トピックス015

駅売りタブロイド


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ここは「駅売りタブロイド」。心の話には不透明で不確かな話も、矛盾だらけの話もたくさんあります。
ここでは独断や偏見が混ざることを承知でそんな話をあつかっていきましょう。
よって、ここでの記事には特にご注意ください。読まれた方のご批判・ご意見・ご感想をお待ちしております。
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精神科医療と福祉が変わる、
グランドデザイン  2

 さて、前回「グランドデザイン」ということの大枠を見ました。理念や方向性を見ると「なるほど、そりゃそうだ」というふうに見えるのですが、現実問題はなかなか厳しいものがあります。今回はその辺の問題を考えましょう。

 まず、いま先行して少し話題になっているのがさまざまな費用の問題がどうなるかということです。身体・知的・精神の3障害の統合化によってどうなるのか。現在、施設から出た身体障害、知的障害の方には「支援費」というものが払われています。これは日常生活に何らかの支援が必要なときに、ヘルパーさんに来てもらったりするための費用です。今のところ高齢者の介護保険とは別ですので、福祉の中から支払われています。施設にいれば何もかもですが、ヘルパーにすることで、必要な援助を必要な分だけにしてもらおう、できることは自立してもらおうとして始まりました。ただ、これも現状ではヘルパーさんの数が少なく、自治体によっては障害者の方までヘルパーが行き届かないという問題もでています。ヘルパーさんにも障害者のケアについて新たに学んでもらう必要がありますから、これも課題です。精神科でもヘルパーの利用は上げられていますが、「支援費」という制度はまだ導入されていません。多くの方が未収入なので実質的には自治体によって費用がまかなわれているのが現状です。その分さらにサービスが回ってきませんから、今のところヘルパーの援助はかなり限られています。
 同様に就労支援のための授産施設や福祉工場、そこから続く社会参加の仕組みも身体・知的障害の方がかなり進んでいます。一般にある程度大きな企業になりますと、障害者も雇用しなさいという法律があるのですが、雇用できない場合はある程度の費用を払うことで免除されるので、多くの企業は雇用するより、料金を払う方を選んでいます。この障害者の雇用については精神障害者も現在は含まれていますが、なかなか現実的には機能していません。精神障害者の福祉施設はこうした就労支援施設以外のものも含め、多くが民間の手で細々と運営されています。簡単にいえば家族の方が協力しあって作業所や集いの場を作り、自治体からはわずかな補助費をもらってどうにか運営している状態です。この補助費も自治体によってまちまちですので、同じ作業所であっても補助費の額に違いがあるということもあります。今後精神障害の福祉施設でも身体・知的障害の施設同様の補助がついてくれれば多くの施設の助けになるでしょう。しかし、これも一方では補助費の均一化が出てきますので、これまで高めの補助をもらっていたところは安くなったり、補助費の予算があまり増えないのに、支払う施設が多くなれば、当然補助費自体も削られてくるわけで、よい話ばかりではありません。

 一方、精神科で特別に認められているのが「通院公費負担制度」といわれるものです。「32条」など俗に言われたりもします。精神科では入院の促進もありましたが、外来通院の促進も必要だったこともあって、外来での治療費が割安になる制度があります。通常3割負担(30%)の支払いが0.5割(5%)でよいとされています。少数ですが、自治体によっては精神科の受診は全額自治体負担となっているところもあります(割引き分は自治体が払っています)。こういうことでサービスのあり方がちょっとずつ違います。これを統合するのですから、精神科側の面からいうと「支援費」はありがたいことになりますが、「通院公費負担制度」の行く末は心配されるものです。前回も見ましたが、精神科の患者さんはものすごく多いので、全ての人の外来通院費を安くしている制度は継続が難しいと考えられるからです。この制度がなくなることはないとしても負担率がいくらかアップする可能性は否定できません。今年の国会で討議されることになっていますが、収入がある程度ある人は負担率がアップする可能性はあります。

 次に現実的な問題は、入院されている方の実際の生活力、さらには生活への意志の問題です。これは病院の体質とも関係があります。「温室の花」でも触れた問題です。これまで入院環境という閉鎖的だけれどもある意味で楽な生活をしてきた方が、自活を選び、なおかつ継続が可能かという問題です。本人からすれば三食昼寝に友達付きの環境から出なければならないし、病院としては長期利用してくれている店子(たなこ)を失うことになります。退院されることは即収入減になるのです。どうしても積極的になれません。本来なら早い段階で退院を目標とした意識づけと、生活力アップのプログラムが必要だったのですが、ズルズルと何十年もたったあとでは、やる方もやられる方もしらけムードが漂ってしまうというのが本当のところです。また、入院初期の段階ではどうかというと、精神科の入院というのは病気の重い、軽いが問題ではなく、生活の不適応がその基準となります。その上で多くの場合はこの不適応の自覚というものが十分でなかったりするのです。本人には本人なりの言い分もあって、自ら改善する気になってもらうためには、根気のいる取り組みが必要です。現在、私はこうした取り組みに力を入れているのですが、難しいところも多々あります。本人が生活への意識を持って取り組むためには、今まで以上の努力が必要でしょう。

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