トピックス008

駅売りタブロイド


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ここは「駅売りタブロイド」。心の話には不透明で不確かな話も、矛盾だらけの話もたくさんあります。
ここでは独断や偏見が混ざることを承知でそんな話をあつかっていきましょう。
よって、ここでの記事には特にご注意ください。読まれた方のご批判・ご意見・ご感想をお待ちしております。
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温室の花 2

 前回、精神障害者に対する法律の変遷を書いたのは、それがこうした病気を持って生きてきた人の生活に大きく影響してきたからに他なりません。私自身もこの仕事をはじめるまでは、こうした歴史を何も知らずに生活していました。

 確かに法律の流れから客観的に見ると精神科の歴史の話はどうしても暗い、よどんだ話題が多くなるのですが、しかし、もう一つ実際にこの医療に取り組んでいる人たちが全て悪者で、何もしてこなかったと思われるなら、それは大きな誤解であることも付け加えたいと思います。精神科の医療者の多くは、こうした事態や風潮を変えようと、あるいは少しでもこの世の中で生きやすい道はないかと患者さんとともに模索してきた歴史がまたあるのです。精神科医療の歴史は病気との闘いである一方で、偏見や誤解の強い社会や法律との闘いでもあったのです。

 1番ホームの統合失調症「疫学」の中で触れていますが、日本で統合失調症という病気で入院生活をしている人は33万人(1999年9月)にのぼります。その平均入院日数(在院日数)は390日を越え、さらに精神病院の開放化率を見ると約50%程度になると言われています。「開放」というのは内科や外科の病棟のように患者の日常の出入りが自由な病棟のことです。反対に入り口に常に鍵がかっていて、その出入りに制限がある病棟を「閉鎖病棟」と言います。つまり、精神科では33万人の人が一年以上の長期の入院をしながら、その半数近い人々は自ら自由に出入りすることの許されない閉鎖病棟にいるということになるわけです。こうした数値はどれも欧米のそれを遙かに上回るものです。もちろん、日本の精神病の方が欧米の人に比べて重症だということではありません。このような現実も法律の流れにそって社会との兼ね合いの中で生まれてきたものなのです。

 ※日本全体の入院者で精神科の患者が占める割合は24%ほどで、精神科以外の一般病院での平均在院日数は30日程度です。また、欧米との比較で見ますと1991年度の調査ですがアメリカでの精神科の平均在院日数は約13日、イギリスで217日、ドイツで35日程度になっています。同様に人口1万人あたりの精神科のベッド数は日本が29床であるのに対し、アメリカでは6床、イギリスでは15床、ドイツでは16床となっています。
 
 先にも書いたように心ある精神科の医療者たちはこうした現実の中でも努力を続けてきました。病棟の環境を改善し、施設を充実させ、少しでも生活を豊にしようとする取り組みは多くの病院で行われてきたのです。運動のできるグラウンドや体育館、園芸・農作業ができる花壇や畑、中には焼き物をするための陶芸釜やお茶室があったり、最近ではパソコンやワープロなどができる病院さえあります。これらはそもそも患者の社会復帰や退院後の日常生活への円滑な順応を配慮して用意されてきたものです。しかし、それにも関わらず、上記のように入院者の数も、その在院日数も非常に多いというのが、現在の状態に他ならいなのです。

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