物語019

 
僕の、私の、
車窓

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人生の意味が何であるかなんて誰も知らない。
ここにあるのはただガタゴト生きる人の、がたごと物語。

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光の出口へ生きたい

マミー 女性 24歳
私は物心が付く頃には、殴られていた、蹴られていた、家から閉め出されていた。
鬼のような顔をした母親が、私に罵声をあびせながら頭の上から棒を振りかざしてくる。
毎日、紫色のアザを作っていた。私は小さいからひたすら謝った。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。・・・」
体を小さくして、全身に力を入れて耐えていた。毎日が恐怖だった。

中学に入って鬱状態になった。死にたいとも思った。

ある日、母親が突然「もう、あんたたちの体力には負けるから叩くのやめるわ。」と言い放った。
「ふざけるな!私達(姉と妹がいるので)がどれだけ苦しんだか。
そんな簡単な言葉で終わらせるな!!!!!」私は今まで以上に許せなかった。

高校には一応入った。なんの魅力も感じなかった。友達も信用できず、行かなくなった。
この頃、一度だけカウンセリングに行ったことがある。机に向かい合わせに座り、話をする。
それだけならいいのだが、私の話した事をいちいちカルテに書きとめていた。
不愉快だった。まるで、私が精神病扱いみたいで・・・
過呼吸は毎日のように襲ってくる。母親は酒を飲み、叫ぶ。
そんな家に居たくなくてフラフラし、シンナーに逃げ、結局、高校も辞めてしまった。
自分の生きる意味が分からなかった。
家を出て、しばらくして帰ってきたときには、体は痩せ細って自分でも気持ちが悪いくらいだった。
何もしなくなり、全てが嫌だった。
過呼吸がひどく、安定剤を飲むことになった。

そんな毎日が2〜3年位続き、仕事をしてもすぐ鬱になり、辞めたりしていた。
いい加減な毎日だった。

そして、22歳の時妊娠・結婚  23歳で出産 

妊娠したときは降ろしたくない気持ちでいっぱいで、生きていく理由もできると思い
産むことを決めた。
もちろん子育ては人並みに出来ると信じてた。

        −−−−出来なかった−−−−

子供が泣く・・・過去の記憶が甦ってくる
鬼の顔をした母親が私を殴ってくる
          私は泣き崩れる

私は「子供を叩かない」そう思ってきたのに、叩いた・蹴った・子供から逃げた
自分が許せなかった。母親みたいになる自分が許せなかった。
ノイローゼになった私は、嫌だったカウンセリングに行くことを自分で決めた。
薬を飲む事になった。

カウンセリングではもちろん子供の話はするが、ほとんどが私の過去の話になる事が多い。
ただ、最近気づいたことがある、自分は二重人格ではないかと・・・ 記憶に関しては自分でも分からないのだけれど、頭の中で誰かが私に話しかける。私と会話したりする。
いつも誰かに見られて居るような気がしてならない。
そのことをカウンセリングで話したとき、突然頭の中でパーンと風船が割れたような感じになって真っ白になり、声が出なくなって、後ろからものすごい勢いで引っ張られる状態になった。「もうだめだ」と思った時、先生が、私の手を握って「大丈夫、大丈夫、大丈夫だからね。」と言ってくれた。  
        −−助かった−−
そして、「まだこの扉を開くのは少し早かったね。焦らずゆっくり行こうよ。」と言った。
私としては、早くこの状態から抜け出したいのに・・・

ここ(ガタゴト)と出会ってから自分と向かい合う余裕が出来るようになった。
そしてわかった。
母親の事が大好きだったこと。
私の中にいるのが幼い頃の私だったことが・・・
幼い頃の私が体と一緒に成長できず、心の中で生き続けていたらしい。
二重人格ではないことが分かった。
彼女は必死に私に話しかけ、気持ちを伝えようとしていた。
家族にそのことを話した。そんな私をみんなは受け入れてくれた。
すると彼女は感情までも表に出すようになった。今の私の体を使って暴れ、泣き、叫んだ。
昔、表に出せなかった自分の感情・・・成長した私の体にはとても辛いものだった。
毎日、泣き叫びながら頭を壁にぶつけ、救いを求めている。
途中、今の私に戻るときがある。辛すぎてその時は全て終わりにしたい気持ちでいっぱいになり、
母に「殺して、お願いだから私を殺して。もう嫌だ・・。」と叫んだりした。
「ごめんね。抱いてあげられなくてごめんね。」そう言いながら母は私を抱きしめた。
昔した自分の過ちに苦しんでいた。
幼い頃の私は納得したのか、最後に「お姉ちゃんバイバイ」といって消えていった。

未だに話しかけられることがある。誰かは分からない。
まだ私の心には何人か住んでいるらしい。いつまでかかるか分からないけれど、
一人一人、向き合って解決していかなければいけないと思っています。
ここまでの人生で、私が置いてきてしまった私の心なのですから・・・。
2001/5/6記

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