わらず全ての飼育個体の容器を確認してみた。活動開始時に乾燥か飢餓が原因で死んでしまうのを防ぐ目的で、餌の交換・追加とマットへの水分補給を兼ねている。屋外越冬群ではコクワガタの中に、温かい日には餌を食べている個体がいるようで、餌にマットが附着して減っていることがある。まだ本格的に活動を開始しているようではなさそうだ。
屋内飼育の幼虫達では、リュウキュウコクワとヒラタに蛹室を作っている個体、前蛹となっている個体が何頭か見られた。これらの個体は早ければ4月下旬、遅くとも5月中には羽化していることだろう。



平成19年4月1日 飼育 関東ヒラタ 九十九里平野産 WD

ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (H18.9.16 ポイントOS092405 自己採集 九十九里平野産 WD 雄52mm 雌31mm)

屋外休眠態勢から室内飼育に切り替えて1ヶ月近くが経った。雄はほぼ毎日観察するのだが、雌が活動しているのをまだ見たことがない。餌を追加するついでに飼育容器底面を覗いたら1 個のみだが産卵が確認された。餌の減りは良いので姿が見られないまでも雌も摂食したのかもしれない。



平成19年4月1日 20時 18℃ ポイントTT030907 採集

ここのところ3日間は気温が上昇しており、日中は20℃を超えているし夜間も15℃以上は維持している。桜も満開だ。今日は昼夜で風が吹いていて体感としてはそれ程温かくないのだが、気温は一番高いような気がする。初クワを拝める可能性を期待して、真冬でも樹液を噴いているポイントTT030907 ハルニレ、アラカシ巨木 へ行ってみた。
樹上約4m のところでコクワに見える甲虫のような虫が歩いているのが見えたが、どんどん登って行って視界から消えてしまったので、はっきりと同定することが出来なかった。この日付でコクワを樹液採集したとなれば、ちょっとした自慢になるだけに(笑)、残念だった。他には蛙を多数観察したのみだ。

■今日の収穫
コクワ ?



平成19年4月3日 飼育 ムシモンオオ サルディニア島産 CBF1

ムシモンオオクワガタ Dorcus musimon Gene 1836 (イタリア・サルディニア島 Sardinia Island Italy β系統 CBF1 )

3月28日に全ての飼育個体の容器を確認したと書いたが忘れ物があった。ムシモンオオの幼虫だ。しかも昨日何気に見たら、全てのプリンカップ内が著しく乾燥してマットがからからだった。非常にヤバイ。幸い落ちた幼虫はなかったものの、もう少し遅かったらと考えると冷や汗ものである。水の加減が分からないので、昨日と今日の2日間で様子を見ながら加水した。幼虫の成長を促す目的で、部屋で一番暖かい天井近くに置いていた為か、成長だけでなく乾燥も早かったという訳だ。気をつけなければならない。
ところで、幼虫の中にはそんな過酷な環境下で蛹室を作って前蛹になっていた個体が2 頭いた。恐らく雌なんだろう。乾燥する前から蛹室を作っていたかもしれないが、よく耐えたものだ。水分を奪われて大分縮んだかもしれない。
20 頭いた幼虫は10 頭を捌いて、現在は残り10 頭を飼育している。
乾燥したマットに水を足す



平成19年4月4日 雑記

寒気を伴った気圧の谷が日本を覆った為、4月2日から曇天と真冬のような低い気温が続いている。最低気温は3〜4℃、最高気温はせいぜい10℃程度の日々である。驚いたことに、今日仕事から帰宅途中に北総台地から九十九里平野へ下りる途中で雪が積もっていることに気付いた。雨が土砂降りになっていたものの、雪が積もった後で道路脇がシャーベットで覆われたようだった。雪が降り積もったのはこの辺の一部の地域だけだったようだが、やけに寒いと思ったがこれで納得した。東京でも降雪があったようだ。暖冬であれだけ雪が降りもしないし積りもしなかったのに、4月に入って既に桜が咲いている状況下での話だ。季節外れのこの真冬のような寒さの御蔭で、今年の初クワがかなり遠退いてしまったのは確実である。やはり近年は暑くない夏、寒くない冬、季節外れの雪と言ったように、めりはりのない気候が続いているんじゃないだろうか。早過ぎる春もこれで緩和されるだろうが、とても複雑な気持ちだ。



平成19年4月10日 飼育 カブト幼虫 千葉県横芝産 F2

カブトムシ Trypoxylus dichotomus septentrionalis Kono, 1931 (千葉県横芝産 F2 自己採集からの累代 )

今日の気温は 8〜20℃だ。もうこれからは真冬のような気温にはならないだろう。1月14日から室内飼育で成長促進を図っていた亜終齢と小振りの終齢幼虫を約3ヶ月経ったので屋外飼育へ戻すことにした。これ以上室内に置いておくと屋外飼育組よりもかなり早く羽化するのではないかと考えたからだ。しかし、室内飼育の個体達は意に反してに余り大きくはなっていなかった。餌の喰いもゆっくりで糞だらけになっていた訳でもなかった。室内の一番暖かい天井近くに置いていたのに全く不思議だ。幼虫の大きさの大方は若齢時に決まるということなのだろう。1世代が丁度1年で終わるカブトを大きく育てるには、餌だけでなく温度も重要であるから、秋に産卵された個体が小さくなるのを防ぐには早い時期に温度調節するのが良いようだ。年が明けてしまってからでは遅いということだ。



平成19年4月12日 飼育 ハチジョウコクワ 八丈町産 WD 他

■ハチジョウコクワガタ Dorcus rectus miekoae (Yoshida, 1991) (八丈町産 β系統 WD 雌 未計測 2頭 )
3月3日から室内飼育にしており、活動している気配があるのは1 頭のみである。もう1 頭は一体何をやっているのか飼育容器を掘り返して確かめることにした。寝ていたことは寝ていたが永眠であることが分かった。ハチジョウコクワガタ 八丈町産 β系統は、今日から1 頭となった。生き残った雌にはなんとか産卵して貰いたいものだ。

■オキナワノコギリクワガタ Prosopocoilus dissimilis okinawanus Nomura, 1962 (H18.8 灯火採集 沖縄本島国頭村産 β系統 WD 雌 31mm )
3月3日には元気がないまでもまだ生きていたのだが、白い黴だらけになって死んでいるのを確認した。元気がないのは低温が原因だったとも考えられたのだが、マットから這い出た状態でのらりくらりしているような動きだったので、やはり寿命だったのだろう。越冬には失敗したのかもしれないが、寿命という点ではオキナワノコギリクワガタとしては大変に長かったと言える。どうせ越冬に失敗するのなら、室内飼育で餌も十分な環境下で寿命まで伸び伸びと生きて貰うのも悪くなかったんじゃないだろうか。未交尾と思われる野生個体だったので可哀相なことをした。またいつの日か別系統を入手するまで沖縄本島国頭村産 β系統は途切れてしまった。

■ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (千葉県横芝光産 ポイントYT092306 H18.?.? WD 雄 未計測 雌 未計測 )
去年は1個体も子孫を得られなかった産地である。越冬して生きているのかまだ分からないが、屋内飼育へ切り替えて様子を見ることにする。雌が生きていれば今月中には産卵し始める筈である。



平成19年4月12日 飼育 関東ヒラタ 九十九里平野産 WD

ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (九十九里平野産 ポイントOS092405 H18.9.16 自己採集 WD 雄52mm 雌31mm )

先日、雌が餌の周辺を歩いているのを観察した。餌交換のついでに飼育容器底面を裏から覗いてみると、最初に確認した卵が順調に育っているだけでなく、もう1個の新しい卵も見られるようになった。昨日は深夜21時〜2時頃の間で雌が木を齧る音が度々聞かれていたので、マット内よりも産卵木に卵が集中しているのかもしれない。
相変わらず雄は元気で動きが俊敏である。飼育容器を動かした位では潜って逃げずに威嚇を続けており、刺激をすると素早くその方向に大腮を広げて挟もうとしている。そして何かが大腮の間にあると分かった瞬間に強烈な力で挟む動作を繰り返す。

ヒラタには絶対に挟まれたくない。大人になってからクワガタに挟まれたことはないが、餓鬼の頃の思い出で挟まれて一番痛かったクワガタがヒラタなのだ。ヒラタは力が強いのは当たり前だが、他のクワガタと違ってなかなか放してくれないので性質が悪い。一旦力が緩んで放しそうになっても、また力を入れるという意地の悪い拷問風で、冷や汗が止まらなかった事を覚えている。放さなければ殺してしまうという手もあったが、子供ながらに(関東の ) ヒラタは珍しいのが分かっていたので、冷や汗をかきながら耐えたのである。そうは言っても、確かコクワでも同じように耐えてたっけ(笑)。小さいヒラタでも同じく痛い。勿論、血が出る。絶対に挟まれたくない。挟まれたら、口でふうふう吹くと放すとか、水に漬けてみるのが良いと聞くが、大人になってからは挟まれて困ったことはないのでまだ試していない。
威嚇しながら隠れるヒラタの雄



平成19年4月12日 飼育 ヤクシマコクワ 屋久島産 WF1

ヤクシマコクワガタ Dorcus rectus yakushimaensis Tsuchiya, 2003 (鹿児島県屋久島麦生産 WF1 雄H18.9.1取り出し51mm、雌H18.9.1取り出し29mm )

雄は早い内から活動していたが、雌がはっきりと活動して摂食したというのはつい数日前からである。去年の秋に産卵セットにしようか迷った程なので、越冬後としては早い気がしないでもないが産卵セットに雌雄で同居をさせることにした。名前は格好いいけど、何せコクワなのでそんなに神経質になるまでもないだろう。もう十分に大丈夫だと思う。飼育容器は小さめのプラ・ケースに二次醗酵マットを底に固く詰めた上に産卵木を載せ、産卵木が半分隠れる位にやはり二次醗酵マットを軽く載せておいた。水分は中位。
ヤクシマコクワガタ



平成19年4月15日 飼育 オオクワ 千葉県横芝産 F2

オオクワ Dorcus hopei binodulosus Waterhouse, 1874 (千葉県横芝牛熊産 H17.11.3購入 H18.5.11羽化 F2 雄60mm、H17.7羽化 F4 雌 )

平成18年8月25日から雌雄を同居させていたが去年は採卵することが出来なかった。幼虫を採りたいので早い内から室内飼育へ切り替えることにした。屋外へ出していた状態では今のところまだ活動した気配はない。



平成19年4月15日 飼育 関東ヒラタ 九十九里平野産 WD

ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (九十九里平野産 ポイントOS092405 H18.9.16 自己採集 WD 雄52mm 雌31mm )

昨晩、餌切れを心配して余り夜にはやらない餌交換をした。約1時間後に餌を食べているかどうかを観察したところ、動きの悪くなっている雌を発見した。よく見ると右前翅の大部分が欠落しているではないか。雄に挟まれたようだ。一番大事にしている産地なので、かなり落ち込んでしまった。
餌交換が刺激になって雄が興奮しているところに雌が雄の目の前にいたのだろうか。ヒラタ雄の雌殺しは有名な話ではあるが、きちんと飼育環境が整っていれば極自然に雌雄の同居は可能だろうと考えていたが、こうなってはまんざら避けようのない事態も起こり得るということだろうか。或いは、越冬後にいち早く産卵しているし、元々全身が擦れている上に両中脚フ節の欠損もあるから、寿命が近くて弱っているところに雄の目の前で気に入られない動作をしたのかもしれない。
前翅の広い部分が欠損しただけでなく、周辺の腹部から体液も染み出ているので、この雌はもう長いことはないだろう。貴重な産地なので累代を続けたいから、沢山産卵していてくれていて、雌個体の子孫が何頭か採れることを祈るのみである。
雄に挟まれて弱った雌



平成19年4月26日 11時 27℃ ポイントTT010106 他 採集

今年初のヨツボシケシキスイ
1週間程前から九州や本州の温暖な地域では早くもヒラタとコクワの樹液採集例が聞かれるようになっている。小生も今年の初クワを求めて4月1日から気温が上がった日には仕事帰りにポイントに出向くようにしている。
今日は夜勤明け帰宅途中の午前中に何箇所か寄ってみた。

■ポイントOS092405 田圃脇クヌギ並木
クヌギの新芽が青々とした景色になっている。農家の田植えが忙しい時期のようで、あちらこちらで耕運機が動いていた。挨拶がてらに声を掛けてもいいのだが面倒なので林を廻るのは止めておいた。

■ポイントTT010106 コナラ林
樹液が出ているというよりも、一番良い場所で滲んでいるといった状態のところが少数あるのみだ。今年初のヨツボシケシキスイ Nitidulidae Librodor japonicus が見られたので、もう直ぐコクワが出て来てもおかしくはないと考えられる。

■ポイントTT030907 ハルニレ、アラカシ巨木
樹液場には蝿と蟻が集っているのみであった。今年初のスズメバチが樹液場で観察された。

■今日の収穫
なし



平成19年4月29日 飼育 アマミコクワ 奄美大島名瀬朝戸産 F4 他

以下のリュウキュウコクワとハチジョウコクワを室内飼育に切り替えた。
・アマミコクワガタ (原名亜種) Dorcus amamianus amamianus (Nomura, 1964) (奄美大島名瀬朝戸産 F4 α系統 H17.11.17購入 雄:平成16年12月羽化29mm、雌:平成16年12月羽化29mm )
・トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 α系統 WF1 H18.7羽化 雄33mm 雌29.8mm、28.0mm )
・リュウキュウコクワガタ Dorcus amamianus nomurai Mizunuma, 1994 (H18.7.5 自己採集 沖縄本島国頭村産 WD 雄 29mm 雌 25mm )
・ハチジョウコクワガタ Dorcus rectus miekoae (Yoshida, 1991) (八丈町産 α系統 H18.6羽化 雄 未計測40mm以上 雌 未計測 )

リュウキュウコクワからはマット内から亜終齢幼虫を1頭追加した。

■今日の収穫
リュウキュウコクワ
WF1 幼虫
亜終齢幼虫 1
合計飼育個体 8



平成19年5月5日 18時 22℃ ポイントTT030907 他 採集

今日はカブトムシ Trypoxylus dichotomus septentrionalis Kono, 1931 が捕まった。5月5日の子供の日に嘘のような本当の話だ。
少ないながらも既に開店している樹液酒場では、ゆっくりではあるが虫が増えていて、ヨツボシケシキスイとスズメバチの個体数が増加、5月3日にはシロテンハナムグリが観察された。そして、今日は未だにコクワを見ずに、早くも野外でカブトムシが発見されたのである。
コクワがまだ観察されていないことと、まだ幼虫をやっている我が家の飼育カブト達の成長状況を考え併せると、飼育個体が逃がされたのではないかと勘ぐらずには居られない。只、全体的には綺麗で磨耗している部分がなく、そこそこ元気なので新成虫にも見える。貧弱な成長度合いから、何かの間違いで極めて早く羽化してしまった個体とも考えられないものだろうか。カブトムシの新成虫であるなら、初期の白濁した排泄物の痕が腹部末端の排泄部に残っていることがあるが、これを確認することは出来なかった。又、右中脚の脛節が欠損している。体長は測っていないが角の小さい小型個体である。
昨日の最高気温が27℃、今日は30℃を超えている。採集時は22℃であった。夜中に蚊に刺されて痒い思いをした最初の日でもあった。

■今日の収穫
カブト 雄 1
子供の日に採集されたカブト



平成19年5月8日 飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F3 他

屋外飼育で越冬している虫達の餌交換をした。ぼちぼち夏日になる日がある為か、殆どの種類が餌を食べ始めている。全ての飼育容器の餌を交換か追加をした。去年から飼育している種類と数が大幅に増えたので、結構骨が折れる作業となった。冬眠に託けて餌や水やりの世話を怠けることが出来ない時期になってしまったようだ。
越冬で屋外飼育している虫達はコンテナに仕舞っているのだが、今年に入ってからどうも飼育容器それぞれに貼っているラベルの損傷が激しくなっているのに気付いていた。今日は、酷い物になると完全になくなって粘着材の痕跡程度しか残っていない場合も見受けられた。種名、産地名、採集日、割り出し日、羽化日を記した貴重な情報なのでラベルの損傷は深刻な問題である。困ったものだが、今飼っている虫共については、幸い小生の記憶の範疇に収まっていて、日付以外は思い出せている。日付が思い出せなくても、羽化日が夏だったのか秋だったのか位はなんとかなっている。
ラベルの損傷に気付いた当初は、屋外に出している為に結露が付いて、知らない間に小生が触って滲んでしまっただけかと考えていた。ところが、よく考えみるとこれはコンテナ内に散見されているナメクジの仕業であると結論付けられた。紛失したラベルの中には、飼育容器壁面に粉々になったラベルと思しき紙屑が張り付いているのである。ナメクジはコンテナの蓋の隙間から中に侵入するのだろうが、生き物を飼っているのだから、ナメクジ防止に隙間を塞ぐような行為でコンテナ内の空気の環流を妨げる訳には行かない。コンテナ内で飼う場合、ラベルはセロテープで保護するなりの対策が必要なようだ。面倒だが仕方がない。

以下の種類を屋外から屋内飼育へ切り替えた。

・トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 α系統 F3 雄43mm、雌29mm、27mm )
去年のマット内から幼虫が得られた。

・ムシモンオオクワガタ Dorcus musimon Gene 1836 (イタリア・サルディニア島 Sardinia Island Italy β系統 F5 雄 別血統 羽化日不明 未計測、雌H18.6.6羽化 未計測 )
去年の飼育材を鋸で切ったら終齢幼虫が出たが、残念ながら傷付けてしまって生かせなかった。

■今日の収穫
トカラコクワ
α系統 F4 幼虫
亜終齢幼虫 2
終齢幼虫 2
合計飼育個体 28 (H18.9の里子5頭は含まず)



平成19年5月10日 飼育 ハチジョウコクワ 八丈町産 F2

ハチジョウコクワガタ Dorcus rectus miekoae (Yoshida, 1991) (八丈町産 α系統 H18.6羽化 雄 未計測40mm以上 雌 未計測 )

4月29日に室内飼育に切り替えて間もなくして、頗る元気に活動していた雄が逆さまになって死んでしまった。樹皮や木の切れ端をふんだんに置いているのに、それらの隙間に巧い具合に落ちたような格好だ。羽化から1年未満で元気だったということと、越冬後の活動状態から事故死の可能性が高いように思える。非常に残念だが、何よりも心配なのはしっかり雌と交尾して子孫を残せているのかどうかということだ。雄の死に際にたった今雌が歩いているのが見えたが、それまで雌が活動していたのを観察していた訳ではない。交尾済みなら今月中には雌が産卵し始めるだろうから、1ヶ月間位は追加個体を入手するかどうかは様子見としようと思う。



平成19年5月10日 11時 26℃ ポイントOS092405 他 採集

昨日の東京の最高気温が28℃超え、小生は仕事だったので九十九里平野は計測しておらず不明であるが、職場での体感としては25℃は超えていたんじゃないだろうか。日勤に続けて夜勤だったので夜間に出撃出来なかったのが悔しい日だった。天気予報だと今日の午後には低気圧と寒気の為に降水確率が高くなっているので、昨日の今日ということで、夜勤明け午前の帰宅途中にポイントに立ち寄ってみることにした。そうでなければ、今晩は雨天で気温が下がる可能性が高いので、2日続いた7月のような暑い陽射しによって虫が出て来ていたかもしれないのに、また初クワ樹液採集が遠退いてしまう。
クヌギの樹上4m 辺りでコクワガタの雄 27mm を採集した。全体的に擦れた質感で前翅に闘争痕と思しき穴が空いている。間違いなく越冬個体である。見つけたのはこれ1 匹だけだったが、めでたい今年の初クワである。去年持ち帰っていた同ポイントの雌とつがわせるのに持ち帰ることにした。

■今日の収穫
コクワ 雄 1 (持ち帰り)
今年の初コクワ



平成19年5月13日 飼育 コカブト 九十九里平野産

■コカブトムシ Eophileurus chinensis chinensis (Faldermann, 1835) (H18.6.28 自己採集 九十九里平野産 WD 雌 )
マット内で越冬中に死亡していた。幾ら何でももう寿命なんだろう。この雌に食べられてしまったWF1 雄は喰われ損であった。

■コカブトムシ Eophileurus chinensis chinensis (Faldermann, 1835) (H18.6.28 自己採集からの累代 九十九里平野産 WF1 複数頭)
雄2、雌2が成虫越冬に成功していた。H18.9の羽化当初は雄3 雌4であった。雄 1 頭は交尾させようと母虫と同居させたが共食いされ、雌 4頭の内 2頭は越冬中に共食いされたと考えられる。体色は全て越冬前と変わらず赤茶色の儘だ。この体色は自然界では見られないと思うのだが、一体何が原因なんだろう。
これからはプラ・ケース中に纏めて4 頭を入れて飼育することにする。また共食いする可能性が非常に高いが、手間と場所の都合で仕方がない。この飼い方でF2 幼虫が取れるのかどうか物は試しだ。飼育方法はコクワを飼うのと全く同じ方法とした。容器底約3cm は微粒子クヌギ二次醗酵マットを固く詰めて、その上にコナラの産卵木を置いて半分位埋まるように粗めのクヌギとコナラ混合の一次醗酵マットを適当に載せている。水分は中程度。共食いを出来るだけ避けたいので転倒防止と隠れ家確保の為の樹皮を普段より多く散りばめておいた。



平成19年5月13日 飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F4

トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 α系統 F4 )

5月8日に得た幼虫4 頭の内3 頭が死んでしまったようだ。マット内で暴れて上に出て果てた幼虫、単に上に出て果てている幼虫、マットに潜って全く動かずに果てた幼虫となっている。飼育瓶の蓋を開けると、鼻を突く酸っぱい異臭が漂っている。酸欠による嫌気性菌による醗酵のようだ。幼虫にとっては醗酵による温度上昇とその後の酸欠による過酷な環境下に晒されたことになる。可哀想なことをした。いつもなら先ずは200cc のプリンカップに投入するのだが、今回は瓶飼育による好待遇の心算が裏目に出てしまった。蓋に空気孔を開けなかったのが敗因のようだ。
3 頭の幼虫全てはまるで今でも生きて動きそうな程に綺麗な死体であるので、念の為湿らせたマットを敷いたプリンカップの中に置いて様子を見ることにした。実は死んでいないという可能性も捨てきれないからだ。



平成19年5月13日 飼育 オキナワヒラタ 沖縄本島産 WD

オキナワヒラタクワガタ Dorcus titanus okinawanus (Krieshe, 1922) (沖縄本島大宜味村産 H18.7.5 自己採集 WD 雌 37mm )

越冬状況を把握しようと掘り出してみた。雌が産卵木内で死んでいるのを発見した。今のところこの産地の幼虫4 頭は無事に育っているので、上手く雌雄に分かれて成虫になってくれることを祈りたい。



平成19年5月14日 飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F4

トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 α系統 F4 幼虫 )

死んでいない可能性を捨てずに様子見していて良かった。彼らは運良く生きていた。仕事から帰ってプリンカップを覗いてみると3 頭ともマット内に潜っていた。死んだのではなく仮死状態だったのだ。昆虫の幼虫の中には、成長や生命維持に相応しくない環境下に晒されると発育休止で凌ぐ場合がある。即ち、成長するのに不都合な環境や、生きるのに不都合な環境の下では、発育を止めたり仮死状態になることで、環境が改善するまで消費エネルギーを最小限にして生き延びようという戦略を執るのだ。今回はその代表的な事例であろう。後は気になるのは、彼らにとってかなりの生命危機的重圧が懸かった筈なので、無事に成虫になった際に生殖機能や何かしらの不具合が出ないかどうかということが興味深いところだ。里子要員の個体に紛れないように管理して観察を続けようと思う。



平成19年5月14日 飼育 トクノシマコクワ 徳之島産 WF1

トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 α系統 WF1 H18.7羽化 雄33mm 雌29.8mm、28.0mm )

去年からいじっていない飼育セットを、雌雄を再び同居させる前に整理してみた。マット内から初齢幼虫を1 頭回収した。3 本あった細目の産卵木からは所々で削りかすが漏れている部分が見られているので、材中に幼虫がいるのはほぼ確実である。今日は夕方で時間がないので産卵木の検分は後日に回した。

■今日の収穫
初齢幼虫 1
α系統F2 合計飼育個体 3



平成19年5月16日 飼育 トクノシマコクワ 徳之島産 WF1

トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 α系統 WF1 H18.7羽化 雄33mm 雌29.8mm、28.0mm )

一昨日の続きで材を検分した。殆ど手で崩れるので楽だ。慎重に手とピンセットとニッパーを使って幼虫を割り出した。圧死させた個体は無しだ。取り出した初齢幼虫の内2 頭は孵化後間もない個体と思われ、身体全体が白っぽい。孵化時点で産卵から随分と日数が経っていた筈である。1 頭は孵化直後に亡くなったと考えられ、卵の形のように丸まって半ば縮んだ状態であった。

■今日の収穫
初齢幼虫 2 (死体で見つけた個体は含まず )
亜終齢幼虫 2
α系統F2 合計飼育個体 7



平成19年5月18日 飼育 関東ヒラタ 九十九里平野産 F1 他

ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (九十九里平野産 F1 自己採集からの累代 蛹 )
アマミコクワガタ (原名亜種) Dorcus amamianus amamianus (Nomura, 1964) (奄美大島名瀬朝戸産 F5 α系統 蛹 )

リュウキュウコクワ群、トカラコクワ、関東ヒラタが5 月上旬からぞくぞくと羽化している。前回の観察から1 週間程しか経っていなかったと思うが、その間に蛹室が崩落して埋没してしまった蛹が数頭いた。この儘放っておけば間違いなく羽化不全になるので、人工蛹室に移そうと考えて掘り出すことにした。
殆どの事例に於いて蛹室崩落の原因となっているのは、マットに混入しているみみずである。みみずが蛹室内に食い入ることで、地盤が緩んで蛹室が崩れてしまうのだ。どうしてみみずが混入しているのかと言えば、幼虫を取り出した際に環境変化を緩和する目的で一緒に成虫で使っていたマットも幼虫のマットに混ぜているからだ。成虫飼育に使っているマット内にみみずが入るのは、時に天然の土や産卵用の材も使っているからだ。天然の土や材を使う際には必ず電子レンジで加熱消毒をしているのだが、それでも線虫のような微小なみみずが紛れている場合がある。これはどうしようもないことなので、蛹室崩落による羽化不全を防ぐには、羽化時期には全くの放置飼育は避けて、定期的に観察するしかなさそうだ。そうでなければ、自己調達した天然材や土の使用は止めるか、加熱消毒をもっと強力にする必要がある。只、最近はマットや材、餌用ゼリーは纏めてショップから購入することが多くなっているので、近い将来にはみみずの混入が減るかもしれない。

因みに人工蛹室を作る際には、この世界でよく耳にする園芸用オアシスを使っている訳ではない。瓶やプリン・カップにマットを固く詰めて、指で押し固めて窪ませただけの簡易な人工蛹室で十分だ。体長を測るのにノギス、人工蛹室にオアシスといった小物は定番であるが、これらは職人気質(かたぎ ) で頑固(笑 ) な小生の肌には合わない。
みみずに破壊されたヒラタ雄の蛹室



平成19年5月18日 採集 22時 21℃ ポイントTT030907 他

曇天や雨天が続いて2日前は肌寒かったもののその後の日中は程々に暖かい日となっている。一瞬でも日が射すと暑い時期だ。沖縄は昨日梅雨入りしたらしい。今日はそこそこ風が吹いていて新規の虫の飛翔がないだろうが、夜になっても気温が下がらないのでポイントを巡回してみることにした。

5月10日に初コクワに出会って以来、徐々に個体数が増えているようだ。全身の擦れや大腮の磨耗、フ節取れ、闘争痕等のある越冬個体のみならず、越冬した新成虫らしき個体も混じるようになっている。クヌギの樹液はまだまだで、染み出す程度の木を1 本のみ確認した。そんな樹液場の状況で虫の数もまだ少ない。ハルニレはクヌギ・コナラよりもかなり萌芽が遅いので虫を集めるような木はまだ1 本も見当たらない。クワガタが活動しても不思議ではないような気温になってから半月以上は経っていると思うので、首尾良く樹液場が見つかれば「しめたもの」だろう。大物の越冬個体がいるのなら、それこそが狙い目かと思案している。

幸運にも初ヒラタを捕獲した。樹上4 m 辺りの洞に潜んでいたのを巧く採り出すことに成功した。写真は発見した時のまさにその瞬間の状況だ。黒光りする大きい雌だが、その質感から直ぐにヒラタと同定することが出来た。採り出しに約5 分の格闘を要する間、自分の同定眼の狂いに3 % 程度の期待を密かに込めていた。黒光りする大きい雌には、もう1 種類いるからだ。写真の中央よりやや左上がコクワの雄なので、この大きい雌の野外での雰囲気がよく伝わるのではないか。採り出してみて、連呼した。「絶対にヒラタだ。」「ヒラタ雌の新成虫ね。」「やっぱりヒラタだ。」「どう見てもヒラタだ。」「何度見てもヒラタだ。」「嗚呼、ヒラタだ。」と、連呼が止まらない。
一般には関東ヒラタは珍しいし、更に採集困難な雌なので大喜びは当然だが、同地域産の累代に成功しているので大きな感動はない。でも、時期的には早いし珍しい雌だし、やっぱり嬉しな。
体長を測るのを忘れていた。産卵セットを組む時迄お預けとしよう。大体35mm 強位かと思う。

■今日の収穫
ヒラタ 雌 1 (持ち帰り)
コクワ 雄 7 雌 1
今年の初ヒラタ



平成19年5月19日 飼育 コカブト 九十九里平野産

コカブトムシ Eophileurus chinensis chinensis (Faldermann, 1835) (H18.6.28 自己採集からの累代 九十九里平野産 WF1 複数頭)

雄2 雌2 の合計4 頭を同居させてから6 日が経った。共食いはしていないだろうか。心配である。飼育個体か野生個体の関係なしに甲虫の屍骸を見つけたら餌として与えようと考えている。
屋外で飼っているカブト幼虫の中に死にそうな個体がいた。育ちが悪く縮んだ感じでマット上に出て元気のない幼虫だ。こういう幼虫は放っておいてもいずれは黒ずんで死ぬのが常道だ。そこでこの死にそうなカブト幼虫をコカブトに与えることにした。生きた儘なので気が引けるのは当然だが、野生では当たり前のように日常的に起こっていることだ。弱い者が食べられるのは無駄になるのではなく、より強い者が生き残る為の糧になるのである。生命の営みはこの繰り返しだ。動物は生きる為に定期的に蛋白質の補給が必要なのである。小生も豚や鳥の肉を毎日のように食べているのだ。その肉になる鳥獣が食卓に上がるまでの過程を目の前で見てないので、感情に訴えられないだけの話だ。
カブト幼虫をコカブトの飼育容器内に置いて約1 時間後に覗いてみた。幼虫は元気がないのでマット内に潜りもせず、予想通りにコカブトの餌食になっている最中であった。今夏にコカブトのF2 幼虫が採れれば、この幼虫の死も意味を成す筈だ。
コカブト雄



平成19年5月26日 飼育 ニジイロ クイーンズランド産 CBF1

ニジイロクワガタ Phalacrognathus muelleri (MacLeay, 1885) (H18.11.19入手 オーストラリア・クイーンズランド産 CBF1 つがい )

室内で個別飼育しており、雄は活動し続けていたにも拘らず、雌は今までまるで生きているのか死んでいるのか分からない位に完全に眠り続けていた。1 週間程前から雌が餌を舐めた形跡が見られ(餌がマットで汚れているので )、2 日前からはどうも夜になると雌はマット上に出ているようであった。そこで、今日から雌雄つがいで同居させることにした。飼育セットの方法はコクワと殆ど一緒である。マット産みで上手く行くと多産するそうなので、水分はヒラタのように多目が良いのだろうか。マットをヒラタのように深くした以外は、先ずはコクワと同じようにして様子を見ることにする。



平成19年5月26日 採集 22時 21℃ ポイントTT030907 他

コクワ越冬個体


佇むヒラタ雄
日記には全てを記してはいないが、日中暖かくて夜間も気温が下がらない日は出来るだけポイントを巡回するようにしている。5月18日に初ヒラタを採集して以来、コクワを3〜5 頭見るのみでまるで進展がない日々であった。しかし、今日はコクワの数が増えているので良い感触だ。コクワが増えているのは確かだがほぼ全てが越冬個体のようで、顎擦れ、顎欠け、フ節取れ、闘争痕、全体的な磨耗等、何かしらの越冬した痕跡がどの個体でも見られている。コクワの新成虫が出て来るようになると、樹液場も賑わいを呈するようになるだろう。時期としては来月下旬辺りか。その頃にはヒラタの個体数が最盛期で、ノコギリやカブトも出始める時期だ。
ところで、今晩採集したヒラタの雄は、5月18日の雌 (33mm ) の時と同じようにピカピカの新成虫である。出始めの時期によく見られる、樹液が出ている場所とは無関係に木の幹で何もしないでただじっとして佇んでいる状態であった。鷲掴みするだけのらくちん採集だ。ノコギリでも言われることだが、このようなヒラタの雄は、羽化後に初めて活動を開始したところではないのだろうか。羽化後に本格的に活動を開始する前に、暫く発生場所近くで成虫がじっとしているという話だ。もし、そうだとしたら、このヒラタの幼虫発生場所は、この木の地下深くの根部ではないかと考えられる。
去年よりも約1 ヶ月早くヒラタを採集しているが、何も今年のヒラタの発生が去年よりも早いとは言い切れる訳ではない。今のところヒラタを採集している場所は今年に見つけた新規ポイントであって、今までのポイントではまだヒラタを確認出来てはいない。但し、それでもコクワの個体数から見ると、やはり今年は半月程度は早いのかもしれない。
当地域でもヒラタは元々個体数は薄いのだが、まだ少ないながらもヒラタの越冬個体が見られずに、立て続けに新成虫が採集されているということは、この地域でヒラタが越冬して生き延びることは極稀のように思える。

■今日の収穫
ヒラタ 雄 1 (38mm 持ち帰り)
コクワ 12 (雌 2以上を含む)



平成19年6月4日 飼育 雑記

越冬させる為に屋外コンテナで飼育していた虫共の餌遣り作業が馬鹿にならなくなって来た。5月の下旬頃からほぼ全ての種類が活動するようになっている。それまではコクワ共がちびちび餌を嘗める程度だったのが、今ではヒラタにオオクワにと大食漢共の餌喰いが本格的になり始めている。今日の最高気温が12時の時点で26℃だったが、屋外コンテナ内も26℃になっていた。当たり前だが外気温と全く同じだ。真夏には35℃なんて云う日もあるから、屋外コンテナで虫を飼えるのは時期的には6月一杯までかと予想している。福島県産のミヤマ幼虫やらアカアシ成虫やらがいるので、時期を見てこやつらを室内管理に移さねばならない。30℃を超えるのなら、その他の種類も同様だ。多分30℃を超えるんだろう。今年1月からの新居なので、贅沢にも空調を使った屋内飼育をするのに場所を確保する工夫をせねばならない。

5月8日にナメクジのラベル喰いについて触れたが、その後何も手を打たずに様子を見ていたら更にラベル喰いが進んだので、1週間程前の成虫の餌交換時にラベルをセロファン・テープで覆うようにした。大変に面倒な作業であったが効果は覿面でラベルが喰われることはなくなった。だが、産卵セットとして成虫を飼っているプラ・ケース内にナメクジが棲みつくようになっているので、大変気持ち悪く精神衛生上宜しくないことこの上ない。見つけ次第ピンセットで摘んで投げている状況だ。最終手段として、コンテナの底に塩を撒くことにした。これは妻の助言である。果たしてこれでナメクジの侵入が防げるのだろうか。他にはナメクジ駆除方法を思いつかないので、取り敢えずこれで様子をみようと思う。海から取れた天然塩1 kg 100円也だ。

殆ど忘れかけていてビニール袋の中でぼろぼろになっていた未使用産卵木があったのだが、今日はこれを整理することにした。整理と云っても何をする訳でもなく、只堆肥上にぼろぼろの材を捨てるだけだ。材を捨てようとビニール袋を開けたら、真っ白なゴキブリが飛び出して来た。珍しいなと眺めていたが、ふと記録として残そうと考えて急いでそのゴキブリをピンセットで摘んで再びビニール袋に戻して口を塞いだ。そして、面倒だと思いながらも2 階に置いてあるデジ・カメを取って来て撮影した。ゴキブリのアルビノだ。何か御利益があるのかな。
コンテナ内を塩でお清め

ゴキブリのアルビノ



平成19年6月4日 飼育 トクノシマコクワ 徳之島産 WF1

幼虫の割り出し
トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 α系統 WF1 H18.7羽化 雄34.3mm 雌30.5mm )

去年の暮れから成虫を越冬させてから手付かずの飼育セットと、その中に産卵されているだろう材3 本が入っている。漸く時間が取れたので割り出すことにした。材は殆ど手でぼろぼろと崩せたので、割り出しには特に道具は要らなかった。幸いにして1 頭も潰さずに割り出すことに成功し、初齢から初期の終齢幼虫まで全9 頭が得られた。
この雄34.3mm 雌30.5mm つがいからは、今のところ11 頭の幼虫が取れていることになる。雄33mm 雌29.8mm、28.0mm からは5 頭の幼虫が得られている。平成18年7月に羽化した親虫達を同年の9月から12月中旬まで約3 ヶ月間セットしていた訳だが、リュウキュウコクワとしては羽化から余り期間を空けず越冬もさせなかった割りには、まずまずの数の幼虫が取れたのではないだろうか。

■今日の収穫
初齢〜終齢幼虫 9
α系統F2 合計飼育個体 16



平成19年6月4日 飼育 カリヌラートゥスサビ 臺灣南投縣日月潭産 F5

カリヌラートゥスサビクワガタ Dorcus carinulatus Nagel, 1941 (臺灣南投縣日月潭産 F5 1♂ H18羽化)

平成18年10月15日に累代失敗が確定していた本種であるが、残った1 頭の雄は無事に越冬に成功しているのを確認した。身体に欠損部位はなく元気そのものだ。去年の飼育セット其の儘で飼っているのも何なので、この雄は小瓶に入れて飼うことにした。海苔の佃煮「ごはんですよ」の小瓶だ。念の為、飼育セットに入っていた産卵材をばらしてみたが何も得る物はなく、カブト幼虫共の餌になるだけだった。



平成19年6月4日 採集 22時 19℃ ポイントTT030907 他

日中は25℃程度迄気温が上がるものの夜間は15〜18℃に下がってしまう日々が続いていた。今日の日中の最高気温は12時で26℃であった。願わくば梅雨入り前に夜間23℃を達成して欲しいものだ。九十九里平野の虫状況は、この辺の温度が節目だと見做している。今晩の体感温度はまあまあの感じなので、5月26日以来の出撃とした。出撃前の時点で気温が19℃だったので余り期待はせずに車のステアリングを握った。

コクワの個体数と越冬成虫、新成虫の内訳は平行線のようだった。毎晩の気温が20℃を下回っている割には悪くない状況ではないかと考えられる。相変わらず従来のポイントで確認出来る種類はまだコクワのみである。5月26日にヒラタの雄を採集した木でまたヒラタの雄を観察した。この前と大きさはほぼ同じだ。このポイントで今年3 個体目のヒラタであるが、皆全て新成虫だ。ヒラタの越冬成虫にはまだお目に掛かっていない。今晩のヒラタ新成虫は何もせずに呆然と樹幹にへばり付いていたのではなく、樹液を嘗めているところだった。
全体的にクヌギ、シラカシの樹液が涸れ気味となっており、有望な木に大物が来ている気配は感じられなかった。

■今日の収穫
ヒラタ 雄 1
コクワ 雄 8 雌 1



平成19年6月5日 飼育 ハチジョウコクワ 八丈町産 F2

初齢幼虫が出た
ハチジョウコクワガタ Dorcus rectus miekoae (Yoshida, 1991) (八丈町産 α系統 H18.6羽化 雌 未計測 )

5月10日に雄が落ちて未亡虫になっていた雌がしっかり交尾済みであるのかどうかが大きな問題であったが、幸いにして亡くなった雄は子孫を残せていたことが今日確認出来た。1ヶ月程前からマット内を掘り進んだ痕が飼育容器外から見えていたので予想はしていたが、産卵材は雌によって激しく齧られており産卵欲が旺盛なことを示している。だが、産み始めのようで得られた個体はたったの3 止まりであった。今後に期待しよう。

■今日の収穫
卵 1
初齢幼虫 2
α系統F3 合計飼育個体 3



平成19年6月5日 飼育 リュウキュウコクワ 沖縄本島産 WD

リュウキュウコクワガタ Dorcus amamianus nomurai Mizunuma, 1994 (H18.7.5 自己採集 沖縄本島国頭村産 WD 雄 29mm 雌 25mm )

随分前から飼育容器底面で幼虫がいるのを確認していたが、運良く母虫による幼虫捕食は起きていなかったようだ。マット内から4 頭の幼虫が得られた。親虫も雌雄共採集時から変わらない位に元気だ。

■今日の収穫
リュウキュウコクワ
WF1 幼虫
亜終齢幼虫 1
終齢幼虫 3
合計飼育個体 12



平成19年6月5日 飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F3

トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 α系統 F3 雄43mm、雌29mm、27mm )

10日程前迄飼育容器底面で亜終齢位の幼虫が2〜3頭見えていたのだが、その後は姿が見えなくなっていた。母虫による捕食の可能性が頗る高いのだが、それでも何頭か幼虫がいるだろうと考えて飼育容器を暴いてみた。ところが、幼虫はどこにもいなかった。幼虫の黒くなった頭部と皮の残骸2 個体分がマット内に紛れていたのを見つけた。多分、母虫に食われたのだろう。折角なので、去年から使い続けて幼虫28 頭も得ている産卵材を割ってみることにした。中は幼虫の食痕だらけにも拘らずまだ全体的にしっかりしていたので、割らなければ産卵木としてまだまだ使えそうな雰囲気であった。そして、肝心の幼虫であるが驚いたことに1 頭も見当たらなかった。材の中が過密になると幼虫がマットに出て来るのかと考えていたのだが、そうではなかったらしい。過密になるから出て来る幼虫がいるのなら、材中に居残っている幼虫もいる筈だからだ。マットの質が悪くなければ幼虫は材とマットの区別なしに食い入るようだ。かと云って、マット内に産卵されていたことは今のところない。ばらばらになった産卵材はカブト幼虫行きとなるだけだった。

■今日の収穫
なし
α系統 F4 合計飼育個体 28



平成19年6月5日 飼育 関東ヒラタ 九十九里平野産 WD

ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (千葉県横芝光産 ポイントYT092306 H18.?.? WD 雄 未計測 雌 未計測 )

4月12日から室内飼育としており、5 月上旬頃には飼育容器底面で1 個の卵を確認していた。その後卵は順調に大きくなって孵ったようだったが、雌親による幼虫の捕食が心配なのでそろそろ飼育容器を掘り出すことにした。見えていた卵は1 個だったが、実際にはもっと幼虫がいるのではないかと考えていた。
ところが、得られたのは初齢幼虫1 のみでマット内には他に幼虫も卵も見られなかった。材は2 本入れてあるが、雰囲気作り程度の小さく堅い材なので、この中に幼虫がいるかどうかは可能性が低いような気がする。
雌雄とも動きはとても元気ではあるものの、フ節取れ、脛節途中からの欠損等が見られており、大分草臥れが目立っている。下手をするともう産卵しないかもしれない。今日得られた幼虫が無事に成虫になってくれるとして、雌個体になってくれると大変有難いのだが一体どうなるのだろうか。

■今日の収穫
初齢幼虫 1
WF1 合計飼育個体 1



平成19年6月6日 採集 20時 21℃ ポイントTT030907 他

日中の気温が28℃と最近では暑い日となった。夕方になっても21℃なので、仕事帰りに巡回することにした。前回と同じくどのポイントでも樹液が涸れ気味だ。しかし、今日は今年1 番の個体数を更新した。コクワは大き目の新成虫雄が多くなったような気がする。ハコヤナギでもコクワが付くようになっていた。今まで見過ごしていた樹種なので観察ポイントが広がった。ヒラタは前回と同じ木で同じ大きさの雄なので、多分同じ個体だろう。但し、前回のような目立つ場所ではなく、木の裏側下で枝に挟まれた狭い樹液場に隠れるようにして過ごしていた。顎を含めればこのヒラタよりも大きいかも知れないコクワの雄が同じ樹液場にいたが、場所としてはヒラタが優先的でコクワを押し退けて陣取っているような感じだった。よしよし、強いぞヒラタ!

自宅から歩いて1 分位(笑 ) の畑で2 本のシラカシを見つけていたので行ってみた。初めて行った時は昼間で、樹液を出しているシラカシにはなかなかの捲れと樹洞があって、一番目立つ樹洞ではミツバチが数珠なりに出入りし続けていた。ミツバチの巣となっているようだったので、昼間は近寄り難い。流石に夜にはミツバチは寝ているようで全く見当たらなかった。今晩は木を舐め回すようにじっくり観察することが出来た。コクワを3 頭発見、根の部分にはコカブトが尻だけ覗かせていた。手に取って雌雄の判別をしたかったが、触れると根の捲れにどんどん潜ってしまって逃げられてしまった。

先のポイントで採集した赤コクワ雄 20mm は、同ポイントでは今までに見たことがない赤で、裏も表も気持ち良い程に赤い。他の九十九里平野産コクワの中でもここまで赤い個体は見たことがない。同ポイントの未交尾累代雌がまだいないので、今年中にこの赤コクワの子を得ることは出来ない。幸い同ポイントの雌に産ませている最中なので、どうにかこの赤コクワには来年の初夏迄は生き延びて貰って、是非とも我が家で子孫を作って欲しいものだ。

■今日の収穫
ヒラタ 雄 1
コクワ 19 + 6 + 3 = 28 (雌 3以上を含む ) ( 赤コクワ 20mm 雄1 のみ持ち帰り )
コカブト 1
赤コクワ 雄 20mm



平成19年6月7日 飼育 アマミコクワ 奄美大島名瀬朝戸産 F5

アマミコクワ 22mm の雌 ?
アマミコクワガタ (原名亜種) Dorcus amamianus amamianus (Nomura, 1964) (奄美大島名瀬朝戸産 F5 )

死亡という最悪の事態にはならなかったものの、2月17日に予想していた通りの事態になってしまった。本個体は5 月中には蛹化していたと考えられたが容器外面からは蛹室が見えない状態であった。他のF5 個体では2〜3頭が5 月中に羽化していたので、思い切って掘り出してみることにした。マットを掘り返していると黒光りした成虫が出て来たので、無事に羽化していたのが分かってほっとした。マットの塊から落ちるとクワガタとは思えない速さで動き回っていて大変に元気だ。しかし、最初は何やら頭部が前屈気味で左前脚フ節が欠損している雌だと思っていただけだったが、手に取ってよく見てみると妙な頭部形状をしていることに気づいた。最初は頭部のみが雌雄モザイクになってしまったのかと考えたが、頭部形状と頭部に付属する各器官が幼虫の形状に似ていることから、蛹化不全を起こした雄であると結論付けた。全体の体型と質感は雄であるし、雌の特徴である頭部のドルクス瘤の痕跡が全くないことから雄であると判断した。
この個体は2度目の蛹室を作る為に体液を余計に放出し、蛹化する際に頭部器官を膨らませるに足る体液が残っていなかったのだろう。それでも蛹化は完了し、その後蛹は成熟してなんとか羽化出来たのである。頭部全体が未熟な儘の形状をした22mm の矮小成虫であるが、各器官は揃っているし、ブラシ状の口器官が上手く機能すれば餌も食べられるだろうから、そうであれば普通に生きられるのではないかと考えている。飼育者の不手際の為に可哀想なことをした。

■今日の収穫
α系統F5 合計飼育個体6 頭
幼虫顔のアマミコクワ雄



平成19年6月8日 採集 1時 ポイントMT090705

九十九里平野ではなく、北総台地側のポイントMT090705 畑内クヌギ並木 に行ってみた。採集の季節になってからは今年初の訪問だ。日中に気温が上がったので夜勤帰りの途中に寄った訳だ。クヌギの樹液はまだ出始めのような雰囲気で涸れた樹液場ばかりであった。観察されたコクワ7 頭の内3 頭はクリ1 本での実績であった。
今日は日中は暑く夜間も半袖で外にいても丁度良いという感じで、職場では今年初めて冷房が入れられた。だが、寒がりな小生だけは冷房環境下でカーディガンを羽織ながらの勤務であった。

■今日の収穫
コクワ 雄5 雌2



平成19年6月8日 採集 18時 24℃ ポイントCWI032007

ポイントCWI032007 クヌギ林 に行った。昨日と同じく仕事帰りで北総台地のポイントだ。樹液場はクヌギで1 箇所のみしか見つけられなかった。そこでは新成虫のコクワがつがいで熱々だった。雌は20mm 程の小型でかなり赤味が強かったが、6月6日の赤コクワ程ではなかった。
ミヤマ幼虫がいないものかと朽木をひっくり返したら食痕があったので、少し材を捲ってみたらコクワの亜終齢幼虫のような幼虫がいた。自分勝手なめでたい都合で考えるならスジクワの可能性も考えられるので(笑)持ち帰りたかったが、入れ物は車内に置き去りにしていて遠かったのでまたその幼虫は朽木内に埋め戻して持ち帰らなかった。又、それ以上材を壊すのは止めておいた。

■今日の収穫
コクワ 雄1 雌1
幼虫 1



平成19年6月8日 採集 20時 21℃ ポイントTT030907 他

餌場につがいでいるヒラタ


ヒラタ 雌の小型新成虫
いつもの木にいつものヒラタがいる限りいつもヒラタのボーズにはならないのが最近は嬉しい。今日はその木に雌も来ていた。前回と同じ餌場で木の裏側下で枝と幹に挟まれた狭い樹液場だ。今日はこの木で他にコクワの雄が3 頭いたが、ヒラタのつがいが一番良い場所を陣取っていた。
最初は前回より少し汚れて小さ目の雄に単に交代しているだけのように見えた。よく見ると腹部末端が微妙に丸まって交尾しているように見えた。狭い場所に逃げ込んでいるような体勢でよく見えないので、一旦その雄を採り出してよく確認してみようと考えた。雄と格闘していると雌の尻が見えるようになったが、小さい個体なのでコクワの可能性も考えられた。ピンセットで顎を摘んで引っ張ってもびくともしないので尻を刺激する戦法にしていたら、その内に雄は自分から前進して鷲掴み出来る場所まで出て来た。雄の採集欲は余り強くなかったので適当に掴んだのだが、それが小生の視点から見て木の裏側だったので雄にどこかに逃げられてしまった。幾らか手探りでごそごそやった後、直ぐに木の裏側に回って探してみたが、どこにも姿が見当たらなくなってしまった。巧く逃げられたものだ。
雌も雄同様に引いて駄目で押して正解で、首尾良く採集することが出来た。コクワの中型雌と同じ位の小さいヒラタの雌でぴかぴかの新成虫だった。仮に近所の餓鬼共がこの雌を捕まえたとしても、「なんだ小さい雌か。」とヒラタとは気づかれず、増してや「非常に珍しいヒラタの雌だから飼育して繁殖」という発想には至らないだろうから、速その場で投げ捨てなのは確実だろう。5月18日の初ヒラタで大型雌を持ち帰っていたので、この雌は一旦やらせ写真を撮った後また同じ樹液場に放してやった。

■今日の収穫
ヒラタ 雄 1 雌 1
コクワ 18 + 8 = 26 (雌 3以上を含む )



平成19年6月9日 飼育 関東ヒラタ 九十九里平野産 WD

ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (九十九里平野産 ポイントTT030907 H19.5.18 自己採集 WD 雌33mm )

「5月18日の初ヒラタで大型雌を持ち帰っていたので、」と、昨日採集したヒラタの雌は逃がしたのだが、全く皮肉なことに今日の餌交換で5月18日の初ヒラタ大型雌が事故死しているのを確認した。逆さまになっての悶死で、白い黴に撒かれている状態になっていた。。数日前には活発に活動していたので何かの拍子に逆さまになって起き上がれなかったのだろう。他の虫と同じように飼っており、転倒防止に樹皮も適当に入れてあったのに、本当に皮肉で残念な話だ。依りによって、どうして天然 大型 初ヒラタが落ちるのだろうか。日頃の行いが悪いんだろうか。
違うポイントだが同産地のヒラタの累代は心配ない程度に雌が増えているので、今後はわざわざこの産地の雌を採集してくるのは止そうと思う。初ヒラタだったから持って来たのだ。



平成19年6月9日 飼育 ムシモンオオ サルディニア島産 F5

ムシモンオオクワガタ Dorcus musimon Gene 1836 (イタリア・サルディニア島 Sardinia Island Italy α系統 F5、雄 H18.6.11羽化 26mm、雌 H19.5上旬羽化 23mm )

H18.8羽化のF5 雌が落ちてしまった。今日の餌交換時にゼリー・カップ内で逆さまになって死んでいるのを確認した。転倒による悶死だ。F5 で余っているのはH18.6.11羽化 26mm の雄 1 頭のみとなってしまった。この儘ではα系統が危なくなって来た。CBF1 β系統の新成虫で5 月上旬羽化の個体達は丁度活動を開始したところである。急遽、この中の23mm の雌をつがわせることにして飼育セットを組んだ。多分もう大丈夫だろうが、一応、活動後の餌喰い状況を観察してから同居させることにする。



平成19年6月9日 飼育 コクワ 福江島産 WD 他

・コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (富江町長峰(福江島)産 α・β系統 WD H19.1.25 採集 雄36mm 1頭 雌 未計測 4頭)
・ミシマコクワガタ Dorcus rectus mishimaensis Tsuchiya, 2003 (鹿児島県大隈諸島三島村黒島産 F3 H18.6羽化 雄 43mm、41mm、H18.4羽化 雌 28mm、28mm )

上記のクワガタが盗まれた。富江町長峰(福江島)産コクワの雄36mm と三島村黒島産ミシマコクワの雄 43mm の計2 頭だ。飼育セットを組んでいて、休憩しようと作業していたクワガタや資材は日陰に置いてその儘に、自室へ戻ったら3 時間も昼寝してしまった。戻ってみると作業場に置いてあった各個別容器が全て散乱していてマットがぶちまけられていた。不幸中の幸いで、雌5 頭は全て散乱していたマット中から回収出来た。午後5 時位の出来事で、作業場は自宅庭やや奥で隣には大きな物置小屋を設置してある。
どうして盗まれたと言い切れるのかと云うと、それはヒト以外の獣か鳥の仕業であることが否定出来るからだ。最初は近所の野良猫か烏(近所にはいないが ) の仕業ではないかと考えて、散乱していたマットと容器を片付けていた。落胆しながらも片付けながら考えた結果、以下の事からヒトの仕業で、しかもそれは近所の小学校中高学年生の仕業であることが推測出来た。

・2 頭の雄のみがいなくなっている。獣や鳥の仕業なら雌雄関係なく不規則にいなくなり、しかもクワガタの屍骸の部品がどこかに残る筈だ。
・物置小屋の入り口で蓋を開けて置いてあった飼育容器から大きな朽木1 本が容器の外に出してあった。これは、容器内から持ち上げて外に置くという動作でヒトにしか出来ない。(この辺の霊長類はヒトだけだ。)
・マットが入って置いてあった容器のみでその全てがぶちまけられていた。マットが入っていた容器のみという点と、その全ての蓋が開けられたという点は、ヒトの仕業以外にはない。
・きっかり雄のみいなくなっている。大人だったら雌も持って行くだろうし、物置内やコンテナ内も本格的にやる筈だ。
・小学校低学年生以下なら物置の中まで見たり触ったりしない筈だ。

従って、犯人はヒトで、大人ではなく、小学校低学年生以下でもない。我が家は新興宅地化している一角で、しかも、公園の真正面に位置する。小学校中高学年生はよく何人か公園でキャッチボールをしていて、我が家に入り込んだボールを取りに入って来ることがある。
又、近所の方々には余り言いたくなかったのだが、妻がよくある井戸端会議で「夫が虫をやっている」と、漏らしてしまったので、この界隈では小生がクワガタ・オヤジであることが知れている。
物置小屋は最初から鍵付きだ。こういう状況を考えると、これからは、物置小屋脇に置いてあるコンテナ4 台に鍵をする必要が出て来た。子供の仕業と云えども頗る胸糞悪い話だ。

ところで、ミシマコクワは一番大きい雄を失って残念だが累代に全く支障がない。しかし、富江町長峰(福江島)産コクワは雌4 頭だけになってしまってどうにもならなくなってしまった。困ったものだ。





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