虫日記 平成18年 締め





平成18年10月13日 飼育 コカブト 九十九里平野産 WD

コカブトムシ 雄

コカブトムシ 雌
コカブトムシ Eophileurus chinensis chinensis (Faldermann, 1835) (H18.6.28 自己採集 九十九里平野産 WD 雌 )

8月30日に左後脚が麻痺していた雌は、未だに健在である。WF1 の子達は9月上旬に羽化、中旬には活動を開始していた。雄3 頭、雌4 頭であった。コカブトとしては、全て小型のようである。親のWD雌と比べて大分小さい。
又、不思議なことに、WF1 のコカブト達は、皆、体色が黒ではなく赤茶色である。最初は、羽化後暫くは赤茶色でも自然であると思って見ていた。しかし、いつまで経ってもその体色は、濃くなることがなかったのである。活動を開始して1ヶ月以上経った今でも、体色が濃くなることはない。少なくとも小生は、天然個体でこんな色は見たことがない。一体どうしてこんな色になってしまったのだろう。幼虫時の餌が原因なのだろうか。それ位しか思い当たらない。餌は普通のクヌギ微粒子オガの二次醗酵マットだ。小型になってしまったのは纏め飼いの影響もあったろうが、餌が合わなかったというのも、体色の件と共に関係しているのだろうか。

ところで、天然個体の雌はWF1の7頭以来、全く産卵する気配なしに過している。この儘持て余すのは不甲斐ないと、WD雌から見て子であるWF1の雄を10日前から同居させていた。コカブトは、交尾させた方がその分よく産卵するらしい。遺伝的には非常に好ましくないので本当なら避けたいのだが、親子丼のつがいとしていた。ところが、思わぬ展開となってしまった。本日、何気に飼育容器を覗くと、WD雌が我が子であるWF1雄を食べているではないか。雌の餌と化した雄は、つい3日前の10月10日の餌交換の時点では、ゼリーを食べている真っ最中で元気そのものであった。即ち、小生が推測するに、WF1雄が自然死したとは到底考えられず、WD雌は生きた我が子であるWF1雄を襲って食べた節があると思われるのだ。コカブトは肉食性が強いことは周知であるが、何が興味深いかと言えば、元気な我が子を或る日突然に襲って食べてしまったという残虐性である。それも、柔らかい芋虫状の幼虫を食べたのではなく、立派な生きている甲虫を襲ったのである。
何はともあれ、雄は雌に襲われる前に、しっかりと交尾してくれたのだろうか。コカブトは幼虫では越冬せず、成虫で越冬すると言われているので、時期的には交尾するような季節ではない。それ故、雄は単に雌の餌食となって無駄に死んだ可能性が高いような気がする。いたずらに1 頭を死なせてしまったのだ。それとも、今、交尾したとして、雌が越冬後に産卵することもあるのだろうか。そうだとしても、WD雌を採集したのは今年の6月なので、幾ら何でも寿命が近いのではないかと思う。WF1 のコカブトは共食いを防ぎたいので、早々に越冬させるべく屋外コンテナに移すことにしよう。



平成18年10月15日 飼育 カブト幼虫 千葉県横芝産 F2

カブトムシ Allomyrina dichotoma septentrionalis (千葉県横芝産 自己採集からの累代 F2 )

クワガタ幼虫を割り出した朽木カスを上に捨てながら餌を足していたが、大食漢のカブト幼虫共らしくとうとう餌を喰い上がって、コンテナ内の餌の表面は糞だらけになって来た。表面の糞はまだ分解が不十分なようで木屑も豊富に混ざっているから再利用することにした。糞を取り除いて集めた後に擂り潰し、クヌギ一次醗酵マットを元の糞が2倍の量になるように混ぜて新しい餌とした。餌の腐葉土は、手掌でギュッと握って開いた時にボロリと崩れない程度に加水しておいた。
幼虫は大きな終齢から亜終齢迄、大きさは様々であった。流石に初齢幼虫は見当たらなかった。11月中旬頃になったら何頭いるかを数えようと思う。今期は50頭を残して残りの幼虫は林の然るべき場所へ放す心算だ。



平成18年10月15日 飼育 カリヌラートゥスサビ 臺灣南投縣日月潭産 F5

カリヌラートゥスサビクワガタ Dorcus carinulatus Nagel, 1941 (臺灣南投縣日月潭産 F5 1♂ 2♀♀ H18羽化)

10月11日に続いて本日も雌の死亡を確認した。容器底面に雌がいたので壁を叩いて刺激してみたが動かなかった。産卵セットに投入して1ヶ月近くになるので、ついでに容器を掘り出してみたところ、底面で見えていた雌は死んで数日経っているようなバラバラ死体であった。1ヶ月そこそこで産卵されているとは考え難い。最初に雌が2頭いたにも拘らず、本種は早くも累代失敗が確定した。またもや雄だけが生き残ってしまった。ツノボソオオクワガタの件も考え合わせると、台湾には呪われているとしか言いようがない。



平成18年10月17日 飼育 ムシモンオオ サルディニア島産 F5

ムシモンオオクワガタ Dorcus musimon Gene 1836 (イタリア・サルディニア島 Sardinia Island Italy F5、雄 別血統 羽化日不明 未計測、雌H18.6.6羽化 未計測 )

ムシモンオオ大当たり。産卵セットに未使用つがいを投入してたったの4 日目で、飼育容器底面に5 個の卵を確認した。虫を飼育する者の気持ちとして、理屈抜きで嬉しいことだ。爆産街道まっしぐらだろう。産卵セット投入後は、雌雄共に徘徊したり餌を食べたりする姿を見ることがない。待ってましたと言わんばかりに、交尾産卵に及んだのだろう。こんなに早い展開は、虫を飼育していて初めての出来事だ。一体何頭の幼虫が採れるのだろうか。



平成18年10月17日 飼育 コクワ 九十九里平野産 WD

コクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) (H18.9.18 自己採集 ポイントOS092405 九十九里平野産 WD 雌 未計測 )

採集に行くとコクワは沢山いるので、何となく雌を持ち帰っていた。他にも幼虫から育てたコクワが何頭かいるのだが、地元コクワということでこの採集個体を使ってみることにした。プラ・ケース小に投入してから数日間は餌を食べていたものの、その後は一向に活動している気配がない。投入してから3 週間近く経ったので掘り返してみたところ、マットの奥底で寝ているようだった。室内飼育なので、コクワにとって温度が低いとは考え難い。冬眠させて繁殖は来年にしようか思案中である。
プラ・ケース小で飼うコクワ



平成18年10月17日 飼育 リュウキュウコクワ 沖縄本島産 WD

リュウキュウコクワガタ Dorcus amamianus nomurai Mizunuma, 1994 (H18.7.5 自己採集 沖縄本島国頭村産 WD 雄 29mm 雌 25mm )

飼育容器の中に大きく立派なキノコが生えてしまった。余り気持ちの良いものではないので、キノコを取り除くついでに、9月14日に続いて1ヶ月振りに掘り出してみることにした。因みに、毎日飼育容器を覗いている限りは、キノコの子実体部分は、たったの1 日で傘を付ける迄に急成長したように見える。
雌雄共に元気であったが、雌の顎の片方に、磨耗の進行と開いた時の具合により疲労が見られるようになった感じだ。顎の開き方が左右対称ではない。産卵木に目立って新しい産卵痕は見当たらなかった。これが、今日の失敗に繋がった。幼虫はいないと決め付けて、その後、マットを掘り出しながら指で解していた。マット内の隙間を縫うように黴が繁茂するからだ。その内に腹部が潰れた亜終齢幼虫が手元にいるのに気付いた。後の祭りだ。この御蔭で今日丸1 日気分が優れなくなってしまった。
産卵木の中に幼虫が数頭はいるだろうと考えているが、実際に取り出して飼育しているのは、まだたったの3 頭だ。折角捕らえた天然個体なので、累代に必要な子孫だけは確保したいという焦りを感じている。この調子だと、多分、越冬して来年も産んでくれそうな気配はするし、長生きすると言われている虫なので、気にしないようにした方が良いだろう。

本日と前回の掘り出しで分かったことは、リュウキュウコクワガタはマットに産む場合もあるということだ。前回は、崩れた産卵木から幼虫が零れ落ちた節があったが、今回は、新しい産卵痕が見当たらないことから、マット産みの可能性が高い。或いは、顎に不具合を持った雌は、材を齧るのを避けて代償的に材とマットの間辺りに産卵したのかも知れない。
理由はどうあれ、リュウキュウコクワガタは、材産み専門と決めて掛かるのは止めた方が良さそうだ。今日からは、ヒラタに近い産卵セットに改めることにした。元々多産ではないと言われているので、1 頭でも多くの子孫を残して貰いたいものだ。

■今日の収穫
亜終齢幼虫1 (圧死)
飼育セット内に生えたキノコ



平成18年10月20日 飼育 ムシモンオオ サルディニア島産 F5

ムシモンオオクワガタ Dorcus musimon Gene 1836 (イタリア・サルディニア島 Sardinia Island Italy F5、雄 別血統 羽化日不明 未計測、雌H18.6.6羽化 未計測 )

産卵セットに未使用つがいを投入して本日で7 日目となった。飼育容器底面から観察される卵は17日の2倍となる10個である。後1〜2週間程したら卵が孵り始めるので、雌が幼虫を捕食するのを防ぐ意味で、1週間以内には成虫を別の容器に移そうと思う。爆産街道をひたすら走ることになりそうだ。



平成18年10月20日 飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F4

トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 F4 )

10月の8日と10日に取り出した数個の孵らなそうな卵は、残念ながら予想通りに土に帰るのみであった。産卵木を飼育容器から取り出して保存する際に、少量のマットも一緒にしていたにも拘らず、乾燥が進んでしまったことが原因だと考えている。マットへの加水を十分にしておくべきであった。
F3 成虫の飼育容器側面と底面で2個の卵が観察されていたので、回収するべく掘り出してみた。卵は見えていた2 個のみで、それ以外にはマット中から初齢幼虫1 頭を掘り出すことが出来た。2 本の産卵木には、産卵痕が増えているように見えた。多数の幼虫が回収出来そうな気配がするのだが、悠長に構えていると幼虫が雌成虫に捕食されてしまうかもしれない。但し、産卵木内の幼虫の場合は、マット中よりも生き残るだろうから、割り出しは成虫が活動しなくなる11月にする心算だ。

■今日の収穫
卵 2
初齢幼虫 1
F4 累計 9



平成18年10月25日 飼育 オキナワヒラタ 沖縄本島産 WD

オキナワヒラタ雄 30mm
オキナワヒラタクワガタ Dorcus titanus okinawanus (Krieshe, 1922) (H18.9.23 沖縄本島産 WD 雄 47mm、33mm、30mm、雌 31mm )

今年自己採集の雌2 頭は、何度か産卵セット内容を変えながら様子を見ていたのだが、結局は全く産卵する気配がなく夏を終えてしまった。本土ヒラタやコクワが産卵している飼育環境でも全く産卵しないことから、これらの雌は未交尾だとしか結論出来ない。野生個体では珍しいのではないだろうか。考えようによっては、未交尾だったからこそ、果実トラップに単体で飛来したのかもしれない。これが、亜熱帯ジャングルに棲むクワガタの生態の特徴なのかもしれない。
そこで、我が家のオキナワヒラタクワガタ雌共に産卵して貰うべく、同産地(地域 ) のオキナワヒラタを雌雄で入手した。天然個体で雄 3頭、雌 1頭だ。早速、自己採集雌と追加雄をつがいとして同居させて様子を見ることにした。室内温度はまだ最低でも20℃程度はあり、小生が在宅している場合はヒーターで25℃以上に加温している。11月中旬頃まではこうして管理しようと思う。今年中に幾らか産卵してくれると有り難い。



平成18年10月25日 飼育 オキナワノコギリ 沖縄本島産 WD

オキナワノコギリ雌 31mm
オキナワノコギリクワガタ Prosopocoilus dissimilis okinawanus Nomura, 1962 (H18.8 沖縄本島国頭村産 WD 雌 31mm )

オキナワヒラタ雄の入手に伴ってオキナワノコギリの雌も入手することが出来た。8 月に灯火で採集された個体ということだ。既に我が家にいる雌と同様に、なかなか魅力的な赤褐色の個体で、後代の色も期待出来る。
オキナワノコギリの雌は11月下旬まで灯火で採集されることがあるようなので、活動期間は本州の比ではない長さだ。オキナワヒラタと共に、今年中に産卵して貰いたいところだ。ヒラタと違って、ノコギリは越冬せずに寿命で尽きるだろうから、尚更頑張って貰いたい。これから産卵されて採れる幼虫達は、来年初夏までに羽化することはないだろうから、成虫として活動するのは早くて再来年の夏だ。本土のノコギリと違って、南西諸島のノコギリは、初夏までに羽化した個体はその年の夏に活動する場合があるらしい。現地の人に聞いたところ、実際に、沖縄でのノコギリの発生は、最初の第一波が6 月上旬頃、第二波が8 月下旬頃ということだ。即ち、一越した個体群は、本土ノコギリと同じように初夏から発生し始めて盛夏前にピークがあり、8 月下旬頃の第二波というのは、その年の初夏までに羽化した個体群である可能性が濃厚であるということだ。これは、本土で言えば、地域によって発生のピークが2 回あると言われているミヤマクワガタと同じようだ。
オキナワノコギリは、少数だが黒化型もいるようだ。我が家の雌から黒も出るのだろうか。黒い個体は黒からしか生まれないのだろうか。もし、赤に混じって黒い個体が稀にでも出るのなら、その黒個体から累代された子孫はどうなのだろうか。興味が尽きない。



平成18年10月25日 飼育 ムシモンオオ サルディニア島産 F5

ムシモンオオクワガタ Dorcus musimon Gene 1836 (イタリア・サルディニア島 Sardinia Island Italy F5、雄 別血統 羽化日不明 未計測、雌H18.6.6羽化 未計測 )

幼虫を見た訳ではないが、飼育容器底面の卵が孵化し始めているのだろうか。空いている産卵座が見られるようになっている。それにも拘らず、飼育容器底面から見える卵の数は、20日の10個から増えて18個になっている。母虫による幼虫の捕食を避けたいので、成虫を別の容器へ移すことにした。1ヶ月経ったら、マットを暴いて幼虫を採り出そうと思う。尚、マットにほぼ全体が隠れるように埋めてあった産卵木2 本には、雌が齧った痕が数箇所あった。この数箇所に何十個も産んでいるとは到底思えないので、ムシモンオオは軟らかく良く朽ちた材か、条件が良ければ醗酵マット ( 我が家では微粒子クヌギ二次醗酵マット ) に産卵するものと考えられる。
累代に十分な幼虫はもう既に確保出来ていそうなので、今度は試しに100円均一で購入したプラ・ケース小で飼ってみることにする。マットは前回と同じく微粒子クヌギ二次醗酵マットを固く5cm 程度詰めてその上には、緩く醗酵マットを敷いて、今回は産卵木はなしとする。
これで問題なく産卵するようであれば、ムシモンオオが増殖し過ぎた時に、管理がかなり楽になるだろう。わざわざ大きい容器を小さい虫のつがいの為に用意しなくて良いのである。虫の数が増えると先ず困るのが、その置き場所なのだ。但し、容器が小さいと収納性が上がる反面、産卵数は落ちるだろうし、孵化した幼虫が母虫に捕食される確率も高くなるだろう。それでも累代に困らない数の幼虫や卵が採れるかどうかが知りたいところだ。
プラ・ケース小で飼うムシモン

飼育容器底面から見える卵



平成18年10月26日 飼育、雑記

今年はゴールデン・ウィーク直後から天候不順が続いて8 月上旬まで農作物の価格が高止まりすると云ったように、確実に悪影響が出ていた。本当に真夏と言えるような日々は短期間で何度もなかった。雨天の為に残暑も長くはなく、最後にアブラゼミが鳴くのを聞いたのは10月の初旬で、秋の深まりが早い年だった。来年はどのような夏を迎えるのだろうか。
今日は産卵させない虫共は早々に休眠・越冬させるべく、外のコンテナへ移すことにした。また屋内へ戻す時期の目安は来年の3 月頃だ。それまではゆっくりと寝て、また来年になったら大いに楽しませて貰いたいものだ。



平成18年10月26日 飼育 ミシマコクワ 黒島産 F3

ミシマコクワガタ雄 43mm

ミシマコクワガタ雌 28mm
ミシマコクワガタ Dorcus rectus mishimaensis Tsuchiya, 2003 (鹿児島県大隈諸島三島村黒島産 F3 H18.6羽化 雄 43mm、41mm、35mm、H18.4羽化 雌 28mm、28mm、26mm )

ミシマコクワガタは、長崎県男女群島、鹿児島県大隈諸島(口永良部島、竹島、黒島、硫黄島)に分布するコクワガタ Dorcus rectus rectus (Motschulsky, 1857) の亜種である。本土のコクワガタと比べるとやや個体数は少ない以外は生態は同じと言って良いだろう。体の艶と赤味はトカラコクワガタに次いで強いと言われている。

10月5日に黒島産 F3 幼虫3 頭を入手したのに続いて、成虫を6 頭3 つがいで入手した。同産地の別系統同士を用意することで、累代が進んだ際の血の入れ換えを目的としている。こうすることで問題なく長期に飼育することが出来るだろう。従って、入手するには本当は1 つがいで良かったのだが、なかなか珍しい虫なので都合よくは見つからなかった。その分、この虫達にはしっかり子孫を残して貰いたいものだ。
羽化日は4〜6月なので、どの個体も時期的には成熟していて交尾・産卵が可能かと思われるのだが、11 月になってしまうので本来なら1 越後に繁殖するのが良いのではないだろうか。物は試しに、雌雄共一番小さい個体をつがい (35mm雄、26mm雌 ) として、プラ・ケース小で飼ってみようと思う。飼育容器が小さいので、小さい個体を当てた訳だが、虫の成熟面でも小さい個体の方が早い筈で、今産卵セットを組むには丁度好都合かと考えられる。飼育容器には、大きさに見合った白枯れ材を投入して、マットにも産むかもしれないので、微粒子クヌギ二次醗酵マットを固く5cm 程度詰めた。

今のところトカラコクワはマットにもよく産卵している。我が家での活動性質は、完全な昼行性だ。ヤクシマコクワもハチジョウコクワも我が家での活動性質は夜行性だ。さて、トカラコクワに一番近いと思われるミシマコクワは、マットにも産卵するだろうか。活動は昼行性だろうか。それとも夜行性だろうか。はたまた昼夜行性だろうか。色々な産地や亜種が揃うと、こういう比較が出来て面白そうだ。
プラ・ケース小で飼うミシマコクワ



平成18年10月29日 飼育 リュウキュウコクワ 沖縄本島産 WF1

リュウキュウコクワガタ Dorcus amamianus nomurai Mizunuma, 1994 ( 沖縄本島国頭村産 自己採集からの累代 WF1 雌 未計測 )

H18.7.5 に自己採集した沖縄本島国頭村産 WD 雌 25mm から累代された個体が、今日の夕方に羽化した。中型の雌だ。我が家でのリュウキュウコクワ羽化では第1 号だ。9月14日に終齢で取り出して、殆ど餌を食べずに其の儘で蛹化に至った個体だ。7月中旬に組んだ産卵セット由来であり、この個体の親から取り出した最初の幼虫なので、産卵されてから4ヶ月未満で羽化した計算になる。
蛹室内でこの儘越冬して、活動を始めるのは来年の晩春から初夏に掛けてであろう。
リュウキュウコクワガタ雌の羽化



平成18年11月3日 飼育 トクノシマコクワ 徳之島産 WF1

トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 WF1 H18.10.8割り出し )

4 頭の幼虫を入手して、もう1 系統増やした。亜終齢が1 頭、初齢が3 頭で、こちらも累代はWF1 だ。



平成18年11月3日 飼育 オキナワヒラタ 沖縄本島産 WD

オキナワヒラタクワガタ Dorcus titanus okinawanus (Krieshe, 1922) (H18.7.5 自己採集 WD 沖縄本島国頭村産 雌 34mm、大宜味村産 雌 未計測 )

10月25日から自己採集の雌2 頭に新たに入手した雄を同居させていた。結果は上々で、我が家に来て以来初めて産卵が確認された。国頭村産の雌の飼育容器下部側面でマット内に産まれた卵が見えている。ドーム状の卵室(産卵座 ) に、産卵されたばかりのようなラグビー・ボール状の卵がちょこんと入っている。だが、小生の勘からして、この卵は色が茶色っぽ過ぎていて孵らないような気がする。予想が外れてくれると有り難い。
大宜味村産の方は卵が見える訳ではないが、以前にも増して活発にマット内を縦横に掘り進んでいるのがよく分かる。マットは土に近い物なので、産卵木に産んでいるのだろうか。
見えている卵が生きていようがいまいが、この状況からして確実に言えることは、この雌2 頭は天然個体であったにも拘らず、やはり、未交尾であったということだ。これが亜熱帯ジャングルにおけるクワガタの生態の特徴なんだろう。



平成18年11月3日 飼育 ハチジョウコクワ 八丈町産 WD

ハチジョウコクワガタ Dorcus rectus miekoae (Yoshida, 1991) (八丈町産 WD 雌 未計測 2頭 )

ハチジョウコクワの雌2 頭を入手した。種付き産卵済み個体なので実績があるのだが少々問題があって、脚が2 本なしフ節もなしという個体、綺麗だがもう木を齧れない位に両顎が磨耗してしまった個体と云ったような、曰く付きの個体達だ。
これらの個体は、それらの事項を除けば綺麗で擬死もしっかりしていて元気そうな個体なので、越冬させて来年に持ち越しても良いような気がする。特に、顎の磨耗のみの雌は、もし、マットにも産卵してくれるのなら、全く問題はない筈だし、ハチジョウコクワは軟らかい材にも産卵するようなので、いずれにしても何の不安もなく使えそうだ。只、先に入手していたF2 つがいは、雌の方が羽化後の摂食があったものの一向に活動する気配を見せなかったので、先月末に屋外越冬組とした。それ故に、今年はハチジョウコクワの幼虫はまだ1 頭も得られていない。面白くないので、今回入手した雌共には、寝る前に一働きして貰おうかと考えている。2 頭の雌共には、それぞれ軟らか目のクヌギの産卵木を入れたプラ・ケース小に棲んで貰うことにする。勿論、マット産みも期待して微粒子クヌギ二次醗酵マットを下に固く敷き詰めてある。水分はやや多目だ。今月一杯やってみて駄目なようなら、休眠・越冬態勢にしようと思う。

飼育セットを作っている時にカマキリがカマキリを捕まえて食べているのを見た。単純に交尾後に雄が雌に捕まってしまったのかと写真に収めた。ところが、後で調べてみると、この2 匹は別種であることが分かった。大きい方の個体は最初はチョウセンカマキリ Tenodera angustipennis Saussure, 1869 かと思ったが、腹部が太いのでそれよりも少し個体数が少ないオオカマキリ Tenodera aridifolia (Stoll, 1813) のようだ。捕食されている小さい方がハラビロカマキリ Hierodula patellifera (Serville), 1839 のようだ。前脚脛節前面の黄色い点の並びがハラビロカマキリ判別の目安だ。
ハチジョウコクワガタの雌

カマキリがカマキリを捕食している



平成18年11月5日 飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F4

トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 β系統 F4 幼虫 )

5 頭の幼虫を入手して、もう1 系統増やした。終齢が2 頭、亜終齢が3 頭で、こちらも累代はF4 だ。今までいた系統と紛らわしくて混乱を避ける為、こちらの系統はβ系統とする。これに対して既に我が家にいた系統はα系統とする。



平成18年11月5日 飼育 飼育 カブト 千葉県横芝産 F2

カブトムシ Allomyrina dichotoma septentrionalis ( 横芝産 F2 幼虫 )

屋外コンテナに100 頭以上はいると思うのだが、まだ総数を把握していない。半月前にも餌を追加していたのだが、また糞が目立つようになっているので餌を足した。9 月中旬に雌が死ぬまで産卵されていたようなので、脱皮して加齢したばかりの終齢幼虫のみならず、未だに亜終齢幼虫が点在している。11 月下旬に入ったら、いい加減に全て終齢幼虫になっていることだろうから、その頃に50 頭を残して林に戻すなり、他人にあげるなりする心算だ。
カブトムシの幼虫



平成18年11月5日 飼育 オキナワノコギリ 沖縄本島産 WD

オキナワノコギリの幼虫
オキナワノコギリクワガタ Prosopocoilus dissimilis okinawanus Nomura, 1962 (沖縄本島国頭村産 H18.7.5 自己採集 α系統 WD 雌 26mm )

10 日程前から飼育容器側面で幼虫が見えており、早く採り出さないと雌に捕食されてしまうと、やきもきしながら過していた。とうとう見えている幼虫が加齢して亜終齢になったので、時間を見つけてマットを掘り返すことにした。幼虫5 頭が得られたが、卵は見られなかった。雌はまだ相変わらずピンピンしているので、温度を下げなければ続けて産卵するかもしれない。この勢いだと、雌のノコギリクワガタなのに産卵して更に越冬するのだろうかと思ってしまう。とにかく余り手が掛からずによく増えるクワガタのようだ。

■今日の収穫
初齢幼虫 3
亜終齢幼虫 2
WF1 累計 24



平成18年11月5日 飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F3

トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 α系統 F3 雄43mm、雌29mm、27mm )

10月の8日と10日に取り出した数個の孵らなそうな卵は、全てが土に帰ると思っていたら、産卵から最低でも1 ヶ月以上経っていた数個の卵が無事に孵って幼虫になっていた。驚きである。水分が足りないという不適切な状況下であっても、孵化時期を延ばすことで或る程度は生き延びるようだ。何でも諦めずに、プリン・カップに入れて様子を見てみるものだ。
飼育容器底面で1 頭の初齢幼虫が確認出来た。前回幼虫を採り出したのが10月20日だから、約2 週間しか経っていないにも拘らず、産卵されて孵化したという事だ。また今月中旬にでも幼虫を掘り出そうと思う。

我が家のトカラコクワは相も変わらずに昼行性だ。今日はクワガタムシの警護行動 (メイト・ガード ) に面白い動作が見られた。いつものように雌がゼリー・カップに頭から前胸までを入れて摂食していた。雄はそこから1cm 程度離れてそれを見守るようにじっとしていた。小生が見続けているとヒトの気配に気付いたのか、雄が雌を音が聞こえるような力で大腮で挟み始めた。雄が興奮して雌が傷付くまで挟まないかと心配したが、それは小生の完全な誤認であった。よく見ていると、雌がゼリー・カップから引き摺り出されて雄は挟むのを止めたのである。雄は、危険を感じた事で、最初から雌を逃がそうとする意図を持って行動していたのである。クワガタムシの警護行動は、単に雄が雌に覆い被さるようにして守るだけではなく、大腮を意図的に使うことで雌が逃げるのを促す行動も含まれるのだ。その後、小生が観察するのを止めると、雌はまたゼリー・カップに頭を突っ込んで餌を食べ始めていた。



平成18年11月7日 飼育 カブト 九十九里平野産 WD

カブトムシ Allomyrina dichotoma septentrionalis ( 九十九里平野産 WD 雄80mm )

9月16日にポイントOS092405 で採集した今年の天然個体中最大で最後の雄が死んだ。いつものように休息するような佇んだ姿の儘で動かなくなっていた。大往生だ。これでやっと今年の小生の夏が終わったような感じだ。ところで、今日は暦の上での立冬なので、このカブトは秋一杯、丁度冬に切り替わるその日迄生きていたことになる。小生の飼育史上、最長寿の国産カブトとなった。但し、今年は天候不順が続いて発生時期が遅かった可能性が十分に考えられる。我が家の屋外飼育カブトで最後に活動を開始した個体は、8月18日であった。こんな今年の状況を鑑みると、今年最長寿のこのカブトの成虫活動期間は、恐らく、最短で3ヶ月弱、採集時には綺麗で身体の欠損や傷がなかったことから、最長で3ヶ月強といったところではないだろうか。しかも、活動時期が遅かった分、生活環境が賑わって厳しい生存競争が繰り広げられる時期も逸しており、他種や同種昆虫との闘争や雌との交尾が少なかった節が考えられるから、こういった理由からも長寿になる要素は持ち合わせていた筈だ。



平成18年11月7日 11時 21℃ ポイントTG110706 採集

大きめDorcus の尻が見える

コクワガタ 49mm
今日は11/7 で暦の上での立冬である。夜勤帰りに新居に寄り、入居前の外観の写真を収めた。九十九里平野に於ける水田中心の典型的な農村地帯であったこの場所は、現在ではその面影を未だに多く残しつつ、あちらこちらに新興住宅地が進出して新旧入り乱れた不自然な景観を作り出している。それ故に、場所は限られるが今でも探せば残された僅かな雑木林で、小生が探す虫に会えることがあろう。8 月に新居が決まった時には、周辺を探索すると近所の寺に大きなハルニレ、公民館脇にサイカチの巨木を見ることが出来た。早速、サイカチではカブトが採集された。適度な洞が適度にある有望な木であるが、周囲には定番樹種の林がないのが残念である。近くになかなかの大きさの広葉樹の立ち枯れが見られるので、ひょっとしたら、クワガタもそこそこは採れるのかもしれない。来年はここでどんな虫と出会えるのかが楽しみだ。

サイカチは、小生がまだ小学生の頃、生まれて初めてクワガタやカブトが採れる御神木となった樹種であった。夏休み時期には日暮れ時や早朝を狙ってよくサイカチの木に通ったものだ。又、地方によってはカブトをサイカチと呼んでいるらしいが、この頃の小生もカブトのことをサイカチとも呼んでいた。
サイカチは、最近までマテバシイと共に昔虫を採った樹種不明の木であったのだが、情報化社会の恩恵によって最近やっと樹種を調べることが出来たのである。原点に戻るという意味で、サイカチの巨木を見つけたことが今後何らかの御利益になるのではないかと密かに期待している。

新居から帰宅の途に向かう途中、凡そ車で5 分強のところで以前から気になっていた場所があったので寄ってみた。遠目で大きなクヌギらしき木が何本か聳えているのが見えていたのである。車を降りて見てみると、やはりクヌギであった。しかし、それ以上の収穫は、クヌギに行く道程がシラカシの並木であった事だ。更にこの立冬の時期にクワガタが採集出来たのである。
まだまだいる所にはいるものだ。シラカシの3m 位の場所で大きめDorcus の尻が見えていた。艶や質感からコクワだとは分かっていたが、大きいので手に取ってみることにした。採集の季節ではないので脚立を持参しておらず、我ながら見事な懸垂木登りを披露して採集した。今年採集したコクワの最大個体で49mm だった。あと1mmで大台に届かなかったのが多少残念だった。しかし、コクワも大型個体になると、大腮と前胸側縁の造形にオオクワとの近縁性が非常によく感じられる。ここまで来るとコクワも凄く格好いい!ので、思わず持ち帰ってしまった。
ところで、この新規開拓ポイントでは、夥しい数のカブト、ノコギリ、コクワの屍骸に混じってヒラタの屍骸も観察された。来年が楽しみな場所である。シラカシ並木から奥になるクヌギはなかなか立派な大きさの木が数本あるが、手入れされていない林の中で藪に囲まれている為、近くまで入らずに藪の外から眺めるのみにした。樹液痕が見られるので虫が集まるのは確実であるが、有望な洞や捲れがあるのかまでは分からなかった。もう幾分か時期が過ぎれば、完全な冬となって下草が枯れれば木に近づき易くなるだろうから、それまでは待とうかと考えている。

■今日の収穫
コクワ 雄1 (49mm 今年採集の最大個体)
カブト、ノコギリ、コクワ 夥しい数の屍骸
ヒラタ 雄1 (屍骸)
洞に蛙
ヒラタの屍骸
夥しい数の普通種の屍骸



平成18年11月9日 雑記

累代が長期になることを予想して、血の入れ換えを目的として、飼育中の各種で同じ産地 (市町村名に拘ることなく単に同地域という例外も在り得る ) の別系統を入手するようにしている。混乱を避ける為、11月5日 の「飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F4」の例に倣って、今後は全ての種で最初に入手した系統をα系統、その次に入手した系統をβ系統と呼ぶことにする。



平成18年11月9日 飼育 ハチジョウコクワ 八丈町産 WD

ハチジョウコクワガタ Dorcus rectus miekoae (Yoshida, 1991) (八丈町産 β系統 WD 雌 未計測 2頭 )

入手してから1 週間が過ぎようとしているが、全く活動している気配がなく、餌にもまるで手を付けていない。恐らく、我が家へ来る以前から既に冬眠・越冬スイッチが入っていたのだろうと考えられる。縁って、温暖な部屋から屋外へ出して、繁殖は来春に持ち越すことにした。結局、今年はハチジョウコクワの幼虫を得ることが叶わなかったが、姫共にはしっかり寝て貰って、来年は存分に働いてくれることを期待しよう。



平成18年11月9日 飼育 オキナワノコギリ 沖縄本島産 WD

オキナワノコギリクワガタ Prosopocoilus dissimilis okinawanus Nomura, 1962 (H18.8 灯火採集 沖縄本島国頭村産 β系統 WD 雌 31mm )

我が家の住虫となってから2 週間以上が過ぎたのだが、全く産卵する気配がない。マットを掘り進んでいる雰囲気はなく、姿が見えない時は樹皮下やマットの浅い場所で単に休んでいるだけのようだ。室温が25℃を超えている晩は徘徊している姿を見るものの、餌の喰いは余りよくない。顎の先端に軽微な磨耗を認めるものの、綺麗で擬死もしっかりしており、身体の欠損もない。オキナワヒラタの雌の例のように、未交尾の可能性が頗る高いと考えられる。8 月に灯火で採集された個体であるが、この雌は1越しなかった新成虫で雄にまだ巡り逢っていない個体ではなかろうか。
縁って、産卵セットからは取り出して500ml プラスチック容器へ移し、温暖な部屋から屋外へ出して、越冬を試みることにした。南西諸島のノコギリは、屡、初夏に越冬個体のような草臥れた雌が採集される事例があることをどこかで読んだ記憶がある。2 回目の発生が8 月下旬頃にある節を鑑みると、羽化後1 越しないでその年に活動を開始した新成虫は、中には越冬する個体もいるのかもしれない。一般にノコギリは越冬しないと言われているが、何せクワガタである。ひょっとしたら、越冬して産卵することが可能かもしれない。来年の盛夏まで持ち堪えてくれれば、α系統雄の新成虫とつがうことが可能かもしれない。仕方ないが今のところはこの方法しかないので、越冬させて来年に望みを託すことにした。



平成18年11月9日 飼育 オキナワヒラタ 沖縄本島産 WD

オキナワヒラタ 雌 34mm
オキナワヒラタクワガタ Dorcus titanus okinawanus (Krieshe, 1922) (H18.7.5 自己採集、沖縄本島国頭村産 α系統WD 雌 34mm、大宜味村産 WD 雌 未計測 )

雌2 頭共に順調に産卵しているようだ。国頭村産雌は、飼育容器底面から見える卵が11月3日の1 個から現在は3 個に増えている。最初の1 個目も茶色が強過ぎて孵らないんじゃないかと心配していたが、そんなことは全く関係なく丸く大きく育っている。大宜味村産雌の方もマットを縦横に掘りまくっていて、本日は飼育容器底面で1 個の卵を確認した。貧弱な朽木であるが産卵木も入っているので、マット産みのみでなければ産卵数は案外稼いでいるのかもしれない。
今後もこの儘飼育温度を保っておいて、盛夏に関東ヒラタの幼虫が沢山採れたように、オキナワヒラタもそこそこは増えてくれることを期待したい。



平成18年11月9日 飼育 トクノシマコクワ 徳之島産 WF1

トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 α系統 WF1 H18.7羽化 雄34.3mm 雌30.5mm)

11月5日の 「飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F4」の時のような警護行動が、トクノシマコクワでも観察された。あの時と同じように雌が摂食しているところを小生が観察していると、直ぐ近くにいた雄が雌をゼリー・カップから引き摺り出そうとする動作を開始した。但し、トカラコクワのように上手くは引き摺り出せないようであった。コクワに比べてリュウキュウコクワは大腮が短く、雌の身体を上手く挟めない為だろう。間もなく小生が観察を止めると引き摺り出そうとする動作も止めており、雌は続けて摂食していた。
そして、更に新しい種類の警護行動も観察された。夜中に雌が徘徊しており、飼育容器壁に寄り掛かって脚をばたばたさせていたのだが、その内に雌は逆さに引っくり返って起き上がれなくなってしまった。1 分以上経過してもまだ起き上がれずに、雌は脚をばたつかせてもがいていた。飼育容器を幾つか重ねて置いてある一番下がそのトクノシマコクワであった為、小生はその雌を起こしてやるかやるまいか考えあぐねていた。すると、樹皮下に潜んでいたのか、トクノシマコクワの雄がどこからともなく現れて、逆さになってもがいている雌を大腮で投げ飛ばすように何回か弾いて助けたのである。その光景は、丁度、アリジゴクの巣に落ちてもがいている蟻を、アリジゴクが捕らえる時に顎で砂を弾き掛ける動作にそっくりであった。雌は起き上がって助かると直ぐに容器内を徘徊し始めた。雄はその雌を追う訳ではなかったので、動いている物体を攻撃するという目的ではなく、明らかに雌を助ける為に出て来たのだと言える。
この警護行動そのものが大変興味深いのは勿論だが、雄は雌の危機的な状況を危機だとどうやって判断するのかが不思議な部分である。単に雌がいるということを認識していた上で、もがいているという情報を音から察知して救助行動を起こすのだろうか。それとも、救助を求める何かしらの信号が雌から直接発せられていたのだろうか。只確かなことは、リュウキュウコクワは、昆虫としてはかなり高度な仲間同士の連携行動を執れるということだ。



平成18年11月10日 飼育 関東ヒラタ 九十九里平野産 WF1

ヒラタ雌幼虫尻に見える卵巣

ヒラタ終齢幼虫雌の顔
■ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (九十九里平野産 ポイントTT010106 自己採集からの累代 WF1 幼虫 H18.8.11掘り出し2 頭 )

最初に採り出した際に雌雄の判別が不明だったので、1リットル瓶でのVII(VIP) 待遇を施していた。何と今日が初めて餌交換となるが、2 頭共雌であることが判明したので、500ml のプラスチック容器へと格下げをした。単に飼育場所の都合で小さくした訳だが、脂肪が載って太っているので、これ以上余り大きくならずに間もなく蛹化するだろうから、もうこれで十分だろう。
当初は確たる九十九里平野産のヒラタの雌が喉から手が出る程欲しかったのだが、九十九里平野産 ポイントTT010106 の子孫は今のところ4 頭全てが雌となっている。大変喜ばしいことだ。しかしながら、1 頭位雄がいても良かったんじゃないかというのが本音だ。虫飼育で雄がいないのは、華がないのも同然だ。天然ではなかなか60mm 以上というのを見ることがないので、飼育で大きい雄を拝んでみたいという欲求も持っている。小生も含めてヒトは皆身勝手で貪欲なものだとつくづく感じてしまう。

■ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (九十九里平野産 ポイントOS092405 自己採集からの累代 WF1 H18.10.8掘り出し1 頭 )

10月8日に掘り出して以来、初の餌交換だ。雌であった。良かった。この産地の幼虫は今のところ1 頭のみなので、雌が確保出来てとても嬉しい。
今年採集した天然雌から採れた幼虫は、2 産地併せて今のところ全部で5 頭だが、全てが雌である。ヒラタを飼育すると採れる個体は雌の方が多いと聞くが、我が家でも正しくその通りの結果となっている。野外での樹液採集では雄10頭に対して雌1 頭程度の割合なので、雌は大変に貴重な存在だ。反面、実際に生まれている個体では雌の方が多いというのがなかなか面白い現象だ。恐らく、雌の殆どは交尾を済ませると、専ら樹液に来るのは産卵の合間の栄養補給の時だけなのだろう。実際に飼育していても、雄は殆どの時間を餌場で費やすのに対し、雌は気温が25℃を超えた夜に時々徘徊しているか、或いは摂食も21℃以上を目安に時々しか観察されないのである。



平成18年11月12日 飼育 本土ノコギリ 九十九里平野産 WD

ノコギリクワガタ Prosopocoilus inclinatus inclinatus (Motschulsky, 1857) (九十九里平野産 ポイントOS092405 WD 雄 66mm )

9月5日に採集した今年最大のノコギリ雄が死んだ。先一昨日は飼育容器蓋に攀じ登る程の豪傑振りだったのが、一昨日になると餌も食べずに何気に不穏であった。毎年思うのだが、ノコギリはカブトやヒラタと違ってフ節取れや麻痺が出ないか、又はそれらが少なく元気なのに、或る日突然寿命が来て死んでしまう感じだ。



平成18年11月12日 飼育 ムシモンオオ サルディニア島産 F5

ムシモンオオクワガタ Dorcus musimon Gene 1836 (イタリア・サルディニア島 Sardinia Island Italy β系統 F5 雄 別血統 羽化日不明 未計測、雌H18.6.6羽化 未計測 )

※このつがいは別血統の雄とのつがいなので、11月5日 の「飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F4」と11月9日 「雑記」の例に倣って、今後このつがいはβ系統とする。

10月13日に投入した最初の飼育容器では沢山の幼虫が孵化している。母虫による幼虫の捕食が懸念されたので10月25日にプラ・ケース小へ移してから、数日の内に容器底面で4 個の卵が観察されていた。3 日程前から幼虫が孵っているのが見えていたが、昨夜観察した際にはどうも母虫が幼虫がいた辺りの容器底面でもぞもぞ動いているように見えた。非常に怪しい動きだ。縁って、今日はこのプラ・ケース小を暴いてみた。予想は的中し、採れたのは未だに孵らずに今後も孵りそうにない卵1 個と、幼弱な初齢幼虫1 頭のみであった。先に孵った幼虫2 頭は孵って間もなく母虫の蛋白補給の犠牲になったようだ。
容器が小さく狭いということと、何一つ材を入れずにマット産みのみの環境であるということから、母虫による幼虫捕食についてはこれ以上にそうし易い環境がない位にそうなる環境となっている。故に、このプラ・ケース小の環境では、マット産み系の虫を飼育するのには向いていないということである。対策として大きなプラ・ケースで飼うという方法が思い浮かぶのだが、それでは元通りで面白くない。小さい虫なので小さい容器で飼いたいものだ。プラ・ケース小で飼う対策として、この虫の産卵に材は不要としても、幼虫の隠れ家となることを期待して小さく適当な産卵材を飼育容器底部に埋め込んでおくことにした。今月に入ってから産卵されていないようなので、時期的に今年中にはどうかと思うのだが、一先ずこれで様子を見てみようと思う。

■今日の収穫
孵らなそうな卵 1
初齢幼虫 1



平成18年11月12日 飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F3

トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 α系統 F3 雄H18.4羽化43mm、雌H18.2羽化29mm、27mm)

昨晩、餌交換の際に飼育容器を下面から覗いてみると小さな幼虫が2 頭いるのが見えた。母虫による幼虫の捕食が心配なので一刻も早く幼虫を採り出すべく、本日はない時間を割いて作業することにした。
マットから4 頭の幼虫を回収することが出来た。前回の掘り出しが10月20日なので、2 週間弱で4 頭ということである。まだ成虫の餌喰いは良いので、飼育温度を下げなければ今後もぼちぼち産卵し続けるのだろう。産卵木には新しい産卵痕があるようには見えないものの、以前から沢山の産卵痕があることから、少なからず材の中に幼虫はいる筈である。今日は時間もないので、また産卵木はその儘で元に戻すことにした。今日は時間がないのもさることながら、産卵木の中には何頭の幼虫がいるのかが楽しみではあるが、リュウキュウコクワの幼虫潰し連発の件もあって割り出しには気分が大いに萎縮している面は否めない。肯定的に捉えるのなら、マット掘り出しで確保出来る幼虫に対する保険の意味合いも含んでいる。

■今日の収穫
初齢幼虫 2
亜終齢幼虫 2
累計 13(F4)



平成18年11月12日 飼育 リュウキュウコクワ 沖縄本島産 WD

リュウキュウコクワガタ Dorcus amamianus nomurai Mizunuma, 1994 ( 沖縄本島国頭村産 H18.7.5 自己採集 WD 雄 29mm 雌 25mm )

昨日、餌交換をするついでに飼育容器を下側から覗いたら大き目の幼虫2 頭がマット内にいるのを観察した。母虫による幼虫の捕食を避けたいので1 日でも早く幼虫を採り出すべく、ない時間を何とか割いて飼育容器を掘り返すことにした。
10月17日にマット内の亜終齢幼虫を潰してしまった苦い教訓を活かして、ヒラタと似たような産卵セットにして飼育している。詰まり、マット産みも想定して二次醗酵マットを底に数センチで固詰めして、その上に産卵木を一次醗酵マットで表面が覗く程度に埋めている。効果は覿面で、一番底の二次醗酵マットが露わになった瞬間、3 頭の終齢幼虫がぽろりと出て来た。前回の掘り出しから約1 ヶ月程度しか経っていないので、これらの幼虫は産卵木から零れ出たのだろうか。前回は確かに卵も初齢幼虫も取りこぼしがあったとは思えない。亜終齢幼虫をこの手で潰した程なので。産卵されてから孵化するのに最低でも10 日程度は掛かるだろうし、その後幾ら加齢が早いとしても、たったの3 週間で太った終齢幼虫に迄育つとは到底考えられない。だから、やっぱり産卵木から零れ出たのだろう。それにしても、ヒラタに準じたセットにすることで、これらの幼虫はこのようにして順調に成育している訳だ。今後も引き続きヒラタ・セットで飼育を続けることにする。
雄の方は樹皮下にいたので直ぐに見つかったのだが、母虫は産卵木中に潜んでいるのかどこにも見当たらなかった。飼育温度は保っているので冬眠・越冬で材に潜った訳ではないと考えられるので、産卵活動中なのかもしれない。産卵木2 本は前回と同じように割らずにまたその儘の状態で戻すことにした。材中にいるだろう幼虫は、マット掘り出しから得られる幼虫に対する保険である。

■今日の収穫
終齢幼虫 3
累計 6 (WF1)
リュウキュウコクワの終齢幼虫



平成18年11月19日 雑記

ニジイロクワガタ 雄

ニジイロクワガタ 雌
ニジイロクワガタ 雄
ニジイロクワガタ 雌
ニジイロクワガタ Phalacrognathus muelleri (MacLeay, 1885) (H18.11.19入手 オーストラリア・クイーンズランド産 CBF1 つがい )
オオクワ Dorcus hopei binodulosus Waterhouse, 1874 (H18.11.19入手 千葉県横芝牛熊産 F3 幼虫)

今日は家族連れで富里市の産業祭りに行って来た。生憎、産業祭りの日程が我が横芝光町と重なってしまったのだが、富里では虫の籤引があるというのに惹かれた。只、小生を含めた家族の何人かが風邪を引いているのと、雨降りで肌寒い天候であったので、他に幾つかの籤を子供が引いて、餅を喰って早々と退散した。
長女が引いた虫の籤では見事に1 等賞が当たり、ニジイロクワガタを持ち帰った。他には籤外れの千葉県横芝牛熊産 オオクワ幼虫を2 頭入手した。若齢幼虫の内に600ml の菌糸ボトルに投入されているので、雌雄の判別は不能だ。雌が欲しいところだが、我が家に横芝牛熊産のオオクワ成虫が6 頭いるので雄になっても別に構わない。
実はこの籤外れがお目当てだったりしたのだが、意外にも帰宅後はニジイロクワガタの美しさに惚れぼれしているところだ。クワガタらしからぬ体型とその名の通りの虹のような美しい金属光沢に酔いしれている。ニジイロクワガタは成虫で1 年も長生きする上に、上手く飼うと100以上の爆産をするらしく、大変に世話が焼けそうだが、この美しさは鑑賞用として飼うにはそれなりに楽しいだろう。
富里市役所における産業祭り



平成18年11月21日 飼育 オキナワノコギリ 沖縄本島産 WF1

オキナワノコギリクワガタ Prosopocoilus dissimilis okinawanus Nomura, 1962 (沖縄本島国頭村産 H18.10.8 掘り出し 自己採集からの累代 α系統 WF1 幼虫 )

10月8日に回収した卵の内、無事に孵った幼虫の餌交換をした。各々亜終齢に加齢していたので、200ml プリン・カップに容器を移した。1頭が落ちていた。未だに孵らずも丸く大きく育っている卵が1 つある。

■今日の収穫
α系統 WF1 合計飼育個体23



平成18年11月21日 飼育 オキナワヒラタ 沖縄本島産 WD

オキナワヒラタクワガタ Dorcus titanus okinawanus (Krieshe, 1922) (沖縄本島国頭村産 H18.7.5 自己採集 α系統WD 雌 34mm )

幼虫の掘り出しをした。飼育容器壁面から見えていた卵が孵って数日経っていた。どの程度産卵されているのか楽しみであったが、他には2 個の卵を得たのみであった。順調に育っていそうなので孵ることだろう。親虫は餌は減っているものの最近は余り活動しているのを見掛けなかったが、マット内で元気にしていて草臥れた様子はなかった。これからは冬眠・越冬させて来年に期待しよう。

■今日の収穫
α系統 WF1
卵 2
初齢幼虫 1
合計飼育個体 3



平成18年11月21日 飼育 オキナワヒラタ 沖縄本島産 WD

オキナワヒラタクワガタ Dorcus titanus okinawanus (Krieshe, 1922) (沖縄本島大宜味村産 H18.7.5 自己採集 WD 雌 37mm )

幼虫の掘り出しをした。回収出来たのは飼育容器底面の隅で見えていた卵1 個のみであったが、沢山投入してあった産卵木は齧られて場所によっては木屑が散らばっており、大変良い感じになっていた。材は割らずに埋め戻して、親虫のみ冬眠・越冬させるべく取り出して500ml 容器に移した。

■今日の収穫
卵 1
合計飼育個体 1



平成18年11月21日 飼育 関東ヒラタ 九十九里平野産 WD

九十九里平野産ヒラタ共を冬眠・越冬させる前に、産卵の期待は殆どしていないのだが、一応、飼育容器内を検分してみることにした。

■ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (九十九里平野産 ポイントOS092405 H18.9.16 自己採集 WD 雄52mm 雌31mm)

この雄が一番元気が良い。物音がする方向に素早く威嚇し続けて樹皮にしっかりと掴まってなかなか離れずに、取り出せなくてなかなか作業が進められなかった。雌は採集した当時のまんまで変わりなし。時々雌も徘徊していたが、これからは冬眠させて来年には寿命迄もう少し働いて貰う。

 ■今日の収穫
 なし
 WF1 合計飼育個体1 頭


■ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (九十九里平野産 ポイントTT010106 H18.6.28 自己採集 WD 雄 53mm ) (九十九里平野産 ポイントTT010106 H18.6.29 自己採集 WD 雌33mm)

雄は先月下旬には片前脚フ節が取れ始めているものの、まだまだ十分に現役の雰囲気だ。雌もたまに徘徊していたが、殆ど潜った儘である。10月8日に幼虫を1 頭回収したが、その後産卵している様子がないので飼育容器は掘り返さずに温かい部屋から出した。この産地は雌の幼虫が得られたことがほぼ確定しているので幾分余裕がある。

 ■今日の収穫
 なし
 WF1 合計飼育個体4 頭


■ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer Vollenhoven, 1861 (千葉県横芝光産 ポイントYT092306 H18.?.? WD 雄 未計測 雌 未計測 )

相変わらず雌は容器底で寝ていた。我が家に来て以来、雌が活動している節が殆どない。片後脚のフ節が取れていた。擬死はしっかりしているものの何気に重みがないような気がする。小さい個体なので判然としないが、少々不安だ。雄は最初から片中脚フ節が取れていたが、入手した時より寧ろ元気になっているような気がする。雌の産卵については、今年に関して言えば、我が家に来る前から冬眠・越冬スイッチが入っていたか、或いは野外で既に産み切った玉切れと考えて良いだろう。これからは完全に冬眠・越冬させて十分に休んだ後、来年の寿命迄何とか働いて貰いたいものだ。

 ■今日の収穫
 なし
 WF1 合計飼育個体0



平成18年11月21日 飼育 トクノシマコクワ 徳之島産 WF1

トクノシマコクワガタ 雄 34.3mm

トクノシマコクワガタ 雌 30.5mm
■トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 α系統 WF1 H18.7羽化 雄34.3mm 雌30.5mm)

産卵状況を確認すべく飼育容器を開けてみた。雌雄共に相変わらず元気だ。2 本の産卵木は程良く齧られた痕があったが、割らずに其の儘埋め戻して、大き目の産卵木を1 本追加した。マット内から初期の亜終齢幼虫を1 頭回収した。外が黄昏て暗くなり始めていたので、危うく潰すところだった。


■トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 α系統 WF1 H18.7羽化 雄33mm 雌29.8mm、28.0mm )

産卵状況を確認すべく飼育容器を開けてみた。プラ・ケース中に雄1 頭、雌2 頭で飼っているが、小さい方の雌の両前脚フ節がなくなりそうになっている。雌同士の闘争があるのだろうか。他に目立って草臥れているという兆候は見られない。只、或る晩、部屋を暗くして赤ライトを当てながら雌2 頭が徘徊する様子を観察していた時に、1 頭の雌がもう一方の雌の前脚を顎で挟んで投げ飛ばそうとする動作が見られた。雌雄1 頭ずつの場合ならこういう排他的闘争は見られないし、もし、そうなら、大抵は雌が雄にばらばらにされるという惨劇になることだろう。単なる雌雄つがいなら、雌が摂食中に近くに雄がいて警護行動を執るのだろうが、雌同士2 頭が仲良く同じ餌場で摂食している場面に出くわしたことはない。要するに多産や長生きを望むのなら、仮令それが小型種の雌であっても、出来るだけ纏めて飼うのは止めた方が良いということだ。
ところで、産卵状況であるが幼虫や卵は見つからなかった。但し、2本の産卵木は激しく齧られて表面はぼろぼろになっいたので、少なからず幼虫がいそうである。暗くなってしまったので産卵木はまた其の儘埋め戻して、もう1 本大き目の産卵木を追加した。


これらトクノシマコクワα系統は、材中に産卵されている可能性が十分にあるが、未だに回収されている幼虫が少ないので、温かい部屋に置いてもう少しの間様子を見ようと思う。


■今日の収穫
α系統 F2
亜終齢幼虫 1
合計飼育個体 2



平成18年11月29日 飼育 アマミコクワ 奄美大島名瀬朝戸産 F5

アマミコクワガタ (原名亜種) Dorcus amamianus amamianus (Nomura, 1964) (奄美大島名瀬朝戸産 F5 幼虫 )

前回の餌交換以来、飼育容器壁面から活動している様子が全く見えない幼虫が 2頭いた。幼虫の姿が見えたことがないのは勿論のこと、マットを掘り進んでいる気配すらないのである。心配なので按配を確認するべく暴くことにした。
1 頭は脂肪が載りつつあって順調に育っているものの、雄だと見做していたにも拘らず余り大きくはなっていなかった。しかし、生きていただけでも良かったと思っている。一方、もう1 頭は残念ながら落ちているのを確認した。坑道中に終齢幼虫の頭部の遺骸が落ちているのを発見した。真夏時に迂闊にも2・3頭分の容器を乾燥させ過ぎていた時期があったので、この個体はその時に落ちてしまったのだろう。気付いた時に慌ててマットに加水したのだが間に合わなかったようだ。人為的な管理過誤が原因である。残念だ。
産卵木の割り出し時に潰してしまった幼虫を合わせると、今年に於けるアマミコクワ一つがいの子孫の総数は15 頭であった。それに対して、現在生き残っている幼虫は7 頭なので、総数から生存率を数えると、実に50% を下回ってしまった。多産ではない虫なので辛い。

■今日の収穫
死亡 1頭
合計飼育個体7 頭



平成18年11月29日 飼育 ニジイロ クイーンズランド産 CBF1

ニジイロクワガタ Phalacrognathus muelleri (MacLeay, 1885) (オーストラリア・クイーンズランド産 H18.11.19入手 CBF1 つがい )

小生が入手してからは、羽化日からそれ程期間が経っていなかったので、雌雄同居であったものを個別飼育に切り換えていた。雄は最初の3 日程度は主に日中に活動しているように見えた。しかし、その後は殆どじっとして動かなくなっている。それに対して雌の方は、昼夜問わずに500ml 容器内で徘徊を続けていることが多い。雌雄とも手に取った際の掴まる力は非常に強力であるが、この儘放っておけば雌が無意味に消耗してしまう可能性が高いと考えられる。恐らく、交尾が完了済みで、雌は産卵場所を求めて必死になっているのではないだろうか。
そこで、時間が出来た今日は、健気なこの雌の為に産卵セットを提供することにした。今は亡きツノボソオオの為に用意して使わずに余っていたクヌギのカワラ材まで奢ってやった。飼育容器はプラ・ケースの大である。底に詰める微粒子二次醗酵マットの深さも余裕を持って設けたので、かなりの好待遇である。来年はわんさとニジを湧かせて、金銀ぎらぎら殿様気分なクワ三昧生活を送ろうかと企んでいる。



平成18年11月29日 飼育 オキナワヒラタ 沖縄本島産 WD

オキナワヒラタクワガタ Dorcus titanus okinawanus (Krieshe, 1922) (沖縄本島大宜味村産 H18.7.5 自己採集 WD 雌 37mm )

21日に飼育容器を開けてからは、この雌は冬眠・越冬して貰って繁殖は来年に廻す予定でいた。従って、温かい部屋から出して屋外へ出す準備段階として暖房の入らない廊下に置いていたのだが、どうもまだ遣り残したことがあるようで、活動しない日がない状態が続いている。遣り残したことと言うのは、きっと、ニジイロクワガタの雌と同じだろう。そこで産卵セットを再び用意して暖房している部屋に戻すことにした。まだ前回飼育容器中の産卵木は割ってみてはおらず、得られているのはマット中で見つかった卵1 個だけである。果たして、これから更なる幼虫が得られるだろうか。



平成18年11月29日 飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F3

トカラコクワガタの雄

トカラコクワガタの雌
トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 α系統 F3 雄H18.4羽化43mm、雌H18.2羽化29mm、27mm)

1 週間前から飼育容器側面で数頭の初齢幼虫が確認されており、ここのところ2・3日はそれらが亜終齢幼虫に加齢し始めている。放置によって幼虫達が母虫の餌になるのは忍びないので、時間の作れる今日は掘り出すことにした。
トカラコクワは雌2 頭でだらだら斑産みしている。今日マット内から収穫した全6 頭の内、3 頭が初齢幼虫だった。全てマット内の幼虫であり、卵は1 つも回収されていない。前回12 日に幼虫を掘り出してから17日経っているので、これらの初齢幼虫は前回の掘り出し直後に孵化してマットに零れたのではないだろうか。亜終齢幼虫はマット中へ零れる前に、少なくとも何日間かは材中で育っていた筈である。そうでないと計算が合わない。何が言いたいのかと言うと、詰まり、2 週間程度でマットを掘り出して毎回初齢幼虫が得られているので、今でも母虫2 頭で産卵木にだらだら産み続けているということだ。はっきりした事は言えないが、産卵木は取り出して割ってしまわなくても、マット内に零れ落ちた幼虫を回収することが出来ているので、産卵木が節約されているのかもしれない。良質な産卵木なら、斑産みながらも、母中は同じ産卵木の表面に生み続けるようだ。回収された幼虫は只無造作にマット中にいた訳ではなく、全て例外なく産卵木周囲のマット中から見つかっている。
産卵木下面には脱出口のような痕が幾つか見られる。亜終齢幼虫位の大きさだが、初齢幼虫の脱出口もあるのかもしれないが、それらは見つけるには小さ過ぎるのだろう。1 つだけ奥で亜終齢幼虫の頭部が見えている穴があった。クワガタ幼虫は中脚と後脚を擦り合せる構造の発音器を持っている。多分、産卵木内で過密であることを幼虫同士で感じ合った結果、このようにして幼虫は脱出してマットへ零れて来るんじゃないだろうか。一方、初齢幼虫の場合は、材表面近くで孵化した直後からマット内へ進んで来るのだろう。
この調子なら、温度を下げなければ続けてだらだら産卵しそうである。産卵木内の頭数不明の幼虫を勘案すれば、これで打ち止めにしても、本年度の産卵数はまずまずだったのではないだろうか。今は、どこで切り上げて冬眠・越冬させるかを考える時期になった。外気温はまだまだどんどん下がっているので、もう少し、成虫の活動状況を見て考えようと思う。

■今日の収穫
α系統 F4 幼虫
初齢幼虫 3
亜終齢幼虫 3
合計飼育個体 19 (9月の里子5頭は含まず)



平成18年12月2日 飼育 リュウキュウコクワ 沖縄本島産 WF1

リュウキュウコクワ雌26mm
リュウキュウコクワガタ Dorcus amamianus nomurai Mizunuma, 1994 ( 沖縄本島国頭村産 自己採集からの累代 WF1 雌 26mm H18.12.2活動 )

10月29日に羽化した第1 号雌は蛹室から自力脱出して活動を開始していたので、一足早く11月29日に冬眠・越冬組として屋外飼育へ切り替えていた。
本日は9月14日に割り出した幼虫の内2 頭目の終齢幼虫で雌と看做していた個体が、予定通りに雌成虫として自力で蛹室を抜け出て活動しているのが観察された。200ml プリン・カップでの飼育で容器壁面に沿って蛹室を作らなかったので、羽化していたことすら気付いていなかった。それ故に突然の雌成虫の発見に嬉しかった。体長は母虫より1mm 大きい26mm であった。リュウキュウコクワの雌としての特徴が良く出ている個体である。
屋外越冬させる前の準備期間として、数日間は暖房の入らない廊下でゼリーを入れて飼育することにした。



平成18年12月5日 飼育 アマミコクワ 奄美大島名瀬市朝戸産 F3

アマミコクワガタ (原名亜種) Dorcus amamianus amamianus (Nomura, 1964) (奄美大島名瀬市朝戸産 β系統 F3 雄26mm、25mm )

既に飼育中の系統と同産地のアマミコクワガタの雄2 頭を別に入手した。こちらの系統は例によってβ系統とし、来年には先のα系統 F5 の雌とつがわせて繁殖させる予定である。
リュウキュウコクワガタとヤクシマコクワガタの2 種以外は、全て2 系統以上揃うことになった。1 系統しかない種はどちらも累代が浅くて余裕があるので、焦らないで増やして行こうと思う。

種としては、Dorcus rectusDorcus amamianus の全てが揃っているのだが、最近になって、広義のコクワガタという区切りでは、スジクワガタ Dorcus binervis binervis Motschulsky, 1860 (今まで一般によく使われていた Dorcus strianipennis (Motschulsky, 1861 ) という学名は、実は本種のシノニム ) が抜けていることに気付いた。スジクワガタは千葉県にも棲息するのだがどちらかと言うと冷涼な環境を好む為か、少なくとも小生の知る限りでは房総でしか採集例を聞いたことがない。棲息環境は涼しく高湿度を求めるミヤマクワガタに近いのかもしれない。そんなスジクワガタは元々日本に広く分布する普通種でありながら、一般のコクワガタと違って棲息場所が局地に限られている。灯火にも飛来すると言われているが極めて稀で、路上を歩行しているのを目撃される方が多いように聞こえる。従って、九十九里平野を拠点としている小生には、スジクワガタの採集経験がないばかりか、実物を実際にこの目で見たこともない。どうせなら、地元千葉県産を自己採集して繁殖させたいものだが、スジクワガタの採集は房総迄足を伸ばす必要があり、土地勘もない地域でのちょっとした挑戦となろう。
更に懸念されることは、縦しんば運良くスジクワガタを採集したとしても、繁殖に成功するかどうかが甚だ疑問である。普通種でありながら、ヒメオオクワガタと並んで国産クワガタ中で最も累代が難しいと言われている種なのだ。スジクワガタの繁殖技術が確立されない理由は、普通種であるというばかりでなく、小型コクワガタであるが故に不人気種であるということも理由となっていよう。そこで、小型マイナー種を中心として愛好する小生としては、スジクワガタの繁殖技術を確立することも一つの楽しみになるかもしれない。自己採集千葉県産の累代に成功した暁には、屋久島産亜種 Dorcus binervis yushiroi の飼育も視野に入れられるようになることだろう。来年の採集目標にスジクワガタも加えることにする。



平成18年12月7日 ポイントMG120706 探索

去年から探し始めて未だに大物のいるポイントを1箇所も新たに発見して追加することが出来ていない。今日は夜勤の仕事帰りに以前から気になっていた場所へ寄ってみた。実際に林の中に踏み込んでみると、遠目から見えていたよりも濃い場所であることが分かった。樹液を出している木は(勿論今は冬なので樹液痕)、この地域に独特のマテバシイを中心としたちょっとした常緑広葉樹林になっていた。クヌギやコナラを主体とした林ではない為、遠目で見ても針葉樹の植林と比べて際立って目立たない色なので、今まではそれ程気にも留めずに通り過ぎてしまっていたのだと考えられる。
樹液痕のある木は、マテバシイが片手程の数、若木のハルニレが2・3本だ。マテバシイは洞や捲れもある有望な木々で、この地域の林ならヒラタがいる可能性が限りなく高い。コクワの屍骸は直ぐに見つかったが、手入れが良過ぎる傾向があって、林床には落ち葉や屍骸が随分と少ない。マテバシイが並木状になっているが、枝打ちされて葉が一つもない木が数本見られた。それ以外には樹液痕は見当たらないがコナラが2・3本ある。そして、このポイントで大物が棲息する可能性として何よりもその根拠としているのは、幼虫発生木に相応しいと目せる木々があることである。今年は、幼虫発生木を探すことが、大物探しには最も重要であることに気付かされた。洞や捲れ、樹液の出るそこそこ太い木という、幾ら条件の良い木を見つけても、その近辺に幼虫発生木がなければ成虫を発見出来る可能性はほぼないに等しいということを痛感したのである。また更にこの地域での幼虫発生木は、この地域の特性を表した樹種であるという予想も立てている。広大なブナ原生林や台木が豊富にある地域でなくとも、条件さえ揃えば意外に狭い区域でも細々と棲息しているものであると想像している。只、「広大」「豊富」という言葉とは無縁な地域であるから、個体数も出会える確率もそれなりであるのは明白だ。来年こそは今までの努力が開花し始める年であると期待したいものだ。



平成18年12月17日 飼育 リュウキュウコクワ 沖縄本島産 WD

リュウキュウコクワガタ Dorcus amamianus nomurai Mizunuma, 1994 ( 沖縄本島国頭村産 H18.7.5 自己採集 WD 雄 29mm 雌 25mm )

今月になってから雌雄共に餌を食べている様子がないので、成虫共は愈々冬眠・越冬態勢に入ったようだ。春先に成虫が活動し始めた際に母虫による幼虫の捕食を避けたいので、成虫は取り出して別容器へ移すことにした。ところが、雄はマット内から直ぐに見つかったのだが、例によって、雌は産卵木中に潜んでいるらしく見つけることが出来なかった。産卵木を割る心算はないので、仕方がないが雌はその儘材中で寝かせておくことにした。雌とは来年の3 月に会おうと思う。

■今日の収穫
終齢幼虫 1
WF1 合計飼育個体 7



平成18年12月17日 飼育 トカラコクワガタ 悪石島産 F3

トカラコクワガタの雄

トカラコクワガタの雌
トカラコクワガタ Dorcus rectus kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) (吐喝喇列島・悪石島産 α系統 F3 雄H18.4羽化43mm、雌H18.2羽化29mm、27mm)

トカラコクワガタの雌雄も今月になってから全く餌を食べている様子がない。また3 頭の幼虫が飼育容器壁面で観察されているので、幼虫掘り出しも兼ねて成虫を取り出して別容器へ移すことにした。
成虫は3 頭全てがマット内から見つかった。全個体共とても綺麗で草臥れた様子はまるでなく、新成虫だと言われても見分けが付かない程である。それぞれ個別に500ml 容器へ移して、念の為少量の餌も入れて保管した。成虫は来年の3 月頃までゆっくり休ませて、また沢山の子孫を残して貰おうと思う。
幼虫は見えていた3 頭以外にも2 頭がマット中から見つかった。全て亜終齢幼虫で初期から後期の個体まで様々であった。
ところで、成虫の写真を自然光下で撮り直してみた。映像をコンピュータに取り込んでから色合いと輝度をある程度は修正してみたものの、室内ストロボ撮影下で得られた映像と比べると、トカラコクワガタの特徴である赤味と艶が明らかに薄れてしまっている。自然光下で肉眼で見えているような映像とはまるで違う色合いや艶、質感になってしまっている印象だ。撮影時は夕方であっただけでなく、曇天であったことも影響しているだろう。写真のプロではない小生にとっては、自然に近い質感を持った映像を得るのは難問である。

■今日の収穫
α系統 F4 幼虫
亜終齢幼虫 5
合計飼育個体 24 (9月の里子5頭は含まず)



平成18年12月18日 飼育 オキナワノコギリ 沖縄本島産 WD

オキナワノコギリクワガタ Prosopocoilus dissimilis okinawanus Nomura, 1962 (沖縄本島国頭村産 H18.7.5 自己採集 α系統 WD 雌 26mm )

11月5日に幼虫を掘り出してからも飼育容器底面で産卵が続けられていることを確認していた。しかし、どうもそれらの卵は孵らずに腐ってしまったようである。今日は掘り出して中の様子を見ることにした。
蓋を開けてみてかなり拙い状況になっていることが分かった。マット全体が水分過多で腐ったような感触になっていたのだ。とてもクワガタを飼うに相応しい環境ではなくなっていた。道理で卵が腐る訳だ。更に悪いことに、半分程掘ったところで母虫の屍骸を発見した。前回掘り出し時迄はあれだけ元気で越冬するのではないかとすら思っていたが、管理不行きが祟ってとても残念なことになってしまった。餌を食べに出て来なくなって久しかったが、まだ死んだばかりのようで少しでも脚が動くのではないかと思うような屍骸であった。流石に死亡直前は草臥れていたようで片方の後脚フ節が欠損しているのだが、自己採集天然個体で思い入れがあるので標本にして残すことにした。
振り返ってみると、産卵されているのが分かっていたし、母虫の越冬もあるので早目に飼育容器を開けようと思っていたが、他の虫の世話でなかなか手が廻らなかった。ノコギリはよく増えるというのも油断の原因であった。残された子孫を大事に育てようと思う。

■今日の収穫
本雌個体の死亡を確認
幼虫の追加はなし
α系統 WF1 合計飼育個体23



平成18年12月18日 飼育 トクノシマコクワ 徳之島産 WF1

トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 α系統 WF1 H18.7羽化 雄34.3mm 雌30.5mm)
トクノシマコクワガタ Dorcus amamianus kubotai (Fujita et Ichikawa, 1985) (徳之島産 α系統 WF1 H18.7羽化 雄33mm 雌29.8mm、28.0mm )
トクノシマコクワ 雄 33mm
トクノシマコクワ 雌 30.5mm
今月に入ってから殆ど餌を食べている様子がないので、成虫共を冬眠・越冬させることにした。マット中に幼虫は確認出来ないもののどの材も激しく齧られている。材中に幼虫が何頭かいるだろうと考えられるが、材から割り出しはせずに成虫を取り出して別に飼育することにした。春先に成虫が活動を始めた際に、材中にいるであろう幼虫が母虫に捕食されるのを防ぐ目的だ。成虫はマット内や材の傍らでじっとしていた。皆変わらず元気であった。これからは静かで涼しい(凍えるように寒い ) 屋外の日陰で来年3 月迄ゆっくり寝て貰う。

■今日の収穫
なし
α系統F2 合計飼育個体 2



平成18年12月18日 飼育 オキナワヒラタ 沖縄本島産 WD

オキナワヒラタクワガタ Dorcus titanus okinawanus (Krieshe, 1922) (沖縄本島大宜味村産 H18.7.5 自己採集 WD 雌 37mm )

11月21日に母虫を取り出してあった飼育容器内を検分してみた。殆ど土化したマット中にはミミズ以外には何も見当たらなかった。産卵木は手で崩れる部分が殆どで、その中から亜終齢幼虫1 頭、初齢幼虫3 頭を回収した。手で崩れない部分が幾分残ったので、再び土化したマットで埋めることにした。万が一、取り残した幼虫が残り僅かな材から零れてもマット中で育つようにと、仕上げにマットを固く詰めていた。すると、どこから出て来たのか押し潰された初齢幼虫がマット表面で虫の息となっているのを発見した。またやってしまったのだ。しくじった。とても残念だが仕方がない。掘り出し割り出し時に何割かを圧死させてしまっても、飼育下では少なくとも天敵による個体数の減少がないということを勘案することで、自分の不甲斐無さをある程度は諦めようと思う。こんなごり押しな思考の転換によって気分の調節をしている。

■今日の収穫
初齢幼虫 4 (内1 頭は割り出し時に圧死)
亜終齢幼虫 1
WF1 合計飼育個体 4
(未だに孵らない11/21の卵 1は含まず)
オキナワヒラタの亜終齢幼虫



平成18年12月31日 雑記

今年はゴールデン・ウィークから続いた天候不順により気温が上がらずに夏らしい夏が非常に短かった。この影響は地元千葉県でも南会津への遠征時でも見られ、虫の個体数が薄かったり発生時期にずれが起こったりしている節が見受けられた。
特に南会津での採集 (平成18年9月10日 10時 29℃ 南会津 採集 ) は今年が初めての遠征だった訳で、採集活動そのものは貴重な体験であったし言うまでもなく楽しかったものの、思わしい成果が上がらずに大変巡り合わせの悪い苦い経験となってしまった。ヒメオオクワガタ Dorcus montivagus montivagus (Lewis,1883) のことを話しているのだが、誰に聞いてもどこの採集記を見ても例年になく個体数が少なかったようだ。これは勿論、一概には大いに天候不順が影響しているだろうが、加えて、採集地としての林道の一時代の終わりを示している例である可能性もあるだろう。新しく林道が出来てそこでクワガタが採集されるのなら、建設から数年間が旬だと言われている。即ち、それは林道が建設されて周囲が乾燥することによる環境の変化迄数年という意味と、建設による開墾で周囲の草木が伐採された為に、一時的に見られる増加した朽木がクワガタの発生場所として減退する時期が来ているという意味が考えられるのではないか。
唯一天候不順の影響を受けなかったのは、これもまた初めての遠征である沖縄採集兼家族旅行 (平成18年7月3日 沖縄 採集 ) であった。条件としては短い期間であったのだが、狙っていたリュウキュウコクワをつがいで得ることが出来てこれ程の満足な成果はなかった。その後もこの天然個体から子孫が得られているので、自己採集から累代している記念すべき系統となっている。
地元での採集活動では、ヒラタクワガタの雄は言うに及ばず雌が得られたことが大きい。今のところ3 箇所 (ポイント ) で雌が得られている。
(平成18年6月29日 21時 25℃ ポイントTT010106 他 採集) (平成18年9月16日 21時 23℃ ポイントOS092405 採集) (平成18年9月23日 16時 ポイントYT092306 採集)
この内2産地からは既に雌幼虫が得られているので将来的な累代には問題ないだろう。

以上、ヒメオオクワガタ採集は完全な空振りに終わったものの、地元ヒラタの雌が得られたので今年当初の採集目標はほぼ達成出来たと言っても過言ではない。

さて、来年の目標を掲げるとしよう。前述の通りヒメオオをつがいで採集したいのは勿論であり、来年も引き続き地元オオクワガタの雌の採集が究極の目標である。大人になってからは去年から虫活動を開始したと言う、まだ経験の浅い活動であるのだが、捕獲出来ないものの毎年オオクワの雌を観察することが出来ており棲息の確認が取れている。単に採集することだけが目的なら、目星を付けた材を片っ端から割って幼虫を採集すれば最短で夢が叶うのだろうが、本来の目的は地元個体群を保護したいという、めでたくも大それた志の下での活動なので、材割り採集は開発によってそのポイントが消滅する際の例外的な最終手段だと位置付けしている。そもそも地元である九十九里平野では、この土地の特性からオオクワを材割り採集することは不可能に近いし、「広大」「豊富」という形容からは程遠い地域なので、そんなことをしたらそのポイントをこの我が手で即座に潰す行為になってしまう。全くの不本意な話である。地元オオクワ雌の採集は何年掛かるのか予想が付かないが、ポイントが消滅しない限り気長に試みようと考えている。
次なる目標は、先に述べたように (平成18年12月5日 飼育 アマミコクワ 奄美大島名瀬市朝戸産 F3 ) 千葉県産スジクワガタの採集である。これはミヤマクワガタの採集と併せて進めようと考えている。房総に出向くのが手っ取り早いのだが、両種共に非常に稀少な千葉市産の採集を目論んでポイントを絞っているところだ。実は千葉市にミヤマが棲息する話は聞くのだが、スジクワは確認が取れていない。ミヤマが棲息しているのなら、その林にスジクワもいる可能性があると小生が勝手に信じているだけだ。ミヤマがいるような林を見つけられれば、主に木の上方にミヤマ、下方にスジクワが付いているのではないかと予想している。

来年はどういう年になるのだろうか。目標が達成出来なくても、家族や友人と楽しい活動が出来れば幸いである。





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