小さな小さな温かい世界を飛び出したのは
引越しがきっかけだった。
新しい学校。
新しい教室。
新しいクラスメート。
これからはじまる生活に期待と不安を抱いていた・・・。
しかしそれは悪夢に変わるのに時間はかからなかった。
私は違和感を感じていた。
告げ口、悪口、非難が飛び交うのを
幼稚すぎる
と見ていた私。
女の子たちは恋とおしゃれに夢中だった。
私は色気にも目覚めていなかった。
いじめと競争が頻繁だった。
私はいじめを見たこともなかった。
今までと180度違う世界。
転校二日目。
帰りの会でA君が
「帰りたいちゃんに無視されました!」
と言いました。
誤解は解けず
私はA君の罠に落ちました。
クラスメートや先生が叱ります。
私はA君に謝らなければなりませんでした。
ある体育の授業。
B君は「ムカつく」と言ってからんできます。
乱暴な口調。
私は負けまい、と張り合おうとしました。
その瞬間みぞおちに強い衝撃。
・・・・・・・。
重い痛みと息のできない苦しさでうずくまりました。
痛みと苦しさとショックで涙が流れ落ちました。
気づかない先生。
見てみぬふりのクラスメートたち。
「転校生だから」
「転校生のくせに」
「ムカつく」
「ムカつく」という言葉は鋭いナイフみたいでした。
恐ろしい、乱暴な言葉。
大嫌いでした。
そして中学へ。
中学三年のある日。
C君が私の笛を投げて壊してしまいました。
私はその笛を大事に使っていました。
悲しいときも嬉しいときも笛を奏でると
きれいな音色が出て
私を励ましてくれました。
壊れてしまった時
ものすごくつらかった。
・・・・・・・。
C君に弁償してほしいと言いました。
家計が苦しい両親に負担をかけたくなかった・・・。
これからも授業がある。
妹も使う。
そんな思いを込めながら訴えました。
C君は「うるせー!俺じゃない!」と逃げていきました。
・・・・・・・。
これらはとくに強く心に残って誰にもいえなかったことです。