識別のヒント
図鑑の記述を鵜呑みにすることは禁物! 写真のキャプションが誤っていることは少なくないようです。海外の図鑑については概ね、欧米のものは極東アジア種の記述に正確さを欠き、日本を除く東アジアや東南アジアのものは、オオジシギについて、触れていなかったり、記述に正確さを欠いています。結局、日本で見られるジシギ類については、日本人の手で識別方法を考えなければならないでしょう。
ジシギ類の識別は一般に「困難」とされながらも、そのヒントとなる識別ポイントの数だけは多くあります。ここでは、各種文献に記載されている識別点に加え、‘ジシギバーダー’が注目している識別点を写真で示してみました。これらのポイントで、どの種にどのような傾向があるのかは、実際にフィールドに出て確かめてください。

| a | 嘴 | 長さは? 太さは? 色は? 形状は? |
| b | 側頭線 | 色は? 太さは? 額で細くなるか? 嘴に接合するか? |
| c | 頭 | 大きさは? 形状は? 頂点の位置は? |
| d | 眉斑 | 色は? 暗色小斑はあるか? 太さは? |
| e | 過眼線 | 太さは? 長さは? 眼より後ろで明瞭か? 眼より後ろで2本に分かれるか? |
| f | 過眼線 | 太さは? 長さは? |
| g | 眉斑 | 色は? 太さは? 眼より後ろで明瞭か? |
| h | 目 | 位置は? 大きさは? |
| i | 胸 | 地色は? 暗色斑の色は? 暗色斑の太さは? 胸のボリュームは? |

| j | 額 | 側頭線の細くなり具合は? 額の出っ張りは? |
| k | 側頭線 | 嘴に接合するか? 左右の側頭線は嘴の上で接合するか? |
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| l | 肩羽 | 成羽か幼羽か? 羽の形状は? 羽縁のパターンと太さは? 軸斑内の褐色の模様のパターンは? |
| m | 中雨覆 | 成羽か幼羽か? 模様は? 黒色部の大きさは? 淡色部の色は? 肩羽とのコントラストは? |
| n | 大雨覆 | 成羽か幼羽か? 模様は? 黒色部の大きさは? 淡色部の色は? 中雨覆とのコントラストは? |
| o | 三列風切 | 成羽か幼羽か? 模様は? 黒色部の大きさは? 淡色部の色は? 長さは? |
| p | 尾筒 | ボリューム感は? 上尾筒のパターンは? 尾羽の突出量は? |
| q | 脇腹 | 暗色斑の太さは? |
| r | 足 | 色は? 太さは? |

| s | 初列風切 | 形状は? 羽の並びは? 翼式は? 羽軸の色は? |
| t | 尾羽 | 赤色部の大きさは? 外側尾羽の形状は? 外側尾羽の色・パターンは? 枚数は? ボリューム感は? |
| u | 尾筒 | ボリューム感は? 上尾筒の色、パターンは?
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| v | 初列風切 | 形状は? 羽軸の色は? |
| その他 | 大きさは? 体型は? 重心は? 環境は? 季節は? 行動は? 声は? エスケープフライトは? など |
多くの識別点を挙げましたが、どれも決めてになるものではありません。尾羽の枚数や形状でさえ個体差はあるし、換羽による摩耗や脱落を考慮しなければなりません。
しかし、これらすべての点の種類ごとの傾向を把握し、野外観察時に確認できれば、ほとんどの、いや、全部の個体で、野外識別は可能と思います。
とは言っても・・・実際には野外観察においてこれらすべての点を確認することは容易ではありませんので、できるだけ多くの識別点を確認し、「総合的に」判断することになります。潔く諦めて、gallinago sp.とする勇気も必要でしょう。
注 : 写真は3枚とも別個体のチュウジシギ