
| ここで興味を持たれ、さらに深く知識を深めたいと思われた方は、 より専門のホームページか、専門書籍等をごらんになられることをお薦めします。 |
アルコール依存症 14 |
| AA・断酒会 |
| AAはAlcoholics Anonymous(アルコホーリックス アノニマス)の略で、「匿名の酒害者の会」「匿名断酒会」などと日本では訳されています。現在はアルコールの問題で苦しむ全世界100を越える国に広がり、アルコール依存症者の回復に向けて中心的な活動をしているグループです。日本でもこれに習って断酒会というグループが発足しました。AAを取り入れたときに日本人流に少しアレンジを加えたと言えばよいでしょうか。ですから、基本的な点では同じなのですが、それなりの特徴があって、現在ではAAと断酒会がそれぞれの活動を広げているというのが日本の現状になっています。 AAは1935年、二人のアルコール依存症者によって始まったとされています。彼らはそれまでアルコール依存症のさまざまな治療を受けてきましたが、なかなかアルコールをやめることができず、途方に暮れていました。ある時知り合った彼らは、いつの間にか夜ごとに会っては、これまでの人生の話をお互いにするようになりました。それが気がつくと、二人はそうなってから、今までどうしてもやめられなかったアルコールをやめて暮らしているようになっていたというのです。彼らはそのことを他の人にも話し、仲間を増やしていきました。すると、彼らと同じようにアルコールをやめられる人が少しずつ増えていったのです。特別なことは何もありません。ただ、集まってお互いに自分のこれまでのことを話し合うだけです。お互いの話に批判や批評もなければ、立派な教えもありません。しかし、なぜかそれによってアルコールから離れていく人が確実に増えるようになったのです。 アルコール依存症の治療は残念なことにその当時も現在も大きな進歩がありません。確かに肝臓の治療薬やその他の合併症を治療する方法は進歩しています。しかし、アルコール依存症に肝心な「飲みたくなること」を止める薬はいまだにないのです。個人のカウンセリングやその他のさまざまな試みも、この依存を止めるのに有効と言えるほどの方法はありませんでした。それがこのAAの活動が始まって以来、実際に多くの人がアルコールから離れることが出きるようになりました。現在ではさまざまな角度から、このAAの効果について議論が起こり、その役割を説明しようとしていますが、当事者にとっては説明が科学的かどうかということより、実際にアルコールをやめることがでできるのかということ以上に必要なものはないのです。AAは人から人に伝えられて、今では世界規模の活動をしています。 AAや断酒会の基本的な活動は先の話の通り、ミーティングです。当事者が集まり、これまでのことを話していくだけです。両者の違いは会の運営の方法にあります。AAはその名の通り「匿名」であることを重視しています。これはどんな人でもその立場や社会的な地位に関係なく、AAの場では同じ一人の酒害者(しゅがいしゃ)であることを示しています。ミーティングは進行役がいるだけで、これも持ち回りでします。会そのものも当事者本人だけか参加するのが基本です。運営も自分たちの持ち寄った資金だけで運営していきます。それは依存という関係から自ら独立して立っていこうとする姿勢の象徴でもあります。 断酒会は選ばれた会長が世話役、まとめ役を行い運営をしていきます。日本にAAを導入する際に病院が主要な役割を持っていたこともあって、病院関係者や福祉の関係者などがミーティングなどにより積極的に参加することも認めています。もちろん、断酒会も基本は当事者中心で運営していきますが、断酒会はAAに比べると組織の決まりやルールなどがより明確にされて、運営のしやすさが重視されています。 どちらがよいかということは問題ではありません。どちらにも歴史があり、その運営やあり方はともに酒害者自らの経験原則を中心に動いているのです。本人が自らその会に参加し、自分にあうと思う会に入ればよいと思います。AAも断酒会も日本中に広がりを持っています。まず足を運ぶことから治療はスタートするのです。アルコール依存症から脱出するために必要なのは「酒をやめて、普通の生活を取り戻したい」という願いのみです。 |
| (2000/4/7記) |