| ここは「駅売りタブロイド」。心の話には不透明で不確かな話も、矛盾だらけの話もたくさんあります。 ここでは独断や偏見が混ざることを承知でそんな話をあつかっていきましょう。 よって、ここでの記事には特にご注意ください。読まれた方のご批判・ご意見・ご感想をお待ちしております。 |
精神科医療と福祉が変わる、
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| 「温室の花」という話の中に精神科医療の歴史を書きました。そこでは医療の現状として、社会的入院といわれる長期入院患者の存在が問題になっていることに触れています。あれから数年。問題はそろそろ現実的な変化に結びつけられようとしています。最近のニュースでよく聞かれるように、政府の財政はひっ迫しており、その中でも医療費の増大と高齢化社会を迎える上での福祉の増大が大きな問題になっているわけです。ということで、今回は今後起こりそうな精神科医療に関する変化に触れてみようと思います。 精神科の医療がなぜ注目されるのかというと、世間ではあまり知られていないのですが、精神科に入院している人の数がものすごく多いからです。日本の入院患者の20%近くは精神科に入院している人なのです。当然、患者さんの数もものすごく多いのです。そのことを世間一般の方々は知らないということが、まさに日本の情報の偏りを示しているのが実情なのです。しかし、当然ながら厚生労働省はこのことをよく承知していますから、医療費の増大を防ぐために精神科の医療をこのままにしておくわけにはいかないのです。そこで「温室の花」でも触れたように、病気そのものの治療はたいして必要でなくなったのに、生活の場がないために入院しているような方々(「社会的入院者」と言います)を早期に退院させるように提案しました。しかし、提案しただけでは動かないので、厚生労働省は去年、全国で72000人の入院者を今後10年のうちに退院させるように具体的な通達を出したのです。各都道府県別に退院目標を定め、それを達成するように指示しました。もちろん、退院させるだけでなく、それで空きになる72000床のベッドはそのまま削減して病院を縮小するように言っています。多くの病院にとっては約1割程度は規模を小さくしないといけません。 さらに、これまで精神科はやみくもに入院患者ばかりを増やしてきた、治療的な手だてが手薄だったのではないかという認識に立って、新しい治療手段をどんどん取り入れるように言っています。こちらも「温室の花」で触れていますが、世界各国の精神科の入院者の割合は日本がダントツに多く、72000床の削減がうまく達成されたとしても、まだ世界各国の比率にはおよばないのです。もっと入院にいたらないような、せめて長期入院にならないような治療をするようにと提言しています。そのために注目されているのは「精神科救急」や「急性期治療病棟」という概念です。実はこれらは精神科に特別なことではなく、内科・外科などではずっと取り組まれてきたことです。簡単に言えば、必要な時に必要な治療があればよいわけですから、「救急」さえしっかりしていれば、慢性の病気やいつ状態が変化するかわからない病気でも、常に病院にいる必要はないわけです。治療よりはまず予防を徹底しようというのが現代の医学です。「治療病棟」も病院でしかできない治療については入院してもらいますが、自宅療養でよいものはどうぞ自宅で過ごして下さいというわけです。手術後のリハビリなどはこういうものが多くなりました。かつての「病院で安静」などというものは回復を遅らせるばかりで意味はない。慢性の疾患でも自宅で管理できるものは、自宅に帰るのがよい。そこで新たな人生を見つけるべきだ。人生が治療のみに終始してはいけないという考えです。精神科も同じです。突発的な出来事に救急で対応し、必要な治療が済んだら自宅でリハビリをする。自分の人生を大事に、暮らしを立てていってほしいと考えています。これらの病棟も理想だけを言っても仕方がないので、入院期間をあらかじめ「3ヶ月」と定め、その通り治療が3ヶ月以内に達成した場合には、それに合わせて入院費を高く設定しましょうということになっています(内科や外科でも3ヶ月ぐらいになると退院をすすめられますね)。 ということで、長期入院者を退院させること、新規入院者を長期化させないことという2方面から精神科医療は縮小を求められているという姿がまず確認できます。 |
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